毎回書いていてくどいけど、平日の観劇は定時サッサで会社を
出なければいけないので、本当にスリリング。
定時(18時)頃になると、いじめのように電話が入るし・・・。

で、観てきました、「噂の男」千秋楽。

噂の男「噂の男」

名古屋市民会館中ホール、7列目
19時開演、21時30分終演
作:福島三郎、 脚色・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:堺 雅人、橋本じゅん、八嶋智人、山内圭哉、橋本さとし他

【あらすじ】
時は現在。場所は大阪にある宝田興業の宝田グランド劇場の舞台袖、地下にある『ボイラー室』と呼ばれる一室。宝田グランド劇場支配人、宝田興業所属の漫才コンビ“パンストキッチン”のツッコミだったが、相方に先立たれ、今は酒びたりのもっしゃん。ボイラー室の整備のためにやって来た、ボイラー技師の加藤。宝田興業所属の売り出し中ピン芸人ボンちゃん、“パンストキッチン”のボケで12年前に事故で他界したモッシャンの相方あきら、宝田興業所属の中堅夫婦お笑いコンビ、骨なしポテト。 五人の男と一人の女、そして一人の幽霊(?)が集まって、やがて露呈するそれぞれの思惑・・・。そして12年前、アキラの死の直前に一体何があったのか・・?過去と現在を行き来しながら、物語は意外な方向へと展開していく・・・。(公式HPより抜粋)

名古屋では珍しく追加公演になったこの舞台。
ケラさんは、個人的には「難しい」印象があったものの、
とにかくこのキャスト!芝居好きだったら行きたいと思うよね?

公演は終わりましたが、感想の興味がある方はこちらへ


はい、笑いました!!やっぱり、じゅんさんはスゴイです。
W橋本の漫才は、本当に面白くて(中川家がコントを書いたんだってね)
涙流しながら笑ってました。
あまりお笑いとかを見ないので、こんなに笑ったの久しぶり。
殆どが台本どおりなんだろうけど、芝居っぽくない。
さすが、現・新感線(じゅんさん)と元・新感線(橋本さとし)で息もぴったり。
ビンタした後で「痛そう」ってつぶやいた客席の声を聞きつけた
じゅんさんが「痛くない!!腰折らんといて」って客席を笑わせたり。
きっとお互い、隙あらばアドリブなんかを入れたりしている
んじゃないかなあ。

全体がアドリブっぽいんで(笑)、どこがアドリブなのかが
分からないんだけど。おヘソのネタもどうやら他の会場でも
やってるみたいなんだけど、すごくアドリブっぽかった。
ラスト近く、酒びたりになったもっしゃんが、“つっこみ”の
お手本を見せるシーン。
鈴木支配人のことを、“笑顔だけで喜怒哀楽を表現する”とか
“スマイル0円野郎”とか、いろんな表現で突っ込む様子に、
ボンちゃん(山内圭哉)が突然「ブ〜」っと吹き出して
「あんた面白いよ」と言ったのは、台本どおりだったのかなあ。

ただねえ・・・。
純粋に「楽しかった!」ではないのが、ケラさんらしい。
あそこまでグロいとは正直思わなかった。
血だらけだし、動物虐待のシーンがあるし、イジメも痛々しい。
あんなに人が死ぬとは思わなかったし。
もっしゃん(橋本じゅん)にあそこまで苛められていた鈴木
光明(堺雅人)が、酒びたりになったもっしゃんをいじめるのも
負の連鎖って感じがする。
父親の無念を晴らすためにもっしゃんを痛めつける
加藤信夫 (八嶋智人)もまた負の連鎖。

もっしゃんは、実は悪い人ではなくて、かわいそうな被害者?
と思わせておき実は心を病んでしまった振りをした上での確信犯。
そして、そういうグロいシーンの背景には客席の笑い声。
コレがまた何とも寒い感じ。
きっとテレビでは放送出来ないような差別用語もあったし。
確かに、いや〜な男達の、いや〜な話。
きっと、こういうところが受け入れられない人も居るだろうなあ。

こういう点は好きじゃないけど、芝居自体は私は楽しめました。
ダレることなく、2時間半引きつけられていたので。

しかし役者が良かった!セリフの聞き取りにくい人はいないし
安心して見ていられる。アテ書きしたらしいので、役者の個性が
活きていたし。堺 雅人さんはイジメラれている所が本当に
痛々しかった。橋本じゅんさんは、酒びたりになった後の空を見る
ような目、ボケ老人のようなセリフ、さすがです。八嶋智人さん
この人イジめ役がハマるんだよね。ただちょっと機関銃のような
話し方は疲れます(笑)。山内圭哉さん、カッコよかったよー。
あの髪型が。一人でブツブツ言うセリフが、面白い。
橋本さとしさん、善人ぶって、実は動物虐待しちゃう二面性が上手い。
生きたハムスターを使ってたんだけど、橋本さんの手から
なかなか降りてくれなくて「おまえ、なに懐いとんねん」って
ちょっと困ってた姿が可愛かった。

千秋楽って事もあり2回目のカーテンコールでは舞台から
銀色のテープが客席に。キャストの人たちは知らなかったのか
その音にマジでビビってました。
総立ちになってた客席に喜んでくれてました。

賛否両論ある舞台ですが、ナマで観る事の醍醐味というか、
ライブ感を再確認した、そんな舞台だったとも思います。
個人的にはじゅんさん、サイコー