三重県鳥羽市と愛知県田原市の伊良湖岬を結ぶ「伊勢湾フェリー」(本社・鳥羽市)は、航路を今年9月末で廃止すると決め、24日、中部運輸局鳥羽海事事務所に事業廃止届を提出した。1日8~14便運航してきたが、ETC(自動料金収受システム)搭載車の高速道路料金割引や景気低迷などで利用客が激減、業績不振に陥っていた。

 フェリー3隻とターミナルビルは売却し、従業員65人と契約社員ら10人は全員解雇、会社を清算する方針。

 同社によると、09年度の利用見込みは旅客34万6000人(前年度比24%減)、乗用車7万5600台(同27%減)、バス2900台(同13%減)と低迷。ピーク時の94年度と比べると、旅客30%、乗用車39%、バス16%にまで落ち込む。

 負債総額は今年3月末で21億9000万円と見込まれる。不況や燃料高騰などで毎年度1億円を超す赤字を計上していたが、ETC割引が始まった09年度は1億7000万円に膨れ上がった。

 福武章夫社長は会見で「乗用車の利用客が生命線。(ETC割引で)万策が尽き(会社再建の)夢が持てなくなった」と語った。同社は64年開業。近鉄、名鉄が各50%出資している。【林一茂】

 ◇高速割引で万策尽き

 「道路には税金を入れて、なぜ我々には来ないのか」。「伊勢湾フェリー」の福武社長は国の交通政策を批判した。ETC割引制度が導入され、全国各地でフェリー会社の経営が行き詰まっている。

 福武社長によると、今年6月にも高速道路「伊勢自動車道」の津インター以南が無料化されることも、廃止を決断する要因になったという。

 鳥羽市は廃止発表を受け、木田久主一市長を本部長とする対策本部を設置、初会合を開いた。航路存続に向けた情報収集や運航事業者支援、国・県への支援要請などの取り組みを強めるとしている。

 鳥羽市の観光関係者は「海が一番のアピールポイントの鳥羽で航路がなくなったら魅力が半減する。単なる一企業の廃業問題ではない。海の文化にかかわる」と嘆いた。鳥羽旅館組合の吉田一喜理事長や市観光協会の小見山健司専務理事も「関東から伊勢志摩入りする最短のコースがなくなる。伊勢神宮遷宮(2013年)を控える伊勢志摩にとってマイナスだ」と残念がる。

 愛知県田原市でも、鈴木克幸市長や市内観光団体トップら約20人が対策会議を開いた。25日に神田真秋知事へ、廃止阻止の支援を求める要望書を提出するなど対策を講じることを決めた。鈴木市長は「地域産業に影響が出ることは必至。国の政策が原因なので、国土交通省が支援すべきだ」と話した。【林一茂、黒尾透】

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