遅ればせながらあけましておめでとうございます。今年もたまの更新しかできないと思いますが細々やっていきたいと思います。

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さて、昨夜(16日)、利用規約ナイト vol.2に参加してきました。

私はどちらかというとコーポレート中心の仕事をしており利用規約の作成・レビューという仕事にはこれまであまりご縁が無かったので(金融系サービスの約款なら昔やったことがある記憶)、とても勉強になりました。 

門外漢なので気の利いた又は玄人的なコメントは全くできないのですがイベント登壇者の皆様のお話を聞いて感じたことを書き留めておきます。ホントに、たまにやるとりとめもない連続ツイートみたいなレベルで、ブログで書くようなものではないのですが…。
  • 皆さん仰っていたわかりやすくシンプルに書くべし、という点。相対の契約の場合、相手方との交渉の積み重ねで規定がどんどん複雑になっていったりするが、規約は交渉の余地が無いわけだからその点の懸念は無いはずですね。
  • 一方で、相手との交渉の必要がなく、かつ、一般消費者相手のビジネスだからこそ、(適法性、有効性の問題とは別に)「炎上」リスクがあるわけか。これはBtoBにおける契約一般では殆ど無いリスクで、当該サービスの将来のビジネス展開可能性とも相談しながら、どこまで事前に予測、評価、意思決定できるかにかかわるんだろう。
  • 炎上するかどうかは業界慣行や(有力な)業界関係者?の(ネット上の)コメントに大きな影響力があるようだ。これもソフトローと呼ぶのかというと違うと思うが、目に見えないルールが支配しているという側面もあるように感じた。もっともどんな分野であれ業界のデファクトスタンダードというものは存在するわけで、そこから不適切にはみ出ていることがパブリックになってしまうという規約の性質上、「炎上」という大きなレピュテーションリスクがあるんだろう。
  • 同意のとりやすさ、という話題も出たけど、同意のとりにくい規定とか、炎上しそうな規定があって、それでもその規定が必要である場合、その必要性をユーザーに理解してもらうためには、当該サービスにおける当該規定の重要性というか「大義」みたいなものがあって、それを事前にユーザーに説明可能な程度に準備しておくことが重要なんだろう(お話にもあった収益モデルの明確性という点にも通じるだろうが)。自信もって言える合理的な釈明があれば多くの人は納得するだろうから。もっとも「とりあえず入れとけ」的にそのような覚悟がなかったり、昨年話題になったあの件のようにあまりにも無理筋なことが書いてあったりするからこそ揉めるのかもしれないが。
  • @kataxさんが法務の「共通言語」を全く使わずに現場の人にわかる言葉でスピーチされていたのが非常に印象的だった。私のような弁護士は依頼者企業の法務ご担当者など法務の共通言語を問題なく使えるお客さんと接することが多いので参考になった。こういうところが法務パーソンの重要な役割だと思う。
  • 弁護士を依頼しましょうとか予算は言いましょうとか、そういうところまで話題にしてくれるとは正直言って予想してなかったけど非常に重要(笑)。特に予算は性質上あまり出せない場合が多いと予想するので慣れてる弁護士にちゃちゃっとチェックしてもらうことが大事だろう。
  • とはいえ弁護士との出会いのチャネルがないけどどうするか、というお話もあったが、そのためには規約の話にかぎらず、色んな分野でこの種の公開勉強会があって情報交換できると良いんだと思います(個人的にはベンチャーのEXITのためのM&Aについて色々な人から話を聞いてみたい)。
  • evernote井上氏のグローバル展開のサービスでは英語版から始めるべき、というお話に関連して。法律文書の日本語→英語化も英語→日本語化も「翻訳作業」そのものではなく、和文契約、英文契約それぞれの作法に従う必要がある(規約もこの点は同じはず)。この点慣れてる法務専門の翻訳業者さんもいるけどやっぱりクロスボーダー取引に関与している弁護士に頼んだ方が断然早いし正確だと思う。ドラフト面のみならず必要な場合には現地法リスクの当地事務所への照会も含めて一括して依頼することが望ましい。
  • 準拠法をどこにするかという質問。猪木先生のご回答のとおりだと思う。なお、一般論としてはクロスボーダー取引の場合は執行可能性を考慮して紛争解決手段を裁判ではなくて仲裁にするけど(アジア諸国とかだと現地の裁判所が信用できないからという背景もあるが)、裁判規範よりも行為規範(まさにクレームを「捌く」という機能が重視される)としての意味合いの方が重要そうな規約の場合はどのように考えるべきか。仲裁だと裁判よりもコストがかかるので執行可能性を重視する必要がそもそもあるのかを含めて要検討かな。
  • 不勉強でお恥ずかしいが、井上氏のお話で出たクラスアクションを制約する規定というのはどういうものなんだろうか…。そんな規定は有効なんだろうか。。
  • あんまりイマドキなやり方じゃないのはわかってますがプレゼン資料はその場で投影するだけじゃなくてハードを配布してくれると非常に助かりますので、次回があればご検討いただけると嬉しいです。
最後に。懇親会ではさすがに皆様大人気のため登壇者の方々全てに御礼のご挨拶できなかったのは残念ですが、昨夏の法務LTイベントで知り合った皆様も何人か参加しておられたので、久しぶりにお話しできたのは楽しかったです!

企画者、登壇者の皆様、貴重なお話ありがとうございました!