撥水性について


撥水とは「水をはじく」ことなのは皆さんご存知のことですが、ハジキのメカニズムはどのようになっているのでしょうか?

これは基盤の表面にフッ素やシリコーンを塗布することにより蓮の葉の表面に似せた微細な突起を作ることで撥水性を出しています。

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この微細な突起により水との接触を最小限にすることで表面張力により水玉ができる。

つまり撥水が起こると言う事でしょう。


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撥水、超撥水は上図のような状態を言いますが、現実では超撥水のような感じは蓮の葉のような状態でしかなく、一般的には撥水の図のようなのがほとんどではないでしょうか。

小雨のような水量が少ない場合や空気中の水分が結露し始めた時や霧のような場合の水量では一面が曇った状態となります。

この状態は、私の経験から撥水も親水も同じようです。

撥水と親水の違いが出るのは、水量が多くなるにつれて表れてきます。

水は中心に集まろうとする「凝集性」があり、表面積をできるだけ小さくしようとする表面張力の大きい物質です。

よって撥水の場合は、水量が多くなるにつれて、水滴同士が引き合って水玉が大きくなっていきます。

勾配のある面だと水玉が大きくなるにしたがって、重力により流れ落ちていきます。

一部の汚れなども一緒に流されていきます。

大量の水をかけた場合は下の写真のようにス〜ッと水が引いて水滴がほとんど残らない現象が見られます。

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このような現象を造語だと思いますが、水が滑り落ちると言う事で「滑水」と一般的には呼ばれています。

「撥水」よりも「超撥水」のほうが水玉と基材との接触面が小さい(接触角が大きい)ので摩擦も小さく水玉が滑り落ちやすく残りにくいのです。

その他、よく使われる「疎水」は、「水になじみにくい=はじく」と言う事で「撥水」の別表現で使われているようです。

勾配の小さい面や平面の流れ落ちない水玉は大きくなるにつれて表面張力が耐えきれず分割されていくつかの小さい水玉となります。

これが水玉の残る原因だと思います。

これは平坦な面や勾配の緩やかな面だけでなく、ほぼ垂直に近い面にも起こりますが、これは汚れていたり傷が多かったり、劣化などで表面が凸凹していると凹み部分などに水分が引っかかって水玉となり残るのではないかと考えられます。

この様な様々な基材表面の状況により接触角も変化するため、水玉の形も変わってきます。

この現象は、親水の場合にも当てはまります。


【撥水性のメリット】


●親水性と比べ光沢や艶があり、被膜硬度も高いので傷がつきにくく耐久性にも優れている。

●水引が良いので拭き取りが簡単。

●60〜70kmくらいの走行で水玉が飛び散る。

●ガラスなどはワイパーを早く回しても前が見えないくらいの大雨でも視界が確保できる。

●塗膜の紫外線による劣化や変色・退色がしにくい。

●ほこりや汚れが付きにくい。

●フッ素を配合している場合は撥油性があるために水垢などが固着しにくい。


【撥水性のデメリット】


●水滴が残りやすいので輪状痕が付きやすい。

●こまめにメンテナンスをせず汚れた状態や傷が多く入っている状態になると撥水効果および光沢など被膜性能が低下する。

●あまり厚塗りをすると曇ったようなモヤ〜っとしたようになる場合がある。


親水性について


親水は空気中の水分が基板表面を覆って空気中の油分や汚れが付着しないように保護しているのをイメージすればよいと思います。

撥水との違いは、水量が増えると増えるだけ撥水のような水玉はできませんから全体にベタ〜ッと広がって水の膜厚が次第に薄くなりながら蒸発していくので雨染みができないのです。

しかし、このようになるのは平坦な面のときに限り、下図のように表面に汚れなどがついて凸凹の状態になると水滴がつきます。

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ただ水滴がついても下図の接触角の範囲内でしたら親水と呼べるわけですが、やはり親水は水滴が残らず表面に水がベタ〜っと一面を覆っているほうが「親水」って感じがしますよね。

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撥水コートにしても、汚れたり傷がついたりすると下図のように突起が埋もれたり部分的になくなるために水玉の基材との接触面が大きくなることにより接触角も小さくなるために撥水力が落ちてくるのです。(と、私は考えます。)

よって、撥水コートも親水コートも、これらの特徴を出せるのは表面が平坦であることが必要条件なのです。

だから、汚れや傷などをとって表面を常に平坦にしてこそ、つまり適宜な「メンテナンス」をする事でコーティング効果を維持出来るのです。


【親水性のメリット】


●水は薄く広がるので、雨染みのような輪状痕ができにくい。、

洗車後の拭き取りは、撥水コートよりもクロスの滑りが悪いので拭き取りにくいように思えますが、撥水コートの場合、1度や2度の拭き取りでは完璧に水分は拭き取れず水玉となって残りますが、親水コートも1度や2度の拭き取りですべての水分は拭き取れはしませんが、残った水分は水玉にならないので乾燥が早く輪状痕になりません。

●汚れを寄せ付けにくくし、また汚れても固着しにくく、水洗いで比較的簡単に汚れを落とせる。

●セルフクリーン効果がある。

●ガラスなどに塗布すると透過性が向上する。

●乱反射によるぎらつきがない。


【親水性のデメリット】


●メンテナンスを怠ると、空気中の汚染物質や雨などで汚れがついていくうちに、水滴が水玉として付きやすくなるため親水性能や美観が低下する。

●撥水被膜と比べると光沢や艶、ツルツル感に劣る。


例えば、窓ガラスは、通常汚れていない状態では親水ですが、大気中に含まれる油性の汚染物質や、空気中に飛散しているチリやほこりなどが付着することにより、親水性が低下し、水滴が付きやすくなります。

よって、親水性表面を維持し続けるためには、汚れや油分を除去するためのメンテナンスを適宜おこなう必要があります。

自動車の窓ガラスにおいては、フロントガラス以外は水玉になりにくい親水性のほうが汚れが付きにくいので透過性が向上するので視界が向上します。

フロントガラスは下の比較写真のように親水よりも撥水コートのほうが良いと思います。

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撥水・親水のどちらにしても、汚れや傷が付けば被膜性能は低下します。

特に撥水コートの場合は石油系溶剤などの油脂分やWAXなどに配合されているカルナバなどのロウ分やパラフィンを配合しているコート剤は酸化劣化しやすく、そうなるとかえって汚れを寄せ付けやすくなり、水垢などが付きやすくなりますので出来ればこれらを全く含まないコート剤のほうが持続性は良いと思います。

よって、これらの被膜性能をよみがえらせるには撥水にしても親水にしても適宜、汚れや傷などを除去するための「メンテナンス」が必要になるのです。

ただし、洗車についてはSSなどで洗車機を使って洗車をされる方もいらっしゃると思いますが、できれば手洗い洗車をお勧めしたいです。

と、いうのは、洗車機は様々な車を洗っています。

泥や砂埃を大量に付けた車。

この車を洗った場合にはブラシに砂などが付着している場合があります。

この状態で洗車をすると、当然傷がついてしまう可能性は高いですよね。

また、洗車機にかけるもう一つの目的はWAX洗車や簡易コーティングが目的です。

これらのコーティング、特にWAX洗車の場合はブラシにWAX分が付着している場合があります。

この状態で洗車をすると、水洗いでもボディにWAX分が付着する恐れがあるのです。

ずいぶん前に私が経験したことですが、コーティングをして洗車機で水洗いをこまめにやっていたのですが、ボンネットのパネルの端を見ると黒ずんで水垢がついているようでした。

最初は「なぜか?」と思いましたが、いろいろと調べてみたら、洗車機のブラシについたWAX分ではという結果になりました。

もう何十年も前になりますが、ケミカルメーカーに勤めていたころにSSに洗車機のWAXを販売していたことがあり、その時の経験からこのような結果にたどり着いたわけです。

以上のような理由で手洗いをお勧めします。

が、それでも「手洗いは面倒だ、洗車機で洗いたい」とお思いの方は、傷がつくことは否めませんが、洗うだけならシャンプー洗車をお勧めします。

それでもブラシの汚れは付くでしょうが、水洗いよりはましでしょう。