2015年07月

2015年07月12日

KP 1/72 P-51B/C & Mustang Mk.III のキットを参考に、アカデミー(ACADEMY) 1/72 P-51B/C MUSTANG を直す・・・

academy72_p-51b_03_ 1999年に発売されたアカデミーのキットは、当時すでに発売になっていた他社のキットを全て参考にして自社のキットの開発を進めていくという遠慮のないこの会社の基本姿勢に沿って開発されていますが、このキットに関してはそれが裏目に出てしまったようです。

hase_body_aca_wing_ アカデミーのキットの一番の問題点は当時のニューキットレビューなどでは指摘されなかったこの主翼の間違い部分だと思います。
 左の写真はアカデミーの主翼にハセガワの胴体を仮止めしたものですが、フィレット改修前(左写真:上)と改修後(左写真:下)の主翼の張り出しを見ていただくと、大きすぎる(D型と同じ)と言われている改修前のハセガワものと同じだけの前後幅を持っていることが判っていただけると思いますし、改修後の胴体を合わせてみると2mm以上フィレット前縁から張り出し部が飛び出しているのも判ります。
hase_aca_wing_
これはアカデミーの主翼の前後幅が、D型と同じ大きい張り出しを持った主翼と同じだけあるということですが、ではなぜ紹介記事などでも指摘されないのかという秘密が、前後幅を広くしたままでB型の主翼と同じ角度で作られているからだというのが、改修前のハセガワのB型の主翼に翼端と後縁を合わせて撮った右の写真を見ればお解かりいただけると思います。

kp_academy_revell_張り出しの角度自体はチョット見には正しいように見えるのですが、全体の主翼面積が広く、取り付け位置が前進したようになって(アスペクト比と言うらしいです…が違って)しまい、前縁部分全体の角度が前に出過ぎていて、収納庫から後ろがそのぶん幅広になっています。
それに伴って機首が短くなってしまっている(そのため右写真の真ん中のようにアカデミーのキットは機首エアフィルター後ろの台形状のパネルを D型のように小さくして辻褄を合わせている)ので、仮組みの状態でも違和感を感じてしまいます。(右写真 上: KP、中: アカデミー、下: レベル)
 下面の主脚収納庫形状はB型状ですが、収納庫部分が前に寄り過ぎている(ハセガワは脚収納庫を広げただけだったが、こちらは主翼前縁を前に出して、付け根の張り出しの角度まで浅くして誤魔化したうえに収納庫を前に出した感じです)ので、収納庫から後ろが異常に幅広です。
academy72_p-51b_wing 001
 また、こちらは形状が正しい(ただし、翼幅が少し短い) レベル1/72のB型主翼を同じように合わせて撮ってあります。
写真でお解かりいただけますように、これだけ違っていると、修正しようとするなら主翼前縁だけでなく主翼の前半分を全てにわたって削っていかなければならず、私の腕ではまず不可能に近いので、使えない・・・と、思っていたのですが、2015年に発売された KP (KOPRO:Kovozavody Prostejov) 1/72 North American P-51B/C & Mustang Mk.III のキットが直し方のヒントをくれることになりました。
kp_72_p51b_01_
 この KP のキットはエルロン、フラップ、ラダーなどの動翼は別パーツになっていますが、ポジションが選択できるのはフラップだけで、あとは単純に切り離してあるだけの断面になっていましたので、もしかしたら薄い部分のモールド(湯流れ)不良の回避のための処置かも・・・と思っていたのですが、academy_kp_72_p-51b_main_3どうやら参考にしたアカデミーB型のキットの主翼前後幅の広過ぎを修正するための処置のようで、それを見るとアカデミーのキットの主翼前後幅の広過ぎをどのように修正すればよいのかがハッキリと解りますし、左のように前縁のラインを合わせるとピッタリと合い、直す時の治具として利用することもできるので、このキットの主翼の修正がかなり楽にできるようになりました。(厳密に言うと、前縁の角度的には少し強過ぎのままなのかも知れませんが・・・)academy_72_p-51b_main_3

revell_72_p-51b_wing_1_前縁の角度を直せればそれに越したことはありませんが、前半分の筋彫りも直さなければなりませんし、下面の主脚収納庫形状はB型状だが収納庫部分が前に寄り過ぎている(ハセガワは脚収納庫を広げただけだったが、こちらは主翼前縁を前に出して、付け根の張り出しの角度まで浅くして誤魔化したうえに収納庫を前に出した感じです)ので、主脚収納庫を後ろに下げてやるのもかなりの手間で、収納庫から後ろが異常に幅広になっていますので、前述の KP のパーツを治具にする方法で修正した左写真:下 (左写真:上はレベル) のように、動翼の取り付け部分で縮めてやるのが一番手が掛からないかもしれません。
 ただし、薬莢の排出口がかなり後寄りになってしまうことや、上面のフラップ部胴体寄りにある、翼の厚み確保の補強部分のデッパリも切り取ってしまうことになるので、どこかに代わりになる補強材を入れておくのを忘れず・・・僕は薄いクサビ形に切り出したプラバンをスパーのようにして挟み、厚さを確保してあります。
academy_72_p-51b_wing_2 それと、前後幅修正後にフィレット後端とフラップ後端ラインを合わせると短くなってズレができるフィレット前端部分の修正と、短くなった取り付け部分前端と機首側とのスキマ(右の写真の白い部分で、今回は1.2mmプラバン)を埋める必要が出てくると思います。
academy_72_p-51b_main_3
と、いうことで、KP のキットを利用してアカデミーの主翼パーツに切断ラインを引いたものが左側の写真で、切断ラインで切り離してからエルロンとフラップの先端(主翼に入り込む)部分として加工してやるといいかもしれないと思っています。

 主翼上面の機銃弾倉パネルの筋彫りがリブ一枚分長すぎる(前出の比較写真のレベルの物も同じように間違っている)ので、前照灯内側の筋彫りラインの延長線上部分までの長さに縮めておきます。
このキットのパイロンが別パーツで 正しいB型のになっていたら、KP (KOPRO:Kovozavody Prostejov) 1/72 North American P-51B/C & Mustang Mk.III の方にパイロン着けて増槽や爆弾も流用できたのに・・・と思うと残念です。

主翼の機銃口はハセガワと同じでモールドによる表現ですが、ハセガワのような段差は付いておらず、接合線(上下の合わせ目)に一直線に並んでいますので、正しく表現するのなら一度銃身部分を切り取ってから、内側を上寄りに、外側を下寄りに付けてやるとよいと思います。
 また主翼付け根付近はD型の二種より薄く、主脚収納庫も浅くなっていますが、ハセガワよりは深く彫られていてリブの位置や表現も多少は修正されていますが、未だにD型のような配置になってしまっていますし、付け根前縁の捻り下げも表現されていないので、前縁付け根の位置が高いために下面に丸味ができて D型の下面のようになってしまっています。
 ただし、収納庫裏側の真ん中に入っている切れ目のおかげで、上反角はかなり付け易く、フィレット部や主翼上面の付け根を少し削って強制接着してやるとちゃんと角度が付きます。

kp_revell_mono_mono_この加工・修正が簡単にできてうまくいのだったら、大喜びして買ってしまったアカデミーの B/C型が無駄にならずに作製できるのではないかと思ってるのですが・・・まあ、写真を見て、これぐらいなら目くじら立てることはないとお思いの寛大な心を持った方や、不承不承であっても我慢できる方は、苦労して直す手間を省いて、そのまま使っても良いと思います。(僕にはできませんので、なんとかして直しますが…)

 KP (KOPRO:Kovozavody Prostejov) のキットは 2015年4月に発売になったもので、いろいろなキットの好いところを寄せ集めたようで、前述しましたように アカデミーB型のキットの主翼前後幅の広過ぎを修正するための治具として利用することもできるぐらいですが、フラップ上面の接合ラインが直線になっているので、アカデミーのフィレット部のカーブとピッタリと合わせるためには、かなり削ってやらなければなりません。
 また、主翼前後幅の広過ぎを修正してありますので(厳密に言うと、アカデミーの主翼と同じで前縁の角度的には少し強過ぎなのかも知れませんが・・・)、そのままアカデミーのキットに使おうとすると、機首下面との接合部先端に 3mm程 のスキマが開きます。
 このパーツを見ると、アカデミーのキットの主翼前後幅の広過ぎをどのように修正すればよいのかがハッキリと解りますが、価格もアカデミーのものよりズッと高いし、機首下面の空気取り入れ口の表現を含めて、デキもズッと好いですから、トレードなどをするよりは前縁のラインを合わせて治具としてアカデミーの主翼パーツを直すのに利用するだけにして、あとは KP のキットとして組み立てた方がいいかもしれません・・・

そして・・・続きを読む

tomono_s at 02:51|PermalinkComments(0)TrackBack(1)mixiチェック モデリングガイド | 作業報告