耳中常聞逆耳之言、心中常有払心之事、纔是進徳修行的砥石、若言言悦耳、事事快心、便把此生埋在鴆毒中矣
「耳中常に耳に逆らうの言を聞き、心中常に心に払(もと)るの事あれば、わずかにこれ徳に進み行ないを修むるの砥石(しせき)なり、もし言々耳を悦(よろこ)ばし、事々心に快ければ、すなわち、この生を把(と)りて鴆毒(ちんどく)のうちに埋在(まいざい)せん」
耳に入るのは甘いお世辞ばかり、何事も思いのままという環境ならば、知らぬまに猛毒に侵されて一生を台無しにするだろう。
人ノ過誤ハ宜シク許スベシ。シカレドモ己ニ在リテハ則チ許スベカラズ。己ノ困辱ハ正ニ忍ブベシ。シカレドモ人ニ在リテハ則チ忍ブベカラズ。
他人の過ちは見逃して許すべきである。しかし自分の過ちは許してはならない。自分の苦しく辛いことは忍耐すべきであるが、他人が困っている時には無関心であってはならない。