2011年07月

2011年07月31日

市民メディア全国交流集会『番外編』2011 in 仙台

 仙台の関本英太郎さん(東北大学大学院情報科学研究科教授)から、9月24日(土)に行なわれる「市民メディア全国交流集会『番外編』2011 in 仙台」の公式ウェブサイトができましたとの御連絡を拝受。

 なんで“番外編”なのかというと、本来ならば同じ時期に“本編”をやるはずだったからだ。
「市民メディア全国交流集会」は2004年以来ほぼ年に一回、開催地を全国各地の市民メディアや有志が持ち回りする形で行なわれてきており、今年2011年は仙台の関本さんたちが実行委員会を組織のうえ、例年と同様の9月中に仙台市内で開催することが、昨年の段階で決まっていたのだ。

 ところが間の悪いことに、この春先になって御承知の通りの激甚災害が東日本の太平洋岸一帯を見舞い、仙台市内でも大きな被害が出た(会場予定地の「せんだいメディアテーク」も被災)ほか、実行委員会メンバーの中にも御自身、あるいは御身内が被災されたという方が何人も出ることになってしまった。

 かくなる事態を受け、地元仙台の実行委員会は震災から1か月後の4月中旬、今回の「全国交流集会」開催の返上(中止)を決定。ただ、被災地の当事者であるからこそ、「災害とメディア」といったテーマで何らかのイベントができないかということで引き続き検討を重ねた結果、上述の“番外編”を主催することになったというわけだ。

 関本さんほか実行委員会のみなさんが今春以降さぞや奔走されてきたのだろうなと思うと頭が下がるが、ともあれ9月24日、これをお読みの方々を含めた大勢のみなさんと仙台でお会いできることを、岩本も今から楽しみにしております。どうぞよろしく! ではでは。

ourplanet_iwamoto at 22:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) お知らせ 

2011年07月30日

アワプラin朝日ニュースター……なんだが

 紹介する順番が前後してすまないが、先の水曜日(27日)には都内神宮前の「朝日ニュースター」まで、OurPlanet-TV(アワプラ)制作のレギュラー番組『ContAct』の収録風景を見に行ってきた。

『ContAct』自体は既に5年前からアワプラがネットで定期的に発信してきたニュース番組だが、それが先の7月7日以降、朝日ニュースターという正規のCS放送におけるレギュラー番組としても毎週木曜日の夜23時15分から(しかも再放送が土曜日の夕方と日曜日の早朝に)放送されることになったのだ。ついに一躍マスメディアにも進出! というところだが、一方では番組の編集権や著作権は引き続きアワプラが保持するため、同じ時間帯でもユーストリーム配信や、その後のオンデマンド配信でも従前通り番組を見ることができる。

 この日の収録にゲストとして登場したのは「NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会」の副代表理事・松原明さん。「寄付革命!〜税制改正でお金の使い道が変わる?」
をテーマに、ナビゲーター役で、同じくNPOであるアワプラの代表である白石草さんとの間で「いかに日本のNPOは貧乏か」について、互いの内情をぶちまけながら熱いトークを繰り広げていました。今からでも上記アワプラサイトや朝日ニュースターの再放送で見られるので、関心のある方もない方もぜひご覧ください!

 ……なんだけれども、今日(30日)になって、その白石さんから「朝日ニュースターが来年3月、なくなることになりました」という話をML経由で聞いて愕然。詳しくは以下↓の通りだ。

テレビ朝日、'12年4月よりCS放送を2チャンネル体制に 「朝日ニュースター」運営会社からCS事業を承継

 ようするに朝日新聞傘下の放送事業をテレビ朝日周辺に集めて再構築を図るということなのだろうが……うーん、どうなんだろ。だって、こういうことになると当然、朝日ニュースター時代に流していた番組についても見直しが進むのだろうし、そうした中で、せっかく放送が始まったばかりの「ContACT」などがはたして承継されるものなのか?

 どうもアメリカあたりと同じように、一部の大手資本の手の元にマスメディアがどんどん集約されていき、金のない一般市民が自分たちの思いや見聞をあまねく広く伝えていける放送という見地からはどんどん逆行していっているような気がしてならない。いや、アメリカのほうがまだ「デモクラシー・ナウ!」(これも朝日ニュースターを通じて日本でも放送されてきているが)やDCTV、幾多のパブリックアクセスチャンネルたちが今のところ健気に活動できているわけだが、はたして日本では、そうした放送が今後どれだけ生き残っていけるのかと思うと、なんだか暗い気分にならざるを得ない。

 ともあれ、この「朝日ニュースター」の件、どうも大手メディアも(もとより当事者の朝日新聞も)大きく報じることはなさそうだし、アワプラやデモクラシーナウ!のような貴重なパブリックアクセス番組がはたして今後どうなるのかという点からも注視していくべきだろう。

ourplanet_iwamoto at 23:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) アワプラ話 | 放送の公共性

2011年07月23日

節目

『ぴあ』が終わり、中村とうよう氏(@ミュージック・マガジン)がなくなり、そして明日には58年続いた地上波アナログ放送が(先の震災被災地3県を除いて)終わるという今週末は、何というか時代の節目の週末って感じではありますな。もっとも、だからといって街の風景には何の変わりもないんだろうけど。

ourplanet_iwamoto at 23:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年07月20日

がんばれ海賊放送

 逮捕されたのがタレントのお兄さんで、都内での出来事だったということもあってか、新聞でも割と多めに紹介されているようだ。

タレント鈴木蘭々さん兄を逮捕 無許可でFM局開設 蘭々さん、ゲストとして登場も

 おそらくこうした記事を読んだ人たちの大半は「そうか、やっぱり素人が勝手に電波を使って放送局なんかを始めたら法に触れるんだな」と思ったんじゃなかろうか。

 しかし、現実は決してそんなことはないのだ。

 もちろん記事にある通り、この会社員氏が「総務大臣の許可を受けずに」放送していたことは「電波法」の第四条「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない」 という部分に抵触する。ただし、この電波法第四条には続きがあって

ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りでない

 との断り書きがあって、その第一号には

発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるもの」とも書かれているのである。

 んで、その「微弱な無線局」について「総務省令で定めるもの」をピックアップすると、ほんっとにもう難解でひたすら長ったらしい条文になるのでここでは省略するが、概ね「半径100mくらいに届くレベルだったらいいよ」ということになるそうだ。

 そこに準拠するなら、今回の「FM百草」は約50km先からでも聴取できたというし、あるいは「飛ばしすぎ」で誰からか告発を受けたのかもしれない。が、それにしても17日に警視庁から「現行犯逮捕」されたというなら、その前に総務省側から当人に対して何らかの警告なりがあったはずだ。報道ではそのあたりについて何ら触れていないが。
(後注:毎日jpの記事では「過去に2度、総務省から警告を受けて」いたそうだ。総務省の関東総合通信局の電波監理部監視第2課に問い合わせたところ「1997年10月と2000年12月の二回に渡り文書による厳重注意を送って指導した」とのことだったので、とりあえず付記)

 しかもメディアの報道によれば、警視庁保安課が「同課が同法違反容疑で前回、立件したのは昭和60年で約26年ぶりという」などと言っているそうだが、それは東京に限っての話だろう。私がかつて取材した中でも、例えば3年前、北海道の中標津町で、電気屋のオヤジが近隣では難視聴で聞こえない道内のFM放送を勝手に自宅のアンテナで受信のうえ近隣地域内に無免許で再送信したことで、北海道総合通信局の告発を受けた道警中標津署が逮捕に踏み切ったということがあった。

 だからまあ、今後もたぶん、こういった理不尽なイチャモンにさらされるミニFM局が、あるいはあちこちから出てくるんじゃないかという危機感も、ふと覚えた次第。

ourplanet_iwamoto at 00:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年07月18日

コンピュータ監視法

 一昨日(16日)は夕方から池袋の「自由学園明日館」(←すんげーオシャレなとこ)で開かれた、「草の実アカデミー」第29 回セミナー「今、目の前にある危機〜コンピュータ監視法案と共謀罪復活」に参加。

 司会は林克明さんで、講師は沢田竜夫さん。参加者には寺澤有さんや三宅勝久さん、かめよんさんの顔も。

 なんか「共謀罪」の時とおんなじ顔ぶれやんけ、と言われそうだが、実際そうなのだ。上記のタイトルにもあるように、この「コンピュータ監視法」、我々「共謀罪に反対する表現者たちの会」が数年前にジタバタと暴れたあげくにどうにか廃案に持ち込んだ共謀罪法案の蒸し返しというか、亡霊的な復活につながりかねないものであったりする。

 正式には「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」と銘打ったこの法案が国会に提出されたのは、実に今年の3月11日(!)の午前中のことだったという。無論、狙ったわけではないんだろうけど、結果的にはその日の午後からの震災・原発事故での大騒ぎのドサクサに紛れる格好で、メディアでもほとんど報じられることなく(唯一、東京新聞は「こちら特報部」欄で大きく取り上げていた)、あれよあれよという間に衆参両院の法務委員会を通って6月17日には参院本会議で可決・成立。既に今月から施行されてしまった。共謀罪の時には反対の立場で野党共闘を組んだ民主党も、与党に回った今回は法務省・警察庁や自民・公明両党にまるめこまれる形でほぼ全面的に賛成したため、あっけない幕切れとなった次第。

 で、この法律、何が問題なのかというと 概ね以下の通りになる。

●ウイルス作成罪(不正指令電磁的記録作成罪)
 刑法に新設。コンピュータウイルスを「意図に沿った動作をさせず、不正な指令を与える電磁的記録」などと定義。そのうえで
仝Φ罎覆匹寮掬な理由がないのに、それを作成したりバラまいたりした場合は3年以下の懲役もしくは50万円の罰金。
◆崟掬な理由」なく所持・保管した場合も2年以下の懲役または30万円以下の罰金。
 ――ただし、その「ウイルス」の定義や「正当な理由」の判断基準は捜査当局まかせ(被害の有無も関係なし)で、捜査当局者も「実害の発生に先手を打つ捜査に欠かせない武器になる」と言っているとか。

●通信履歴の保全要請
 刑事訴訟法に新設。捜査機関が電子データを証拠収集するための法律手続きとして、裁判所の令状がなくてもプロバイダーに、
.如璽芯鷭个鯡燭犬萄垢群,気┐蕕譴襦
記録が保管されたサーバからのデータも複写もOK。
F団蠅凌祐屬猟命履歴を60日間保存するように要請できる。
 ――要するに、確たる証拠がなく犯罪の嫌疑もない状態でも当局の恣意的判断により、特定個人の通信履歴を(もちろん本人には知らされずに)保全要請ができる。

●IT捜索差し押さえ手続きの簡略化
 例えば特定のPCなどで作ったビラとか呼びかけメールを「名誉毀損」で差し押さえた場合、接続する全ての情報が(それこそケータイから呼び出し可能なメールや留守録も含めて)覗かれる。
 ――アクセスが接続している限り、どこまでも捕捉することが可能になってしまう。

 とまあ、要するに警察側にフリーハンドを与え、実質的には憲法21条(「集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」)や同35条の「令状主義」に抵触する法律だというわけだ。

 もとをたどれば、これはかつて廃案となった共謀罪法案の際にも理由に挙げられた、国際的な「サイバー犯罪条約」の批准に向けた国内法の整備として出てきたものだった。ところが共謀罪法案がゴタゴタの末、政権交代などあって完全にお蔵入りしてしまったことから、今回はかつての共謀罪法案に関連する部分を巧妙に省きつつ、静かーにそろりそろりと出してきたということらしい。ウィキリークス騒動や公安データ流出、尖閣諸島ビデオの件、ソニーの海外での大規模な情報流出などを口実としつつ、一方では「3.11」後の反原発・脱原発の巨大なムーブメントやに警戒感をたぎらせた法務省・警察当局側の危機感も、おそらくは反映しているのだろう。

 それにしても今回の場合、はたして「コンピュータ監視法」に反対する側がどういう形で対抗軸を形成し、運動を盛り上げていくのかというあたりが難しいところだ。まあ、かつての共謀罪法案の時も、2005年の総選挙で小泉率いる自民党に300議席を取られ「もうこりゃだめだー」ってな状況から何とか頑張って廃案に持ち込んだわけだけど、今回は「コンピュータ監視法」が既に国会を通っちゃったところから戦い方を構築していかなければならないのだ。

 ただまあ、放っとくと本当に「共謀罪復活!」なんてところに行きかねないし、今のうちから(遅まきながらかもしれんけど)注意しておいたほうがいいだろう。必要とあらば、我々もまた共謀罪の時みたいなバカ騒ぎ(←褒め言葉だよ)もやるかもしれんし(笑)。とりあえずお見知りおきいただければと存じます。ではでは。

ourplanet_iwamoto at 01:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)