是ちゃん誕生日おめでとう!これからもガッタスの代えの効かない大黒柱としてお願いします。
というわけで、10月の駒沢大会で見た「チームとしてのガッタス」について多少書きたいと思います。
まずチームとしての話をするのにポイントとなるのが「3試合 5得点 無失点」という結果。
こう見ると「完勝」というイメージが強いですが、実際は5得点のうち4得点がセットプレー絡み(残る1点も明らかに格下のファンタ戦でのゴール)。これと「無失点」というポイントが今のガッタスというチーム状態をよくあらわしてると思います。
つまり「個人技では劣るけど、努力で勝つ」というチームが見えてきます。
まず守備についての話をしますが、サッカー(とりあえず「フットサルも含めて」という意味でサッカーと表記します)では、「攻撃より守備の方が上達が早い」と言われています。
このいちばん大きい理由として、攻撃はボール扱いという要素がありますが、守備は「原則のポジションに入って原則に合わせて体を動かすだけ」でいいからです。更に、きれいな形でボールを奪えなくても、GKがギリギリで弾いても、ゴールさえ奪われなければ「守った」事になるからです。まあ、レベルが上がっていくとマークの受け渡しとかボールの無いところでの動きが大切になって来ますが、今の大会レベルでは第一段階である「1対1の守備」が出来てれば十分だと思います。もう一つ付け加えれば、今のレベルだときっちり守備の対応をしていれば、相手がボールコントロールを失敗して自爆する可能性もかなり高いです。
つまり、簡単に言うと守備に関しては「いかに練習しているか、その練習を忠実に実行してるか」がポイントになります。
攻撃はその逆に練習の成果が出にくい部分です。特に初期の方は。
守備が「とにかく結果としてどこがで止めればいい」という目的に対し、攻撃は「ゴールに入れる」という結果を出さなければいけません。もちろん攻撃にも「プレーの原則」はありますが、守備に比べれば原則通りになる場合は半分以下くらいだと思います。
当然ながら単独のプレーだけでは難しく、相手の守備を受けつつ、パス・ドリブル・ポジショニング・トラップ・シュートをチームメイトと高いレベルで組み合わせて積み重ねないとゴールは生まれません。ただ、それが低い段階でボールをカットされる事が多いと、見てる側からしたら「上手く行っていない」というイメージが強くなります。
そこでポイントとなってくるのが、サッカーで一番の問題である「足でのボールコントロール」です。まず、普段は作業には使わない足でボールを色々コントロールすること。これがサッカーが経験者と初心者の差が大きくなる要素だと思います。ただ、これは今のレベルであれば練習で十分埋められるものだと思います。
しかし、今のガッタスの周りではあまり目立たない話ですが、更に細かく言うと実際の一番の問題だと僕が思っているのは、ちょっと上手い言葉がみつからないのですが「ボールプレーのつなぎのプレー」だと思います。
例えばある程度練習すればキック・トラップはそれなりに上達し、それなりに思い通りの場所に蹴ったり、そこそこ強いボールもトラップが出来るようになると思います。ただ、それは「キックだけ」「トラップだけ」の話です。
試合ではセットプレー以外で止まったボールを蹴る機会はほとんど無いですし、攻めている時(相手コート内で)はフリーな状態でボールを蹴ることすらほぼ無いです。トラップも同様です。
つまり、クーマン並みのキック力を持っていても、ベルカンプ並みのトラップ技術を持っていても、それだけでは試合の中では生かしきれず、大切なのは「それを次のプレーにどう生かすか」という事です。
トラップにしても「ただ止めるだけ」ではなく、むしろ「次のキックがしやすい場所にボールを動かす」という意識が必要と言われます。キックにしても、いかにフリーに近い状態でキックが出来るように事前に動くか、という意識が必要です。そして、そのためのプレーが、僕が以前に書いた「予備動作」という話です。
ただし、この辺の要素の問題は、言われたからと言ってすぐに出来ないところ、或いはセンスが必要なところ、なのです。
ここが「サッカーの上手い人」「上手く無い人」の差をつける最大の要素だと思っていて、初心者が経験者に比べて動きがぎこちないのはこの辺から来てると思います。
ガッタスに関して一番欠けているのはこの部分だと思います。
セットプレーのように練習しているシチュエーションと同じで止まったボール(或いは蹴りやすい状態のボール)であれば、今回の梨華っちや里ちゃんや柴ちゃんに見られるように、今までまじめに練習して来た事を証明する見事なキックが出来るわけですが、あれと同じようなシュートが試合の流れの中で見られたことはありませんでした。
そして、攻撃に関して更に付け加えるなれば、基本的には守備のように「(1対1で)負けなければいい」ではなく「勝たなくてはいけない」わけで、そのためにはやはり「個人能力」つまり「なんらかの+αが必要」って事です。それはボールコントロールが上手い、視野が広いという「センス」の部分か、足が速いとか、体がよく動く等の「身体能力」の部分です。僕はある程度の年齢からサッカーを本格的に始めた人を多く知っていますが、アタッカーとして結果を出している人の多くは、上で挙げた何らかの「+α」を持っています。
残念ですが、よっすぃーやミキティに今のところそういう「センス」的なものは見られませんし、テクニック、スピードに関しても同様です。なのにドリブルを多用しようとするので攻撃が上手くいかないのですが・・・。そもそもドリブルで相手を抜けるのは是ちゃんや小島や庄子やらの学生時代からの経験者で(更に付け加えれば、女子の場合はある程度センスがある子じゃないとサッカー続けないだろうし)、その子達も守備の基礎レベルが上がってきた今大会では一人抜いても二人目を抜ききる場面は少なくなってきたと思います。
今のガッタスの攻撃陣でその辺が見られるのは、あさみくらいで、「センスがある」とまでは言いませんが、スピードがあって体はよく動くし、自分の出来ることと出来ないことをある程度はわきまえているので(縦勝負が無理なら早めに後ろに戻す等)、大会を見た僕の知ってるコーチ二人が「よかった選手」としてあさみを挙げてるのは、ある程度納得いく話です。
そういう意味では同様にスピードがある辻ちゃんをアタッカーとしてコンバートするのは理にかなった話ではあるんですが(ただ、現状ではGKとの両立や動き方の徹底等問題が多いのも事実です)。
この「個人能力は劣るけど、守って守ってセットプレーで1-0で勝つ」というスタイルは、CLでのメガクラブ相手に勝ち進む中堅クラブや昔の日本代表を思わせて、「王者なのにまったく王者らしくない」というところが、サッカー的にはかなりおもしろいところなんですが。
ただ、正直な話をすると、今のガッタスというのは頭打ちの状態になっていると思います。問題は攻撃に発展が見られなかったこと。まあ、ファンタ戦の1点目への流れが今取り組んでいることで、今回はまだ上手く行かなかったというのであれば話は違ってくるんですが、他の試合ではそういう場面はちょっと見られなかったので・・・。
攻撃は個人能力に負うところが大きいとはいえ、動きの質と量・連動性はまだまだ改善の余地はだいぶ残されてると思いますので、そこをどうして行くのか、というところですね。逆に言えば、上位組で個人能力に劣るガッタスとしては「組織としての攻撃の動き」のレベルが上がってこないと今後は厳しい戦いになると思います。
そういう意味で、閉会式でよっすぃーが「優勝したけど悔しい」というコメントには「よく言った!」というよりは、「それならまずボールの持ちすぎ直そうよ!」と思わず苦笑というか心の中で突っ込んでしまった話ですが(笑)
次回はスフィアリーグや次のガッタス本等について書きたいと思います。