日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

仮BAND "仮音源"

仮BANDは、Baby Metalのバックバンドでありまして、Baby Metal人気とともに注目されてきているようです。
もっとも、バックバンドとしてはスケジュールの都合等でメンバーは入れ替わっているようですが..

本作は、そんなバンドメンバーが作ったインストアルバムという位置づけで、たぶんBaby Metalでの演奏の凄さが話題になっていたからなんでしょう。

Jazz-Fusionのカテゴリにあったので目について、値段がそこそこ手ごろだったのと、クーポンがあったのとで聴いてみるかと思った次第。
ちなみに、仮BANDがBaby Metalのバックバンドであることを知っていたのは、桑原あいが客演しているという情報を知ったことから。

メンツは中心メンバーが3人で、それにゲストが入ってくる。上述の桑原あいも客演してます。
Mikio Fujioka(G)、BOH(B)、Yuya Maeta(Ds)
Yoshihiro Tsujimoto(Sax:1)、Yuya Tanase(Tb:1)、Yosuke Kobayashi(Tp:1)
Tatsuya Nishiwaki)Key:2)
ISAO(G:4)
Ai Kuwabara(P:5)

演奏曲は、仮BAND名義の全部オリジナル。
01. Common time's Logic
02. Chuku
03. 忍者Groove
04. Djentleman
05. Jamrika
06. Snowflakes

キーボードによる大仰なイントロからホーンアンサンブルが入って重厚感を盛り、象徴的なギターの音色が厳かな雰囲気を感じさせる。
かてて加えて、早いリズムにドロドロと言いたいような低音が拍車をかける、いかにもヘヴィメタというサウンド。

6曲入りのミニアルバムではあるが、立て続けにそんなサウンドが出てくる歌のない(歌謡曲じゃなくて)ヘヴィメタといった趣き。

全般的には、ヘヴィメタコーティングがされてて判りにくいが実はかなりの難曲が並んでいるよう。
だが、さすがにスタジオミュージシャンだけあって
きっちりしっかりした演奏を聴かせ、テクニック的に完璧な演奏ではあるが、テクニック偏重ではなく、また夾雑的暴力的なサウンドでもないので、日本のフュージョンが苦手な耳(自分のこと)にもあまり拒絶感なく聴けるサウンドにはなっている。

5曲めでは、ピアノソロギターソロと続くが、ピアノソロをそつなく聴かせ(自分は桑原のピアノがあまり好きではないようです。)、ギターソロはロック色濃厚と、腐れジャズもの(自分のこと)はこの辺でも唸らせる感じではない。

Baby Metal好きのジャズファンってのが、周囲に少なからずいるようなのだが、この演奏から少なからずなんらかの納得する要素を感じている気はしてはいるかな。

ベストは4曲めです。


仮BAND "仮音源" (https://www.amazon.co.jp/dp/B06X9XDRJK/)

永武幹子、吉良創太 独壇場+ (20170415)

年に何回か、月曜日の21時から「独壇場」というタイトルでライブを行っており、おもに若手奏者を主役にソロだったり、デュオだったりとライブを行っています。
月曜なので基本的には行けない(行かない)のですが、見たいライブがあったときは、翌日休みがとれたら赴くという程度で、これまで4回見てるはず。
うち3回は記事にしてます。3〜4年に1回程度ですね(汗) 1回めは誰を見たんだろう..(忘却)
 スガダイロー (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/58145579.html)
 石田幹雄 (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61366288.html)
 纐纈雅代、原田依幸 (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63727748.html)


今回から、纐纈さんにかわって、永武さんが独壇場に登場です。
その1回目は、ドラムの吉良さんとのデュオ。

吉良さんは、notrunks初登場だそう。
永武さんも、ドラムとのデュオは初とのこと。(パーカッションとのデュオは演っているそうだが..)


ピアノを定位置から左に移動して、ピアノの位置にドラムを配するセッテイング。
最近、ノートラでピアノ入りの小編成を聴いていないから知らなかったが、最近はこのピアノの置き方が多いらしい。
実際、ピアノが良く鳴っていたような気がする。


ライブは、永武さんが普段あまりやることのないらしいフリーインプロから。

永武さんのピアノの、左手でガンガン叩ききる低音が圧巻。
特に小指から繰り出す最低音の迫力がもの凄い。 思わず、どんな小指なんだ⁉︎と、触らせてもらおうかと(嘘)
全体にも、強タッチでありながらよく歌うスタイルが素晴らしい。
そんな弾きまくりの演奏から、ストライドとかオールドスタイルの演奏をすると合いそうだなぁとか思いながら聞き惚れてました。

吉良さんのドラムは、ブラシ、マレット、スティックをこまめに持ち替え、曲の展開に合わせ、合わさせ、微妙にサウンドコントロールしていたのが印象的。

演奏曲は、この後、トラディショナル、カーラブレイ、青の洞窟、if I were a bell、エリントンというセットだつたと記憶。
曲調としては緩急織り交ぜた構成だったが、演奏は全体にアグレッシブな展開で、そのアグレッシブな演奏の凄さにやられた感じ。
特にif I were a bellで、ベルの4音の後、しばらく激しいフリーインプロが続き、早めのテンポのテーマになだれ込むというアレンジが、こう来たかー!って感じで面白かった。

最後、アンコールにも答えてくれて、1時間弱のライブ終了。

月曜の夜ってことでお客さんは少なく、4人だったが、とっても濃い良い演奏を堪能させてもらいました。

次回独壇場は、8月に開催予定とのこと。
その8月に、トリオ、ヤムヤムズも予定されていて、高頻度に登場だそうです。

"Night & Day" 松本茜

松本茜さんのリーダー作を聴くのはこれが2作め。
最初は、2015年秋頃リリースの"Memories Of You" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63396546.html)で、メンツは本作と同じく Peter Washington、Gene Jackson というもので、帯上"ニューヨークトリオ"と記載されているが、レギュラートリオなのか!?
日本人でのレギュラートリオってのがあるか不明ですが、さらっと見た感じ、数回演ってる本作のリリースライブは固定の3人ではなさそう。

ライブは2回見ているが、なぜかトリオでは聴いていない。
 DUO (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62249717.html)
 SOLO (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63744017.html)

しかし、これだけのメンツを揃えて2枚のアルバム(録音は別時期、1録音2枚作成ではない)をリリースしているのは、3人の相性が良かったということなんでしょう。
Akane Matsumoto(P)、Peter Washington(B)、Gene Jackson(Ds)

曲は、Cole Porter, Irving Berlin, Oscar Peterson, Billy Strayhorn等々の有名曲6曲に、浜崎航に、本人のオリジナルで全部で8曲。
01. Night & Day
02. They say it's wonderful
03. PlaceStHenri
04. LotusBlossom
05. But beautiful
06. Miss sunshine
07. Beyond the bluebird
08. Quiet rain

ピアノトリオフォーマットの王道とも言える典型的ストレートアヘッドなスタイルで4ビートの演奏をしているなぁというのが第一印象。

前作同様、小気味よくころころと聴かせるピアノから、アグレッシブで早いフレーズまで幅広く聴かせるが、本作ではガツガツと弾き倒すような演奏は控えめに、曲によるタッチの強さの変化をあまり出していない印象。
その分、Peter Washingtonのベースソロをたっぷりと聴かせ、Gene Jacksonのドラミングの妙に焦点をあててと、全体の配分をしっかり考慮した演奏を意識しているのかなと感じられる。
選曲も、アップテンポの曲よりスローなバラード曲より、ミドルテンポでスウィンギーに聴かせる曲が多く、しっかりとかつ流暢に演奏を安心感たっぷりに聴かせていく。

最後がオリジナルで、後半のトリオ演奏のゆったりした雰囲気と余韻たっぷりのエンディングも捨てがたいが、前半のしっとりとしたソロが素晴らしい。

ベストは、その最後の曲にしましょう。

"Night & Day" 松本茜 (https://www.amazon.co.jp/dp/B06WD7X6KN/)

小山, 山田, 永田トリオ (20170429)

ライブ自体はこれがたぶん3回めだと思いますが、自身2回目のこのトリオのライブ参戦です。前回が昨年秋でそれが結成初ライブで良いと思います。
 https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63883813.html
そういえば、名前ついたそうで Fake Anagram とのこと。

メンツは不変の以下の通り。ギターの小山は、No Trunksでのライブがここのところ多い印象。
小山大介(G)、山田あずさ(Vib)、永田真毅(Ds)

入口正面にあたるところに、ヴィブラフォンを設置、その後ろにドラム。ピアノの前にギターが立つ、立ち位置。
聴衆は10人くらいだったか..。

このバンドはJazzRockを演奏することをコンセプトにしているんで、演奏曲は、Gabor Szabo、Larry Coryell、Gary Burton等を中心に各人のオリジナルを少々まじえたもの。
今回、Gary Burtonの"general mojo's well laid plans"を演ったのが個人的には!!でした。
さらに、今回もいろいろ試行的な曲を仕込んでいて、"見上げてごらん夜の星を〜hey jude"を演り、Nouonで演ってるAverage(前日もやってた)を演り(これが、相当難易度が高いようで、ドラムが合わず1回中断、次は途中数小節ドラムなしで演奏継続。その後持ち直してからの演奏が前日とは全然違うロックな演奏で、これがまた面白かった)と、バリエーション広くいろんな曲を試行錯誤もライブパフォーマンスと聴かせてくれた。
他の曲も、早いフレーズが多い曲をしかもテンポも早めに演奏して、難曲を超難曲にしているような印象すら受ける。
1stセットが終了した直後に、山田さんが「50m走をずっとやってるみたい」と言っていたのが実に印象的。

その1stセット最後の曲のVibソロが、これまでになくアグレッシブで、マレットを4本持ちから2本に持ち変え、それを頭の位置から振り下ろす熱いソロを聴かせてくれてちょっとびっくりするくらい。
2本持ちソロは今日のライブでも、これまでのライブでも他の場面ではあまり見たことないもので、今後このバンドの演奏のハイライトになるかもしれないとか思ってみたり..。
この曲のとき、ドラムのタムが転がったんだった。この演奏は全部が熱かった。

1stセットが8時頃から40分くらいで5曲くらい演奏。2ndセットが9:15頃からで、4曲に、アンコール1曲を含めて45分くらいだったか。
時間的には若干短い印象だが、中身が濃かったので満足度は高いライブを楽しませてもらいました。

次回は、9/1になるとのことです。

"You Already Know" Bungalow

この盤は、ネット上で新譜漁りをしてて見つけたもの。
佐藤浩一さんが入ったユニットってだけで、買いを決めています。
佐藤浩一さんのアルバム "Melancholy Of A Journey" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63804663.html)を2016年の年間ベスト(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63970231.html)に挙げてるくらいなんで、個人的にここはしっかりチェックしないといけないところ。
と、hp見つけて(http://www.bungalowmusic.net/)眺めてたら、これが4枚めのアルバムだったんですね。
全然、チェックできていませんでした。

メンツは以下の通りで、初期2枚とフロントが変わっているようです。
Mike Rivett(Ts)、佐藤浩一(P)、池尻洋史(B)、大村亘(Ds)

演奏曲は、大村4、佐藤4、池尻2、リベット1、Bunglow名義で2の割り振りで全部オリジナル
1. Santa Cruz
2. Gravity Snap
3. Bombori
4. Led Astray
5. Ephemeral
6. TOAD
7. You Already Know
8. Day 29
9. Dark And Elegant
10. KAMIYA
11. Test
12. Sakhalin
13. Imagined Winter

レニトリスターノ、コニッツ系統のクール系の曲調が多めな前半。
ただし、ストイックに難解な曲を辿って行くだけではなく、(もちろん、曲が難解である感じはプンプン臭ってきているが)ウォームな感触を随所に盛り込んだものでフレーズに優しさを感じたり、音色に柔らかさを感じたり、クール一辺倒ではない。

3曲めでは和太鼓(つづみ)のような音を入れることで、日本的な緊張感を出し、7曲めでは、いろんな種類のパーカッションが重合して打ち鳴らされる民族音楽のような雰囲気。大村の造詣が深いからかちょっとインド臭を感じるか。
8曲めもタブラを叩いているよう。
11曲めはハードバップな4ビート、12曲めはコンテンポラリ色のあるミドルテンポの8ビート、最後はブツブツいう電気ノイズを散りばめてエレクトロニカ臭を漂わせる曲と、後半は曲毎のスタイルの振り幅は広めで、堅柔硬軟織り交ぜた曲が並ぶ。
これで、散漫な印象にならないのは演奏者のしっかりとした個性で聴かせているからでしょう。

ピアノとサックスの耽美な交歓の妙とともに、パーカッションの幅広く創造的なサウンドがこのバンドの聴きどころになっているんだと思う。

ベストは1曲めにしましょう。

"You Already Know" Bungalow (https://www.amazon.co.jp/dp/B01N4S7D8I/)

Nouon (20170428)

Nouonのライブを見るのは、これが3回目。
最初が、荻窪のVelvet Sun
 https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63597215.html
次が池袋のAbsolute Blue
 https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63952970.html
で、今回は新宿Pit Innの昼でのライブ。
この間に、Huw Lloydの代わりにベースのTyler Eatonが入った構成でもライブを行ってます。(未聴)
アルバムも1stの”Kuu”(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63552065.html)と、限定リリースのライブ盤(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64005602.html)と聴ける音源はひと通り聴いてます。
変則の楽器構成が奏でるサウンドのおもしろさ、曲のおもしろさが妙に気に入ってます。

開演前に数えて25人くらい、2ndセット前に数えて35人くらいは入っていたと思う
平日昼としては、驚異的な集客力と言えるでしょう

ステージは、ピアノを端に寄せ、その位置にヴィブラフォン、真ん中にドラム、左奥がコントラバスクラリネット、その手前にキーボードという位置関係。
演奏は、12月のときよりアグレッシブな曲が多少減って、幽玄な雰囲気の曲が入ってきていると感じたが..。

このバンドはフロントの楽器が特徴的(今日のMCで似た音色を出す3つの楽器でバンドを作ったと言っていた)で、その3者が鳴らす音色の面白さが魅力の中心と認識していたが、(今日は、Huw Lloydが高い音を多用していたのが印象的だった。これがContrabass Clarinetが出す似た音色なんでしょう。)
実は、山本のドラムが大いなる魅力なのではないか、ちょっと前ノリのドラミングなんだと思うがそれが演奏のドライブ感を作り出すとともに、Nouonの独特の雰囲気を作り出しているんじゃないかと今回聴いていて思った次第。

たいがいの曲で、曲の展開が変わるタイミングを誰か(曲により変わるが、キーボードのKevin McHughか、Vibの山田のことが多い)が合図しているのもリーダーがいなさそうな気配とともに、バンド内の雰囲気が良いんだろうなと感じさせられ、そんなところもこのバンドを魅力的に聴いている理由なんだと勝手に思ってます。

定時から10分弱くらい遅れてのスタートで、1stセットが1時間強、2ndセットが40分くらいに、アンコールという、ちょっとバランスの悪いwセット構成で16時50分頃終演。
1stセットがそこそこの曲数を用意していながら1曲が長くなっていて、2ndセットがその反動で曲数を絞った上に1曲があまり長くならないよう自制した結果と推測。
ただ、演奏自体は、個人的にはいずれも満足度の高いもので、たっぷりと堪能させてもらいました。


5月に数回、7月8月にもライブが予定されていて、その後2枚めのアルバムのレコーディングに入るとのこと。

Altered States "Plays Standards"

Altered Statesというバンドの存在は、ドラムの芳垣安洋さんでアルバムを漁っていた時にみつけたもので2005年に最初の紹介をしているので、このblogを始めた頃には聴いていたってことになります。
その後、いろいろ漁っててこれまでに4枚紹介しています。
 "Bluffs" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/18969710.html)
 "Bluffs II" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/36092044.html)
 "Altered States" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/39340975.html)
 "Live In Tokyo" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61113352.html)

これまでにAltered Statesのアルバムがどれだけ出ているかもよく判らない(10枚以上?)んですが、最新は2012年の"Live In Tokyo"のはずです。
この盤は、2000年リリースで7枚めくらいになるようです。

メンツは不動の3人。
内橋和久(G)、ナスノミツル(B)、芳垣安洋(Ds)

演奏曲はタイトル通り、スタンダードがずらりと並びます。
1 All The Things You Are
2 Oleo
3 Blue Moon
4 Someone To Watch Over Me
5 A Night In Tunisia
6 Softly As In A Morning Sunrise
7 Hello Dolly
8 The Shadow Of Your Smile
9 Peace
10 Over The Rainbow
11 Bohemia After Dark
12 You Don't Know What Love Is
13 In Your Own Sweet Way
14 Spring Is Here
15 Mood Indigo
16 Misty


スタンダード曲の旋律はほとんど壊さず、どの曲をやっているかは容易に判る状況ではあるのですが、そこは一筋縄ではいかないトリッキーな演奏に仕立てられていて、面白い演奏を聴かせてくれる。

音の並びはそのまま旋律としては崩してみたり、テーマはまっとうに演奏し即興部分で思い切り暴れてみたり、テンポをがらりと変えてみたり、ちょっと異色のリズムを合わせてみたり...。
7曲めは下手ウマなトランペットが入り、、10曲めはパンクなover the rainbow(これ面白い)と、キワモノ?もありで、よく見知った曲をさまざまか表情で聴かせてくれる。


訥々として幻想的な雰囲気を醸す内橋のギター、芳垣の重量感のあるドラム、
ドライブ感あるロックテイストを感じさせるナスノのベースと、各人の演奏スタイルは大きく変わらず全体のテイストとしてもそういう意味では一貫しているところが不思議でもあり、名手ならではと感じるところでもある。

ベストは10曲めでしょう。

Altered States "Plays Standards" (https://www.amazon.co.jp/dp/B000064DIG/)

中島さち子 "希望の花"

数学界でも類い稀なる才能を発揮し、そしてこのジャズピアノの世界でも素晴らしい才能を見せつけている才人。
天は二物を与えずと言うが、彼女にはその二物が備わってると思います。
その二物は、たぶn表層的に見えている"数学の才能"と"音楽の才能"という区分ではなく、"物事を論理的に分析する能力"と、"ものごとを的確かつ簡潔にして表現する能力"だと思っていまして、この才能の応用範囲はまだまだ広がりそうな気がしています。

リズムの米木、本田のペアは、ご存知の方はご存知かと思いますが調べたら共演歴は相当に長く、現在でもフロントを変えてさまざまな活動をしてます。
たぶん、このサイト(http://crack-pot.music.coocan.jp/yoneki1.html)でさらっていくのが効率的だと思いますが、発端はどうやら1985年のNative sunのDaybreakからのよう。
その後、2000年のPLANET X、すぐに本田竹広トリオが活動開始、その後も、ここに掲載無いのも含め
 マイクモラスキー (https://www.amazon.co.jp/dp/B000KQFCPC/)
 大口純一郎 (https://www.amazon.co.jp/dp/B00005L9WS/)
板橋文夫さんとのライブなんてスケジュール(http://www.back-drop.jp/jazz/2017/0318.html)も見つけました。
最近では、清水くるみさんとのZEK3(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63976804.html)の活動が一番活発なんだと思います。

で、実はこの3人のライブを一度見てまして、2014年なんで3年前になるんですが1setだけ、ここでも演ってる"灼熱""Rejoice!!!"とかこの時も演奏していたようです。
 中島さち子3(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62358860.html)

メンツは、上述の通りの伝統のリズム隊を擁した3人
中島さち子(P)、米木康志(B)、本田珠也(Ds)

演奏曲は、中島さんのオリジナル8曲、本田竹広さん3曲、宮古高校校歌は珠也さんの祖父(=竹広さんの父)の曲と、ふるさとで全部で13曲。
Disk1
1. 光
2. 灼熱
3. 希望の花
4. Ain't tell you
5. みつばち
6. 裏山の。
7. 故郷

Disk2
1. Dear Friends
2. Rejoice!!!
3. 一摘みの祈り
4. Yasashisa
5. I've Got New
6. 宮古高校校歌

冒頭、指先までしっかり神経を行き届かせたタッチの繊細さに驚く。
本田竹広譲りなのでタッチ自体は基本的には強めだが、もの凄く丁寧に鍵盤に指を持って行っていることが感じられる。
あらためて素晴らしいピアニストだと認識いたしました。

アグレッシブな曲での本田珠也の前へ前へという強烈な煽りの中、それに屈せず逆に支配するかの如く怒涛の打鍵で応酬してくるさまと、逆に静かな曲での哀しくなるほどに耽美な響き。シンバルによる透徹感とグッと下支えするベースの低音との相乗による深みのある余韻感と、緩急いずれも見事なほどに素晴らしい。

前述の通りリズムの2人のコンビネーションは盤石。
中島さんのスタイルとも完全に合致、そんな3者の丁々発止が凄くないわけがない。
緩急含めいずれの場面でも、耳を持ってかれっぱなしな演奏に圧倒されっぱなしでありました。

ベストは、Disk1の5曲めにしましょう。

中島さち子 "希望の花" (https://www.amazon.co.jp/dp/B06WWKPPBN/)

Megapteras "Full Throttle"

黒田、宮川、中林の3氏は過去にリーダー作を聴いていて、名前も記憶に残っている面々。
これにCamila Mezaがゲストとなるとこれは聴いてみたいってことになりまして、購入を決めています。
Megapterasと言うバンドは、当初宮川を除く4人で2011年に活動を開始して、その後宮川が加入して現在に至るっようです。
当初の4人が関西人で、宮川が名古屋人なんで、あっち方面主体での活動が主体なのかもしれません。
バンドの経歴はインタビュー(http://arban-mag.com/interview_detail/69)を参照。

この中では、中林が先陣、黒田が出世頭、宮川が気鋭、という位置づけかと。
最近の邦人では、黒田、宮川の両名は聴いておきたい人にはなると思いますので、こんなバンドを組んでいたことにちょっと驚きを感じつつ、ここにCamila Mezaをゲストに入れてるのも驚きですw
聴いてるメンバーの作品を1作ずつ
 黒田:"Zigzagger" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63889659.html)
 宮川:"The Way" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63415010.html)
 中林:"Graffiti" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/55302703.html)
 Camila Meza:"Traces" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63713763.html)

メンツは上述の通り2管クインテットが基本で、大物ゲストが1曲で入る構成。
西口は井上銘のアルバムの客演で聴いてることになってます。
黒田卓也(Tp)、西口明宏(Sax)、宮川純(P)、中林薫平(B)、柴田亮(Ds)、Camila Meza(Vo,G:5)

演奏曲は、黒田3曲、西口2曲、中林2曲、宮川2曲、柴田1曲で各人のオリジナルだけで構成
1.フル・スロットル
2.BOJO
3.クルー・ネック・クルー
4.フラットランド
5.ラヴ・アンド・ガッツ feat. Camila Meza
6.ヒー・センズ・イット
7.アンティル・ユー・ノウ
8.サインズ
9.コア
10.スネイルズ・ペース

全体の印象としては、黒田卓也のリーダーアルバムと似たテイストの軽快なリズムのダンサブルでグルーヴィなスタイルを基調としたものという解釈でと良いと思います。

中林、柴田のリズムが、太い音色でビートを刻むことでグルーヴ感を出していてまずそれが格好良い。
黒田と西口の2管の各自のソロと両者のアンサンブルが見事で、これも聴いてて楽しい。
宮川のセンスの良いピアノが、これまた良い味を出していて、彼の演奏が入ることで全体がまとまってきているように感じられる。
宮川が後から加入しているとのインタビュー記事だが、そういう意味では加入したことでバンドとしてのまとまりはかなり上がったんじゃないかと推測
さらにシンセできめ細かく丁寧に入れ込んでくる電子音がこれまた効果的で、格好良い。

5曲めでCamila Mezaがゲストで入るが、ボーカルの良さと共に、ギターが相変わらずのキレの良さで入ってくるのがまた素晴らしい。良い演奏を聴かせてくれます。

ストリングスを、ストレートに入れてきて端正な響きを聴かせる8曲め。
パーカッションが入りの、テーマとリズムがズレてる感じの曲で最後。
と、後半は変化を持たせてくるが、全体的に心地良いグルーブ感に終始した演奏が続く。
そもそもが踊らせようという前提のバンドなんで、そういう意味でも心地よく身を委ねられる演奏を楽しむことができる。

ベストは4曲めでしょう。

Megapteras "Full Throttle" (https://www.amazon.co.jp/dp/B01N0LMZ9N/)

"ラーメンな女たち -LIVE IN TOKYO-" 矢野顕子, 上原ひろみ

矢野顕子と上原ひろみは、約6年前にも共演したアルバムをリリースしていまして、2011年にリリースされた下記ですが、6年経って2作めが出てきました(驚)
 "Get Together 〜live In Tokyo〜" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61039225.html)

この作品は、矢野さんの40周年記念ということで、2016年9月15日に渋谷のオーチャードホールで行われたライブの実況。
というか、アルバム用の公開収録と言った方が正解のよう。
ネット探ると7曲めまで通しで演って、8曲めがアンコール扱い。その後、2テイクめとして、”東京は夜の7時””Dreamer””飛ばしていくよ””ラーメンたべたい”を演奏したようです。
元々70分の予定が倍近い時間(2.5時間?)の充実したコンサートだったという実況がネットで見られました。

メンツはいわずもがな。ピアノは上原がYAMAHA、矢野がSteinway&Sonsと、しっかり使い分け。
矢野顕子(P,Vo)、上原ひろみ(P)

演奏曲は、1,4,8が矢野、6が上原、5が共作で、2曲めが手遊びの”おちゃらか”とWayne Shorterの”Footprints”、3曲めがBill Withersの”Ain’t No Sunshine”と美空の”真っ赤な太陽”、7曲めが、笠置シヅ子の”東京ブギウギ”とFrank Sinatraで有名な”New York, New York”と2個1された曲。
1. 東京は夜の7時
2. おちゃらかプリンツ
3. 真赤なサンシャイン
4. 飛ばしていくよ
5. ドリーマー
6. こいのうた
7. ホームタウン・ブギウギ
8. ラーメンたべたい

矢野が唄うと、たいがいの歌は矢野サウンドに変化してしまうもんだと思いますが、ここでもしっかりといずれの曲も矢野サウンド化していると言えるでしょう。
これは、矢野の個性の強さなのでしかたない。

この2人のピアノが、しっとり目の曲でも音数たっぷりと、アグレッシブな曲ではとことんまで、まぁ好き勝手に弾きまくっているわけではないが、自由闊達に弾きまくっているのに見事なアンサンブルを聴かせる。
演奏が乗ってきてアグレッシブになってくると、歌唱も勢いが増してきて、勢いにのってガンガン飛ばしていくように、歌い、弾き倒していく。
高速フレーズも、二人の連弾で弾ききって凄いことになっていく。

まさに、緩急自在、縦横無尽、八面六腑というような両者のピアノに圧倒される。


ベストを挙げる必要もないんですが、あえて挙げると8曲めってことになるんでしょう。
しかし、体調が悪いときにはもの凄くヘヴィな音楽でありました。濃すぎる。

"ラーメンな女たち -LIVE IN TOKYO-" 矢野顕子, 上原ひろみ (https://www.amazon.co.jp/dp/B01N1MVE13/)
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