ヘンリー3世のシガリロレビュー

仕事が忙しくてセルフ禁煙中

 2022年のSpotifyの年間再生数が驚きでした。
 ヒップホップ1位はケンドリック・ラマーの"Mr. Morale & the Big Steppers"が14億回再生で、エミネムは"The Eminem Show"が12.5億回再生でした。Drake & 21 Savageの"Her Loss"が11月の発売でしたので、年間再生数では不利にはなるのですが、2022年に発売されたアルバムを悉く上回ってきました。
 ESは2022年で英国No.1のヒップホップアルバムとなり、YouTubeでの再生回数でもカナダで3年連続を記録するなど、米国で人気が低迷しても国外では圧倒的な人気です。
 また、2023年に入ってからも人気が衰えず、1月12日のSpotifyデイリーチャートで19位のピークに達しました。今年に入ってからの売上を年間に換算すると140万枚相当の売上となるそうです。全世界で2700万枚以上のセールスを記録していますが、2030年までに3000万枚以上となるのは確実といえるでしょう。まぁ、カニエみたいに変な事をして今以上に若者からキャンセルされなければですが……。




"Da Bruhs gonna love her"

 これをそのままの文章に直すと、

"The brothers going to love her"

 になります。
 daはthe、bruhはbrother。黒人男性の発音だと「ザ」よりも「ダ」の発音の方が近いですし、文章にする時に略する場合にyouがUになるのと同じで短くしている訳です。たった一文字しか短くなっていないじゃん……と思いますが。
 では、なぜ今回の文章がヘイリーへの侮辱になったのかですが、bruhやbrahは発音がbraでして、ブラジャーの略と同じ発音になるんですよね。ここまでは理解できていましたが、どうやら問題は映画の"8 Mile"にあるようです。
 バトルでB.ラビットが相手に対してのリリックを連想したファンが多かったようで――

"Blah-badi-boo-blah, blah-blah-badi-bloo-blah!"
I ain't hear a word you said: "Hippity hoopla!"
Is that a tank-top or a new bra?

 B.ラビットが「ブラブラ」と相手に言いまくるんですよ。そしてニューブラ(新しいブラジャー)と投げかけます。ここからエミネムのファンがBruh(Blah)をブラジャーと連想し、ヘイリーのセクシーな画像につなげていったということでしょう。オービーは"8 Mile"にも参加していました。
 USのファンの中にも"The brothers"の意味でコメントしているだけで過剰に反応するべきではないとの意見も見られますし、偶然だったのか本当に面白がってコメントしたのか分かりません。

 オービーはD12のメンバーでもありました。中心人物のビザールにテープが渡り、それをエミネムが興味を示したそうです。また、車に乗っていたエミネムに外からフリースタイルを聞かせて気に入られてシェイディ・レコーズ所属となった……と。大ヒットはしていませんが、シェイディ・レコーズ時代はそれなりにヒットさせていて、D12のメンバーの中でもソロとして活躍した唯一の存在です。
 シェイディ・レコーズから脱退してからも、エミネムと共演をしているので関係性は良好だと思います。



 Dr.ドレーがユニバーサルとシャムロックに自身の権利を売却したと報道されました。
 カタログという言葉が海外では出て来ますが、自身の作曲した権利の事を「カタログ」という呼び方をします。
 今回の売却でDr.ドレーが得た金額は2000万ドルとされています。ドル円を130円とした場合、260億円という巨額な大金となりました。さすがはDr.ドレーですね。規模が違います。
 少し前にリル・ウェインも自身の権利を売却し、その中にはドレイク等との共作も含まれている為、あまり良い取引ではない等の議論もありました。今回のDr.ドレーの取引に関しては好意的な反応が多い様です。
 Dr.ドレーの2枚のソロアルバム、NWAの分け前、プロデューサーとしての印税などが含まれています。出版権をDr.ドレーが所有していない部分に関しても含まれる可能性があるとされていて、"The Chronic"はソニーが出版権を所有しているとされています。"The Chronic"の出版権は無くとも印税は発生するので、彼のほぼすべてのキャリアを売却すると見ていいと思います。
 
 少しずつ詳しい情報が出てきていますが、ユニバーサルは傘下のインタースコープと契約しているレーベルにDr.ドレー率いるアフターマスがあります。ユニバーサルはケンドリック・ラマーの楽曲におけるDr.ドレーの取り分を取得、シャムロック・キャピタルはNWAのDr.ドレーの取り分、2枚のソロアルバム、出版権を持たない楽曲における印税を取得との事です。音楽業界は複雑に絡み合っていて実態がつかめないのですが、"The Chronic"はデスロウが権利を持っていて、今年の8月にアフターマスに権利が戻ってくるとされています。権利を取り返してから最後のピースを売却し、全ての取引が完了という流れなのかもしれません。

 また、Dr.ドレーはアフターマスのトップの座は維持していくとのことで、これからもエミネム、ケンドリック、アンダーソン・パークのプロデュースは継続するとの事です。
 Dr.ドレーもエミネムも政治活動において自身の楽曲を使用する事を拒絶しているのですが、MTGが"Still D.R.E."を無断使用して動画の削除を求める手紙を送っています。今回の権利の売却では政治活動での使用を制限する契約を盛り込んでいるのかが注目されます。

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