2006年02月13日

そうだ! 「書きたいように書く」なんて難しすぎる。

普段は、人様のブログにリンクして、「あーだ」「こーだ」言うなんてことはしないのだが、今回は例外ってことで。(とはいえ、“例外”は“前例”になるし、“前例”は積み重なれば“慣例”になる。まるでお役所言葉のようだが、要するに、先のことは分かりませんよ、ってこと)

米光一成さんが、エキサイトブックスで「ブログ文章術」という連載をしている。
まだ前振り段階で本論はこれから、という感じだが、面白くなりそうなので期待しつつ今後も見ていこうかな、と思ってる。

で、最新の2月11日付(更新は2月13日)の記事「ブログの自由と、われわれの不自由」では、「書きたいように書けばいい」(=だから“ブログ文章術”なんていらない)という意見に対しての反論が述べられている。(以下斜体文字は同記事からの引用)

>だけど「書きたいように書けばいい」という物言いは、
>「(ある程度)書きたいように書けている」と思ってい
>る人(勘違いしている人も含む)の視野狭窄な物言いだ。
>「書きたいように書けない人もいる」ということを想像
>できない人がそんなことを言うのだ。
(中略)
>書きたいようには、書けやしない。書けるか、そんな簡単に!
>いつまでたっても、書きたいようには、なかなか書けないのだ。
>だから書くのだ。


まぁ、詳しくは実際に「ブログ文章術」の記事を読んでみてほしいのだが、僕も同感する部分が大きい。

やっぱりねぇ、「書きたいように」はなかなか書けないんだよ、その通りだよ。
そのときに「書けた」と思っても、後から読み返すと「うわ、何じゃこりゃ」と思うことの方が圧倒的に多いし。
たいていの場合は、“書きすぎ”だったり“書き足りない”だったり、不満がどうしても残る。Aというものを書こうとして、A´やA+やA−になってしまうんだ。ひどいときにはBやCといった全く別物になってしまうことさえある。
「そんな文章を誰の目にも触れるようなところ(=ブログ)に、出すなよ」と言われればそれまでなんだが、そこがちょっと複雑で。

書きあがった文章が、自分の意図したものと違っても、結果的に「これもありなんじゃない?」と思えればOKってこともあるし、「これ以上はうまく書けねぇ! でも、せっかく書いたんだから誰かに読んでほしい!」とも思ってしまったりもするわけで。(というか後者の場合が圧倒的に多い。)

これは、「書く」ということに拘らなくても、「表現」というもの全般について当てはまることだと思う。
思い通りに「絵を描」いたり「楽器を演奏」したり「写真を撮」ったり「ダンスを踊」ったりするのがどんなに大変なことか、少しでもかじった人なら分かるはず。
だって、思い通りに「話す」ことさえ難しいんだよ? でなきゃ、世の中に「話し方教室」なんて存在するはずもない。

つまり、多くの人は(多分、一握りの“天才”を除いて)、思い通りの表現なんて出来ないのだ
でも、だからこそ、勉強したり、練習したり、修業したり、訓練するのだ
凡人は、そうやって少しずつ「表現」するのだ。
少なくとも、「書きたいようには、必ずしも書けるとは限らない」という自覚を持って書くのだ。
なんで書けないんだろう?」と煩悶しながら書くのだ。
書きたいように書けるようになりたい!」と心の中で叫びながら書くのだ。

まぁ、たまには他の人が書いた文章を、「この人は“どの程度”書きたいように書けているのかな」という視点で眺めてみる、というのも面白いかも。
もちろん、本当のところは書いた本人にしか(ひょっとしたら、本人でさえ)分からないことなんだけれども。


(2006/2/14追記)
昨日書いたこの文章を改めて読み直してみると、無駄に熱くなっていて、結局何が言いたいんだかよく分からないものなっているのに気付き、反省。
要するに、「書きたいもの」と「実際に書かれたもの」を完全に一致させることは、とてつもなく難しいことではあるけれど、なるべく近づけるように努力していますよ(または、努力って大事だよね)、ということが言いたかった。
米光さんの連載にも、期待してますよ、ということもね。

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この記事へのコメント
5
オレが書きたかったことが、オレの文章よりも伝わるように書けているじゃないか!と思ったよ。
こういうことがあるから、ブログは楽しい。
ありがとう。

>「この人は“どの程度”書きたいように書けているのかな」という視点で眺めてみる
も素敵だ。そのあたりのことも書けたらいいなーと思っています。
Posted by よねみつ at 2006年02月14日 13:13
>よねみつさん
まさか、ご本人からコメントがもらえるなんて! ありがとうございます!!
なんか褒めていただいたみたいで、恐縮です(汗)。でも、こういうのもブログの醍醐味かもしれませんね。
エキサイトの連載、次回も楽しみにしてます。
Posted by 23mm at 2006年02月14日 16:15