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カテゴリ: 雇用

office-620817_640 かつては学校を卒業すると、基本的には正社員として企業に就職し、いわゆる非正規労働者は補助的な労働に従事するという形が通常だったものが、近年、非正規労働者の増加により、雇用形態の多様化が進んでいます。これにより、無期転換ルールや同一労働同一賃金などの非正規労働者の労働条件改善に向けた政策が打たれるようになっています。

 そして昨年は働き方改革の中で、副業・兼業の解禁という議論が行われ、今後、副業を行う者の増加が予想されています。しかし、この年末、現実はそれを遥かに超えるスピードで変化しているということを感じる出来事がいろいろありました。

 まずはいわゆるクラウドワーカーの増加です。当社である仕事をクラウドワーカーの方に発注しました。この方は本業を持って、週末や夜に副業としてクラウドワーカーとして仕事を受けているということでしたが、その仕事のレベルは非常に高く、またメール等でのやり取りも迅速なので、ストレスを感じるようなことは皆無。そして、報酬もリーズナブル。今後、更に様々な分野でこうした方々の力を借りようと思った出来事でした。こうした労働力を活用する立場としては非常によい成果を得た訳ですが、一方では、こうしたクライドワーカーで対応できる業務というのは、徐々に報酬の単価も下がっていく怖さも感じましたし、定型作業を中心に雇用するのではなく、外部に委託した方がよいという考えが強まることで、社会全体の雇用機会が減少する危険性も実感しました。

 そしてもう一つの出来事が、大学時代のクラブの後輩と年末に飲んだときの話です。現役学生の彼はある分野のエンジニアですが、在学中であるにも関わらず、複数の企業から業務委託などの形で仕事を請け負っていました。卒業後の進路について聞くと、特定の企業には雇用されず、複数のプロジェクトを掛け持ちし、業務委託で仕事をしていくとのこと。近年、優秀な学生は大企業ではなく、ベンチャーやNPOに就職するといった話は聞いていましたが、そもそも雇用されない生き方を在学中から志向しているということには驚かされました。

 このように今後、労働の提供形態は必ずしも雇用ではなく、様々な形が生まれてくることになるでしょう。厚生労働省でも昨年、「雇用類似の働き方に関する検討会」が行われ、その報告書も出されていますが、今後はそうした働き方に対する法的保護をどのように行うのか、社会保険の仕組みをどのように適用するのかなどの議論が進んでいくことになるでしょう。また企業としては、そうした専門性の高い労働者をどのように活用していくのかも重要なテーマになっていきます。まずはクラウドワーカーとの協業を経験してみる。このあたりから始めてみられてはいかがでしょうか?


参考リンク
厚生労働省「「雇用類似の働き方に関する検討会」報告書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000200771.html


「選考時に重視する要素 このブログのアクセスランキングを見ると、2016年11月24日のブログ記事「企業が新卒学生に求める能力の1位は13年連続で「コミュニケーション能力」」が常に上位に入っています。そこで今回はこの記事で取り上げた経団連の「新卒採用に関するアンケート調査結果」の最新版(2018年度)を取り上げましょう。なお、この調査の対象は経団連企業会員 1,376社で、回答社数は597社となっています。

 これによれば、選考時に重視する要素の上位15項目は以下のようになっています。
1位 82.4% コミュニケーション能力
2位 64.3% 主体性
3位 48.9% チャレンジ精神
4位 47.0% 協調性
5位 43.4% 誠実性
6位 35.2% ストレス耐性
7位 23.6% 論理性
8位 22.1% 責任感
9位 19.8% 課題解決能力
10位 17.1% リーダーシップ
11位 15.0% 柔軟性
12位 13.5% 潜在的可能性(ポテンシャル)
13位 12.0% 専門性
14位 11.1% 創造性
15位 10.9% 信頼性

 図表のグラフは上位5項目の推移となっていますが、「コミュニケーション能力」は16年連続で1位となりました。かつてはコミュニケーション能力も他の項目と拮抗している時代もありましたが、現在では圧倒的1位となっています。携帯電話の普及率の上昇と概ね比例し、コミュニケーション能力を求める比率が高まっているのは面白い傾向のように思います。
関連blog記事
2016年11月24日「企業が新卒学生に求める能力の1位は13年連続で「コミュニケーション能力」」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/48903844.html?ref=popular_article&id=5743513-4974029

参考リンク
経団連「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf

ファストフード お盆休み中のある朝のファストフード店。初心者マークを名札につけた外国人店員が接客で四苦八苦していました。日本語は日常会話ができる程度ですが、まだ端末の操作に不安を残す状態。

 確かに少し手間取ってはいましたが、高齢者の客がその状態を責め、まるで嘲笑するような態度を取っていました。これ以上ひどくなるなら注意しようと思うレベルで、その責めるような言い方が、その外国人店員を焦らせ、よりミスを呼んでいる悪循環。

 少子高齢化により労働力人口の減少が止まらない日本において、今後、外国人労働者は増加の一途を辿ります。そんな環境においてはサービスをしてくれる外国人労働者、そして一緒に仕事をする外国人労働者とどう付き合うかは日本人にとって大きな課題になります。この高齢者のように熟練の日本人店員が行うような仕事を期待するのではうまくいくはずがありません。ある意味での緩さを許容し、見守ることができなければ、彼らに頑張ってもらうことはできないでしょう。特に職場での差別的取り扱いやハラスメントの増加は容易に想定され、その対策が不可欠です。これまで島国でいられた日本が「明治以来の開国をする」くらいの変化が起こるでしょうし、その新たな日本への適応が求められます。

 今日の高齢者は将来、介護施設で外国人介護士の介護を受けることになるのでしょう。幸せな老後を過ごすためにも、いまの態度を改めてもらいたいものです。

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