日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

竹村一哲ds×井上銘g×織原良次eb (20170609)

この3人のユニットは、No Trunksでだけ演奏していてこれが2回めのライブ。
前回も聴きたかったがタイミングあわず残念ながら見送ったので、今回はけっこう前から楽しみにしていたので2週連続のライブで翌日イベントがあるが参戦。

竹村一哲は、板橋トリオのレギュラードラマーで、ライブでもCDでも聴取頻度はかなり高い。
最近聴いたのは、板橋Gの"Alligator Dance 2016" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63979738.html)
織原良次は、橋爪トリオ、NHORHM、Tokyo Zawinul Bach等で、こちらもライブでもCDでも聴取頻度は高い。
近作は、橋爪Gの "Incomplete Voices" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64159819.html)
井上銘が、リーダー作は全部聴いてるし参加作もいくつかは聴いていますが、ライブは初。
自分でもちょっと驚いている。
そういえば、板橋トリオのベーシストが先週、ドラマーが今週ということですね。

舞台は、左奥にドラム、その手前にギター、ベースは右だが扉を邪魔しない程度に内側に立つ。

定刻から10分程度遅れて開演、1stセットが1時間弱、2ndセットが45分+アンコールくらいだったか、聴衆は最終的に25人にはなっていたと思う。

演奏曲は、スタンダード、ジャズメンオリジナルを中心にしたもので、Ron Carter、Bud Powell、Thelonious Monkに、Pat Methenyといったラインナップに、織原さんのオリジナルが数曲入ってました。
3人が持ち寄った曲から選んだんだそうだが、織原だけ自分のオリジナルばかり持ってきたということらしいw

ギターは足元の機材多めで、そう派手では無いがコンテンポラリ系からロックでも通用しそうな音色。
演奏中も、こまめに足でスイッチを操作し(激変はさせないが)音色、エフェクトの変化を加えていく。
ベースは、過去に聴いてた織原サウンドよりは明快なフレーズと聴いたが、これは井上のサウンドスタイルに合わせている感じか。
ドラムも、ダイナミックでありながら、全体の雰囲気に合わせるように繊細かつ微妙に調整したドラミングを聴かせ、巧さを見せる。

このメンツだと、8ビート中心のロック調の演奏を予想していたが、実際は前述の通り、4ビート基調のビバップ、ハードバップな曲が中心で、フレーズを含めて音の肌触りはコンテンポラリと言えるもの頻出だが、これらの曲との融合具合が想像以上に良くて、若いギタートリオが古いジャズの曲を演るときの好適なスタイルと言えるんじゃないかと思うくらい。
非常に満足度の高い至福のときを過ごさせてもらいました。
アンコールは、井上がこれ演りたいと言ってたと思うが、Mistyで終演。

翌朝、ツイッター眺めてたら、井上が、「今日のノートランクス楽しかった〜!オリさん一哲くんとまた早くやりたい!」なんて書いてて、多忙な3者だが、またこの3人でのライブは楽しめそう。

橋爪亮督 "Incomplete Voices"

橋爪さんのレギュラーグループでのアルバムはこれが4枚めですが、間にライブ盤が2枚入るのでスタジオ作としては2枚めです。
ライブ盤が2枚続いたのは、最初のアルバムが好評だったため、同じ公演の残りのテイクもアルバムにしてリリースしたから。
ただし、その2枚めのライブ盤("Side Two")は限定ルート(通販とライブ会場のみ)での販売でした。
 "Acoustic Fluid" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61341299.html)
 "VISIBLE/INVISIBLE"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62341930.html)
 "Side Two"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62988540.html)

最初のアルバムでは、ピアノの佐藤浩一が3曲参加のゲスト的扱いでしたが、ライブ盤も本作でも完全にレギュラーとして全面参加になってます。個人的には良いニュースです。
というメンツは以下の通り。
橋爪亮督(Ts,Ss)、市野元彦(G)、佐藤浩一(P)、織原良次(B)、橋本学(Ds)


演奏曲はすべて、橋爪亮督オリジナルの全部で8曲。
01. Still
02. One Time Dream
03. Synesthesia
04. Song Unknown
05. Line
06. 初月
07. 4-18
08. July

ピアノによるパルス音のようなフレーズを根底に置き、ピアノ、ベース、ドラムによるドラマチックに伴奏的なリズム。
そこにおもむろにサックスが絡み、ワンフレーズ後からさらにギターが印象的なフレーズを入れてくる展開の1曲め。
後半のいかにも佐藤というソロがまた素晴らしい。

橋爪らしいしっかりと抑制を効かせクールでありながらメラメラと青い炎を感じさせるサウンドはそのままに、印象としてはこれまでの作品より温度感高め、抽象画的な雰囲気希薄でビートも分かりやすい、とっつきの良い作風。
後述とおり中盤では、そういう意味では抽象画的な展開に変化していく。

3曲めの市野のソロとかとっても素晴らしいが、この盤での白眉は佐藤のピアノで、多くの曲で曲の核的な役回りを担い、バッキングでの印象的な節回しもさることながら、其処此処で披露されるソロの素晴らしさ。
登場するたび聴き惚れてるような感じ。

このバンドの美しさの妙は、なんといっても橋爪、市野、佐藤のフロント3者による重合的アンサンブルにあるのは自明で、2者、3者の音の重なり合いがなんとも美しい風景を描き出す。
そういう意味では、このアルバムでは3〜5曲めのサウンドテクスチャがバンドの真骨頂とも言えるのだが、曲調としてちょっと重めなので好みはわかれるでしょう。

ということで、ベストは8曲めの強烈美しい曲にします。

橋爪亮督 "Incomplete Voices" (https://www.amazon.co.jp/dp/B06WWD4256/)

南博、瀬尾高志 デュオ (20170602)

南さんが、No Trunksに出演するのは、たぶん9年ぶりで、9年前は、BOZOでのもので、2008年7月だったと思います。
 "BOZO (20080712)" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/54056703.html)

これ以来、ふっつりとライブに出演することがなくなっていました。
もっとも、この頃人気は高くCDもコンスタントにリリースされていました。下記は、ピアノトリオ3部作。
 "Body & Soul" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/60753730.html)
 "Girl Next Door" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/59330932.html)
 "Like Someone In Love" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/53426957.html)
ライブも、Pit Innとか、代官山とか下北沢等々、コンスタントに出演していたと思いますが、なかなか見にいけず。

CDの最近作は、THE MODERN TRIO名義での
 "Fox Wedding" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63347042.html)



ほぼ定刻の20時に開演。

ピアノの前の椅子に座った途端にポロンポロンとピアノを弾き始め、そこにベースが絡むとすぐにテーマに移るという小気味良い進行。
演奏曲は、ジャズメンオリジナル、スタンダードを中心にした4ビート主体。

南さんの粒立ちが良くコロコロとよく歌うフレーズに、絶妙にアウトした音を混ぜ込んだ演奏で、ピアノをしっかりと鳴らしきるいかにも南節炸裂といった感じのピアノが、たまらない。
個人的に、このピアノはやっぱり好きだと再認識しました。
ここのところCDでも南さんの演奏聴いてないなと反省。

瀬尾君の、ゴリゴリとした硬質な演奏は、ほとんどスピリチャルな展開には振らず、オーソドックスな演奏の範疇でガッツリとした主張を繰り広げる。


最近定番となっているピアノを左側まで移動したステージセッテイングで、ベースは少しだけ拡声していたとおもうがほぼ生音で聴かせる。

1stセットがちょうど1時間くらい、2ndセットが40分くらい。アンコールにも答えてくれ、大満足なライブでありました。

聴衆が残念ながら少なめでしたが、濃密な時間を過ごせました。

"Pianium" m.s.t.

ここのところ楽しみにしているという感じで、安価なミニアルバムがリリースされると無条件購入をしていまして、おおむねタワー限定リリースのアルバムなんですが、なかなかクオリティの高い演奏を聴かせてくれてて面白い。
本作もその一環で見つけ、無条件に買いを決めたアルバム。

m.s.t.としてはピアノとベースの2人組のユニットのようだが、本作では全曲でドラムが入り、2曲では弦楽器他が入る豪華な布陣。
これがメジャー初リリース、自主制作を入れると3枚めのアルバムのよう。

持山翔子(P)、小山尚希(B)
山内洋一朗(Ds)
佐藤芳明(Acc:4)
銘苅麻野(Vln:3,4)、雨宮麻未子(Vln:3,4)、河村泉(Viola:3,4)、村田順平(Cello:3,4)

演奏曲は、持山のオリジナルが3曲(1,4,5)、小山のオリジナルが1曲に、有名曲で全部で5曲。
1. Alive
2. Waltz For Debby
3. 朝靄
4. 夢
5. Pianium

m.s.t.というユニットとしては、ピアノとベースのデュオではあるが、ここでは前述のクレジットの通り全曲でドラムが入り、2曲はさらに豪華な面容となる。

1曲めは、バスドラムが一定のビートを叩く上での、ピアノの主旋律とベースの合いの手のような低音で演奏される2ビートかと思わせるような曲。
ベースソロはアルコで、ピアノソロはあまり高速(昨今の流行は女性の早弾きだw)にならず表情豊かな演奏を聴かせる。
ドラム先導ではあるがドラムがあまり派手に立ち回らずにリズムキープだけと考えれば、それで脇役とも言えそうだが、最後はドラムソロで終わる。

2曲めが有名曲で、最初のテーマをピアノだけで演奏し左手の伴奏がベースに入れ替わるというアレンジで、Bill Evansの演奏との違いを明確に表す。
ドラムが入って本編という感じになるが、あまりスウィンギーに演奏せず、流暢さを前面に出し抑揚を抑えたような演奏で、Bill Evansの演奏に馴染んでいるとちょっと単調に聴こえるか。
しかし、この有名曲に挑戦する意欲は買わないといけないでしょう。

3曲めで弦楽器を加え音の響きに厚みを持たせ変化をつけ、ベースソロもエレベで変化を見せる。
ここでも明瞭なビートを前面に出した演奏。
4曲めも同様に弦楽器が入る曲で、さらにアコーディオンが入りタンゴ調の曲調になる。

5曲めは流暢美麗でキラキラしたピアノのイントロから、ドラムが入ってくる展開。
ここでも2ビートかと思わせるくらい明瞭なビートを基調にしている。

リズムは明瞭でしっかりしているが、タッチだったり音圧だったりがあまり強く出るサウンドには持っていかない。
ピアノの持山翔子(http://profile.ameba.jp/shoko-mochiyama/)が、作曲家、ライブサポートで、かなり重用されている人材のようで、そういう耳で聴くと、たとえばニュース番組のオープニングに採用されてそうな感じ。

そもそもが2人のユニットであることと5曲だけという凝縮したアルバムなので、ドラムが客演するのは許容するにしても、本来的には弦楽器他ゲストの入った曲を1曲にして、2人だけでの演奏を入れるべきではなかったかとも思うんですが、このユニットの定常活動形態がゲスト多用であるならこれで良いんですがどうなんでしょう。

ベストは5曲めにしましょう。

"Pianium" m.s.t. (http://tower.jp/item/4472984?kid=psg03)

仮BAND "仮音源"

仮BANDは、Baby Metalのバックバンドでありまして、Baby Metal人気とともに注目されてきているようです。
もっとも、バックバンドとしてはスケジュールの都合等でメンバーは入れ替わっているようですが..

本作は、そんなバンドメンバーが作ったインストアルバムという位置づけで、たぶんBaby Metalでの演奏の凄さが話題になっていたからなんでしょう。

Jazz-Fusionのカテゴリにあったので目について、値段がそこそこ手ごろだったのと、クーポンがあったのとで聴いてみるかと思った次第。
ちなみに、仮BANDがBaby Metalのバックバンドであることを知っていたのは、桑原あいが客演しているという情報を知ったことから。

メンツは中心メンバーが3人で、それにゲストが入ってくる。上述の桑原あいも客演してます。
Mikio Fujioka(G)、BOH(B)、Yuya Maeta(Ds)
Yoshihiro Tsujimoto(Sax:1)、Yuya Tanase(Tb:1)、Yosuke Kobayashi(Tp:1)
Tatsuya Nishiwaki)Key:2)
ISAO(G:4)
Ai Kuwabara(P:5)

演奏曲は、仮BAND名義の全部オリジナル。
01. Common time's Logic
02. Chuku
03. 忍者Groove
04. Djentleman
05. Jamrika
06. Snowflakes

キーボードによる大仰なイントロからホーンアンサンブルが入って重厚感を盛り、象徴的なギターの音色が厳かな雰囲気を感じさせる。
かてて加えて、早いリズムにドロドロと言いたいような低音が拍車をかける、いかにもヘヴィメタというサウンド。

6曲入りのミニアルバムではあるが、立て続けにそんなサウンドが出てくる歌のない(歌謡曲じゃなくて)ヘヴィメタといった趣き。

全般的には、ヘヴィメタコーティングがされてて判りにくいが実はかなりの難曲が並んでいるよう。
だが、さすがにスタジオミュージシャンだけあって
きっちりしっかりした演奏を聴かせ、テクニック的に完璧な演奏ではあるが、テクニック偏重ではなく、また夾雑的暴力的なサウンドでもないので、日本のフュージョンが苦手な耳(自分のこと)にもあまり拒絶感なく聴けるサウンドにはなっている。

5曲めでは、ピアノソロギターソロと続くが、ピアノソロをそつなく聴かせ(自分は桑原のピアノがあまり好きではないようです。)、ギターソロはロック色濃厚と、腐れジャズもの(自分のこと)はこの辺でも唸らせる感じではない。

Baby Metal好きのジャズファンってのが、周囲に少なからずいるようなのだが、この演奏から少なからずなんらかの納得する要素を感じている気はしてはいるかな。

ベストは4曲めです。


仮BAND "仮音源" (https://www.amazon.co.jp/dp/B06X9XDRJK/)

永武幹子、吉良創太 独壇場+ (20170415)

年に何回か、月曜日の21時から「独壇場」というタイトルでライブを行っており、おもに若手奏者を主役にソロだったり、デュオだったりとライブを行っています。
月曜なので基本的には行けない(行かない)のですが、見たいライブがあったときは、翌日休みがとれたら赴くという程度で、これまで4回見てるはず。
うち3回は記事にしてます。3〜4年に1回程度ですね(汗) 1回めは誰を見たんだろう..(忘却)
 スガダイロー (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/58145579.html)
 石田幹雄 (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61366288.html)
 纐纈雅代、原田依幸 (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63727748.html)


今回から、纐纈さんにかわって、永武さんが独壇場に登場です。
その1回目は、ドラムの吉良さんとのデュオ。

吉良さんは、notrunks初登場だそう。
永武さんも、ドラムとのデュオは初とのこと。(パーカッションとのデュオは演っているそうだが..)


ピアノを定位置から左に移動して、ピアノの位置にドラムを配するセッテイング。
最近、ノートラでピアノ入りの小編成を聴いていないから知らなかったが、最近はこのピアノの置き方が多いらしい。
実際、ピアノが良く鳴っていたような気がする。


ライブは、永武さんが普段あまりやることのないらしいフリーインプロから。

永武さんのピアノの、左手でガンガン叩ききる低音が圧巻。
特に小指から繰り出す最低音の迫力がもの凄い。 思わず、どんな小指なんだ⁉︎と、触らせてもらおうかと(嘘)
全体にも、強タッチでありながらよく歌うスタイルが素晴らしい。
そんな弾きまくりの演奏から、ストライドとかオールドスタイルの演奏をすると合いそうだなぁとか思いながら聞き惚れてました。

吉良さんのドラムは、ブラシ、マレット、スティックをこまめに持ち替え、曲の展開に合わせ、合わさせ、微妙にサウンドコントロールしていたのが印象的。

演奏曲は、この後、トラディショナル、カーラブレイ、青の洞窟、if I were a bell、エリントンというセットだつたと記憶。
曲調としては緩急織り交ぜた構成だったが、演奏は全体にアグレッシブな展開で、そのアグレッシブな演奏の凄さにやられた感じ。
特にif I were a bellで、ベルの4音の後、しばらく激しいフリーインプロが続き、早めのテンポのテーマになだれ込むというアレンジが、こう来たかー!って感じで面白かった。

最後、アンコールにも答えてくれて、1時間弱のライブ終了。

月曜の夜ってことでお客さんは少なく、4人だったが、とっても濃い良い演奏を堪能させてもらいました。

次回独壇場は、8月に開催予定とのこと。
その8月に、トリオ、ヤムヤムズも予定されていて、高頻度に登場だそうです。

"Night & Day" 松本茜

松本茜さんのリーダー作を聴くのはこれが2作め。
最初は、2015年秋頃リリースの"Memories Of You" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63396546.html)で、メンツは本作と同じく Peter Washington、Gene Jackson というもので、帯上"ニューヨークトリオ"と記載されているが、レギュラートリオなのか!?
日本人でのレギュラートリオってのがあるか不明ですが、さらっと見た感じ、数回演ってる本作のリリースライブは固定の3人ではなさそう。

ライブは2回見ているが、なぜかトリオでは聴いていない。
 DUO (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62249717.html)
 SOLO (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63744017.html)

しかし、これだけのメンツを揃えて2枚のアルバム(録音は別時期、1録音2枚作成ではない)をリリースしているのは、3人の相性が良かったということなんでしょう。
Akane Matsumoto(P)、Peter Washington(B)、Gene Jackson(Ds)

曲は、Cole Porter, Irving Berlin, Oscar Peterson, Billy Strayhorn等々の有名曲6曲に、浜崎航に、本人のオリジナルで全部で8曲。
01. Night & Day
02. They say it's wonderful
03. PlaceStHenri
04. LotusBlossom
05. But beautiful
06. Miss sunshine
07. Beyond the bluebird
08. Quiet rain

ピアノトリオフォーマットの王道とも言える典型的ストレートアヘッドなスタイルで4ビートの演奏をしているなぁというのが第一印象。

前作同様、小気味よくころころと聴かせるピアノから、アグレッシブで早いフレーズまで幅広く聴かせるが、本作ではガツガツと弾き倒すような演奏は控えめに、曲によるタッチの強さの変化をあまり出していない印象。
その分、Peter Washingtonのベースソロをたっぷりと聴かせ、Gene Jacksonのドラミングの妙に焦点をあててと、全体の配分をしっかり考慮した演奏を意識しているのかなと感じられる。
選曲も、アップテンポの曲よりスローなバラード曲より、ミドルテンポでスウィンギーに聴かせる曲が多く、しっかりとかつ流暢に演奏を安心感たっぷりに聴かせていく。

最後がオリジナルで、後半のトリオ演奏のゆったりした雰囲気と余韻たっぷりのエンディングも捨てがたいが、前半のしっとりとしたソロが素晴らしい。

ベストは、その最後の曲にしましょう。

"Night & Day" 松本茜 (https://www.amazon.co.jp/dp/B06WD7X6KN/)

小山, 山田, 永田トリオ (20170429)

ライブ自体はこれがたぶん3回めだと思いますが、自身2回目のこのトリオのライブ参戦です。前回が昨年秋でそれが結成初ライブで良いと思います。
 https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63883813.html
そういえば、名前ついたそうで Fake Anagram とのこと。

メンツは不変の以下の通り。ギターの小山は、No Trunksでのライブがここのところ多い印象。
小山大介(G)、山田あずさ(Vib)、永田真毅(Ds)

入口正面にあたるところに、ヴィブラフォンを設置、その後ろにドラム。ピアノの前にギターが立つ、立ち位置。
聴衆は10人くらいだったか..。

このバンドはJazzRockを演奏することをコンセプトにしているんで、演奏曲は、Gabor Szabo、Larry Coryell、Gary Burton等を中心に各人のオリジナルを少々まじえたもの。
今回、Gary Burtonの"general mojo's well laid plans"を演ったのが個人的には!!でした。
さらに、今回もいろいろ試行的な曲を仕込んでいて、"見上げてごらん夜の星を〜hey jude"を演り、Nouonで演ってるAverage(前日もやってた)を演り(これが、相当難易度が高いようで、ドラムが合わず1回中断、次は途中数小節ドラムなしで演奏継続。その後持ち直してからの演奏が前日とは全然違うロックな演奏で、これがまた面白かった)と、バリエーション広くいろんな曲を試行錯誤もライブパフォーマンスと聴かせてくれた。
他の曲も、早いフレーズが多い曲をしかもテンポも早めに演奏して、難曲を超難曲にしているような印象すら受ける。
1stセットが終了した直後に、山田さんが「50m走をずっとやってるみたい」と言っていたのが実に印象的。

その1stセット最後の曲のVibソロが、これまでになくアグレッシブで、マレットを4本持ちから2本に持ち変え、それを頭の位置から振り下ろす熱いソロを聴かせてくれてちょっとびっくりするくらい。
2本持ちソロは今日のライブでも、これまでのライブでも他の場面ではあまり見たことないもので、今後このバンドの演奏のハイライトになるかもしれないとか思ってみたり..。
この曲のとき、ドラムのタムが転がったんだった。この演奏は全部が熱かった。

1stセットが8時頃から40分くらいで5曲くらい演奏。2ndセットが9:15頃からで、4曲に、アンコール1曲を含めて45分くらいだったか。
時間的には若干短い印象だが、中身が濃かったので満足度は高いライブを楽しませてもらいました。

次回は、9/1になるとのことです。

"You Already Know" Bungalow

この盤は、ネット上で新譜漁りをしてて見つけたもの。
佐藤浩一さんが入ったユニットってだけで、買いを決めています。
佐藤浩一さんのアルバム "Melancholy Of A Journey" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63804663.html)を2016年の年間ベスト(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63970231.html)に挙げてるくらいなんで、個人的にここはしっかりチェックしないといけないところ。
と、hp見つけて(http://www.bungalowmusic.net/)眺めてたら、これが4枚めのアルバムだったんですね。
全然、チェックできていませんでした。

メンツは以下の通りで、初期2枚とフロントが変わっているようです。
Mike Rivett(Ts)、佐藤浩一(P)、池尻洋史(B)、大村亘(Ds)

演奏曲は、大村4、佐藤4、池尻2、リベット1、Bunglow名義で2の割り振りで全部オリジナル
1. Santa Cruz
2. Gravity Snap
3. Bombori
4. Led Astray
5. Ephemeral
6. TOAD
7. You Already Know
8. Day 29
9. Dark And Elegant
10. KAMIYA
11. Test
12. Sakhalin
13. Imagined Winter

レニトリスターノ、コニッツ系統のクール系の曲調が多めな前半。
ただし、ストイックに難解な曲を辿って行くだけではなく、(もちろん、曲が難解である感じはプンプン臭ってきているが)ウォームな感触を随所に盛り込んだものでフレーズに優しさを感じたり、音色に柔らかさを感じたり、クール一辺倒ではない。

3曲めでは和太鼓(つづみ)のような音を入れることで、日本的な緊張感を出し、7曲めでは、いろんな種類のパーカッションが重合して打ち鳴らされる民族音楽のような雰囲気。大村の造詣が深いからかちょっとインド臭を感じるか。
8曲めもタブラを叩いているよう。
11曲めはハードバップな4ビート、12曲めはコンテンポラリ色のあるミドルテンポの8ビート、最後はブツブツいう電気ノイズを散りばめてエレクトロニカ臭を漂わせる曲と、後半は曲毎のスタイルの振り幅は広めで、堅柔硬軟織り交ぜた曲が並ぶ。
これで、散漫な印象にならないのは演奏者のしっかりとした個性で聴かせているからでしょう。

ピアノとサックスの耽美な交歓の妙とともに、パーカッションの幅広く創造的なサウンドがこのバンドの聴きどころになっているんだと思う。

ベストは1曲めにしましょう。

"You Already Know" Bungalow (https://www.amazon.co.jp/dp/B01N4S7D8I/)

Nouon (20170428)

Nouonのライブを見るのは、これが3回目。
最初が、荻窪のVelvet Sun
 https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63597215.html
次が池袋のAbsolute Blue
 https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63952970.html
で、今回は新宿Pit Innの昼でのライブ。
この間に、Huw Lloydの代わりにベースのTyler Eatonが入った構成でもライブを行ってます。(未聴)
アルバムも1stの”Kuu”(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63552065.html)と、限定リリースのライブ盤(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64005602.html)と聴ける音源はひと通り聴いてます。
変則の楽器構成が奏でるサウンドのおもしろさ、曲のおもしろさが妙に気に入ってます。

開演前に数えて25人くらい、2ndセット前に数えて35人くらいは入っていたと思う
平日昼としては、驚異的な集客力と言えるでしょう

ステージは、ピアノを端に寄せ、その位置にヴィブラフォン、真ん中にドラム、左奥がコントラバスクラリネット、その手前にキーボードという位置関係。
演奏は、12月のときよりアグレッシブな曲が多少減って、幽玄な雰囲気の曲が入ってきていると感じたが..。

このバンドはフロントの楽器が特徴的(今日のMCで似た音色を出す3つの楽器でバンドを作ったと言っていた)で、その3者が鳴らす音色の面白さが魅力の中心と認識していたが、(今日は、Huw Lloydが高い音を多用していたのが印象的だった。これがContrabass Clarinetが出す似た音色なんでしょう。)
実は、山本のドラムが大いなる魅力なのではないか、ちょっと前ノリのドラミングなんだと思うがそれが演奏のドライブ感を作り出すとともに、Nouonの独特の雰囲気を作り出しているんじゃないかと今回聴いていて思った次第。

たいがいの曲で、曲の展開が変わるタイミングを誰か(曲により変わるが、キーボードのKevin McHughか、Vibの山田のことが多い)が合図しているのもリーダーがいなさそうな気配とともに、バンド内の雰囲気が良いんだろうなと感じさせられ、そんなところもこのバンドを魅力的に聴いている理由なんだと勝手に思ってます。

定時から10分弱くらい遅れてのスタートで、1stセットが1時間強、2ndセットが40分くらいに、アンコールという、ちょっとバランスの悪いwセット構成で16時50分頃終演。
1stセットがそこそこの曲数を用意していながら1曲が長くなっていて、2ndセットがその反動で曲数を絞った上に1曲があまり長くならないよう自制した結果と推測。
ただ、演奏自体は、個人的にはいずれも満足度の高いもので、たっぷりと堪能させてもらいました。


5月に数回、7月8月にもライブが予定されていて、その後2枚めのアルバムのレコーディングに入るとのこと。
記事検索
Amazonライブリンク
Recent Comments
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ