ソフトバンク史上最大、3.3兆円で英ARM買収、また、シャープが台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下入りなど、今年も、大きなM&Aのニュースがたくさんありました。

中小企業においても、 オーナーの高齢化が進み、事業承継案件を中心にM&Aが拡大したようです。

 実際、2016年1~6月(公表金額ベース)では前年同期より約8割増えたとのデータも公表されてます。

さて、M&Aによって、企業は、本当に成功しているのでしょうか?



ハーバードビジネスレビュー2016年10月号に、トロント大学のロジャーマーティン教授が興味深い記事を掲載されていました。

「企業買収は、与えることで成功する」

通常M&Aは、70%~90%は失敗に終わるといわれる中、彼の研究によれば、成功するのは、買収する側が買収先企業の競争力を強化できる「何か」を持っている場合だという。

そして、具体的には、

①賢い成長資金の出し手になる
②より優れた経営ができるように監督する
③価値あるスキルを移転する
④価値あるケイパビリティ―を共有する

の4つに分類されるとしています。

成功するM&Aを実践する、日本電産会長兼社長CEOの永守重信氏によれば、 

日本企業のM&Aの失敗の理由は高い買い物をしており、ほとんどが業績が悪くなって減損する。
だから、安く買えるタイミングを待たなければならないとおっしゃいます。

実際、1年半待ったことにより、2500億円だった買収価格が、1200億円まで、下がったという。
そしてもう一つは、シナジー効果。売り手からすると、最高の価格で売ろうとするので、シナジー効果がなければ絶対に利益は出ないという。とくに、大切なのは買収後の経営で、相手の会社の経営陣がきちんと経営できるかどうかの目利きができないといけないという。

やはり、1割か2割しか成功しないといわれるM&Aにも、肝はありますね。

(株)オーナーズブレイン 小泉大輔