メーカー・デザイナー

2022年12月24日

パームスプリングスが10周年の時に作ったブラジリアのリーフレット。あれからお店で配布しているのですが、抽選も始まったことだし改めてご紹介させていただきます!


---------History of BROYHILL-------
ブロイヒル社はJames Edgar“Ed” Broyhillによって設立されました。
彼はそれまで兄の家具業を手伝っていましたが、そこでは製造していなかった椅子に目をつけてLenoir Chair Co.を設立。1930年代、兄の会社とエドの会社は世界恐慌にもかかわらず成長を続けます。
そして1937年、エドは両社を統合しBroyhill Furniture Industriesと名付けました。
ブロイヒル社はさまざまな分野からインスピレーションをうけ家具のデザインへ落とし込んでいきました。
エドの息子、ポールの若い感性も取り入れられ、1950年代にはブロイヒルはブランドとして確立。
60年代初頭にポールがCEOに就任したのちも、コンピューターを工場に導入するなど革新的なアイディアで成長をとげていきました。
そのクオリティは健在で、Heritage Home Groupの傘下となった現在でもトラディショナルファニチャーの分野でその名をとどろかせています。


---------Story Of Brasilia---------
1956年ブラジルの首都が移転となります。新都ブラジリアの建造物設計を担ったのが建築家オスカー・ニーマイヤー。
彼はルシオ・コスタの招きで来伯したル・コルビュジエと共に、ブラジルの保険庁舎や52年にはNYの国連本部ビルなどを手掛けた有能なデザイナーでした。
新たなコミュニティ、もっと言えばブラジルという国の新しい時代を作っていく街にはどんなデザインがふさわしいのか。
彼がモチーフにしたのは、ブラジルの飛躍や推進力を願うかのような、航空機や鳥のような飛翔物でした。
d567962991d68b59156a20c3249a7556そして自身の探求テーマでもある自由な曲線とコンクリートの可能性も追求していきます。そうして、新しく生み出される都にふさわしい新しいデザインの建造物が作られたのでした。
無題


---------Brasilia Furniture----------
当時すでに家具メーカーとして人気を確立していたブロイヒル社ですが、その向上心や革新的なアイディアを求める姿勢は変わりませんでした。
それまでの家具デザインとは抜本的に違うデザインを探し求めていたデザイナーたち。彼らの目に、新首都ブラジリアの自由な曲線を多用した新しいデザインがとびこみます。
運よく自社デザイナーの中にその建造物をデザインしたオスカー・ニーマイヤーと働いていたことのある人物がいて、ライセンスをとり家具へと落とし込むこととなったのでした。


・ブラジリアの首相官邸と5段チェストやダイニングチェア
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横からの光があたると立体感のあるプライウッドや金物の取っ手の美しい陰影がでます

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・大聖堂とカテドラルテーブル
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大地から集約された気流が空へと昇っていくような美しいストラクチャーがそのまま活かされたテーブルの脚。その佇まいは建物に引けをとらない気品があります。

・プラナルト宮 とナイトスタンド
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シリーズに共通するシャープな脚は、このプラナルト宮のストラクチャーからきているよう。見る角度によって表情が変わる。

・ファブリックやタイルデザインはメインテーマである航空機や鳥のようなモチーフでパターン化。
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・引き出しの内側に取り付けられているタグは年代によって少しずつ変化していく。
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ブロイヒル社のブラジリアシリーズは1963年のシアトル万博のブラジルパビリオンで発表され、その後半世紀以上経った現代でも次々に新たなファンを獲得しています。
目にした人をぐっと惹きつける魅力があるのがブラジリア。
もしかしたら、特徴的なパターンに込められた、大空を飛ぶ航空機の上昇するイメージや、自由な空気を知らず知らすのうちに感じ取って惹かれているのかもしれませんね...

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そんな心に響く家具をここ日本で紹介できることを誇りに思います。

ホームページでブラジリアを検索!


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(18:29)

2016年07月19日

お店でもヴィンテージの取り扱いがあるヒースセラミックス。


発売中のcasa BRUTUS でも器総集編の一部として数ページ特集が組まれていますね。
(過去記事をまとめなおした冊子のようなので、ずいぶん前の特集なのだとは思いますが、)

3月にヒースに行った記憶も残っている今読むと、
「そうなんだ!」と思うところがちょこちょこあって楽しめました。


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イームズ・ナンバーズ・タイルの記事。

この記事が書かれた当時はプロトタイプの段階だったものが、ヒースセラミックスに行ったときには商品として並んでいました。


ノイトラフォントのナンバーズタイルは買って帰ろうかかなり悩んだので、許可をとって写真も撮ってあったのでご紹介。

IMG_7136

こちら。ハウスナンバーにしたり、壁に並べて飾っても面白そう。

0〜9まで全部買うわけにもいかず(そこそこのお値段がするので 汗)、
番地などの数字、とも思ったけど決めきれず。。。





こちらは現地での写真。
奥のワークスペースを覗いたときに見えた細長いタイルが吊るしてある様子。

IMG_7137


何も知らない私は「乾燥させているのかな?それすら絵になるなー。」なんて思っていたのですが、


ぱらぱら雑誌をめくっていると、、
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ん?これって、、

急いで携帯のヒースでの写真を探す。

IMG_7137 - コピー


やっぱりそうだ!


スタン・ビターズのスクリーンタイル。だったんですね。
ビターズは35年ぶりの個展をヒースで開催したり、作品の取り扱いがあったりとヒースとつながりがあるようですし。



そんなことなら近くで見てみたかったー。

細いタイルをどのようにつなげているんだろう。
ほとんど紐やワイヤーのようなものは見えなかった記憶があるけれど。

ヒギンスランプのようにワイヤーを厚み方向に通しているのかな。

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こんな風に。

いずれにしても、素敵なタイル使い。

埋め込むばかりじゃないんですね。外に吊るす、というのも素敵だし。




そして、お店にもいくつか在庫のある灰皿が積みあがった写真!
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当時の様子を見ることができるとさらに愛着がわきますね。

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まだいくつかヴィンテージの灰皿がありますので、気になった方はお問合せくださいね。

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(11:13)

2015年12月20日

入荷直後ということで店内にもイギリス・ヨーロッパの家具がいつもより多めに並んでいます。
パソコンに向かっている右手にもGプランのディバイダーがあったりして、いつもとは違う景色。

せっかくなのでヨーロッパミッドセンチュリーの話を、とも思ったのですが、
今日はウェブショップに掲載されているアイテムのデザイナーについて書こうと思います。


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こちらのコーヒーテーブルのデザイナー、エイドリアンです。

Adrian Pearsall(USA, 1925-2011)

エイドリアン・ピアソール(パーソールとも)はアメリカ出身のデザイナー。
力強くのびのびとしたデザインで50・60年代に活躍した、アトミックエイジのアイコン的存在です。

ゴンドラソファや上記のコーヒーテーブル、ハイバックのシングルソファなどなど、パームスプリングスでも過去に色々と取り扱ってきました。

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どれも大胆で伸びやかで、オブジェのような佇まいが魅力なんですよね。。



エイドリアンは、イリノイの大学で建築エンジニアリングを学んだ後、妻と共にロートアイアンを使った家具をデザインしはじめます。
週末になると車に家具を積みこみ、ニューヨークなどのデパートに営業に行っていたとか。

1952年にはペンシルバニアのWilkes-Barreでクラフト・アソシエイツを設立。
兄弟のリチャードも事業に加わり、6人だった従業員は800人にまで増え地元の大手企業になりました。


carft associatesは家具雑誌に取り上げられるなど、当時から高く評価されてたんですね。
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テーブルのベースを積み重ねたサマなんて、オブジェそのもの!



ソファやテーブルの他にも、クラフトアソシエイツからはこんなアイテムも販売されていたみたいです。

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アトミックエイジらしく、地球自体がロケットのようになってます。
こんな地球儀なら子供から大人まで手元に置いておきたくなりますよね。



その後1968年にLANEに買収され、エイドリアンデザインのLANE社製家具もいくつか生まれます。

これとか、
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これなんかもエイドリアンデザインらしいです。
(サインなどはないですが、海外サイトだとエイドリアンデザインとして紹介されてたりします)




エイドリアンは自社が買収されるとJohn Grahamと共にComfort Designsという別会社を立ち上げますが、最終的には家具デザインから引退してしまいました。

ですが、彼のクラフトマンとしての意欲は衰えることなく、引退後はクラシックヨットのレストアや航海に熱中するようになり、情熱を傾けていたそうです。

AdrianMountPearsallX
海辺の快活なおじいちゃん、といった雰囲気。

デザイナーとして活躍していたときから、おごり高ぶることなく慈愛に満ちた人柄だったとか。
優しい感じがこの写真からも伝わってきます。


アメリカンミッドセンチュリーらしい力強さがありながらも、キツくギラギラしていない柔らかい雰囲気のデザインは、エイドリアンの人柄がにじみ出ているのかもしれませんね。

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(17:27)

2015年11月13日

当店ではお馴染みDREXEL(ドレクセル)社。

1903年創業のドレクセルは、時代を超えた美しさを持つ家具でインテリア作りをしてほしいという信念をもって、厳しい品質基準や選美眼を維持してきました。
その強い信念は変わらず、今日においてもドレクセル社は高級家具メーカーとして名を馳せています。

ドレクセルは1930年代から自社デザイナーを雇うなどデザインにも力を入れ、社外デザイナーとのコラボレーションなども積極的に行っていました。
キップ・スチュアートのDeclarationシリーズなども有名ですね。


今日は、そのドレクセル社のprofileシリーズをご紹介。

06191430_5583a9037036fドレクセル社製プロファイルシリーズ サイドボード

シルバーの取っ手金具と尖ったデザインが特徴的なシリーズです。


このprofileシリーズをデザインしたのはデザイナーのJohn Van Koert。

John Van Koertはカナダに生まれ、その後ミルウォーキーに移ってウィスコンシン大学で画家・彫刻家となるべく勉学に励みました。
第二次世界大戦後にはニューヨークに拠点を移し、Harry Winstonのジュエリーデザイナーに。その後インダストリアルデザインにも進出していきます。

1954年には北欧デザイン展のディレクターとして、北欧モダンデザインをアメリカに広めるべく3年間にわたりアメリカ国内を巡回。

同じ50年代に銀食器メーカーTowle社のために食器やカトラリーをデザインしています。滑らかなラインのContourシリーズなどは名作です。
VAN KOERT contour
contour


さて、話は戻ってprofile。このシリーズはAbraham & Straus,やMacy's and Bloomingdale'sなどのデパート向けにデザインされ1956年に発表されました。

アメリカのミッドセンチュリーらしい強さを感じる要素が満載ですが、そこは元ジュエリーデザイナー、
エッジが効きつつも滑らかなカーブで繋がっていたり、とろりと溶けた銀をそのまま固めたような柔らかそうなフォルムの金物などが上品で、女性らしい雰囲気を随所に感じます。

先述のcontourもそうですが、John Van Koertは柔らかさを感じさせる金属デザインに長けています。
その感覚を家具や木材にも活かしたことで、他にはない強さと上品さを感じるprofileシリーズが生まれたのでしょうね。


当時のカタログには箱もの家具のほかにもテーブルやチェアなども載っています。
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テーブルだと脚のラインが際立ちますね。

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以前扱ったことのあるタイプのサイドボードも。

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チェアになってもこのラインは健在。



ところで、当時ショールームでは紫や蛍光ブルーの壁紙にあわせて展示されていたよう。

寒色とウォールナット材の色のコントラストはきっと見事だったでしょうね。

かなり勇気のいるウォールカラーですが、もしprofileシリーズを考えていらっしゃる方は、少しだけ参考にしてみては。

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(15:54)

2015年11月09日

メーカーやシリーズ、デザイナーなどについて、初見のものやお馴染のものでも、店舗にある書籍やインターネットで調べることがあります。

これが、一旦はじめてしまうと(インターネットだと特に)どんどん深みにはまってなかなか抜け出せなくなるんです。
さながらミッドセンチュリーデザインの旅、といった感じに。

すぐにそれらしい情報にたどり着けばさらなる探求の旅、なかなか見つからないと困窮を極めた厳しい旅。
時間がなくて渋々切り上げることもよくあります。


この旅の醍醐味は、楽しい旅でも厳しい旅でも、思いがけない発見があるところ。
旅の発端となったメーカーやデザイナーはもちろんのこと、それに関連する情報が見つかると「まだあるかも!」と夢中になって、あっという間に時間が経ってしまいます。


・・・前置きが長くなりましたが、今日はそのミッドセンチュリーデザインの旅で出会ったお話を。


少し前にHPにアップしたポタリートレー。このトレーの作者のMarc Bellaireが働いていたSaschaBrastoff社(こちらのトレーもあります)のメイン工場をデザインした建築家のお話です。



A Quincy Jones
A quincy jones

この名前を目にしたのは、SaschaBrastoff社について改めて調べていたとき。以前調べたときには知らずに通りすぎていました。

「クインシー・ジョーンズ?音楽関係の人じゃなかったっけ?」


建築知識に乏しい私はそう思ってさらに調べてみると、こちらのクインシーは建築家。
それもミッドセンチュリーモダン建築のパイオニア的存在のひとりでした。建築業界では有名な建築家さんのようですね。


1913年に生まれ、カリフォルニアで少年期を過ごしたクインシー(こういう呼び方で良いのかな?)。
1936年に建築の学士課程を修了し、いくつかの事務所で経験を積んだのち、有名な建築家Paul R.Williamsの下で働きました。

その後アメリカ軍航空基地の開発担当となるなど戦争の波にのまれますが、1945年にロサンゼルスに戻ると、戦前に購入・新築していた2棟の家を自身の事務所としてリフォーム。
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下積みをしたPaul R.Williamsと共にパームスプリングスエリアのプロジェクトにいくつも取り組みました。

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1947年のTennis Clubや(左の写真)1948年のthe Town & Country restaurant 、1950年の the restaurant Romanoff's On the Rocks など。





同じころ、あの有名なCase Study Houseにも参加。

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#24として斬新なコンセプトを打ち出しましたが、実際に建てられることはなかったようです。


1950年にはArchitectural Forum誌が選ぶ"Builder's House of the Year"を受賞。
同時に別の賞を授与されたJoseph Eichler(当店ではお馴染み、アイクラーホームの人!)に誘われ、彼の開発したPalo Altoの街を見学します。

ここから、その後の彼の仕事にも大きく影響するアイクラーとの親交がはじまりました。アイクラーとの交流の中で、クインシーは彼のコンセプトを具現化していきます。

1960年、クインシーはカリフォルニアの街Irvineの開発者として雇われます。
これによって、彼はその後グリーンベルト(緑地と都市計画の共存のようなもの?)のパイオニアとして名を馳せることとなるのです。


また、旧知の建築家Emmonsとタッグを組むようアイクラーに勧められたクインシー。
彼とEmmonsによるデザインは5000を超えるアイクラーホームズに反映され、
(Emmonsの見積もりではあるが)
彼らは1969年にAIA(The American Institute of Architects)によって、建築事務所に送られる最高の栄誉、”The Architecture Firm Award”を受賞しました。


その後もクインシーは大学で教鞭をとったりと精力的に活動します。

そのお話はまたいつか、ということにして、彼の作品をいくつか紹介して今回の旅は締めくくり。

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(画像はNCMHのサイトからお借りしました。)

こうして見てみると、アメリカのミッドセンチュリーデザインは小さな身の回りのものから建築物、果ては都市開発まで網の目状に繋がっているみたいですね。

知れば知るほど、その魅力にはまってしまいそうな世界。
(訳や解釈の違いは多かれ少なかれあるかもしれませんが)少しでもデザインの裏にあるストーリーや魅力を皆さまにお伝えできればと思います。

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(11:01)

2015年11月06日

先日、アレキサンダー・ジラード展に行ってきました。

casa BRUTUSなどでも取り上げられていたので、ご存知の方も多いかと思います。
(ハーマンミラーストアで明日11/7までです)


恥ずかしながら、パームスプリングスで働くまでジラードどころかハーマンミラーも知らなかった私。
(かろうじてビビッドカラーのシェルチェアをアメリカのミッドセンチュリーデザインとして認識していた程度、、)

友人に会うスケジュールと会期や場所が重なっていたので、これは勉強もかねてぜひ行こう!と。

旧友に会うのがメインだったので、すっかり暗くなってから立ち寄ったのですが、平日ということもありひとりでゆっくりと見てみわることができました。


会期中なので、クローズアップした写真を中心にお楽しみください〜


まず目を奪われたのは、入って正面に掲げられた太陽のファブリック。
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ラ・フォンダ・デル・ソルもそうですが、ジラードのデザインには太陽をモチーフにしたものが数多くありますよね。
ミッドセンチュリーデザインではサンバーストなどアトミックなモチーフが盛んに使われていたので、ジラードもその流れをくんでいた(あるいは作りだした?)のでしょうか。

フォークアートに魅了されていたところをみると、南アメリカやラテン系の伝統的なモチーフからインスピレーションを受けた感じもするし、、デザインは「これがこうなった!」みたいな単純なものではないということなのかな。

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太陽がいっぱい



ファブリック好きにはたまらない、当時の生地サンプルブックやマハラム社の現行品の生地などもふんだんに展示されていて(現行品は販売もされていて)、興奮が抑えきれずひとりぐるぐると会場を何周もしてしまった私 笑
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他にも、ユーモアのある陶のオブジェや当時のポスターなどもあって、ジラードに詳しくなくても楽しめる展示でした。
もちろん、ハーマンミラー社の家具(ジラードファブリック仕様)もたっぷりと展示されていて、そちらも見ごたえ抜群!ヴィンテージもありましたよ。



そして帰り際、入口に展示されていた木枠のパネルがシルクスクリーンの版であることが発覚!

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時間が遅くなってあわてて来場したので、全く気がつきませんでした。。
透けてます。


木の経年具合やインクの跡とピカピカな店内にギャップを感じます。でも、

「これだけ時が経っているのに現代でも新しい感覚を与えてくれるって、ジラード含めミッドセンチュリーデザインってほんとすごいなー」

と感想にもならない感動を覚えて帰路につきました。


実家でお留守番の息子と夫にはメモリーカードゲーム(絵柄の神経衰弱みたいな)をお土産に。
自分が欲しかったのが一番なのですが ^^;


ちなみに、あまり知られていないかもしれませんが、パームスプリングスではシェルチェアのファブリックを好きな生地で張り替えることができます。
マハラム社の生地も選んでいただけますので、ジラードのファブリックも!

HPには一部の生地しか載っていませんので、お気軽にお問い合わせくださいね。

・アームシェルチェア(生地選択)

・サイドシェルチェア(生地選択)


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(11:06)

2015年10月23日

Arthur Umanoff(アーサー・ウマノフ)ってご存知ですか?
なんとなく名前を聞いたことがあるかも、という方もいらっしゃるかもしれませんね。



5・6年前くらいから、アイアンの脚をつかった家具が人気になっています。軽快で気軽にミックス感を出せるので、若い人には特に人気なよう。

そんなこともあり、アイアン×自然素材のスタイルは流行りもののように感じられますが、、、


半世紀も前(あるいはもっと前?)からデザイナーやメーカーによって生み出されていたスタイルなんです。



前述したArthur Umanoffもそういったスタイルを得意としていたデザイナーのひとり。
ジョージ・ネルソンデザイン事務所から独立し、Tony Paulなどと親交を深めながら多くのプロダクトをデザインしました。

Arthur Umanoff
アーサー・ウマノフ


Arthur Umanoff interiors
50年代のインテリア誌でも取り上げられたり


Arthur Umanoff chair
ELTON社のカタログより


当時のカタログを現代の感覚で見ても全く古さを感じさせません。

これがビンテージの風合いまでまとっているとなったら、新品では太刀打ちできない魅力があるのでは!?と考えただけでワクワクしますよね。


パームスプリングスにもArthur Umanoffデザインのチェアがありますが、アイアンの質感、経年変化で飴色になった籐や木部などがとても素敵です。

流行りものとして取り入れると、後になって「あー、昔そうゆうの流行ったよね」で終わってしまいますが、ビンテージで取り入れて、流行の繰り返しまで含めて味わうと良いかもしれません。


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(15:05)