2005年11月

2005年11月30日

ローリングストーンズを見ろ!

 開店休業状態が続いていた「共謀罪ブログ」だが、ここにきて西村仁美さんが2れんちゃんで書き込んでくれたりして、少しは「らしく」なりつつあるのかしらという感じである。

 もっともその西村さんはというと、近々取材でチベットまで行ってしまうそうなのだけども、彼女にはできることなら旅先からでもぜひぜひ、赤裸々な日記でも赤痢の日記でも何でもいいからレポートしていただきたいものですね。だって、他はほんとにみんな書きこんでくんねーんだもん(泣)。

 当面「共謀罪に反対する表現者たちの会」の活動としては、来年の1〜2月をめどに共謀罪法案についての「模擬公聴会」を実施する予定であるほか、「共謀罪出前講師派遣プロジェクト」と称して、会のメンバーを全国各地の勉強会などに講師として送り込むことで問題についての理解を深めてもらおうという話がひとつ。

 それと、共謀罪に関するブックレットを作ろうということで、これはそろそろ具体的に動き出しそうな状況だ。あとはこのブログをさらに発展させる形で、会としての本格的な公式ホームページを作ろうということなんだが、これは引き続き私が仰せつかることとなっておりますので、努力します、はい。

 そうそう、近々の動きとしては、さる10月22日に渋谷の宮下公園で行った「共謀罪反対ストリートパフォーマンス」の模様を収録したDVDが販売または配布されることになった。

 会のメンバーである“自給自足ミュージシャン”ことZAKIさんや、元朝日新聞記者の烏賀陽弘道さんらの「シャーマンズ」ほかの演奏、野田敬生さんや山岡俊介さんらの講演や、桃色ゲリラほかのパフォーマンス等々を収めた豪華版(になる予定)。ちなみに、当日カメラマンとしてビデオ撮影にあたったのは私で、なしくずしに本作品は私のカメラマンとしてのデビュー作になってしまうのだった(笑)。編集を担当したのは、一人で警察を敵に回しつつ大車輪の活躍を続けるジャーナリスト・寺澤有さんである。

 さらに、前にも書いたように「共謀罪シミュレーション映画プロジェクト」というものもプランにあがっている。会のメンバーたちを中心に役者を揃え、寺澤さんの脚本で作ることになりそうなのだが、これははっきりいってどういうものになるのやら、現時点では私にもまるで想像がつかない。ただ、先日白石さんにこの話をしたら「おもしろそう!」と言っていたし、実現の暁にはアワプラを通じて全世界に向け一斉公開! てなことになるかもしれない。

 ――とまあ、私自身も書きながら「なかなか盛りだくさんだな」と思わず感心してしまう「共謀罪に反対する表現者たちの会」なのだが、一方で会のメンバーである私自身の感想を言ってしまえば、「よくもこの集団がここまで持ちこたえてこられたものだな」と思うし、「はたして今の懸案事項のうちのいくつかが実際に走り出すんだろう」と半信半疑かつ興味津津といった心境で付き合っている。

 というのもこの会、組織としてはよくも悪くも全然まとまりがない(笑)。

 基本的にこの会、主にフリーランスのライターたちが集まることで成り立っている。が、そもそも「フリーライター」というのは(私も含めて)「組織の一員として働きたくない」「群れたくない」からこそこの仕事を選んだという人間が大半なのであって、そんな連中が集まって組織的に何かをやろうとしたところで、はなからスムースに行くわけがないのだ。

 実際、メンバー間で回しているメーリングリストでは今なお、事務的な細かい諸々の確認事項をめぐって、本当に喧嘩まがいの応酬が日々繰り返されていたりする(笑)。10月20日に行った衆議院議員会館での院内集会にしても、当時メンバーだった某誌の駄編集長が勝手に「集会の連絡先は私のところへ」との案内を勝手にマスコミ各社へ流して大ヒンシュクを買い、メーリングリスト上でバッシングを浴びまくるという一幕があった。ここ数日間も、上記のDVDの末尾のクレジットをめぐってドッタンバッタンギッタンガッタン的な言い争いがML上で続いたし、これが会社内の企画会議とかならスマートに穏便にスルーできるだろうという話が、ここでは逐一トラブルの種になったりするあたりが実に面白い(笑)。

 先日の会合の後の飲み会でも、メンバーそれぞれが勝手に注文して収拾がつかなくなったりする場面があった。メンバーの一人である元留学生が無事に就職が決まったということで開いた酒宴だったが、はっきり言ってこれから社会人になろうという若者にはまるで手本にならないだろうなというバラバラさ加減であった。でも、こういうのって、むしろ今時貴重なんではないか?

 いや、別にこれは皮肉で言っているのではない。というのは、フリーライターなどという極めてワガママで自分勝手で「チームワーク」など大嫌いな連中であっても、「共謀罪」というダラシない法案に異議申し立てをするという目的のもとには取りあえず集まって何かをやろうと考えるのだ――といえるし、むしろイデオロギー的に一色に塗りつぶされた連中でない奴らがこういうことをやってると示せたほうがいいと思うからだ。

 組織の中でなんかは絶対にやっていけないし、いつバラバラになってもおかしくない連中なのに、なぜかひとつに集まってやってるぞ、という連中が、考えてみれば一番強いよね。ローリングストーンズを見ろ! ということで(笑)、どうか今後ともよろしく。 

ourplanet_iwamoto at 23:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0) フリーライター | ジャーナリズム論

2005年11月28日

「FMわぃわぃ」スタジオにて

4c035298.jpg 神戸市の新長田駅前、震災復興で建てられた大規模商業施設「アスタくにづか」の2階に仮移転した「FMわぃわぃ」のスタジオにて。

 つい最近まで鷹取教会の跡地に建っていたあのプレハブ棟のスタジオを想うと、あまりの変貌ぶりに驚嘆することしきり――だった次第だが、構えたカメラの前に突然こういう人が出てくると、はるばる神戸までやってきたという感慨から何からが一発で吹き飛んでしまうではないか(笑)。

 プロデューサーの金千秋さんによれば、新社屋の完成後もできればここはサテライトスタジオのような形で残したいという。商店街を訪れる買い物客や若い人たちがふらりとのぞきに来ることも多いとか。街と共に生きていくコミュニティFM局にとって、確かにそれは貴重な財産であるに違いない。

ourplanet_iwamoto at 22:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 写真日記 | アワプラ話

2005年11月25日

ちょうど1年ぶりの神戸から

 神戸に来ている。去年のちょうどこの時期にも取材のため数日滞在していたせいか、何やら途中で止めたビデオをずいぶん久々に再び回し始めたみたいな妙な気分で、ついさっきまで街中をほっつき歩いていた。前回はあまり回れなかった中華街にも顔を出し、屋台で買った一皿200〜300円の水餃子やラーメンをほおばった。好! 道行く人々を眺めながら、1年前の来訪時の記憶に思いをはせる。

 今回は、明日あさってと市内で開催される「多文化な市民メディア交流のつどい 多様なマイノリティによる表現活動の10年」に出席するためにやってきたわけだが、それがなんで前日からの神戸入りになったのかというと、実は去年の出張の際に取材先から借りっぱなしだった資料をこの際だから直接手渡しで返したいと考え、だとすれば平日で会社が開いている今日のうちに来るしかない――という、いかにも間抜けな理由からだった。まったく、そんなになるまで手元に置いとかずにさっさと宅配便で返しゃよかったじゃんよと言われれば本当にその通りで、ひたすら自分のズボラさと行動の無計画さを痛感するばかりだ。

 ただ正直に言ってこの資料、なんだかそうそうすぐに返したくないなというところがあって、ここまでそのままになっていたというところもなしとしない。

 まあ、図書館から返却期限が過ぎて督促状を貰ってる本の紹介文を書くようなもんなので、本当ならあまりこういうところで書かないほうがいいのかもしれないけれども、『RADIO(AM神戸69時間震災報道の記録)』(ラジオ関西−AM神戸−震災報道記録班 編著 長征社 刊)というのがその本のタイトルだ。A4判で284ページの、分厚くずっしりと重い本だが、中身のほうも実にというかめちゃくちゃ重い。表題にある通り、そこに描かれているのは1995年1月17日早朝、あの阪神・淡路大震災の発生直前から放送された災害特別番組の、約4日間にわたる全記録なのだ。

 ラジオ関西(AM神戸)の本社は当時神戸市内の須磨区、つまり震災の被害がもっとも大きかった地域にあった。同社の社屋も後の罹災証明では「全壊」とされるほどの被害を受けたわけだが、社員たちはその後も余震による建物倒壊の危険があったスタジオで不眠不休の震災報道を行ったのだ。便りの綱になったのは、1回線だけ奇跡的に生き残ったリクエスト用の着信専用電話回線。

 そう、ラジオ関西は日本のラジオにおける「電話リクエスト」発祥の局でもあった。災害によってほとんどの機能が麻痺してしまった中で、彼らが自分たちに今できる数少ないこととして全精力を傾注したのが、電リク機能を使ってリスナーからの情報を収集し、それを地域内に向けて発信するという作業だった。通信手段がほぼ途絶した被災地において、この放送は大いに役立ったと言われる。実際、同局には家族や知人の安否を問う声、あるいは逆に自分の安否を知らせる声、救援物資がどこに行けば入手できるかといった情報、さらには「あちこちでガス漏れが相次いでます。タバコを不用意にすわないでください」等々……。

 それにしても、である。圧倒的なボリュームに思わずため息が出てしまう。何しろ69時間の放送内容をほとんどそのまま活字に起こしたということで、分量的にも半端ではないのだ。横書きの本文は1ページにつき30字×60行の2段組み、つまり1ページだけで400字詰め原稿用紙9枚分もあるから、全体では2400枚ぐらいにも上るだろうか。しかも写真は1点もなく、ひたすら活字だけがずらりと並んでいるのだが、これを少し斜め読みしただけでも思わず胸がつぶれそうになってくる本だ。

 −−などと書き出すとまた延々と長くなってしまうので(今日は市内のネット喫茶で書いているので、あんまり長居するわけにはいかない)この辺でやめておくが、この本、何しろ定価が1万8000円と値が張るのに加えて、部数自体がかなり限られているらしく、さすがに書店などで入手するのが困難だ。私も取材でお会いしたラジオ関西の方に「手持ちが限られていますので……」ということで貸していただき、にも拘らず今日まで1年も借りっぱなしにしていたという不届き千万な男なのであるが(今林さん、瀧さん、本当にすみませんでした。今日も結局お目にかかれず、お返ししただけで引き上げてしまうことなり申し訳ないです)、国会図書館や放送関係のライブラリーなどには蔵書があるかもしれないので、関心のある方はぜひ当たってみてください。

 そんなこんなで、わざわざ神戸まで来て書かなくてもよさそうなことを書いたところで本日は終わり。なお、上記の「交流の集い」は明日あさってとアワプラが会場からストリーミング中継を行うのだそうだ(という話が例によって直前になって突然白石さんから舞い込んできた)。お時間のある方はぜひ「FMわぃわぃ」公式サイト経由からでものぞいてみてください。白石さんもはっしーも今頃もう神戸入りしているのかな?

(「岩本太郎ブログ」と同時掲載)

ourplanet_iwamoto at 22:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 事件・事故報道 | アワプラ話

顔のないドラマ

 しかし「共謀罪ブログ」、依然として誰も書き込まないな……。「西村仁美の赤裸々な私生活日記」はいったいどうなったのだ!

 それはともかく先の日記に書いた「『共謀罪』映画プロジェクト」について。これは会のメンバーの一人である寺澤有さんが言い出した話で、ようするに「共謀罪」っていうのが一般的にまだまだわかりにくいから、ドラマや映画のようなストーリーを持った映像作品を仕立てることで対外PRに活用しようということらしい。

「え、それってこの会(共謀罪に反対する表現者たちの会)のメンバーが役者として出演するわけ?」
「そう。んで、岩本さんはテロリストの役ね」
「俺、死体の役とかでいい」

 という話を先日もしてきたわけであるが、他にも西村さんをヒロインにしようとか、会の中では年長メンバーである安藤さん(なかなかにチャーミングな女性なのだが実は既にお孫さんがいたりする)に『水戸黄門』の由美かおるのような入浴シーンをやってもらおうとか、仮にドキュメンタリーでやる場合は某誌編集長をダマして連れてきて、彼が公安警察に逮捕されるシーンを生映像に収めよう等々、酒の勢いでもって好き勝手なことを話し合った次第だ。

 そんな話をしながら思い出したのは、以前に取材した山梨県小淵沢町のCATV局「にこにこすていしょん」のことだ。

 ここは職員数が「掃除係を含めて4人」という最強に少数精鋭の所帯なのだが、にも関わらず四六時中、街のローカルな話題を自主制作し続けているという、やたら素敵なテレビ局なのだ。

 で、ここの先代局長だった中森謹重さんというのがまた面白い人で、地元中学校で「メディアリテラシー」の授業を担当していたりもする。

 ある時、その授業で生徒たちに「どんなテレビ番組が好きか?」と訊ねたところ、やはり「ドラマ」という答えが返ってきた。「ドラマってどんなの?」「やっぱり恋愛ドラマ」「じゃあ、みんなでドラマを作ってみようか」という話になり、女子生徒の1人がオリジナルの脚本を書き上げるところまでこぎつけた。

 ところが問題は「配役をどうするか」だった。そもそも「自分がドラマに役者として出る」なんていうのは小淵沢の中学生にとっては想像を絶する話だっただろうし、ましてやそれが「恋愛ドラマ」でクラスの女子生徒が相手役ともなれば、年頃の男子中学生が積極的に出演しようと思うわけもなく「案の定、彼らは恥ずかしいから嫌だ」と言い出した。けれども、恋愛ドラマでキャスティングが女子しか集まらないのでは話にならない。

 その結果、最終的に彼女たちが編み出した方法は「役者の首から上は写さない(ないしは顔が映らないように背中からのショットにする)」という形で、女子生徒が男役を演じる、というものだったという。当然、このドラマは完成した後に上記「にこにこすていしょん」で放送されたとか。

 これを読んで「そんないい加減なドラマを作ることが世間的に許されるのか!」と義憤に駆られた人がいたとしたら、私としては「世の中に出演者の顔が映らないドラマがあって何が悪い」と言い返そう。

 そもそも、テレビドラマが「万人の視聴に耐え得る完成度を持ったものでなければならない」などと誰が決めたのか。映画に自主制作映画があるように、演劇に素人演劇があるように、雑誌の世界に同人誌があるように、テレビのドラマもそういう具合に素人が見よう見まねで作ってしまって何が悪い! という話なのであった。

 ま、それはちょっと思い出しただけの話をつらつらと書いたまでで、ともあれ「共謀罪」映画、本当にできるんかいな? どうなりますやら……。

(「岩本太郎ブログ」と同時掲載)

ourplanet_iwamoto at 02:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) テレビ | テレビ

2005年11月24日

(告知)リンク集に追加

 都内・神保町だか猿楽町だかのカレー屋さんの二階にある事務所にお勤めの謎(か?)の女性「ponzu」さんのブログ「mita-kiita-sitteru?」を新たにリンク集へ追加。

 さらに、本ブログの11月3日付にも登場している同時通訳者・賀来華子さんの「『海外NGOその他もろもろ見聞録』 〜華の『副業』日記〜
」を同じく新たにリンクへ追加しました。


ourplanet_iwamoto at 23:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)