日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

"捨てられた雲のかたちの" 伊藤ゴロー

伊藤ゴローの名前は、naomi & goroってバンドの存在で知ったんですが、このユニットの作品は未聴。
唯一、菊地成孔絡みで、"naomi & goro / 菊地成孔"名義の作品を聴いている。
 "calendula"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/60815808.html)
最近では、原田知世のカヴァーアルバム
 "恋愛小説"(https://www.amazon.co.jp/dp/B00S1MK72U/)
 "恋愛小説2"(https://www.amazon.co.jp/dp/B01D444B9O/)
 "音楽と私"(https://www.amazon.co.jp/dp/B071F35C5N/)
Stan Getsの名盤トリビュート作
 "Getz/Gilberto+50"(https://www.amazon.co.jp/dp/B00CCVWLQ6/)
なんて作品で名前を見ているのですが、これらも気になっていながらすべて未聴。
本作は、新譜漁ってたら引っかかったんですが、ブラジル系ミュージシャンと共演していることと、すべてインストであることから興味が湧いて購入を決めた次第であります。

本作のメンツは2組に分かれていて、リオデジャネイロで録音した分と東京で録音した分で異なり、以下の通り。
ギター、ピアノとストリングスってのが基本構成と言って良いでしょう。

[RIO Session:01,02,04,06,08]
Goro Ito(G)、Jaques Morelenbaum(Cello)、Marcos Nimrichter(P)、Guto Wirtti(B)、Renato Massa(Ds)

[TOKYO Session:03,05,07]
Goro Ito(G)、Eiichi Sawado(P)
Aya Ito(Violin)、Rina Odera(Violin)、Shoko Miki(Viola)、Tomoki Iwanaga(Viola)


収録曲は即興を含むオリジナルが7曲と、Luigi Rossiの"MIO BEN"という曲構成。
01. Valse
02. Land - Automobile
03. In the Shape of an Abandoned Cloud ~ 捨てられた雲のかたちの
04. Land - in the Beginning
05. Land's End
06. Mio Ben
07. Fly me to the AOMORI ~ 青い森へ連れてって
08. Land - Finale

ピアノ、ギター、ストリングスが織りなす無国籍サウンドと言った感が第一印象。
リズムとかビートと言った語で表現するべき明確なものも希薄で、特にブラジルを感じさせる音作りを感じることもない。

特にブラジルセッションのうちの"Land - "で始まる3曲(2,4,8)は、完全即興の一部を切り取ったものなんだそうで、曲としての完成度ははっきりいって低いんですが、その手探り感というか、未完成感がなんとも不思議な雰囲気を醸してて、そういう意味での面白さってのは、そこここで感じられる。

2曲めの最後に、笑い声のようなかけ声のような声が入って、そこから盛り上がるのか?と思ったら静かにエンディングを迎える展開とか、意表を突いてますw

完全即興ではない他の曲でも、きっち作り込まれた感ってのは希薄で、良い意味で適度な緩さの中で、たゆたうようなサウンドに包まれるような感じが心地良い。

リーダーの伊藤ゴローはギタリストであるが、全体にギターが前面に出ている場面ってのはあまりなく、個人的な耳には、どちらかというと、ストリングスが前面に出ているくらいの印象を受ける。
そういう意味では演奏家というよりも、音楽家と言った意識の方が強いんだろうなと感じさせる。

ベストは、7曲めにしましょう。

"捨てられた雲のかたちの" 伊藤ゴロー(https://www.amazon.co.jp/dp/B074NFXLGY/)

"Inside or Outside" 藤掛正隆, 片山広明

ドラムの藤掛さんが主宰するFullDesign Record(http://fulldesign.sakura.ne.jp/info/index.html)のアルバムはメンツが気になっていくつか購入したのが馴れ初め。
過去に、下記5枚を購入しています。メンツ見るだけで中央線ジャズ好きには...^^
 片山広明、太田惠資 "K.O."(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63350019.html)
 トリオねじ×林栄一 "トリオねじ×林栄一"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62373668.html)
 片山広明×石渡明廣×藤掛正隆 "8Seasons"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62310970.html)
 トリオねじ×坂田明 "トリオねじ×坂田明"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63566354.html)
 "Trio Edge"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64055424.html)

本作も片山広明買いをしたということで、中央線ジャズ好きとしては抑えておきたいところ。

藤掛正隆(Ds)、片山広明(Ts)

演奏曲は、以下の通り。ジャケットにクレジット表記はありませんでしたが、全部即興ということで
ほぼ間違いないと思います。
1 Inside or Outside
2 Great Approach Run
3 Marvelous Music & Lady
4 Sax Jungle
5 Mr. Terrabe
6 Stupid Rabbit

藤掛の和太鼓のようにドコドコ叩かれるドラムに半音下から湧き上がるように吹き鳴らされる。
片山のサックスが、なんかの儀式の音楽のように響き渡る。
全体に、早いテンポの演奏を排除して、ドコドコ、ブオッとドスの効いたサウンドをたっぷりと聴かせるような感じ。

藤掛のドラムはタムタムでのドコドコ言う低音を基調にスネア、シンバルの中高音域を程よく入れて迫力とノリとをミックスしたようなスタイル。
ときに電子音を混ぜ込んだり、歪ませたり、遅らせたりと、電気的処理を入れくるところが異色。
無くても良いようにも思うが迫力が増しているのも間違いないところで、これがこのアルバムの主要コンセプトではある。

4曲めが早めの曲で、藤掛のドラムが迫力あるサウンドを響き渡らせる。

片山のサックスは、0.2拍くらい遅れてブオッと音が出て、伸ばすところで固有なビブラートをかけ、ある種の威圧感を感じさせる音色と文章化してみるが、いかにもな片山固有の音使いで片山を聴いているな感をしっかり享受させる。
正直なところ、最近聴いているライブよりも良い演奏をしているんじゃないかと感じるくらい。

6曲めで早いフレーズのソロを聴かせるが、破綻してない格好良い即興を聴かせる。

曲の端々で、露骨にだったり、ちょこっとだったり、有名曲(片山の愛奏曲が多め)が顔を見せるところがニヤリとさせられる。

ベストは、ドラムが激しい4曲めにします


"Inside or Outside" 藤掛正隆, 片山広明 (https://www.amazon.co.jp/dp/B074XFMS69/)

"LIVE IN MONTREAL" Hiromi Uehara, Edmar Castanneda

上原ひろみの新作です。
実は、彼女のことを絶賛しているわけではないのですが、結果的にデビュー作から全部買って聴いていることになります。
当初、気に入っていた山中千尋は途中で買うのをやめてますし、他にも1枚買ってその後が続かない人も、そもそも1枚も買ってない人もいるわけですから、そういう意味では、なんらかしら気になる存在であり続けていたというのは間違いのないところでしょう。
もっとも、最近はだいぶ好感触な印象になってきてまして、演奏を楽しみにしている部分があるのも事実ではありますが..

本作は、これまでのトリオでの演奏ではなく、ハープ奏者のEdmar Castannedaとのデュオ作。
Edmar Castannedaは、コロンビア出身で、現在はニューヨーク在住の南米のハープ"アルパ"奏者で、世代的には上原とほぼ同じよう。
残念ながら、開催中止になった"Blue Note JAZZ FESTIVAL"で、生の演奏を聴く機会があったようですが..。
Hiromi Uehara(P)、Edmar Castanneda(Harp)

演奏曲は、上原のオリジナルがMoonlight SunshineとThe Elementsの組曲4曲分、Edmar Castannedaのオリジナルが2曲
に、John Williams、Astor Piazzollaで全部で9曲。
1. A Harp In New York
2. For Jaco
3. Moonlight Sunshine
4. Cantina Band
5. The Elements: Air
6. The Elements: Earth
7. The Elements: Water
8. The Elements: Fire
9. Libertango

ハープって事で予想していたサウンドはいわゆるクラシックを聴いててたまに出てくるあのハープの音であったわけだが、本作で出てきたハープの音は特有の響きの重なりもほぼなく、ゆったりたゆたうようななんて雰囲気を微塵も感じさせず。
一般的に弦楽器と呼ばれる楽器のようなサウンド(なんというか、固有の楽器を想起しないというか)で、キレの良い早いフレーズなんかもある、想像してなかったサウンドにちょっと面喰らうほど。

クラシックのガッドギターのように、フォークギターのように、ジプシーギターのように、ピアノの弦をはじくように、琴のように、あるいはなんとも形容できないような、というサウンドが鳴り響く。
きっと、これらの楽器では再現できないテクニックも含まれるんでしょうがそこまではよく解らない。

そして、実際の演奏は、上原の早いフレーズに負けない早いフレーズをも披露しつつ、最近の上原で聴かれるエモーショナルなサウンドにもしっかり追従し、テクニック面でも表現力の面でも引けを取らない演奏で、上原と良いコンビネーションを繰り広げる。

もしかしたらエモーショナルな表現はEdmar Castannedaからの影響が大きいのかも。
しっかりとキレの良いサウンドの演奏は、予想以上に密度の濃い演奏で、満足度が高い。

ライブらしく、余興的な演奏をも織り込んで、両者ともなんとも楽しそうに演奏しているさまが、ありありと感じられるようなサウンドで、聴いてるこちらもうきうきしてくるような感じ。

ベストは、4曲めにします。

"LIVE IN MONTREAL" Hiromi Uehara, Edmar Castanneda(https://www.amazon.co.jp/dp/B074TY8RK4/)

"Vada Taudia" Aaron Choulai

Aaron Choulaiの約10年ぶりのジャズ作品。
Aaron Choulai言うところのメルボルンスタイルという独特な作曲方法で作られた作品とのこと。

そもそもAaron Choulaiを知ったのは吉本章紘の下記リーダー作を聴いて、そのピアノスタイルに妙に惹かれたところで名前を覚えたのが馴れ初め。
 "Moving Color" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63339524.html)
しかし、今見ると凄いメンツのバンドだなぁとあらためて感じるところ。ベースの須川が最近メキメキと人気を上げてきているのが特筆事項でしょう。

その後、このアルバムのメンツに非常に近い石若駿のリーダーバンドを観に行っていて
 石若駿Quartet(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63372052.html)
そのときのバンドメンバーが、ピアノがAaron Choulaiではなく高橋佑成でして、ここで高橋佑成を知ったというふうに繋がっていくわけで、こういうのが面白い。

メンバーは現行の日本のジャズシーンでも注目のプレイヤーにオーストラリア出身の20代ミュージシャンを加えた2管クインテット。
Aaron Choulai(P)、James Macaulay(Tb)、Marty Holoubek(B)、Yoshimoto Akihiro(Ts)、Ishiwaka Shun(Ds)

演奏曲は、8曲めが有名曲で、他はAaron Choulaiのオリジナル。
01. ATO 23.5
02. KOREMA
03. IS
04. ORE NO MONO WA ORE NO MONO, OMAE NO MONO MO ORE NO MONO
05. VADA TAUDIA
06. PIG AND FISH
07. ABRACADABRA, HOLES IN YOUR FISHING BOAT
08. TENNESSE WALTZ

冒頭、Ornette Coleman調のテーマを持った曲で、これでクセのあるアルバムだなと予感させる。
全体的にちょっとダークな気配を感じる曲調が多めで、2管でのテーマからヘヴィな印象を受けるが、ソロになると徐々にテンションがあがってきて、各ミュージシャンの良いところが聴けているという認識。

吉本のサックスが前掲リーダー作の時よりも表現の幅が広がったような印象で格好良いフレーズをたくさん聴けて満足度が高い。

Aaron Choulaiは、派手な立ち回りをするって感じではないし、ソロで前面にでる頻度が高いわけでもないのだが、妙に惹かれる演奏をして耳を持ってかれるのは初めて聞いた時と同じ印象。
演奏するフレーズの幅と奏法の幅が広く、変幻自在というかなんとも独特な演奏を聴かせる。
音色もきれいなんでしょう。

ドラムが石若駿なんで、ビートが複雑なものが多く一筋縄ではいかない雰囲気に拍車をかける。
ここでの石若もとんでもない演奏をしています。

最後のTENNESSE WALTZ はAaron Choulaiの朴訥としたソロで聴かせる。これがまたちょっといい雰囲気で素晴らしい。

ベストは6曲めでしょう。

"Vada Taudia" Aaron Choulai(https://www.amazon.co.jp/dp/B073XKDNKF/)

南博、瀬尾高志 デュオ (20171006)

本年6月に続いての、南博、瀬尾高志のデュオです。
前回の記事は下記のとおり。
 "南博、瀬尾高志 デュオ (20170602)"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64153299.html)

今回は、しっかりと雨が降っていたので、雨宿りにも兼ねて少し早めに会場入り。
ライブは、20時を10分も過ぎたあたりで開演。

楽器のセッティングは、前回同様のピアノを左側まで移動したステージセッテイングで、はずせる板は
全部外れていたと思う。
今回はベースにアンプ入ってなかったように見えたが、はてさて。

前回は、南さんがピアノの前の椅子に座った途端にポロンポロンとピアノを弾き始めるスタートだったが、
今回は、ほぼ曲ごとに簡単な曲紹介をしてから演奏を始める。

演奏曲は、Thelonius Monk, Billy Strayhorn等を絡めながら、南さんのオリジナルを多めに演奏。
1stセットが40分くらい、2ndセットが45分くらいに、アンコールにも答えてくれるという、ちょっと短めではありますが、充実したライブでありました。

今回のライブでは、南さんのピアノも硬質な響きを感じる場面が多く、その硬質な音を前面に押し出したフレーズとタッチを柔らかくコロコロと歌うフレーズとを自在に使い分け、ときに足で床を叩いてインパクトを与えと、南節たっぷりのピアノをたっぷりと開陳。
瀬尾君のハードなピチカートに、ボウウイングサウンドと相まって、ハードだけどとても心地よい演奏を繰り広げる。
そして、エンディングで数音ピアノが入るパターンを多用していたが、これが何ともユーモラスで、個人的にはとても心地よく楽しんでました。
そういう意味では、アンコールの終わり方もまた秀逸でありましたw

この2人のライブをこれで2回聴いたことになるが、ドラムを入れなかったのは見事な判断で、ピアノ、ベース双方の打音だけで充分なインパクトを得られていていて、最高のバランスがとれていると思う。
南博(P)、瀬尾高志(B)

次回は、来年2月だそうです。
と、南さんの新刊準備中だそうです!! 楽しみに待ってます!!

"Second Country" 本田珠也

本田珠也のリーダー作を買うのは、もしかしたらこれが初めてかもしれません。
参加作は、2008年の菊地成孔のDUB SEXTETから
 "DUB ORBITS"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/54256138.html)
 "IN TOKYO"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/56023039.html)

最近、とみに多くて下記のように内容の良い作品が並ぶ。
 荒武裕一朗 "TIME FOR A CHANGE" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63656092.html)
 中島さち子 "希望の花" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64094022.html)
 ZEK Trio "ZEK!" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63976804.html)

さらにこの後があって、下記2枚の本田リーダー作が予定されているはずです。
 TAMAXILLE 本田珠也(Ds)、類家心平(Tp)、須川崇志(B)、井上銘(G)
 本田珠也ピアノトリオ 佐藤浩一(P)、本田珠也(Ds)、須川崇志(B)

と、乗りに乗ってる本田珠也のリーダー作で、前述の通り一連のリーダー作ラッシュの最初の作品という
位置づけ。
メンツ見て分かる通り、本田、須川のコンビが固定されていることが特記事項。

本作のメンツはサックストリオで、1曲だけゲストが入る構成。
本田珠也(Ds) 、守谷美由貴(Sax)、須川崇志(B)
峰厚介(Ts:5)

演奏曲は、守谷4曲、本田2曲、本田竹広、校歌、Luiz Bonfa、Sol Parkerで全部で10曲
01 Harvest Moon
02 M's Dilemma
03 むかしむかし
04 Key Man
05 宮古高校校歌
06 Mad House
07 Awakening
08 Second Country
09 Samba de Orfeu
10 This Love of Mine


冒頭のドラムとベースによるイントロのハードなサウンドで、もうヤられちゃってる。

本作は、本田珠也のドラムを聴くアルバムであると言ってしまって良いでしょう。
表現豊かに、かつ変幻自在なドラミングでパワフルで強力無比、圧倒的な存在感を見せつける。

須川のベースの硬質なサウンドが、本田のパワフルなドラムに負けない強さを持っていて、バランス的にこの2人の相性はかなり良好であろうことが窺いしれる。
なもんで、続いてリリースされる2作もとっても楽しみ。

守谷のサックスも、2人に負けじと必死に食らいついているのは感じられるが、曲頭のテーマこそ前面に出ていることが多いが、ソロからの後半になると、リズムの強さに圧される場面しばし。
リズムの2人が強すぎるんで、しようがないところか。
もっとも男性でも対峙できる人は少ないんじゃないか?
3曲めでバラードな演奏が入るが、ここでは対等な力関係になっている気がする。

5曲めが、ある意味有名曲。ここだけ峰厚介が客演。
長いドラムソロのイントロから、主旋律はまっとうなテンポで、旋律を崩さずまっとうに演奏される。中間部は2管の即興の交歓といった趣で、これが素晴らしい。
7曲めはマリンバの独奏。アフリカンなサウンドでマリンバがカリンバに聞こえるw 良い味出てます。
9曲めはサンバ。多分、サンバ隊を多重録音なしの1人で演ってるんだと思うが圧巻の音の厚みと迫力で、脱帽もん。

ベストは1曲めにします。

"Second Country" 本田珠也 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0744PLFQ2/)

"Do-Guwaw" & "Dynamite" D.U.B.(ドクトル梅津バンド)

ドクトル梅津バンド自体は、8枚くらいのアルバムが出ていると思いますが、インターネット時代になっても、その全貌が書かれたサイトがそう簡単に見つかる状態でもなく梅津さんのwikiはここで紹介の1枚"Do-Guwaw"が抜けている。
さらに、アルバムタイトルは書いてあるが収録曲は未記載なので、情報としてはちともの足りない。
師匠の村上さんのサイト(http://notrunks.jp/cdreview/cdreview/cdreview_003.htm)に紹介されている10枚が、音源のすべてでしょう。
※IQ84はカセットブック、Thornは複数ミュージシャンが入った盤のよう。

そんなわけで、オリジナルアルバム8枚を列挙しときます。
 Doku UME BAND PLAYS Deluxe AT SAGAE(1981年)
 DANGER(1982年)
 DYNAMITE(1983年)
 Live at Moers Festival(1984年)
 Do-Guwaw(1984年)
 DANGER 供1985年)
 EIGHT EVES AND EIGHT EARS(1985年)
 D(1986年)

では、これらのアルバムのうち、CDになっているのが何枚か?というと、これがまたよく判らない。
 "EIGHT EVES AND EIGHT EARS"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/39454846.html)
 "D"
 "Danger 1 & 2"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63315044.html)
は持っているが他はなし。
メールスはCD化されていないと聞いたことがあるので、残り3枚になるのだが..。
先ごろ、梅津さんが、自身の旧作のいくつかを手焼きCD-Rでのリリースをしていることを知り、先日のライブ(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64231812.html)のときにできれば少し持ってきていただくことを間接的にお願いしておいたところ、"Dynamite"と"Do-Guwaw"の2枚を2枚ずつ焼いてきていただけまして、そのうちの1枚ずつを入手した次第であります。

メンツは、先日のライブ(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64231812.html)と同じメンツの下記4人。
梅津和時(As)、片山広明(Ts)、早川岳晴(B)、菊地隆(Ds)
Fred Frith(G,Vln:Dynamite)

収録曲は、各々以下の通り。

"Do-Guwaw"
Bumpy Mountain On The Back
Mundo
Tang Tango
The Cramp
Crocodile By Starlight
800 Ton

"Dynamite"
A1.Off the door
A2.Down Down
A3.In my shoes
A4.Jayne
B1.Canal
B2.Coffee music
B3.Pyrosis
B4.Pretty kranke
B5.Dynamite


演奏は、最近のライブで聴いている印象にかなり近いもので、ライブ盤に近いテンションでスタジオ録音をしていたことが窺い知れます。
一般的には、スタジオではライブほどの熱気を感じられる演奏にはならないことが多いので、このアルバムでのこのテンションはかなり稀有なものと言えそう。

もっとも約35年前の録音で、今より35歳くらい若い時の演奏なので、もしかしたら当時のライブでのテンションの高さが尋常ではなかった可能性も否定できないが。

菊地さんの強打音の攻撃的なドラムでのロックビート、早川さんのドロドロブリブリの独特のベースサウンドが絡みつく。このリズムあってこそのドク梅バンドってもんです。

梅津、片山の両氏が自身の持ち味をたっぷり吐露した激情のブローをかます。
梅津、片山の両巨頭が、渾身のフリーインプロビゼーションをぶちかますのを大音量で聴くのは、なんだかんだ、気持ち良いものであることは間違いのないところ。
ライブを見ているが故に面白がれる部分も多々あるのも事実ではあるが、聴くと見るとは大違いとまでは言わないが、そういう傾向はあるんでしょう。
どうやら、往時とそう違わないパフォーマンスを見せているようです。

1983年リリースの"Dynamite"では、Fred Frithが、Gitar, Violinでゲスト参加して音の表現を広げているが、翌年の"Do-Guwaw"では、4人での演奏に戻っているところがこの4人でのがもの凄いことを物語っていると言えるでしょう。

この4人が揃ったことが、奇跡的と言っても過言ではないと言ってしまいましよう。ただただ圧倒されるばかりであります。

最近のライブでも演奏している曲が多数含まれていることも含めて、この頃がバンドの最盛期だったことが窺い知れる、強烈な2枚のアルバムでありました。
と、書くつもりでしたが、Do-Guwawが圧巻だったと認識を正します。なぜ、これが廃盤のままなんだ!? と、いぶかりたくなる。

"Do-Guwaw" & "Dynamite" D.U.B.(ドクトル梅津バンド)

"Tails Out" Otomo Yoshihide’s New Jazz Quintet

大友良英の "New Jazz" とつくユニットは、クインテットで始まりオーケストラに発展したわけですが、
公式ディスコ(http://otomoyoshihide.com/discography/)では、2001年の"Flutter"が最初のアルバムで、その後立て続けに"Dreams""Live""Pulser""ONJQ + OE""Tails Out"とリリースして一旦活動停止、
2005年にオーケストラになって4枚、2010年にトリオ+名義で"Lonely Woman""Bells"というディスクリリースの流れ。これみると、断続的に活動は継続しているようです。

自blogでは、過去に2枚のアルバムを紹介していますが、もう数枚所有しているような気がします。
 "Out To Lunch"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/32981622.html)
 "ONJQ Live in Lisbon"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/42025633.html)

クインテットのメンツは以下の通り。
大友良英(G)、菊地成孔(Ts,Ss)、津上研太(Ts,Ss)、水谷浩章(B)、芳垣安洋(Ds)


演奏曲は、Charlie Hadenの1曲め、Beatlesの5曲め、Charles Mingusの6曲め等を含む下記7曲。
1. Song For Che
2. Reducing Agent
3. Solvent Waltz
4. Moons Shine
5. Strawberry Fields Forever
6. Orange Was The Color Of Her Dress,Then Blue Silk
7. Tails Out


冒頭、菊地の歪んだサックスの音で奏でられる聴き慣れた旋律に、津上のアルトが絡む展開で、正直なところかなり引き込まれている。
dubが日本の土着ジャズなら、このサウンドはその正統的発展系であることを感じさせる。
個人的ツボにもしっかりハマったサウンドで萌える。

2曲めの音の重ね方、全体のサウンドの肌触り、大友のノイジーなギターサウンドとか、
初期Dcprgでも聴かれるものに似た雰囲気をも感じさせる。
本当に、このまま、大友の考えるNew Jazz(ノイズとジャズとロックの融合と勝手に期待している)を突き詰めていったら、どんなサウンドが飛び出して来ていたか。興味は尽きない。
それにつけても、延々と鳴り響く芳垣の強烈なビートが凄まじく格好良い。

5曲めで、Beatles(John Lennon)の名曲が出てくるが、水谷のベースによるイントロから、エコーのかかったサックスによる幻想的なテーマ、端々にギター、サックスによるフリーキーなフレーズを差し挟みながらアバンギャルドに聴かせる

菊地、津上のパワフルでフリーキーなアンサンブル、大友のノイジーで暴力的なギターサウンド、芳垣の強靭無比なビート、水谷の通奏的でありながら一筋縄では済まない低音(ベース)。
日本のジャズの現在に続く人気者、実力者を揃えたパワフルで暴力的なな演奏には、いつ聴いても相変わらず圧倒される。

ベストは2曲めでしょう。

"Tails Out" Otomo Yoshihide’s New Jazz Quintet(https://www.amazon.co.jp/dp/B0000TCLC6/)

永武幹子、瀬尾高志 独壇場+ (20170829)

20分前に到着すると、月曜というのに多くのお客さんがいてビビりました。
結局15人前後はいたんじゃないかと思います。

9時を5分も過ぎたころ開演。
フリー濃度濃いめのイントロからのスタート。

演奏した曲は、先日の1stセットと同じコンセプトの、奏者のオリジナルはなしで、スタンダード、ジャズメンオリジナルだけ(だったと思う)。
曲調は、フリーっぽいアプローチからの小気味良い演奏と、バラードぽい演奏の曲が多めの印象で、5〜6曲だったか。

フリーっぽい演奏では、テーマをしっかり演奏するような場面はあまりなく、即興とその派生のように崩したテーマといった感じの演奏。
ただ、全体が重たくならないよう音のつなぎ方、フレーズを使うよう気を使っていたと感じられ、それが小気味良い雰囲気につながっていたと思われる。

バラードぽい演奏は、過度に甘く優しい雰囲気を出すことなく、永武さんのタッチの強さを残したダイナミックなバラードといった趣。

そういう意味では、曲によるメリハリはあまり付いていなかったかなぁという気もなきにしもあらず。
ドラムがいないぶん、双方が終始アタックを強めに意識していたのかもしれない。

全体に、永武さんが瀬尾さんの演奏にあわせているように感じられて、瀬尾さんは、快調に自分の音楽を奏でていっている印象ではあるが、永武さんは、曲調もあったかもしれないが、持ち味の体を揺らして弾き倒すような演奏という感じは希薄。
ただそのぶん、永武さんの違う一面が出てきてたとも言えるか。本編最後の曲の情感たっぷりの演奏は、胸にじわじわきましたw。

ライブの主旨が、上記の通り永武ホストに瀬尾ゲストであるならば、永武さんの表現の幅を広げていく良い機会にはなっていたんだと思う。

まるまるの1時間の本編にアンコールという充実したライブでありました。


終演後、いろいろ話し込んでたら日付が変わりそうな勢いだったので、慌てて辞してきたような。
月曜だというのに…。

永武幹子トリオ (20170826)

永武幹子トリオの演奏を聴いたのは、これが2回め。
前回は、今年3月の昼のPit Innでした。その後1回 No Trunksでのライブがありましたがこれは見ることができず。
 永武幹子トリオ (20170322)(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64071218.html)
他にもいろんなところで演ってるのは知ってますが、あまり行く場所を広げても..。というのもあって、ようやく2回めの参戦となりました。

メンツは、(当然ですが)変わらずの下記3人。
永武幹子(P)、落合康介(B)、服部マサツグ(Ds)

定時から10分弱くらい遅れてのスタート。
ピアノは少し斜めにせり出させ、左奥にドラム、その手前にベースという立ち位置。

1stセットは、スタンダード他他人の曲だけで。2ndセットは永武さんのオリジナルだけというセット構成。

後から聴いたが、このトリオは日によって演奏がころころ変わるようで、その日のバンドの調子を確認するのに、初見に近い他人の曲を演奏することで確認するのが前半。
その確認した状態から飛躍を試みるのが、よく見知ったオリジナル曲を演る後半という構成になっているとのこと。
が、この話は終演後に聞いたころ。1st、2ndセットの割り振りも1stセット終わり頃に明かしてくれたことなので、当然どんな音がでてくるかワクワクしながら演奏を楽しみました。

1stセット冒頭、フリーに近いイントロからチャイムのフレーズが聞こえてきたところで、If I were a bellへ。
その後も、wayne shorter, atomic, charlie haden, duke ellington...といった曲で1stセット終了。
2ndセットは前述の通り、オリジナルばかりで、I'm just awake、タイトル作成中の新曲も披露。
1stセット2ndセットとも約1時間の演奏。
アンコールもしっかり答えてくれ、スタンダードを展開はあまり飛躍させずに演奏。進行はオーソドクスでも、演奏は手を抜かずに大団円。


相変わらず音数多め、タッチ強めに繰り出される永武の早いフレーズがなんといっても圧巻で格好良いことこの上なし。
お客さんに背中を見せる体制だったが、その背中を曲げたり伸ばしたり、右に捩り左に捩りと、体全体を使っての演奏が印象的。

今回マレットを多用していたように聴いたが、リズムにしっかり乗ったドラミングでなくのたくるようなというか、自由闊達でありながらしっかりと演奏を煽っていくようなドラミングで、さらに演奏を煽るだけでなく演奏自体をしっかりと過激な方向に導いていく、服部のドラム。

2者の音に敏感に反応していきながら、ときに演奏の雰囲気をがっつりとさらっていくような場面も見せたりと、まさに追従ではなく伴走するようなというのがあたっているような、落合のベース。

3者が3者の挙動に逐一、しっかりと反応しあいながら演奏を展開させていく。
その展開に奏者が笑いだす場面が多々あり、聴いてる側が固唾を飲む中、演奏する側も自身達の演奏がどこにいくのか、楽しんでいる様子がまた素晴らしい。
それにつけても、まぁ凄くてあっけにとられてましたw。
今回、とくにテンポが早めな気がして、その分アグレッシブな度合いが上がって、それがまた聴く側を燃えあがらせていたと思う。前回聴いたときよりテンションは高かったと思う。

終演後、ライブの話題(前述)、後藤篤さんの話題、Bill Evansの話題、近隣の話題、等々いろんな話をしてたらあっという間に日付が変わったので、そそくさと辞してきました。

次回は、年末の予定とのこと。直近では、9/28の昼Pit Innがありますが..。
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