漫画史上、最も印象に残るボスといえば誰でしょう。

フリーザ、DIO、大魔王バーン、メルエム、志々雄真、白面の者


いろいろいますが、僕にとって最も印象に残る、最高のボスといえば、

そう、やはり幽遊白書の戸愚呂(弟)でしょう。

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この風貌。インパクト。破壊力。
当時、幼稚園生だった僕は、テレビ越しで彼を見ただけで震え上がりました。

幽遊白書はバトル漫画なのですが、基本は肉弾戦と武器やエネルギー的なものを使って戦います。
reigan


そんななか、戸愚呂はボスであるにもかかわらず、筋肉をでかくして殴るだけという、とんでもないキャラクターです。
(ちょっとだけ飛び道具も使いますが、基本は殴るだけ)

ということで、今回は戸愚呂の魅力を語りたいと思います。

1、戸愚呂の筋肉一覧

彼の能力は、筋肉量を%でコントロールすることなのですが、それぞれの%の戸愚呂に魅力があります。
ということで、戸愚呂0%から100%中の100%まで、戸愚呂一覧を見ていきましょう。


戸愚呂0%
toguro0

戸愚呂20%
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戸愚呂30%
toguro30


戸愚呂45%
toguro45

戸愚呂60%
toguro60


戸愚呂80%
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戸愚呂100%なりかけ
toguro100a


戸愚呂100%
toguro100



戸愚呂100%中の100%
100of100

ああ、やはり冨樫さんが描く戸愚呂は最高です。
あなたはどの戸愚呂が好きですか?

僕は100%と80%で迷いますが、やっぱり100%ですね。


2、戸愚呂の名言集

戸愚呂は、その独特の台詞回しにも、魅力が詰まっています。


「お前もしかしてまだ 自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?」
sinanai

こんな化物にこんなこと言われたら、死ぬしかない。


「酒はダメなんで オレンジジュースください」
sakehadame

この風貌でオレンジジュースというギャップ。
これが本当の萌え。


「こう見えてもねェ 結構動物好きなんすよ」
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こんな化物すら動物にカテゴライズしてあげる戸愚呂。
なお、この後パンチ一発で動物の胴を吹き飛ばして絶命させる。


「よろしい もうお前に用はない」
youhanai

戸愚呂さんが言うなら、用はないのでしょう。
やはり死ぬしかない。


3、戸愚呂物語

戸愚呂は元々は普通の人間であり武道家でした。
しかし、潰煉(かいれん)という妖怪に全ての弟子を目の前で食われて、復讐をすべく心に鬼が宿ります。
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そして、仇の妖怪を殺した後も心の闇は消えず、妖怪へと転身することを選択します。
仲間も魂も、全てを捨てて強さだけを求める力の権化となってしまうのです。

しかし、戸愚呂の根底にあったのは、目の前で食われる弟子の前で何もできなかった、そして全てを捨ててしまった自分への罪の意識でした。
そのため、妖怪になった後の戸愚呂の目的は、誰かに自分を止めてもらう、つまり殺してもらうこと。
そして、そんな罪人である自分を永遠に苦しめること。



戸愚呂は主人公に敗れ、死んだあと、地獄の中でも最も過酷な地獄に行くことを自ら選びます。

そこは、あらゆる苦痛を一万年かけて与え続け、それを一万回繰り返す地獄。
つまり、1億年間拷問を受け続ける最悪の地獄

いやいや、1億年て・・・。地球でいえば、1億年前ってティラノサウルスがいた時代ですよ。

しかも、その後待っているのは完全な「無」。


そんな地獄に行こうとしている戸愚呂を、かつての仲間である玄海が止めようとします。
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しかし、戸愚呂は「もうオレなんかにかまうな」と言い、
それどころか、自分を倒した主人公・幽助を心配し、
玄海が生き返って助けてやれと促します。


そして、玄海に一言言い残し、地獄へと旅立つ戸愚呂。

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戸愚呂ぉぉぉおおおお!!!!



4、かつての仇と同じ道をたどる戸愚呂

暗黒武術会のNo.1優勝候補である潰煉(かいれん)に完膚なきまでに叩きのめされ、目の前で仲間を喰われた戸愚呂。無力な自分に絶望しながらも、ゲストチーム(人間チーム)として戸愚呂は武術会に参加し、潰煉を殺します。

そして、妖怪になった後の戸愚呂は、もう一度まったく同じ状況を作ろうとしていたのだと思います。
今度は自分が潰煉の役になり、絶望を与える側として。

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(戸愚呂の最終形態と、潰煉はそっくり)


暗黒武術会のNo.1優勝候補の戸愚呂と、人間チームの幽助。
そして、武術会の決勝で、戸愚呂と潰煉の状況が完全に再現されることになります。

幽助は戸愚呂に完膚なきまでに叩きのめされ、無力感を味わわされます。
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あきらかに、戸愚呂が意識して幽助に無力感を植えつけようとしています。

その上で、幽助の目の前で、幽助の仲間である桑原を殺害(したフリを)します。
戸愚呂と同じように、自分自身が許せないと、幽助は思います。
しかし、戸愚呂とは違い、仲間を絶対に捨てないという覚悟を持ちます。
その選択をした幽助は、ついに戸愚呂を超えます。



実は戸愚呂は、自分と同じ絶望を幽助に経験させ、それでもなお、幽助が自分とは違う選択(全てを捨てない)をして、自分を超える姿を見たかったのだと思います。
つまり・・・

戸愚呂=潰煉
幽助=全てを捨てなかった戸愚呂

強くなるために絶望の鬼を心に宿らせ、強くなるためにすべてを捨てた戸愚呂。しかし、それは間違っていた。そんな自身の過ちを証明するために、自身が潰煉となり、幽助="全てを捨てなかった戸愚呂”に自分を超えさせ、殺された。


幽助に敗れた戸愚呂は、最期に満足気な表情でいい残します。
「他の誰かのために120 の力が出せる...それがお前達の強さ」

弱いがために弟子を食い殺され、弱いがために仲間を捨て人間を捨てた自分を許せなくて、1億年の地獄を選んだ戸愚呂。



見た目も中身も魅力に溢れた、漫画界屈指のボスでした。




ちなみに、戸愚呂200%から戸愚呂1000%までを描いたサイトがあるので、戸愚呂好きは必見。

戸愚呂神話