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カテゴリ: 助成金

今後注目の勤務間インターバル制度 過重労働対策の重要性がますます高まっています。厚生労働省は学習院大学の今野先生を座長とする36協定に関する有識者検討会を9月に立ち上げ、来年3月末までに労働時間の上限規制のあり方について報告書をまとめるという話などが出ています。

 こうした動きに加え、ここに来て、勤務間インターバル制度への注目が高まっています。この制度は終業時刻から翌日の始業時刻までの間に一定の時間を空け、急速時間を確保するというものです。もっとも有名なのはEUの例ですが、原則として「11時間の休息期間を設けること」が求められています。国内では2015年7月10日のブログ記事「KDDI 過重労働対策として11時間の勤務間インターバル制度を導入」で取り上げたように一部の企業でも導入されています。

 この勤務間インターバル制度は、次の臨時国会でも審議される改正労働基準法案に盛り込まれている高度プロフェッショナル制度(いわゆるホワイトカラーエグゼンプション)の導入要件(選択的措置)の一つとされていますが、ここに来て、助成金制度を活用し、その導入を促進する動きが出てきています。先日、厚生労働省は「平成28年度厚生労働省第二次補正予算案の概要」を公表しましたが、その中で以下の助成金制度の予算要求が行われています。
長時間労働の是正に向けた勤務間インターバルを導入する企業への支援 34百万円(特別会計)
 企業における勤務間インターバルの導入事例集の作成や各種広報等の支援を行う。
 この助成金の詳細はまだ公式には公表されていませんが、各種報道によれば、「職場意識改善助成金」を拡充し、新たなコースを設けるとのことで、勤務間インターバルの徹底が達成されれば、50万円を上限に対象経費の4分の3を補助する方針となっているようです。

 過重労働による健康障害の防止のためには一定の睡眠時間を確保することが重要ですので、この勤務間インターバル制度の導入は非常に有効な対策となるでしょう。こうした助成金がきっかけとなり、普及が期待されます。ちなみに当社では、夜9時以降、そして朝7時以前の勤務を原則禁止としていますから既に10時間の勤務間インターバルを取っていることになります。場合によってはこれをインターバルとして制度化することも検討したいと思っています。

関連blog記事
2015年7月10日「KDDI 過重労働対策として11時間の勤務間インターバル制度を導入」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/44656706.html

参考リンク
厚生労働省「平成28年度厚生労働省第二次補正予算案の概要」
http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/16hosei/02index.html

助成金 労働契約法による無期転換ルールへの対応、人材不足への対策として、いわゆる非正規従業員を正規の従業員に転換する企業が増えています。それを促進するために国としてはキャリアアップ助成金を拡充していますが、東京都ではそれに上乗せした助成金を用意しています。その内容は以下のとおりです。
有期契約労働者等から正規雇用労働者への転換または直接雇用
 国 60万円(45万円)
 都 50万円(40万円)
 合計 110万円(85万円)
有期契約労働者等から無期雇用労働者への転換または直接雇用
 国 30万円(22.5万円)
 都 20万円(15万円)
 合計 50万円(37.5万円)
無期雇用労働者等から正規雇用労働者への転換または直接雇用
 国 30万円(22.5万円)
 都 30万円(25万円)
 合計 60万円(47.5万円)

 さらに、正規雇用等に転換した労働者を中小企業退職金共済制度に正規雇用の従業員として加入させた事業主に対しては、都が独自に10万円を加算するという仕組みも用意されています。この東京都の助成金「東京都正規雇用転換促進助成金」の詳細は以下のパンフレットをご覧ください。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/04/DATA/20q4f301.pdf

 今回は東京都の助成金をご紹介しましたが、こうした取り組みは全国各地の自治体でも行われている場合があります。国の助成金だけではなく、地元の情報もチェックすることをお勧めします。


関連blog記事
2016年4月5日「キャリアアップ助成金のご案内(リーフレット)」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51400055.html
2016年4月5日「キャリアアップ助成金のご案内(パンフレット)」
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51400058.html
2016年3月2日「無期転換などの対応で今年は本当に使えるキャリアアップ助成金」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/46953425.html
2016年2月24日「無期転換ルールへの対応 まだまだ時間があると思っていませんか?」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/46906314.html

参考リンク
東京都「正社員化に取り組む企業への助成金を拡充します!」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/04/20q4f300.htm

lb09141 私は普段、助成金の申請代行は一切行なっておらず、お客様へは情報提供に止めているのですが、今年はキャリアアップ助成金を大注目しています。というのも、パートタイマーなどの有期契約従業員を雇用している企業では、これから様々な対応を行なう必要がありますが、その際にこの助成金が後押ししてくれることになりそうだからです。以下ではいくつかの典型パターンについて見てみることにしましょう。
労働契約法の無期転換ルールへの対応
 いよいよあと2年で、改正労働契約法施行から5年を迎え、多くの有期契約従業員のみなさんに無期転換申込権が発生することになります。法律が議論されていた頃は、如何に問題なく、5年で雇い止めするかが論点となっていましたが、人手不足の環境に変わり、今後は雇用確保のために無期転換を積極的に検討しなければなりません。そんなときに活用できるのが、キャリアアップ助成金の「正規雇用等転換コース」です。例えば、有期契約従業員を無期契約に転換させた場合には1人当たり30万円(中小企業以外は22.5万円)、正社員に転換する場合は1人当たり60万円(45万円)の助成金が支給されます。
求人難による時給引き上げの対応
 最近は求人難からパートタイマー等の時給の見直しを行っている企業も多いと思います。そんなときに活用できるのが「処遇改善コース」です。こちらはすべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給テーブルを改定し、2%以上増額させた場合に、1人当たり1.5万円(1万円)から3万円(2万円)が支給されます。
社会保険被保険者範囲の拡大による労働時間延長への対応
 今年10月から社会保険の被保険者範囲が週20時間まで引き下げとなります(移行措置あり)。これにより、社会保険に加入しなければならないのであれば手取り賃金が減ることもあり、もっと働きたいという希望が出てくることでしょう。そんな場合に活用できるのが「短時間労働者の週所定労働時間延長コース」です。有期契約労働者等の週所定労働時間を25時間未満から30時間以上に延長した場合、1人当たり10万円(7.5万円)が支給されます。

 このように現在の環境で普通に対応を行なう際に、利用できる様々な助成金があります。また研修を実施する場合には「人材育成コース」も活用できるでしょう。お金を目的に助成金を利用しようとするとおかしなことになることが少なくありませんが、以上のような状況であれば有効に活用できるのではないかと思います。以下より、キャリアアップ助成金のリーフレットをダウンロードできますので、是非ご利用ください。
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51398146.html
詳細が記載されたパンフレットはこちら
http://blog.livedoor.jp/leafletbank/archives/51398674.html

 なお、無期転換を行う際には、5年を超えて契約を更新する従業員の選定ルールや転換後の労働条件などの整備など様々な課題があります。その法的論点を整理するため、以下のセミナーを企画しました。こちらにつきましても多くのみなさんのご参加をお待ちしております。ちなみに今年も深石圭介社労士の助成金セミナーも全国4会場で行います。そちらは近日受付開始します!

非正規従業員比率4割!タイムリミットまであと2年弱 今回は完全録音禁止のライブのみ!
無期転換申込み制度への対応に必要な法的知識と社労士としての提案法
~深刻な求人難の時代に雇用リスクを回避しながら、安定的に雇用を確保する限定正社員、多様な正社員をめぐる課題
 講師:倉重公太朗氏 安西法律事務所 弁護士


無期転換申し込み制度への対応に必要な法的知識
・労働契約法18条(無期転換制度)について、無期転換権の行使をめぐる法的留意点とは
・労働契約法20条(不合理な労働条件の禁止)について、正社員の労働条件との均衡をどう考えるか 等
無期転換申し込み制度への具体的な対応と実務
・無期転換前に雇い止めを行う際の注意点
・無期転換後の労働条件の考え方、無期転換による不利益変更をめぐる問題
・無期転換に対応した就業規則等の整備(他の就業規則との整合性)
・無期転換制度導入フロー、運用における留意点、定年後再雇用者への対応 等
今後の有期労働者の雇用管理のあり方
・企業に予想される今後の状況にどう対応するか(限定正社員、多様な正社員をめぐる課題) 等

[日時および会場]
東京会場
2016年5月11日(水)13時30分~16時30分
 日本教育会館 第二会議室(神保町)
大阪会場
2016年6月10日(金)13時30分~16時30分
 エルおおさか南ホール(天満橋)
名古屋会場
2016年7月26日(火)13時30分~16時30分
 名南経営本社セミナールーム(名古屋駅・JPタワー名古屋34階)
福岡会場
2016年7月25日(月)13時30分~16時30分
 JR博多シティ 9階1会議室(博多駅)

[詳細およびお申込]
 以下よりお願いします。なお、LCG会員のみなさんは専用サイト「MyKomon」よりお願いします。
https://www.lcgjapan.com/seminar/sr-kurashige20160511/


関連blog記事
2016年2月24日「無期転換ルールへの対応 まだまだ時間があると思っていませんか?」
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/archives/46906314.html
2015年10月28日「厚生労働省から公開された無期転換制度の導入事例」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52088202.html
2015年3月31日「有期雇用特別措置法連載(2)特例が適用される対象者とその期間」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52068959.html
2015年3月26日「有期雇用特別措置法連載(1)労働契約法の特例と適用する際の流れ」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52068549.html
2015年3月24日「2015年4月施行の有期雇用特措法の通達が発出 いよいよ動き出します」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52068434.html
2015年3月2日「4月に施行される有期雇用特別措置法のパンフレット ダウンロード開始」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52066505.html
2014年6月16日「無期労働契約転換申込権発生前に実施する能力試験と雇い止め」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52039484.html
2013年10月25日「改正労働契約法の無期転換ルールの対応で11.9%が契約期間の上限を設定」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52013725.html
2013年2月15日「[改正労働契約法]無期転換時に「転勤あり」を条件としてよいか」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51978815.html
2013年2月7日「[改正労働契約法]定年後の継続雇用で通算5年を超えた場合に無期転換ルールは適用されるか」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51977623.html
2013年1月29日「[改正労働契約法]無期転換の申込みができることを労働者に伝えることが必要か?」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51976292.html
2012年12月6日「改正労働契約法により無期転換する場合のクーリングの考え方」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51967577.html
2012年10月29日「改正労働契約法パンフレットのダウンロード開始!」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51960265.html
2012年9月4日「改正労働契約法のリーフレットが公開されました」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51951036.html

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