奈良県橿原市と御所市にまたがる観音寺本馬遺跡で、縄文時代晩期(約2800年前)のクリの木の根株25株がまとまって確認され、橿原市教委が26日発表した。クリ林は狩猟採集で生活していたとされる縄文人が、食料確保のために植林していたことを示す重要な発見になるという。

 縄文時代の人工林の存在は、三内丸山遺跡(青森県)の花粉のDNA分析などで指摘されているが、実物の根株の分布によって明らかにされるのは極めて異例という。

 この遺跡から出土した根株68株を顕微鏡で分析した結果、20種の樹木が確認され、約半数が食用可能な種だった。クリは最多の25株を占め、水路に囲まれた80メートル四方のエリアに集中していた。

 クリ林は集落の住居跡から約300メートルと近く、クリだけの林が自然に存在するとは考えにくいことから、市教委は「クリを中心に利用価値の高い植物を局地的に栽培していたのではないか」と話している。

 現場は既に埋め戻されており、発掘成果は27日から5月9日まで、橿原市千塚資料館で紹介される。

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