1.膜厚にむらが出る「手塗」?



まず、私の「私見」を述べさせていただきます。

弊社が最初に販売したガラスコートの「RV-G coat」は、手塗りで2度塗でした。

手塗りの利点は器具などは必要なく、いつでも簡単に手軽に塗れるという事です。が、

結構液の使用量は多く、使用量が多いと言う事は拭取る液量も多く、拭き取りクロスも多く必要となります。

また、手塗りだと指の関節などで凸凹しているために均一な塗布が望めませんし、下図のように塗布のはじめと終わりの液量に差が出ます。


tenuricoating




当然膜厚にも差異が出てしまい均一な膜厚にすることは困難です。

現に、ある塗装工場で「ガラスコートを磨いて剥がそうとしたんだが、明らかに膜厚の違いがあった。たぶん塗はじめのほうが液が多く付くから膜厚が厚くなるんだろうね。

と言われたことがありました。

特に粘度の高い液にこの症状が出やすいと思います。

これらが「手塗り」によるコート剤全般に考えられるデメリットと考えています。

更に「2度塗り」が必要なので非常に手間と時間がかかってしまいます。

RV-G coatが「2度塗り」が必要なのは、下図のように1度塗では塗装面のへこみを埋めきれないからもう一度塗る必要があると言う事なのです。


coating1


            ↓

coating2


粘度が低ければ液が馴染みやすいので凹みの底部まで液が流れるのですが、粘度が高い場合は、下手をすると下図のように凹みの底部に気泡が残る場合も考えられます。


coatingkounendo





よって、理想のコート剤は、

●塗布作業が簡単である。

●液の使用量が少なくて済む事。

●液の粘度が低いこと。

●成分濃度が高いこと。

●被膜性能が優れている事。

●費用対効果の高い事。

●再施工や補修、メンテナンスが簡単。

・被膜性能に優れている

だと思います。

ちなみに「手塗コーティングの作業時間と使用液量」の動画をご覧ください。



2.なぜポリッシャーコーティングを進めるのか



上記条件を全てクリアすることを念頭に置いて考え出されたのがコーティング剤の「SILICONE COAT」であり、独自開発のコーティング工法「Riverail Glass Coating System」なのです。

まず、「塗布作業が簡単である。」事と「液の使用量が少なくて済む事」をクリアさせるために「ポリッシャーでの塗布」を可能にしました。

まずは、こちらの動画「ポリッシャーコーティングの作業時間と使用液量」をご覧ください。



ポリッシャーでの塗布のメリットは、

メリット1.塗布の作業が速い(手塗りとポリッシャーでの塗布をご想像ください)。



メリット2.均一に塗布ができる。→均一な膜厚にできる。



メリット3.1回の塗布で塗布面のへこみの底部まで液を素早くなじませることが可能である。→ダブルアクションポリッシャーの振動と偏心回転による。(下図参照)




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メリット4.液の使用量が手塗りと比べて格段に少量で済む。→拭き取りクロスが少なくて済む



メリット5.手塗と比べ、光沢が良い



ただし、研磨熱の出やすいいシングルポリッシャーは論外です。トルクのあるギアもお勧めできません。

また、ポリッシャーでの塗布は「傷がつかないか?」とか「バフは使い捨てなのか」などの不安があると思いますが、TAKUMIのスポンジバフは柔らかく、使用後直ちにIPAでモミ洗いしRV-F Lotionなどのクリーナーで洗えば再度使用可能です。

よってバフの再生使用についても、またこれらのメリットは「費用対効果が高い」と言う事にもなります。

また、ポリッシャーでの塗布を容易にするために弊社のコーティングシステムで使用するコート剤は粘度も低くしています。

次に「被膜性能が優れている事。」と「成分濃度が高い事。」については、

「成分濃度が高いほど被膜性能が優れる」との独自の思い込み( ´艸`)で、特に「SILICONE COAT」については主要成分は100%と言って良いほどの高濃度なコート剤として仕上げています。

その他のコート剤も酸化しやすいWAXやロウ分、石油系溶剤などは全く配合していないのでこれらを配合したコート剤と比べ施工時では艶や肌触りでは劣っているように感じられますが、持続性には大変優れています。

最後に「メンテナンスが簡単」につきましては、特に「Riverail Glass Coating System」では、シリコーン系のハードコートよりも硬度の高いポリシラザンを成分とする「Primary Coat」をベースコートにして、

その上にトップコートとして、「RV-G protect high grade」を塗布して撥水コートとしたり、「GF Coat」はガラス用の撥水フッ素コートではありますが、ボディにも塗布できるので、塗布してボディの撥水・撥油コートとしたり、「Silica Coat AF」を塗布して親水コートにすることが出来る汎用性の高いコーティングができるとともに、トップコートの硬度をカバーしています。

再施工や補修については、通常では再施工や補修となるとコンパウンドで磨きながら被膜を除去する方法がほとんどだと思います。

皆さんもご経験があるかと思いますが、高硬度のガラスコート被膜は磨いても簡単に除去することは困難で、結構手間がかかるものですよね。

しかしながら、下図のようにPrimary Coatのベースの上に上記のコート剤を塗布した場合、このベースコートはそのままの状態でトップコートだけを除去することを可能としました。


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例えば撥水ポリマーコート「RV-G protect high grade」はIPA(イソプロピルアルコール)で簡単に劣化被膜が除去できますし、「Silica Coat」や「F Coat」はS removerで除去できます。

仮にS removerで除去できなくてもS removerを塗布すれば被膜が柔らかくなるので簡単な磨きで除去できるのです。

ちなみに、お勧めポリッシャーはこれ!
オービットが小さく、トルクも最適、回転速度は「2〜3」で。