ナンナンなん病・パーキンソンハネムーンを過ぎて

パーキンソン病になり、歌うたいという新しい人生を歩むことになった男の話。(旧ブログ名「ナンナン難病・パーキンソン病になりまして」) 矢尾板拓也 パーキンソン病ヤールⅢ 要介護2 明るいblogです。 そして重いhp です。http://yaotakuryuzyo.web.fc2.com

2016年08月

虫歯

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虫歯

 

人生といってはおこがましいが

適用の可不可はともかく

「敦盛」が「2倍~」が非現実とは言い難い昨今

五十路を迎えたとはいえ

それはただ「半生」に過ぎない

 

ここで高見山関を思い出した方

シンパシーというか

共闘感というか

懐古すべき一時代をもつという

勝手な親愛の情を禁じえない

 

その「半生」とやらにおいて

こんなにも虫歯にやられまくる日々が来ようとは

流石におもいもよらなんだ。

 

諸般の事情により

月一回としていた歯科通院では

到底追いつかなくなった

 

削って

埋めて

被せているそばから

ご近所やら

飛び地や

天地入れ替わっての

そこここで虫歯菌の活躍である

 

さもあらん。

不動、筋固縮により

歯ブラシを口にも持って行くことも

そこで左右上下に動かすことも

ほぼ不可

電動歯ブラシにしても

押し当てるところを変えるのも難しい

特に食後は胃に意識が行ってしまうらしく

体の動きはさらに悪くなり

かつ眠くなる

つまり歯磨きは遠く遠く遠のくである

 

ナンナン難病。

PD諸兄諸姉!

悲嘆に暮れるのは仕方がないが

二次災害も躊躇無くやって来る

 

健常時代

なんなくやっていた動きが

出来なくなるというか

不得手になっていくので

日常の当たり前の行為こそ

キープできるような気配り段取りを!!

 

 

 

PS:今お世話になっている歯科クリニックさんは診療が個室対応で、病気を過剰に意識していた矢尾板にとって願ったりかなったりの歯科でした。まじめで丁寧な説明を心がける先生も魅力的ですが、小さな中庭にクリスマスローズを群生させているセンスも見逃せません。)

 

PD:パーキンソン病)





矢尾板拓也 



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食い意地 3

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食い意地 3

 

 

んで

皮ごと梨を食らう食い意地

なのかというとそうではない

 

今回はまだはしり物のせいか

実が小さく皮も厚く青くえぐい

つまり不味いのである

 

皮ごと

丸ごと

梨を山賊のように喰らうには

果肉の味に対する

皮の苦味の閉める割合が高いのである

 

でも

 

どうしても美味く食したい。

梨だし。

 

なんとかおいしく「今」食したい。

梨だし。

 

 

ヘルパーさんが来るのはヒトヨンマルマル

現時間はヒトマルマルマル

 

だめだ、とても待てない。

 

 

左手で包丁の背をもち

右手に柄を握らせる

 

梨に刃を当て

力の出ない右手でずれぬように支え

拳の左手で包丁の背を叩く。

叩く。

さらに叩く。

 

からくも四等分した梨片を左に持ち


まな板に先端を突き刺し

右手単独で何とか包丁の持ち方を変える

 

プルプルと震える両手

さあ5年ぶりの皮むきの始まり始まり

 

 

きっかけは

何とか美味く食いたいという

自分の食い意地。

 

ナンナン難病。

欲は革新進化の源泉。

病気の症状をも凌駕する食い意地の勝利。

それだけよくなったということか?

 

 

では

 

剥けたかというと

剥けた。

 

一片約15分!

 

指無事なれど

梨ぐにょぐにょ

 

幸水がラ・フランス

 

ようナシってか?

 

 

 
矢尾板拓也 



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軍歌を




 

 

軍歌を



 

以前お話した

通所しているデイサービス様にて

レクレーションを一枠

受け持たせていただいている

 

唱歌熟唱がテーマだが

リクエストがかかった。

 

「軍歌は出来ないでしょうか?」

スタッフさんが訊いてこられた。

 

何曲か歌集に載っていたので

その曲であれば譜面があるので

少し時間をいただければ大丈夫であると

お伝えいただいた。

 

長身の品のあるおじいちゃまだそうで

おじいちゃまはいっぱいいて

なかでもおじいちゃまなのだそうで

戦争に行ったということなので

それは別格だなとお姿を窺うと

高松宮というか桂米朝というか

面長ないわゆる殿様顔の96

なんでも少年志願兵で満州におられたとか

 

それで始まったのが

「慰霊のための軍歌を歌う会(仮)」

二名様+矢尾板のつたない伴奏で歌い始めると

ぞろぞろと青春を軍歌でつづれる面々が参加してきて下さいました。



 


頭の具合はけして負けてないなぁ~



練習曲

「敵は幾万」

「戦友」

「露営の歌」

「愛国行進曲」

「愛馬進軍歌」

「海ゆかば」

「ラバウル小唄」

「若鷲の歌」

「同期の桜」

 

クール・ダウン曲

「ふるさと」

「蛍の光」

 

(於:パナケア真中前橋事業所デイサービス火曜日)






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ナンビョウ論




ナンビョウ論

 

 

どっぷりと「ナンビョウ」というフレーズに浸ってきてみて、「ナンビョウ」とは何なのかと現段階で考えるとき、少なくとも自分にとっては、次元移行を強いられるようなきっかけであった。よく病気は人生そのものを、生き方それ自体を変えるというが、「ナンビョウ」はその一形態であり、かつ、ただそれが治すには難しい疾患であったにすぎない。確かに、今まで当たり前としていた現実や、かかわってきた世間や日常が遠のいてしまったが、それは「ナンビョウ」であったからではなく、その他重度の疾病や、ともすれば風邪であったとしても起き得たのである。治癒方法不明という現況は、医療進化の道程のおいてはある通過地点でしかなく、ついこの近代の初めまで結核や梅毒がどんな扱いをうけ、今現在の対応医術状況を考えれば、たとえ今非健常な苦痛に悩まされるとしても、明るい未来は全く無いとは言い難い。どう捉えるかである。「ナンビョウ」が「ナンビョウ」である現実を研究者ではない矢尾板は変えることは出来ない。ただ、それをどう捉えていくかは、変えることは出来る。仮に今、悲嘆にくれているナンビョウ患者やその家族がいたとしたらこう伝えたい。「泣くだけ泣きましょう。でも、やまない雨はないですよ。あけない夜はないですよ。」励ましたり、諭したりもしません。私の「ナンビョウ」は私自身に存在するのですから。




矢尾板拓也 



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食い意地 2

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食い意地 2

 

 

パーキンソンの症状のひとつに

指などが筋固縮により

意思とは関係なく常時力が入り

固まり動かなくなるというのがある

 

そういった状態でなくとも

漫然と病症は体を支配しており

指を使った細かい作業は特に出来ない

 

そうである

その鈍く塊と化した指を使って

ピアノを弾くのはやはり至難の技

服薬時間をはかり

時計と睨めっこで練習をしている

 

いやここではピアノでなく梨の話。

 

包丁を使って皮をむくことができないのである。

 

左手に梨を持ち

その前に単独では柄を掴めない右手のために

包丁を右手に握らせ四分割した梨を手にする

 

皮の端に刃をあて

親指の腹で皮の表を

じんわりと押し上げるようにして

その皮の裏側に

残り四本で掴み支えた包丁を差込み

親指を基点に包丁を上下運動をさせ

左に送りながら剥いていく

 

ここまで表現できるのだから

かつては出来たのである…

 

それがまったくダメ!

 

いたずらに力が入るばかりでゆるりとも動かない

 

そうこうしているうちに

右手親指がそのままの状態でつり

踏ん張るあまり

ただでさえ動かない

両足のふくらはぎが固まり

体温を伝えているだけになった

左手で梨は温まってしまう

 

狭い床にへたりこみながら

手放そうとした右手の包丁はそのままで

梨片をかろうじて放り投げた左手は

用心しつつ右手の指を引き剥がしにかかる

 

梨はまな板の上で

金蒔絵の梨地を青々と水で光らせている

 

ではあきらめていたかというと

そんなわけはない

 

皮ごと食っていたのである。

 

そう

ヘルパーさんに剥いてもらえないときは

皮ごと食っていたのである。

 

 

(つづく)




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