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スポーツ現場でケガが起こったなら、できるだけ早くRICE処置を行なうことが大事だ。分単位でより早くおこなう。できる場所をいかに早く確保するかも大事だね。いろんな工夫も必要になるだろう。ここは時間との勝負!ここが遅れると後々、数週間単位で差が出てくることがある。翌日の調子も変わってくる。次の日に歩ける歩けないで、それによって当然リハビリの内容ががらっとかわるからね。こういう日々の差はどんどんひろがっていく。・・・上の写真はRICEを全て同時進行中。腹筋が燃えるように熱い!

RICEとは・・・

R(レスト):安静

I(アイス):氷冷

C(コンプレッション):圧迫

E(高挙):高く挙げる

スポーツ医学の発展により、だんだんRの意味合いがかわってきた。ちょっと前まではほんとに安静だったが、今の安静の意味は安静というより「痛いことはしない」というもの。言い方かえると、痛くないことはどんどん積極的に行なっていけ!というウラの指示がある。必ず起こる二次的問題も防ぐことができるしね。それにカラダの中では非常に高度でまさにサイエンス&メカニカルなことが患部に作用する。内分泌系(ホルモン)まで関わってくることがわかっている。もっと言えば損傷時に低下する筋膜のトリートメントや、リンパ液の潤滑を促しそれが痛みを和らげるなんてこともある。しかし、そんないろんなすごいことがなぜゆえにウラ指示か?・・・これも重要で、どこがどんな損傷を起こしているかによって、痛くなくても絶対にダメな動作というものがあったりするし、逆にそれはどんなに痛かろうがやったほうが早く回復するというのもある。それをしっかり指示できるドクターやPTやトレーナーがいればいいが、そうじゃない場合のほうが実際の現場ではケースとして多い。それだったら無理をせずに昔ながらの安静で休んでいたほうが良いだろう。・・・しかし正直、やるやらないで翌日以降の差はデカイ!

さて、次に I について・・・

単なる冷やすではなく氷を使う。時間は最低でも15分間は必要。できれば20分ほどしたいね。痛みがひどい場合には1回30分ぐらい行なうこともある。そして数十分〜1時間休憩してこれを永遠繰り返す。ケガした当日などは夜も寝ずに繰り返してもらいたいぐらいだ。あと問題なのは冷やし方。まずできれば専用のアイスバックを使いたい。持ち合わせがその時なければ、キッチン用のアイラップとかナイロン袋でも代用はきく。ただ、袋の場合は「空気を全て抜く」ということが難しい。アイスバックでも袋でも空気が入ったまま行なうと温度が一定にならないし、氷がすぐとけてしまう。冷やされる場所と冷やされない場所など患部のコンディションも不安定になる。これも大事なポントだ。そして氷だけでなく必ず水も入れること。これは凍傷の予防だ。氷だけだと場合によっては温度がマイナスになることがあり、別の問題が出る危険性がある。製氷機の氷を使えるなら氷だけでも大丈夫だろうけどね。・・・水の中に氷が入っているなら、中で氷がとけだすので温度は1度から3度ぐらいだろう。凍傷の危険性が減るし、そのぐらいの温度なら十分にマヒまでもっていける。そう!アイシングの目的は「マヒさせること」だ。マヒっていうのは、いわば麻酔がかかったと同じこと。だから痛みと炎症が消える。それにマヒすると血管は拡張する。マヒまでいかない冷やし方だと血管は細くなる。血流が悪くなるような冷やし方では好影響は何も期待できない。冷やしていながら血液循環を盛んにすることもアイシングのテーマだ。・・・マヒさせるにはアイスバックを直接肌にあてないといけない。最初は痛いぐらいに冷たくなるので、よくタオルごしにやってる風景を目にすることがあるが、これではマヒが起こらないので血管は収縮し何も好影響が期待できない。それと、アイスバックの中にどれだけ氷を入れて水はどのぐらい入れるかって問題もある。これも大事だね〜。まず、アイスバックが肌にふれる面積をできるだけ大きくしたいのだが、でもそれだけを追ってしまうと、氷の量が少なくなり、膝、肩、肘、足首などの部位では患部に氷がのらないケースが出てくる。逆に氷の量が多すぎると肌にふれる面積が小さくなってしまう。患部周辺のできるだけ広い範囲でアイシングした方が良い。水の量が多すぎると温度が高くなってマヒまでいかないことがある。やってるうちにその人の経験でわかってくると思う。だから、ケガがあるない云々関係なしに普段からやってると良いと思う。・・・よく、スキーヤーの場合、その人のスキー板のかつぎ方でおおよその技術レベルがわかるが、これと同じでアイスバックのつくり方でその人の知識レベルがわかったりする。・・・まずはケガしてから3日間は高頻度で繰り返してもらいたい。その間は原則として入浴禁止だ。4日目からのアシングは1日3、4回ぐらいで良いだろう。この頃から入浴OKとなるが、入浴後のアイシングは絶対忘れてならない。お風呂で炎症は悪化するからね。そりゃそうだ、熱に熱を加えるんだから。炎症の炎の字は「ほのお」で、燃え盛っているってことだからね。

次に、 C だが・・・

ケガすると患部周辺は腫れることが多いが、いくらアイシングをがんばっても、この腫れに対しては何の効果もない。これを知らない人は多いと思う。だから「冷やしておけば最低大丈夫」と考えがちだ。理想的には腫れる前に圧迫をして腫れさせないこと!でも、残念ながら腫れをゆるしてしまった場合でも圧迫はかなり効果がある。では、どんな方法で圧迫するか!?手軽なのは伸縮性のある10センチ幅程度のバンテージだ。スポーツ店に行けばアイスバックの隣りぐらいに置いてあると思う。これはアイスバックを固定するバンテージでもあるので、アイスバックを包むようにしてグルグルまきにすればアイシングと圧迫を併用できる。圧迫の加減だが、これは血がとまらない程度。としか文面では表現できないかな。それと、アイシングとアイシングの間、数十分の休憩をしている時でもこの圧迫は続ける。固定もできるような圧迫だとナイス!

そして、 E ・・・

これも圧迫同様に腫れを防ぎ、また引かせる目的で行なう。膝であれば、上の写真のように脚を何かの上に置いてカラダは床に寝てしまえばEは達成できる。重力を利用した方法だね。・・・腫れさせないためにCとEがあるわけだが、他にはミルキングアクションという高度なテクニックもある。これは痛みのない方法で患部周辺の筋肉を活動させ(収縮)、筋肉じたいのポンプ作用を使って血液循環を促しつつ患部の腫れを引かせていく。

それと最後に・・・

やっぱり早期リハビリの開始!これものすごく大事だね。筋肉や神経なんかそれなりの方法で刺激するとすぐに活性化する。場合によってはものの数秒で起こったりする。リハビリの目的の中に「安定化」と「強化」ということがあるが、たとえば安定化の場合、この動きではここに意識を置くってコツなんかがわかると、さっきまでフラフラしていた片脚バランスがピタっと安定することもある。神経系統へ与える刺激の妙技だ。そして強化においては、たとば足ウラ刺激で数分後に脚力が十数%高まったり、臀部を数秒間ちょっと刺激しただけでイスからスっと立てるようになったり、あとは腰痛の人で痛くて中腰できなかった人に体幹の筋群に簡単な刺激を行なってスーっと腰が曲がるようになったり。とにかくういう活性化させる方法は膨大にある。

そういうことも含めて、RICEをどれだけしっかりできるか!それが救急処置の原則だ。ケースによってはそんなことはできなくて、まずは救急車よんで病院直行!なんてのもあるが、そういうケースにしたって救急隊員の方々はスキあらばRICEしたいと思いながら搬送する。だから結局、現場でなるべく早くRICEができることが大事なんだね。それができた上で救急車に運ぶことができれば消防署とドクターから表彰されるかもしれない。すぐに手術が必要なケースの場合などは「腫れてるうちはダメ!」なんて言われることもある。・・・それと、スキー場でケガした場合は好都合で、まわりに雪が沢山ある。雪で固定したり圧迫したりアイシングしたりすることもある。雪をアイスバックや袋に入れることもあるが、この場合注意が必要なのは「ちいさな雪玉を沢山つくる」こと!できるだけかたーくにぎってからアイスバックや袋に入れる。水も忘れずにね。雪は空気を沢山ふくんでいるから、かたーい玉をつくってやらないと上手くいかない。

それから術前リハビリのことをラストに・・・

RICEのRに対する究極の積極策が術前リハだ。昔は「痛いうちは動かすな。よく静養して休め」なんて言ったものだが、今の医学の進歩の中ではそれが大きくかわっている。実は、最大の悪は安静だ。安静イコール放置と言う先生もいる。たとえば膝のACL(前十字靭帯)を断裂して再建術が必要となり、整形に行って手術日をいつにするか決める際、運悪くすごく混んでいてベッドがあと2カ月しないとあきが出ない。なんてことはざらにある。それまでなんとか待っててくださいなんて言われてね。これはものすごくチャンス!2ケ月あればどんだけリハビリできるか!目標は「再建術しなくてもスポーツに復帰できる」という状況をつくること。そこまで仕上げてから手術をする。すると術後がぜんぜん違ってくる。他の患者さん方は1週間車イスなのに、なんであの患者だけ階段スタスタ登ってるの?なんてことになるやもしれない。ちょっと極端なたとえだが・・・でも、日々良いトレーニングをしている人はそこまで違ってくる人はいるね。

フ〜今回はここまでにしよう。なんだかかなり疲れました。でも心は充実してる自分がいる。不思議だね。ダーーーって書きあげて自己満足してるのかな?まぁそれでもいいや。すこしでも何かの役に立てればそれでいい。

・・・前回の投稿でちょっとトラブルがあったが、私の落ち度だな。言われる通り調子こいてたよおおいに。やつらががんばってるからね。ついつい盛り上げよって走りすぎたね。スミマセン。それと、普段日常的にスポーツ現場の悲惨な問題とぶつかってるんで、なんかケガ人が来ると、もうはなっから「君はいったいどんなひどいことをされたんだー」って感覚で入ってしまう。悪いクセになってるかもしれない。もっと落ち着いて、ひと呼吸おいて冷静な判断のもとにしないとダメだな。でないと気がつかないところで誰かに迷惑かけたり、ひどいこと言ったり、キズつけたりするね。今回、骨身にしみて学びました。その反省の気持ちで気合入れて長文書きました。非常に長くて読む人にはかえって迷惑かかりそうだ。いや、読まなくてもいいです今回は、って最後に言ってどうすんだって感じですがねスミマセンほんと。なんか頭まわんなくなってきた・・・

みなさん今後ともよろしくお願いいたします!