さよならダイノサウルス (ハヤカワ文庫SF)
タイトル通り、恐竜絶滅の謎を追うSF小説。
扱うテーマは全然違うけど、ホーガンの「星を継ぐもの」に近い感じ。
恐竜絶滅以外にも様々な世界の謎が解かれます。

現代は「END OF AN ERA」
コレと比べて全然意味の違う邦題ってワケじゃないけど、なんかチープな感じがしない?

大して古い小説じゃないし、訳者も若い人なのに如何にも「翻訳モノ」って感じの文章です。
ハヤカワ文庫の匂い(解る?)も相俟って、非常に懐かしい感じになります。
僕は読書にハマり始めた頃はハヤカワばっかり読んでたのよ。

閑話休題。

予備知識ゼロでも楽しめると思うけど、恐竜に詳しいとより楽しめるはず。
「パキケファロサウルス」とか、「パラサウロロフス」とか聞くだけで姿形を思い浮かべられる人は作品世界に入り込みやすいんじゃないかと。

終盤が急ぎ足なのが些か残念。
もう少しゆっくりと丁寧に風呂敷をたたんでも良かったんじゃない?
そうすれば強引さも少し和らいだんじゃない?

とはいえ「星を継ぐもの」の纏め方が美しすぎただけであって、コレ単品で見れば充分すぎる出来だと思う。
謎の提示と解明は魅力的だし、小説の構成も面白い。
ドキュメントタッチの前者と違ってエンタメ要素も濃いし。

読んでも損は無いかと。
その際はあらすじに関する予備知識(裏表紙のあらすじとか、解説文とか)は入れないコトをお勧めします。