スクラッチシールドなど、
プロショップでも難しいとされている塗装の磨きが、
全く磨きの経験のない方でもできるようになるんです。



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「そんなことがあるか!」と、当然思われる方もいらっしゃるでしょう。



しかし、これからご紹介する文章をお読みいただければ、ご納得いただけます。


そもそも「自己修復性耐擦り傷クリアー」とは、擦った傷なら自然と修復されるという塗装です。


この塗装は、カラーベースとなる塗装の上に噴き付けるクリアー塗装で、高密度で弾力性のある塗装なので、傷が入りにくく、
もし擦り傷が入ったとしても、自然に復元されるという優れた塗装なのですが、一端塗膜が切断されてしまうと復元はできません。

塗膜が切断されると「磨き」が必要になってきます。

が、この「磨き」がプロでも一筋縄ではいかないのです。


でもこれからお話をするこの塗装の性質を知れば難しくはないのです。


では、この「自己修復性耐擦り傷クリアー塗装」を施した車が多い、日産のスクラッチシールドを参考にご説明していきたいと思います。




【スクラッチシールドとは】




<特  徴>




通常の塗装では、高密度と言うと「強靭=硬い」というイメージがありますが、硬さで傷を入りにくくするのではなく、
柔らかくて弾力があり、密度の高い結合をしたクリアー塗装のために、言い換えれば柔らかく強靭な塗装、
つまり「弾力性を持たせた強靭な塗膜によって傷が入りにくく、また新車時の光沢が長持ちする塗装」で、
もし、傷が入っても自然に復元する塗装なのです。


<メリット>




弾力性と強靭性により傷が入りにくくしているので、傷による劣化や艶引きなどが起きにくく、光沢が落ちにくいので、新車時の塗装品質を長く維持できます。
また、柔らかく弾力性があるために塗装の構造が破壊されにくく、擦り傷のように塗装表面が変形しても自然と復元します。


これは、あなたも経験があると思いますが、分厚いビニールシートに爪を立てた場合を想像してみてください。

爪を立てるとその部分はへこんでしまいますよね。(こんな感じに)

scratch-shield-before


でも、しばらくほおっておくと元に戻るでしょ。

scratch-shield-after


この理屈なんです。


もちろん、深ければ復元する時間も長くなるでしょうし、また、日産のHPによると復元には温度も影響する様です。
つまり「気温が高ければ高いほど復元する時間が短くなる。」ということです。


しかし、ビニールシートの表面に切り傷が入った場合はどうでしょう?
切断された場合元には戻りませんよね。(こんな感じで)

scratch-shield--c-before



この状態が戻ったとしても、こんな状態です。

scratch-shield--c-after


この様な場合は、磨きによって傷を除去する以外ありません。(これが難関なのです)


メリットとしては、他に、

高い密度で粒子が結合することで、光や酸性雨などに強い高耐候性でもあり、艶の良く、表面も滑らかでもあります。
表面が滑らかなので、傷や汚れが付きにくいのです。



<デメリット>




まず挙げられるのは、どこでも補修ができない。
特殊な塗装の為専用の塗料と塗装の施設、それに塗装技術が必要です。


塗装以外では「磨き」の技術でしょう。
この「磨き」に困っている方が多いのです。


多分、これをお読みいただいているあなたもそうではありませんか?


通常のクリアーはほとんどが弾力性がないので、

あなたも学校で学ばれたと思いますが、「作用・反作用」の法則で、
磨くときに力を入れれば入れただけの反発力があるので切削力は力を入れた分だけ強くなりますが、

このスクラッチシールドは弾力性があるために、「作用・反作用」の理屈は通用しません。

だから、いくら力を入れて(圧をかけて)磨いたとしても作業は、はかどりにくいのです。

ましてや、研磨熱が高くなりがちなシングルポリッシャーで磨けば、熱が大きく復元に影響する塗装の為、一般の塗装よりも膨張しやすいと考えられます。

よって、膨張により傷口が閉じるために傷が取れたと思って満足すると、時間が経つごとに傷が表れてくるのです。


「きれいに磨いたのに後から傷が浮き出てきた」となるわけです。


このケースが非常に多い!

通常は、溶剤を多く含んだコンパウンドに多い現象ですが、

事、スクラッチシールドなどの自己修復性耐スリクリアー塗装では、「熱、温度」が大きく関係します。


他には、コンパウンドが焼き付いたり、いくら磨いてもすっきりと仕上がらないなどのトラブルも多く発生するのです。




【「効率の良い磨き」とは?】




<研磨熱を発生させない磨きをする>




スクラッチシールドは非常に熱の影響を受け易い塗装である事はご理解いただけたと思います。


一般の塗装もそうですが、熱により塗装は柔らかくなります。
柔らかくなることで傷が取れやすくなります。

が、逆に傷が入りやすくもなります。

また、膨張も起こります。


当然のごとく、膨張の後には冷めて収縮と言う現象が起こります。


膨張による磨きのトラブルについては先ほど述べたとおりですが、これを避けるためには、「熱を出さない磨きをする」事なのです。


熱を発生させなければ伸縮と言う現象は起こりません。
通常の状態で傷が見えなくなるまで磨けば、変化がないわけですから、後から傷が出てくることはないのです。



<コンパウンドのみで磨く>




熱を掛けない磨きは言い換えると「研磨剤のみで磨く」と言う事です。

とは言え、今ある多くのコンパウンドはシングルポリッシャー向けのコンパウンドだと私は思っています。


以前何かで読んだか聞いたかは定かではないのですが、


先程触れたように、「磨きは磨く際に出る研磨熱と、コンパウンドの溶剤で塗装を柔らかくして磨く」と言う事を知りました。

要は滑りを良くして研磨熱を抑える為に潤滑剤的に溶剤などを配合していることも理由のようです。

エンジンオイルと同じ目的のようですね。

多少、冷却作用もあるのかもしれません?


しかしながら、研磨熱を抑えた磨きでは回転力の強いシングルポリッシャーよりも、

回転力の弱い研磨熱が出にくいダブルやサンダポリッシャーを使用するためにこれら潤滑的な溶剤分などが多く配合されていると、切削力が弱い為に磨きに非常に時間がかかってしまいます。

よって、コンパウンドも研磨熱に頼らなくても効率よく磨けるコンパウンドを選ぶ必要があるのです。


また、ポリッシャーの扱い方も効率の良い扱い方があるのです。


この二つが兼ね備わって初めて、熱を抑えた効率の良い磨きが出来るのです。


この磨きを私は、「抑熱研磨法」と名付け、専用のコンパウンドとバフを開発いたしました。

また、「抑熱研磨法」とスクラッチシールドやセルフリストアリングコートなどの「自己修復性耐擦り傷クリアー」の磨き方を説明したマニュアルを付けることで、

「磨きは全く経験ない」と言う方々でも独習出来るようにいたしました。

この様なセットは、私の知る限りではどこにもないと思っています。

実際に、磨きの初心者の方々でいきなりスクラッチシールドを磨いたという方々もたくさんいらっしゃるのです。


<最後に>




あなたが「スクラッチシールドの車ってどれ?」とか、「セルフリストアリングコートの車ってどれ?」、

「私の車の塗装は当てはまるのか?」と思われているのでしたら、

下の日産、トヨタの対象車のリストをご覧ください。


スクラッチシールド塗装車種一覧(2018.09現在)


セルフリストアリングコート塗装車種一覧



その他、下の記事もご参考にしてください。


スクラッチシールドを始めとするクリアー塗装について

スクラッチシールドの特性を知れば磨きはさほど難しくはない



最後までお読みいただき、「磨き初心者の私でもできるのでは?」と思われたら、是非挑戦すべきです。


こちらもご参考までにご覧ください。

スクラッチシールド研磨独習セット