2015年02月

2015年02月26日

祝子川と尾鈴山6

6月25日 毛鉤釣りの呼吸

 11時に池田君を迎えに行く。釣果を聞くと、1匹だけ出て合わせ切れだったとのこと。クモの巣と枝に悩まされたそうだ。20cmから25cmのヤマメを10匹はかたいと思っていたのだが。「フライフィッシングをやめて渓流竿にしようかな」とぼやいている。

 祝子川のヤマメは警戒心が強く、毛鉤への出方が速く、ニセモノと見破る能力が高い。そのため、川の歩き方、毛鉤の構造、合わせのタイミングなどに不具合があったのかもしれない。

 アオサギのように、音もなく近づき、息を吐き頭を空にして、毛鉤を流れに乗せる。目の力を抜き、毛鉤とその周囲50cmくらいを何気なく見る。ヤマメが毛鉤をくわえる瞬間、竿を握る。竿先が上がり、魚が掛かる。釣りたいという欲や雑念があると、合わせが遅れる。不意に魚が飛び出し、あわてて竿を上げると、合わせ切れが起きることもある。

 11時半に祝子を出発。大分に入り道路が空いてきた。嶺君が別府まで送ってくれるという。1時半に別府の竹甓(たけがわら)という温泉の前に着く。四国の松山にある道後温泉のような構えだ。嶺君にお礼を言って別れる。入浴は60円。先客が1人いる。木造の天井の下、熱めの湯につかる。

 コンビニで、昼食を兼ねて氷とビールと食料を買う。日差しが強い。海辺の公園に行き、木の下の長椅子に座る。涼風がここちよい。池田君とビールで乾杯する。銀色の保冷袋に氷とビールを詰めてきたので、よく冷えている。横の芝生でスズメの群れが餌をついばんでいる。猿で有名な高崎山が烏帽子のように見える。木陰のまわりには、いつしかハトが集まってきた。
                                       (1994年6月)
                                        

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2015年02月18日

祝子川と尾鈴山5

6月25日 ヤマメの放流

 8時に朝食。今日の予定を確認する。池田君は、嶺君が先月入った支流で釣る。ここは、良い型のヤマメがたくさんいる。祝子川のフライフィッシングを満喫できるだろう。嶺君と私はヤマメを放流する(この頃は、自由に放流ができた)。

 池田君を車で送り、養魚場へ行く。50歳くらいのおやじさんに、放流用のヤマメの稚魚を2千円分わけてほしいと頼む。2千円だと50匹くらいだと言っていたが、持ってきたバケツの中は稚魚でいっぱいだ。300匹くらいいるとのこと。あとで嶺君が、「人のよいおやじだから、あんまりもうかっていないでしょうね」と言う。

 バケツの稚魚を、二重にした透明ビニール袋に入れる。酸素発生器のブクブクを忘れたので、固形の酸素発生剤を中に落とす。おやじさんが持ってきた氷を入れ、さらに高圧酸素を送り込む。ビニール袋の口をひもでしっかり縛る。大型の袋が風船のように膨らみ、酸素が水中に溶け込んでいるようだ。渓流魚の成魚の場合、水が少なくても、水温が高くなっても、水中に酸素があれば2時間は生きる。

 最初に放流する川は、初日に大釣りした支流だ。水量が豊富な堰堤下に行く。袋の口を開け、半数を放す。稚魚は4cm前後なので、ここでは2年で20cm以上になり、世代交代するそうだ。

 急いで次の支流に向かう。魚を入れた袋が重い。日差しが強く汗が噴き出す。吊り橋を渡り、田の畔を通って支流に下りる。半数近くが体を横たえている。袋を開け、川の水を入れる。稚魚が息を吹き返し、1匹また1匹と流れの中に出ていく。この支流でヤマメがいたのは、本流への流れ込み付近だけだった。ここは、渓相がよく、水量が多い。川虫も多いので順調に育ってほしい。




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2015年02月12日

祝子川と尾鈴山4

6月24日 登頂後のヤマメ釣り

 尾鈴山の山頂は見晴らしがよくない。1405mの一等三角点を踏んで引き返す。水場案内のすぐ下で、先ほどの夫婦に会う。山頂まで急いだので1時間10分だったが、2人は2時間かかっているとのこと。もう一度水場を探すが見つからない。あきらめて下る。

 素足に運動靴をはいた中年の男が登ってきた。この山はマムシが多いことを伝える。もしこの人が初めに登っていたなら、危なかったかも知れない。

 2時半に林道に出る。石清水が流れている。口に含むと、とろっとした冷たさだ。3時まで時間があるので、釣りの用意をする。待ち合わせ場所のすぐ横の川は急流で、釜が2段ある。期待せず、下の釜の際に毛鉤を流す。さっと魚が出た。合わせが遅れる。ヤマメがいた。3匹釣って川から上がる。嶺君が椎名誠の本を読んでいた。下の川で25cmが出たが掛からなかったそうだ。

 キャンプ場に戻り、前日と別の支流に入る。すぐに良型が釣れる。9匹釣って道に上がる。すべて20cm以上だ。キャンプ場に帰ると、家族連れがバーベキューをしている。焼肉の串焼きを30本くらいいただく。両親と3人の子どもに、ヤマメ5匹を差し上げた。




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2015年02月05日

祝子川と尾鈴山3

6月24日 尾鈴山のマムシ

 朝8時に、池田君を大崩山(おおくえやま)の登山口まで車で送る。彼は展望台に登って写真を撮ったあと、祝子川の本流で釣りをするという。昨日、今日と、梅雨の合間の快晴で、5月のようにさわやかだ。

 嶺君と私は宮崎県南部にある尾鈴山に向かう。登山口まで1時間半だ。延岡に出る。車が多い。日向(ひゅうが)を過ぎ、林道に入る。川は、ヤマメがいそうな渓相だ。平瀬が続く毛鉤向きの支流を横切ると、遊漁料の掲示があった。

 嶺君は、今年の3月に登ったので、釣りをするという。林道の終点で別れ、3時間後に落ち合うことにする。尾鈴山へ1時間30分と書かれた案内板の横から階段を上る。時間短縮のため最短コースを往復する。

 階段が終り、尾根筋の急な登りが続く。左側で、枯葉がこすれる音がした。蛇が離れていく。灰色のような肌に茶色の横縞がある。マムシだ。そういえば昨日、地元の人が同じようなマムシを棒に巻きつけて橋を渡っていた。山道の両脇を気をつけながら登る。夫婦連れを追い抜く。

 掲示板が道の横に置かれ、「南に100メートル下ったところに鈴水があるので飲んで下さい」と書かれている。探すが見つからない。昨晩は飲み過ぎた。汗が噴き出て、ようやく体調がよくなってきたころ、「「頂上へ5分」の立札が目に入った。そのとき、右の足元で枯葉が音を立てた。目をやると、口が裂けた蛇が鎌首を持ち上げている。長靴から20、30センチの所だ。マムシだ。目が合う。マムシは鎌首を後ろに倒し、くねってスズタケの中に入っていった。

 一瞬の出来事だった。長靴を点検すると、上部に歯型のような穴が2つ開いている。右足は何ともない。釣りと登山を兼用した、高さ30センチの防雪長靴を履いていることが幸いした。




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