時間の無駄と言わないで

あれよあれよで10年目 古い記事でもコメント・TBお気軽に

さ行の作家

『双孔堂の殺人 〜Double Torus〜』周木律

双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社文庫)
「堂シリーズ」2作目。
とはいえ、いきなり登場した新キャラが主人公。
前作の探偵役は容疑者として登場しあまり出番がない。
2作目で変化球。

が、本編はやっぱり今作も森博嗣に館シリーズを書かせたような感じになっちゃってます。
ついでに真賀田四季的ポジションのキャラ&シリーズ展開を始めるようで。
「フォロワー」を通り越して「まんま」じゃん。

でも森博嗣と綾辻行人を足して3で割った感じは相変わらず。
そろそろ何か独自性があるとイイかなと。
「まんま」だからそれなりに面白いし、最近こういうミステリー書く人少ないから頑張って欲しいものです。

数学トークは何言ってるのかサッパリ解らん。
読み飛ばしても大丈夫だったからイイものの。
ただ、読者の理解できない分野の話を延々とさせる以外の方法で天才らしさを描写して欲しいなぁ。

『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』サンキュータツオ

学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方 (角川文庫)
色んな辞書を紹介してくれる本。
国語辞典を買う際の参考にはなるけれど、読書体験として面白いかというとモヤモヤする。
あくまでもハウツー本的な感じで、「新解さんの謎」的な面白味にはちと欠ける。

辞書の成り立ちや意義について語る1章と、各辞書の個性を紹介する2章とで出来ているけど、2つの章で被る内容が多いのも残念。
解っていて敢えて重複して書いているみたいだけど、解っているのなら避けて欲しいなぁとお金を出して買った身としては思う。
被っていない他のコト書いてよ。

2章は思っていた感じじゃなかったけど、むしろ1章が意外に面白かった。
でもこの本は「遊び方」を教えてくれるんじゃなかったのだろうか・・・。

『眼球堂の殺人 〜The Book〜』周木律

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)
メフィスト賞受賞作。
出来た頃のメフィスト賞っぽいというか何というか。
要は当時の森博嗣っぽい。

登場人物一覧があって、クローズドサークルで、その見取り図があって、読者への挑戦もあって、ストレートに新本格。
今時珍しいくらいの直球勝負。

頁数の割にはサクサク読める。
天才を集めてる割には衒学趣味が薄めなのは良し悪しか。
ただ、知識云々はともかく、誰も天才に見えないのは残念。

「The Book」とか、今後どうにもならなそうな設定を入れてくる辺りもメフィスト感を感じたり。

面白いは面白い。
でも、随所で感じる「○○(森博嗣とか、綾辻行人とかetc.)っぽい」要素が、どれも本家には及ばず、でも独自性が余りなくてどこまでも「っぽい」だけで構成されてるのはデビュー作だからですかねぇ?

シリーズがどんどん文庫落ちするみたいだけど、以後独自の個性が発揮されていくならもっと面白くなるはず。

『虚構推理』城平京

虚構推理 (講談社文庫)
この手の話で解決編が全く盛り上がらないっていうのは致命的では?
なんかテンポが良くない気がするワケで。

普通に事件が起きて、探偵役が登場して、捜査して悩んで解決っていうオーソドックスなミステリーじゃないけれど、作中のルールには従って話は進むし、そのルールもちゃんと説明される。
でもそのルール説明がクドイ。
定期的に同じような説明が挟まるのはページ数稼ぎか?

色んな推理をこねくりまわす終盤。
出てくる仮説がどれもそんなに魅力がない。
そしてこの仮説も同じコトを2度も3度も繰り返すテンポの悪さ。

登場人物も作者の都合のためだけに用意されたような薄っぺらい感じ。
九郎の特殊能力なんて作者が読者に対して推理の説得力を持たせるためだけに必要とされていて、作中だと別にあってもなくても話が進む能力に見える。

「本格ミステリ大賞受賞」と書かれた帯に負けました・・・。

『三国志男』さくら剛

三国志男 (幻冬舎文庫)
中国旅行記。
それも三国志の舞台のみを巡るっつう物凄い偏った内容の旅行記。

いやいやコレは拾いモノ。
とても面白かった。

「世界を旅して自分の内面と向き合う」とか、「日本と比較するコトで現代社会の問題点をあぶり出す」とかそういう深いテーマはない。
感動も感銘もない。
ただただ笑って読まれるコトだけを目標に書かれているのがホント楽しい。
あ、三国志知識(のみ)は深まります。

著者の三国志愛とか、全身で中国を味わってる感とかがビンビンに伝わってくる素敵な旅行記。
残りの頁数が少なくなってくると何だか寂しささえ感じてましたわ。

写真もいっぱい載ってるから「VOW(今の若い子知ってるのかな?)」的な楽しさもある。

三国志知識がゼロの人が読んだら面白さ半減だろうけど、そこ抜きでもそこそこ面白んじゃない?

『ケシゴムは嘘を消せない』白河三兎

ケシゴムは嘘を消せない (講談社文庫)
いや〜上手いね。
やられましたわ。
そういう本だとは思ってなかったから余計にね。

分量の割にはもっさりしてるし、物語自体が凄い面白いかといえば正直それ程でもない。
でも、終わり良ければ全て良し。

離婚ほやほや男と透明人間女性との恋愛小説。
そこに関しての面白味はまぁボチボチといったところ。
ただ、ナメてかかったら最後に足元をすくわれた。

『畔と銃』真道順丈

畦と銃 (講談社文庫)
田舎の農村が舞台のハードボイルドアクション(?)小説。

中編が3つ。
それぞれ農業・畜産・林業。

どれも終盤は盛り上がるし、それに至る伏線もちゃんとしてる。
でもその終盤にいくまでがどれもダルいのが惜しい。

個人的には林業譚がベスト。
出てくる人みんな格好イイし、話の展開も好き。
ダルくないし。

農業の匂い立つ泥臭さも新鮮。
畜産はちと無理がある気が・・・。

『夜宵』柴村仁

夜宵 (講談社文庫)
連作短編集。
ダークファンタジー?
幻想小説?
そんな感じ。

そこそこイイ雰囲気を醸し出してるとは思うけど、肝心の話が大して面白くない。
ミステリー的な仕掛けで終盤にドンデンが返りはするけれど、返ったところでどうという程のネタでもないしなぁ・・・。

『プールの底に眠る』白河三兎

プールの底に眠る (講談社文庫)
メフィスト賞受賞作だそうで。
でも全然そんな感じのしない作品。

青春小説でした。
淡々と進むので「メフィスト賞なんだからまさかこのままでは終わらんだろう」と思っていたけど、そのまま終わりました。
メフィスト賞なのに。

メフィスト賞作品にはキワモノ感を求めているので、そういう点では期待外れも甚だしいけれど、青春小説としては楽しめました。
雰囲気がイイ。
その雰囲気が全てって感じではありますが。

現在と過去のバランスが悪い気がする。
最終章はもう少し丁寧でも良かったのではないかと。

『僕と『彼女』の首なし死体』白石かおる

僕と『彼女』の首なし死体 (角川文庫)
タイトルとカバー絵に惹かれて買ってみた。
北村薫が誉めてるし。

が、いまいち極まりない。
最初のインパクトはあるものの、ホントそれだけ。

文章は読みにくいし、会話文も不自然。
関係ない話はダラダラ続くし。
ミステリーとしても弱い。

コレはちと厳しいなぁ・・・。

『この空のまもり』芝村裕吏

この空のまもり (ハヤカワ文庫JA)
近未来SF小説。
ARとか仮想現実とか、割と現在の技術からそう遠くないガジェットの話なので結構身近なSF世界。
むしろ「ネトウヨ」とか「〇〇P」といったネットスラングがさも一般常識であるかのように出てくるので、そちらの方が読者を選んでしまうような気もする。

愛国心がテーマだけど、福井晴敏みたいなハードさも、ゴーマニズム宣言のような説教臭さもない。
設定とか展開とかかなりライトです。
とはいえ、愛国心とか右とか左とかについて改めて考えさせられます。

面白いエンタメ小説だけど、ちょっと物足りない感もある。
メインの事件(?)は意外と淡々としてるし、主人公のリアル世界の人間ドラマも寸止め。
「起承転け」な感じ。
ホントあともうちょっとだけ書いて欲しかった。

『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』椙本孝思

魔神館事件  夏と少女とサツリク風景 (角川文庫)
帯に「館ミステリへの挑戦状」と書いてあり、まんまと版元の思惑にハマって購入。
ただ残念なコトに大して面白くなかった。

「挑戦状」とあるから凄く意欲的な館モノが読めると思ったんだけどなぁ。
酷いオチですよ、コレ。
ただ、別にこういうオチは世の中に結構ある。
でも、世の中に結構あるこういうオチの館モノで面白いモノは多々ある。
コレはそうじゃない。

戦闘機に竹槍で挑んでいるのに「挑戦状」とは如何なものかと。

そこそこの分量があるけれど、なかなか起きない事件。
なかなか進まないお話。
一向に始まらないくせに、一瞬で終わる解決編。

本格、バカミス、キャラ萌え。
全てを追っかけて、一兎も得られなかった感じ。

『永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の夢』重松清

永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の夢 (講談社文庫)
Xbox360用ゲームの主人公の回想を1冊にまとめたモノ。
ゲーム内に文章で出てくるものだから、ノベライズとかではなくて、ホントにそのまま本にした形。

20頁ないくらいの短編が沢山。
わりと普通。

1000年死ねない主人公の回想だけど、別に普通の人の回想でもイイじゃん、と思ってしまう話も散見されます。
ただ、つまらないというワケじゃない。

『サマー/タイム/トラベラー』新城カズマ

サマー/タイム/トラベラー (1)  ハヤカワ文庫 JA (745)サマー/タイム/トラベラー2 (ハヤカワ文庫JA)
タイトルの通り、一応タイムスリップモノのSF。
新城版「時をかける少女」

だけど主題は青春小説。
主人公の高校生達に少しでも共感できるかが肝かと。

こいつら楽しそうだなぁ。
こういう頃あったなぁ。
とか思えたらしめたものです。

後悔の念とか、喪失感とか、そういう感情も刺激されまくり。
自分に思い当たる節があればある程ずぶずぶと引き込まれます。
高校時代に限らず、「あのときああしておけば・・・」ってのがある人には、何というかもう堪らないモノがあります。

ただ、そういった1つ1つのエピソードのまとまりがイマイチというか、2冊にするにはちょっと長いというか。
ちょっと散漫な気がする。

あくまでもほろ苦い感じを味わうものであって、SF的な大技とかは期待するものじゃないかも。
「斬新なアイディアでタイムスリップに新たな境地を」ってものでもない。

『堕落論』坂口安吾

堕落論 (新潮文庫)DS文学全集
エッセーですわ。
日本人論っての?
武士道とか天皇制とか、そういうものについて述べてます。
色々書いてるけれど、結局は「生きろ」ってコトなんじゃないかと。

凄まじく衝撃を受けるような内容ではないけれど、今読んでも古びていない思想だと思う。
今でも感心させられるようなコトが書いてあるんだから、60年前に読んだらさぞ衝撃的だったコトでしょう。
やっぱり本は出版されてからそんなに経つ前に読むのが大事だよなぁ、と改めて思った。

『六とん2』蘇部健一

六とん2 (講談社文庫 そ 4-6)
色々と物議を醸した「六枚のとんかつ」の続編。
まぁ物語的な繋がりは無いですが。

前作はその余りに突き抜けた最低っぷりが逆に魅力だったんだけど、今作はミョーにちゃんとしちゃってて残念。
むしろ突き抜け感が足りない分、単なる「つまらないミステリー」になっちゃってるような気がする。

今回は「話のオチを絵で披露」っていう方式も採用。
んで、それが効果を上げている話は皆無。
絵が無くても何の問題もないようなのばっかり。
絵を印刷する方が文章よりもコストがかかる気がするんだけど、どうなんでしょ?
読者にとってはメリット無しかい?

『巨人たちの星』ジェイムズ・P・ホーガン

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))
当たり前のコトですが、星飛雄馬は出てきません。
「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」に続くシリーズ3作目。
当時はコレでシリーズ完結だったんだけど、10年くらいし経ってから4作目を書いたみたいだから結局は完結編とはならず。
どうやら日本語訳はされてないけど、5作目もあるみたいです。
とはいえ当初の完結編だけあって、諸々がちゃんと収束します。

1作毎に毛色が随分違うこのシリーズ。
今作は謀略とか陰謀とか、そういう話。
エンターテインメント性は上がったものの、「星を継ぐもの」のような丁寧な論理の積み重ねはかなり息を潜めてます。

相対的には小粒と感じてしまうものの、相変わらず作中に提示される謎とその解明は面白い。
まぁそれがかなりトンデモな方向なので人によって好き嫌いが別れるところではないかと。
そういうトンデモ理論をハントたちが大した検証もせずにガンガン信じていっちゃうのには若干の違和感を感じなくもないけれど、こうでもしないと風呂敷が畳めないんだと思うし。

ご都合主義とか後付け設定の嵐だけど、それでも十分面白い。
前作、前々作があったからこその作品ってのを考えると、それによって下駄を履かせているような気もしますが。

『ガニメデの優しい巨人』ジェイムズ・P・ホーガン

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)
「星を継ぐもの」の続編。
前回は1つの大きな謎の解明に全力を傾けるドキュメントタッチの話だったけど、今回は少々趣が変わりまして。
今回は非常に小説的。
真実の追究もさるコトながら、ストーリーの方を重視している感じですわ。

前作のネタバレ全開だから、順序を守って読みましょう。
というか、前作の内容を下敷きにした新たな謎だから今作だけ読んでも訳ワカメだと思う。

前作が余りにも凄まじかったため見劣りするけど、絶対的に見ればコレはコレで面白い小説だと思う。
今回はファーストコンタクト物。
非常に長閑です。
でもその長閑さに一応の理由付けがなされているあたりは流石。

前作のみの方が美しい気もするけれど、続編としての期待を裏切らない出来なのは確か。
前作に感動した人は読んでおいて損は無いかと。

『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン

星を継ぐもの (創元SF文庫)
いやぁ〜素晴らしい。
非常に魅力的な大風呂敷がビシッと畳まれる様は快感です。
提示される謎も、調査の過程も、謎の解決もその全てが刺激的。
SFとしてもミステリーとしても上質。
1+1が2にも3にもなる好例です。

「月面で発見された宇宙服姿の死体は五万年前のものだった」ってんだから興奮しない方がどうかしてるってもんです。
調査すればするほど謎が深まっていくけど、それがきちんと収束していくんだから堪りません。

人間ドラマとか社会風俗の描写とかは殆ど割愛されてて謎解き一本に絞ってあります。
だから「小説」よりも「ドキュメント」って感じに近いかも。
個人的には切れ味が増しててイイと思う。
導き出される結末は下手な人間ドラマよりもよっぽど感動するし。

お勧めです。

以下ネタバレあり。
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『桜の森の満開の下』坂口安吾

桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)DS文学全集
童話というか昔話というか、そんな感じ。
明確なオチがつかないどころか、起承転結も有るのか無いのかビミョーなところ。
教訓が隠されているワケでもないし、前後の繋がりだって怪しいものです。

でもコレはコレでイイのかも。
人の心の機微とかストーリーとかを書くというよりは、桜の狂気を描いているワケで。
他者との関りによる孤独の認識云々といった解釈をしてみるのも野暮ってなもんです。

まぁ桜の狂気もさるコトながら、ポン中の狂気もひしひしと。
こんなの正気じゃ書けないって。

この作品は桜の持つ禍々しさってのが根底にあって、読者もその感覚を共有するのが前提だと思うのよ。
勿論心から桜を怖ろしがる必要は無いけれど、そういう概念は必要なワケで。
若者の読書離れが嘆かれたり、ケータイ小説が流行ったりしている昨今ではこういう概念は解ってもらえているのだろうかねぇ?

『キマイラの新しい城』殊能将之

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ミステリ小説 に参加中!
キマイラの新しい城 (講談社文庫)
「黒い仏」を読んでからはちょっとやそっとじゃ驚かなくなるねぇ。
コレの設定も結構ハジケてるはずだけど、あっさり受け入れられちゃうのよね。

現代人に中世の騎士の霊が憑依して、当時の回想が挟まれたりしてそれっぽい雰囲気なんだけど、段々タイムスリップモノみたいな展開に。
と思ったらバイオレンスあったりと盛り沢山。
まぁこの人には端から本格ミステリーなんて期待してません。

でも回想はちょっとダルイなぁ。
んで殺害シーン以外は本編には大して関わってこないし。

まぁミステリーをテーマにした壮大なコントだと思えば楽しく読めますよ。

『仮面の島』篠田真由美

ブログネタ
ミステリ小説 に参加中!
仮面の島〈建築探偵桜井京介の事件簿〉 (講談社文庫)
「建築探偵 桜井京介」シリーズなんだけど、もう建築探偵なんて何処へやら。
ただのトラベルミステリーです。
建築の薀蓄とか結構好きだったのになぁ・・・。

このシリーズは長編よりも短編向きな気がします。
長編にするとあまりにキャラクター描写に凝ってて、「建築」でも「探偵」なくなってきてるワケで。
結構前から完全にそれぞれの登場人物の成長を主眼に置いた小説にシフトしてるけど、「建築探偵」要素を薄くする必要は無いと思うな。
上手いコト出来ないものでしょうか?

今回は「建築探偵」要素が皆無なだけでなく、レギュラーメンバー以外の人物造形が如何なものかと思うワケで。
まずトリックなり動機ありきで、それに合わせてキャラクターを造形&配置してる感じが露骨で嫌。

単品で読んでもよく解らないと思うので、なるべくシリーズ最初から読みましょう。
それにしても京介ももう三十路かぁ。
光陰矢の如し。

『そのケータイはXXで』上甲宣之

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最近読んだ本 に参加中!
そのケータイはXX(エクスクロス)で (宝島社文庫)
世間と隔絶された山奥の村の因習に巻き込まれて「生神」にされそうになるのを、ケータイを頼りにどうにかこうにか逃れようってお話。

まず文章が酷い。
地の文は主人公の一人称視点なのに、事物の説明をするときは突然のですます調。資料の丸写しか?
そしてやたらと説明過多な上にいちいち比喩法を使うんでクドイのなんの。
んでもって台詞が漏れなく異様なまでの説明口調。
たぶん中学文芸部の方がよっぽど整った文章を書くぞ。

設定も破綻してます。
場面場面でドキドキさせるコトに腐心しすぎて、全体を通してみると色々と辻褄が合わないワケで。
盛り上げるためにご都合主義の嵐です。

そもそもケーブルカーがあるし、国道も通ってるんだから、全然隔絶されてないじゃん。
車で行けるぞ。

ここまで貶されているとむしろ読みたくなりますか?
サクサク読めますよ。
擬音満載の安っぽい文章ですし。

まぁその場その場では割と楽しめるので、僕がコレだけ貶す文章ってのがどれ程のものか気になるのならご一読を。
でもコレがデビュー作だそうですから、続編はもしかしたら文章がもう少し向上してるかもしれないし、論理的な破綻もなくなってるかもしれません。
ってかこのままのレベルを維持してたら商業小説としてマズイだろ。

既に続編が出ているそうで、ちょっと気になってます。
文章は最低だけど、勢いはあったし、設定もまぁ悪くなかったもん。

以下ネタバレあり。
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『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』佐藤友哉

ブログネタ
ミステリ小説 に参加中!
フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫 (さ87-1))
コワレた主要登場人物&大量のオタクネタが最近の流行なのかねぇ?
あんまり好きじゃないのよねぇ・・・。

ミステリー云々の前に小説としてあんまり面白くないなぁ。
主人公が出歩く度に美少女に出会い、必ず都合の良い展開になり・・・。
もうちょっと書きようがあるんじゃないの?
厚さの割りに内容はペラッペラ。

この出来で700円は取りすぎじゃない?

『桜闇』篠田真由美

ブログネタ
ミステリ小説 に参加中!
桜闇―建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)
「建築探偵 桜井京介」シリーズの短編集。
建築についての薀蓄たっぷり。

シリーズのどれも非常に面白いです。
ミステリーだけどトリック云々っていうよりは、人間関係や主人公達の成長が丁寧に描かれている感じ。

凝った意匠の建築ばっかり出てくるけど挿絵はゼロ。
お話の重要な鍵を握る要素なんだけど、僕の貧困な想像力ではイマイチどんな構造なのかが捉えにくいのよね。

まぁ建物の描写なんてすっ飛ばしても面白い作品だとは思うよ。

ちゃんと本の中で時間が流れていくシリーズです。
登場人物がきちんと年を取っていきます。
なので読むならシリーズの最初から読むのがイイのではないかと。

『BRAIN VALLEY(上)』瀬名秀明

ブログネタ
面白くなかった作品 に参加中!
BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)
上巻をようやく読了。あぁ疲れた。そして面白くなかった。
こんなにつまらなかった本は久し振りです。「人間失格」の方がまだ面白かったですよ。
下巻は面白いのかも知れませんが、ここでギブアップ。上巻しか買わないでいて良かった・・・。

脳やら神やらがテーマ。コレには惹かれるものがあったんですけどねぇ。
SF小説っていうか科学の入門書です。でもって筆者は科学の説明が余りお上手ではないご様子。難しいコトを一般の人に易しく伝えるコトが下手クソ。学者の典型です。
科学の説明は地の文か少年との会話で行う。バカの1つ覚えのようにそれだけ。
しかしまぁこの少年の物解りの良さったらないね。
「うん、うん」「へぇ〜」「凄い凄い!」
こちとら何のこっちゃサッパリですよ。賢いお子様です。

類人猿に手話で死生観を問うた例や、宇宙人に誘拐されたと言う人達の例は面白かった。でもそこが面白くても物語がつまらなけりゃ仕方が無いワケで。

おそらく下巻は読まないでしょう。他に面白そうな本がイッパイあるもん。
誰か(特に理系の人)コレを上下巻読破して、僕に解り易く教えて下さい。時間とお金の無駄になりそうなんでオススメしませんが・・・。

『木乃伊男』蘇部健一

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木乃伊男 (講談社文庫)
タイトルは「ミイラおとこ」って読みます。
ちなみに僕が買ったのは著者サイン入り。蘇部健一ファンは羨ましがって下さい。僕は別にファンじゃないので大して嬉しくないです。

包帯を巻いた男が出てきて、その正体は挿絵で判るゾ!っていう小説。だから立ち読みでペラペラ適当に捲ると危ないよって感じ。

「中身はこの人でしたぁ!!」と言わんばかりに挿絵が登場しますが、最初の人物紹介のトコロでちらっと見たきりなんで頭に記号としてインプットされず、いちいち最初に戻って確認せにゃならないんで驚きはイマイチ。そしてトリック自体は挿絵が無くても通用しそうだから、もうちょっと上手に使って欲しかったなぁ。

どんでん返しにどんでん返しを重ね、結局はグダグダに。
袋綴じも面倒なだけな感じ。他のページの挿絵と重要度はそんなに変わらないと思うよ。
物議を醸したデビュー作に比べりゃ相当ハイレベルです。でも世の中には沢山の小説がありますからね。敢えてコレを手に取る程のものでもないかと・・・。

相変わらずですが文章下手くそですねぇ・・・。

で、結局最後のページのアレはどっちなワケ?

『鏡の中は日曜日』殊能将之

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)
奇抜さも斬新さもあんまり感じられない普通のミステリー。別につまらないってワケじゃないですよ。普通に楽しめます。普通に「おぉ〜」と思います。
綾辻行人作品を切り貼りして作った感じもしますが、まぁそれは確信犯でしょう。堂々と巻末の参考文献に載せる根性は素敵です。

が、僕は殊能将之に普通のミステリーなんて望んでないのよ。帯の文句を読んで期待したけど「普通」じゃん!?そういうのは他の作家に任せておこうよ。
『ハサミ男』みたいな衝撃作を書こうよ。クトゥルーとか書こうよ。アントニオ活躍させようよ。

文庫版には続編(?)である『樒/榁』も収録。こっちは『鏡の〜』に輪をかけて普通。『鏡の〜』は良い意味での「普通」だけど、『樒/榁』は悪い意味での「普通」です。ようするに大して面白くないってコト。
かうんたぁ
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