スジエビの不思議

私の知っているスジエビの紹介を終えました。第2部「生き物雑記帳,時々脱線」を始めました。

 私の散歩道の一つに,ポン川(忠別川の支流)の土手を通るコースがあります。この辺にはアオサギやマガモが飛来し,春になると川にはウグイが群をなして遡上する姿が見えたりもします。
 2011年6月,土手に見慣れない植物を何株か見つけました。コスモスのような細く枝分かれした葉をもち,花は白くて,我が家の庭にあるカモミールに似ています。可愛い清純な花で,雑草とは思えないので,近くの家の園芸植物の種が偶然飛んできて根付いたものだろうと思っていました。
 翌2012年の春になってまた土手道を歩いたら,この植物が急激に株数を増やしており,何という名前の植物だろうと気になっていました。
 同じ年,我が家のカモミール(毎年,自然に種がこぼれて邪魔になるほど庭に育ってくる)がたくさん花を咲かせ,妻がせっせと摘み取って乾燥させていました。このハーブの利用法を調べてみようと思ってGoogle検索をしたら,散歩道で見かけた謎の植物がカモミールと近縁種の「イヌカミツレ」という名前であることを偶然見つけました。
 検索した「カモミール」の記述には,「カモミール(chamomile)はリンゴに似た香りのするハーブで,ハーブティーに利用される。名前の語源はラテン語の「大地のリンゴ」からきている。分類学的にはキク目,キク科,シカギク属の植物。カモミール(英名)はイタリア語ではカミツレという」とありました。
 そして,さらに続きの文章があって,「近縁種(同じシカギク属)にイヌカミツレという種があって,この植物には芳香がない。ハーブとしての価値がないところから"イヌ"という接頭語をつけてイヌカミツレと呼ばれている」と記されていました。この植物の画像も確認し,私が散歩道で発見した謎の植物はイヌカミツレ(学名:Matricaria inodora)に間違いないと確信しました。
イヌカミツレ

 図:イヌカミツレ。

 さらなる検索の結果,イヌカミツレの近縁種「カミツレモドキ」(学名:Anthemis cotula)という植物も見つかりました。その記述には,「キク科カミツレモドキ属に分類され,イヌカミツレよりも葉の枝分かれ(裂片葉)が太い。ヨーロッパ原産で,日本を含む世界の温暖地域に外来種として定着している。日本では1931年に横浜で初確認され,全国に観賞用(園芸種)として広まり,雑草化するほど勢力を拡大した。外来生物法により「要注意外来生物」に指定されている。この植物は異臭をもち,牧草地に生えたものを牛が食べると牛乳に臭いがつく。また,農作地に蔓延る雑草として悪影響を与える」とありました。
 私がが収集している生物関係の新聞切り抜き記事のファイルを調べてみると,カミツレモドキは1993~1996年の段階ですでに北海道全域に分布していることが分かりました。「カミツレモドキの近縁種も広く分布している」との記述がありましたが,この「近縁種」というのがイヌカミツレではないかと思います。
カミツレモドキの新聞記事

 図:カミツレモドキに関する新聞記事(北海道新聞,1998年2月10日付け)。

 イヌカミツレもカミツレモドキも外見は清楚な花をもつ植物ですが,実はやっかいな外来種なのです。2012年の私のメモに,「今後,イヌカミツレが旭川近辺でどのように勢力を拡大してゆくのか,先々が心配だ。注意深く見つめて行こう」と書き留めました。
 そして,翌2013年,ポン川の近くへ散歩に来て,思わず「あぁ~!」と驚きの声をあげました。川の左岸一帯に広がる小麦畑にイヌカミツレが大きく蔓延っていたのです。場所によってはもう小麦畑ではなく,イヌカミツレの栽培畑と化していました。わずか3年間でこんなにも大繁殖するとは驚きです。農家の人も諦めたのでしょうか,もう全く除草されていないようでした。何か効果のある駆除法はないものでしょうか・・・。
小麦畑に蔓延ったイヌカミツレ

 図:小麦畑に蔓延るイヌカミツレ。


 だいぶ前のことになりますが,ハンドボール部の顧問をしていたことがあります。そのとき,「ハンドボール」を漢字で「送球」と書くことを私は初めて知りました。それまでは,「送球」と言えば,野球における投球・捕球・送球という動作の中の一つを表す言葉だとばかり思っていました。
 ボールを相手ゴールへ手で投げ込む競技ということから「handball」と命名されたものとすれば,和製の「送球」よりも中国での呼び名である「手球」の方がぴったりすると思うのですが,なぜ日本では「送球」になったのでしょうか。そのいきさつを知りたいと思い,あれこれ調べたのですが,明確な理由は分かりませんでした。
 このことがきっかけとなって,色々ある球技の和名(漢字名)を調べてみました。以下に,その調査結果を簡単に紹介しましょう。
 まずはほとんどの人が知っている和名について見てみましょう。「ベースボール」は「野球」,「テニス」は「庭球」,「バドミントン」は「羽球」,「バレーボール」は「排球」といいます。
 続いて,「バスケットボール」は「籠球(ろうきゅう)」で,「サッカー」は「蹴球(しゅうきゅう)」と呼ばれています。これらになると,漢字を読めないという人も出てくることでしょう。

野球のグローブとボール
 図:野球のグローブとボール。息子が小さかった頃,キャッチボールをしたものです。

 逆に,和製語は知っているが,カタカナ語の方は知らないという場合もあります。「卓球」は「テーブル・テニス」,「水球」は「ウォーター・ポロ」ですが,言えましたか?ちなみに,「水球」と「ハンドボール」は,競技の場が水か陸かという違いはあるもの,互いによく似た競技です。

卓球のラケット
 図:私が愛用している卓球ラケット。シェイクハンド(左)と中国式ペンホルダー(右)。
 これから先はもうマニアックな世界で,「ラグビー」は「闘球(とうきゅう)」,「ソフトボール」は「塁球(るいきゅう)」,「ドッヂボール」(「ジ」ではなく「ヂ」が正しい)は「避球(ひきゅう)」,「アメリカン・フットボール」は「鎧球(がいきゅう)」と表されます。鎧(がい)は訓読みで「よろい」のこと。「ゲートボール」は「門球」。「クリケット」は「板球」。なるほど,クリケットで用いるバットは板状か・・・。という訳で,いずれの和名もその漢字から競技のイメージが伝わってきます。
 さらにこの先,私が勝手に命名した和製語(下線を付したもの)も加えてながら紹介しましょう。「アイス・ホッケー」は「氷球(ひょうきゅう)」。ふむふむ。ならば,最近,北海道で競技スポーツ化した「雪合戦」は「雪球」と呼ぶのが美しくはありませんか?陸上の「ホッケー」は「杖球(じょうきゅう)」といいます。たしかに杖(スティック)で球を扱っています。ならば,「ラクロス」は「網杖球」と呼べませんか?そして,「セパタクロー」には「足排球」,「フットサル」には「室内蹴球」,「スカッシュ」には「壁球」と,勝手に名付けてみましたが,どうでしょうか。
 さらに,「ゴルフ」は「孔球(こうきゅう)」といい(ならば,パークゴルフは「公園孔球」になるのか?),「ボウリング」は「十柱球(じゅっちゅうきゅう)」といいます。なるほど,ピンの数は10本か。また,「ビリヤード」は撞球(どうきゅう)」といいます。撞(どう)は訓読みでは撞(つ)くということなので,納得。
 と,私の知ったことはここまでです。和名のない球技はまだまだありますが,カタカナ語が飛び交う今の時代,無理に和名をつける必要もないのかもしれません。
 蛇足:「砲丸投げ」や「ハンマー投げ」も球を扱う競技ですが,陸上競技の1種目として扱われており,球技の範疇(はんちゅう)には含められていません。また,「弾珠」もいまのところ球技には含められていません。「弾珠」とは何かって?中国語で「パチンコ」のことですよ。

 お待たせしました。名前にまつわる話です。
 ニセアカシアはマメ科・ハリエンジュ属に分類され,学名をRobinia pseudoacacia,和名をハリエンジュといいます。ハリエンジュ属を表す「Robinia」は,フランスの園芸家のJ. Robinとその息子のV. Robin(植物学者)の功績を讃えて命名されたものです。和名の「ハリエンジュ」は,同じマメ科に属する中国原産のエンジュ(槐)の木に似ていることと,枝や幹に鋭いトゲがあることから名付けられた名前です。
エンジュ

 図:エンジュの白い花。
 つまり,「ニセアカシア」という名前は,学名でも和名でもなく,単なる通称なのです。
 元々,明治時代に渡来した時,ニセアカシアは単に「アカシア」という通称で呼ばれていました。しかし,後に別種のアカシア(マメ科・アカシア属の植物)が輸入され,同名異種(同じ名前が異なる2つの種に付される)問題が起こりました。その時,ニセアカシアの種小名のpseudoacacia(pseudo-は「ニセ」という意味,-acaciaは「アカシア」)を直訳して,ニセアカシアという通称に変更されました。平たく言えば,「先輩のアカシアが後輩のアカシアに負けて名前を替えた」ということです。
 ちなみに,“後輩のアカシア”はオーストラリア大陸,アフリカ大陸の熱帯~温帯部に分布し,代表的な種のフサアカシアやギンヨウアカシアは房状の黄色い花を咲かせます。北日本の寒い地域での栽培は難しく,北海道の野外では育ちません。
ギンヨウアカシア

 図:ギンヨウアカシアの花(引用:http://www.plant.kjmt.jp/tree/kigijpg/ginyoa2j.jpg

 このようにして新しい通称が「ニセアカシア」と決まったのですが,昔から「アカシア」の名前に親しんできた北海道の人達は「ニセ」という接頭語を付けられた名前を気に入りませんでした。「“ニセ・・・”などとニセモノ扱いはかわいそう」,「あまりにも無粋な名前」などの声が挙がり,その話題は新聞でも取り上げられました。
新聞1978-6-30

 図:北海道新聞1978年6月30日付けの記事。
 実は,同名異種問題が起こった時に,北海道大学植物園の初代園長の宮部金吾博士が,ニセアカシアをロビニアに改名してはどうかと提案していました。“後輩アカシア”がその属名である「アカシア」を名乗るのならば,“先輩アカシア”もその属名である「ロビニア」を名乗ってはどうかという訳です。しかし,この提案は北海道に根付きませんでした。また,先輩の顔を立てるために,“先輩アカシア”の名前の「アカシア」はそのままにして,“後輩アカシア”を「ホンアカシア」と改名してはどうかという案や,“先輩アカシア”を「キタアカシア」に改名してはという案もありましたが,いずれも立ち消えになりました。私としては宮部博士の「ロビニア」案に賛成なのですが・・・。
 そのような訳で,不名誉な「ニセアカシア」という名前は残り,同名異種問題も依然として残ったままなのです。
 唯一の救いは,北海道では先輩と後輩のアカシアが同席する(並んで育つ)ことはなく,呼称上の大きな混乱は起こっていないということです。

 余談です。上に出てきた「宮部博士」の名前を見て,「生物の受験用参考書にあったぞ」と記憶していたあなたはすごい。大学受験「生物」の知識は満点です。日本の植物の地理分布境界線に「宮部線」というのがあり,これが宮部博士の名前をとったものです。博士は千島列島のエトロフ島と,その隣のウルップ島の間で植物相が大きく異なること,すなわち,エゾマツ,トドマツ,ミズナラなどの北限がエトロフ島であることを発見し,ここに分布境界を置きました。日本の生物の地理分布境界線には,宮部線のほかに,八田線,ブラキストン線,渡瀬線などがあります。日本列島のどこに引かれた境界線で,どんな生物の分布境界になっているのかは,自分で調べてみてください。
 もう一つ,宮部博士の名前が残されているのが「ミヤベイワナ」です。この魚は北海道の然別(しかりべつ)湖にのみ生息し,オショロコマ(サケ科,イワナ属)の亜種です。海と川を行き来していたオショロコマが火山活動で然別湖に閉じ込められ,長い年月の間に独自の進化を遂げました。この種は,最初に発見した宮部博士の名前に因んで,ミヤベイワナと名付けられました。


 前回の「差別的な生物種名」の続編です。ニセアカシアの名前にまつわる話をしたいと思います。が,その前にまず,この植物のプロフィールを紹介しましょう。
 ニセアカシアはマメ科の落葉高木で,北アメリカ原産の外来植物です。明治時代の初期に日本へ渡来し,街路樹や公園樹として利用されています。また,湿った土地を好むので,川筋の砂防,土止め,護岸の目的で植栽されることもあります。
 札幌市の北一条通りのニセアカシア並木は有名で,北原白秋の童謡「この道」の舞台とされています。6月に純白の花をたわわに咲かせ,涼しいそよ風に乗って甘い花の匂いが漂ってくると,北国の初夏の訪れを感じます。
 私の家の近所にある公園にもニセアカシアの木がたくさん生えています。この場所が公園になる前から,園内を流れる川の土手に自生していた木々です。毎年,開花期になると,蜜を求めるハナバチたちが訪れてとても賑やかです。やがて,花期が終わると,花びらが一斉に落下し,公園内の小道は雪が降り積もったように真っ白になります。
ニセアカシア
ニセアカシアの花
ニセアカシアの花落下の道

 上図:白い房状の花をたくさん咲かせた木。中図:房状の花(総状花序という)の拡大写真。個々の花はマメ科植物に特有の形をしており,蝶形花と呼ばれています。下図:落下した花びらで埋まった公園の小道。

 マメ科植物であるニセアカシアは根粒菌と共生しているので,痩せた土地でもよく育ちます。根粒菌は空中の窒素を取り込み,栄養分(窒素化合物)に作り替えて宿主であるアカシアに提供し,その代わりに宿主から光合成で作られた栄養分をもらっています。
 この強い繁殖力によって,ニセアカシアはその地域にあった植生を大きく変化させ,自然景観をも変えてしまうことがあります。そのため,国はこの植物を「生態系被害防止外来種」に選定しています。これに関連して,最近ある問題が起こりました。
 2017年6月,鶴居村が釧路湿原国立公園内の村有地にニセアカシア600本を植樹しました。潮風が当たる痩せた土地の回復と,養蜂業を盛り立てるため(この植物は重要な蜜源になる)という理由でした。しかし,自然保護関係者から釧路湿原特有の生態系を損なう恐れがあるとの指摘があり,環境省も村へ原状回復を要請しました。その結果,村はぜんぶの苗木を抜き取るという事態に追い込まれてしまいました。
 自然保護とその地域に暮らす人々の生活との調和は難しい課題ですね。
新聞2017-8-2

 図:「釧路湿原にニセアカシア植樹」の記事(北海道新聞,2017年8月2日付け)。

 前置きがすっかり長くなってしまいましたので,「ニセアカシアの名前の話」という本題は次回に紹介ということにさせてください。

 伊豆諸島の鳥島に住む大型の海鳥アホウドリは,食用・羽毛採取のため大量に撲殺され,現在絶滅に瀕しています。地上での動作が鈍く,殺戮(さつりく)が容易だったことから,捕獲者にこの名で呼ばれました。「海の王者をバカ呼ばわりとは,アホウドリの改名を提言,東邦大学・長谷川助教授」という記事が北海道新聞に載りました(1997年3月)。長谷川博士はこの鳥の保護と繁殖に長年取り組んで来た研究者で,その献身的努力によって鳥の数は現在4,000羽を超えるまでに回復しました。彼が「アホウドリ」から「オキノタユウ」への改名を提言する気持はよく分かります。
アホウドリ

 図:アホウドリ(引用:http://do-butsu.com/wp-content/uploads/2015/12/e90959c3.jpg)。
新聞1997-3-16
 図:アホウドリの改名を訴える新聞記事(北海道新聞1997年3月16日付け)。

 この記事よりだいぶ昔になりますが,ママコノシリヌグイの改名を訴える投書記事を新聞で読みました。この植物は原野や道端でごく普通に見られるタデ科の1年生草本で,茎には逆向きに多数の棘が生えています。
ママコノシリヌグイ

 図:ママコノシリヌグイ(引用:http://plants.minibird.jp/hydrophytes/plants/shissei/ma_gyou/ mamakonoSirinugui/mamakonoSirinugui.html)。
 種名は「継子(ままこ)の尻拭い」の意味で,逆向きに棘のある茎で継子(血のつながりのない子)のお尻を拭く(継母が継子を嫌って虐待(ぎゃくたい)する時にお尻を引っ掻く)というところから出ています。
 投書を書いた女性は子連れの男性と結婚していました。ある時,この女性が小学生の息子と親子自然観察会に参加しました。たまたま,息子にこの植物の種名を尋ねられたインストラクターは得意になって名前の由来を話し,脇でそれを聞いていたこの女性はとても悲しい思いをしたといいます。「私と同じ立場にあって,実子と思って子供を慈しんでいる大勢の女性の気持ちをまさに"逆撫で"する,このような差別的種名の存在を絶対に許せない」というのです。この女性の気持ちも大変よく分かります。

 その気になって差別的と思われる名前をもつ生物種を調べてみると,これがずいぶん多いにこと驚かされます。前述のアホウドリ(阿呆)の他に,バカガイ(馬鹿),イザリウオ(いざり),オニヤンマ(鬼),コビトカバ(小人),ザトウクジラ(座頭),ジョロウグモ(女郎),チビクワガタ(ちび),トウゾクカモメ(盗賊),ナマケモノ(怠け者),ハゲワシ(禿げ),メクラウナギ(盲)などなどです(今では死語に近い差別語も含まれていますが・・・)。各語で1つの種名しか挙げませんでしたが,コビト,メクラ,チビとつく動物数はそれぞれ2桁に上ります。動物名だけでもこうですから,植物名も加えたらまだまだあるでしょう。メクラチビゴミムシは盲で,ちびで,ゴミという三重の差別用語をもつ気の毒な昆虫です。差別用語を撤廃すれば,"視覚障害性小型廃棄物ムシ"というすごい名前になってしまいます。
メクラチビゴミムシ

 図:メクラチビゴミムシ(引用:http://gecko0912.web.fc2.com/HP3/zukan/photo/02e/ mekuratibigomimusi01d.jpg)。

 そんな訳で,偏見のある名前をもつ生物があまりにも多く,改名作業は簡単ではありません。アホウドリの改名だけでお茶を濁そうとしたら,「俺達のことはどうしてくれる」と他の生物達からお叱りを受けることになるでしょう。それよりもなによりも,「これも差別的,あれも偏見・・」と言い立てて,次々に言葉狩りをし,種名を変更しただけで本当に差別がなくなるのでしょうか。人々の心から差別の気持がなくならない限り,今の差別用語を撤廃してもそれに取って替わる新しい差別語が誕生するだけのことになりかねません。
 「動物の命名は人々の歴史を反映している。我々の命名のあるものは,無知,虚飾,頑迷および個人的偏好に固執しすぎた結果であって,このことは,一般の言語が民族の習俗,自負,偏見の結果として生じたものであることに似ている」。この文章は,国際動物命名規約の序文の一部を要約したものです。新種を発見した研究者には,その生物の種名を付ける権利が与えられます。しかし,研究者が種名を付す時の大きな責任については,ついぞ大学の講義でお目にかかりませんでした。
 地球上には無名の生物がまだまだたくさんいます。新種と同定された時,その生物はいかなる種名を与えられ,現代のいかなる世相を背負って行くことになるのでしょうか。

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