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2015年07月

日本のエーデルワイスを訪ねて

 スイスで見たエーデルワイスは自生しているものではなかったため、日本のエーデルワイスと呼ばれる「ウスユキソウ」を訪ねて中央アルプス西駒ケ岳(木曽駒ケ岳)に行って来ました。自宅から高速を使えば駒ヶ根インターまでは30分、そこから駒ヶ根高原のバスセンターの駐車場に車を置いて、バスとロープウェイの利用で、標高2,600mの千畳敷まで上がれます。バス、ロープウェイ往復運賃は3,900円、駐車料金は600円です。今回は花が目的のため正面の乗越浄土へは登らず、左手の遊歩道を登って極楽平の稜線に出ました。ロープウェイの終点からゆっくり歩いても1時間内です。登山道の脇にはピンク色のイワカガミ、黄色のシナノキンバイやミヤマキンバイが見事で、ショウジョウバカマも咲き出しており、何度も足を止めました。極楽平からは三沢岳(さんのさわだけ)が目の前に見え、御嶽、乗鞍と続きます。極楽平付近一帯は高山植物の管理が厳しく行なわれ、ロープの中に立入ることは出来ませんが、それでも何種類かの花を撮影出来ます。目当てのエーデルワイス「ヒメウスユキソウ」はすぐに見つかりました。過去に何回もウスユキソウにはお目に掛かってはいるのですが、地味な花なので写真に収めるという事は数少なかったと思います。ロープウェイを使えば千畳敷一体の高山植物が見られ、健脚の方なら稜線まで登れば木曽谷、御嶽、乗鞍も見渡せますので是非お出かけください。帰りには駒ヶ根名物「ソースカツ丼」を試食ください。      

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                  ヒメウスユキソウ    2015.7.15
日本にはウスユキソウ5種5変種あり、ここ中央アルプス駒ケ岳のヒメウスユキソウはウスユキソウ類中最も小型種のようです。スイスアルプスのエーデルワイスに最も近いのは岩手県北上山地の早池峰山(ハヤチネサン)に咲くハヤチネウスユキソウ、東北地方の月山、朝日、飯豊連峰に見られるミヤマウスユキソウとされております。          

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         イワツメクサ(白)とタカネスミレ?かキバナノコマノツメ?(黄)   
白い花はナデシコ科のイワツメクサで、中部山岳地の北、南、中央アルプス、八ヶ岳で見られます。黄色のスミレは国内に何種類もあり、分別は難しく、八ヶ岳に咲くキスミレはヤツガタケキスミレ、屋久島ではヤクシマキスミレ等、それぞれに少しずつ違うようです。花だけでタカネスミレとキバナノコマノツメの分別は難しく、葉が少し違うようです。
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                 ショウジョウバカマ(ユリ科) 咲き出したところです。
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                極楽平からの三沢岳(さんのさわだけ)2,847m
 三沢岳は宝剣岳から南西に延びる稜線にあるピークで、主稜線から外れているため縦走者は飛ばして行くため、そこだけを目的に行かないと行けない山です。往復3~4時間です。手前の白い花はチングルマ(バラ科)です。黄色の高山植物の代表格がキンポウゲ科の「キンバイ」ならば、白の代表格は同じくキンポウゲ科の「ハクサンイチゲ」、バラ科の「チングルマ」と言えるでしょう。
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                   千畳敷一体 ピークは宝剣岳( 2,931m)
 ロープウェイ終点の千畳敷ホテルからの稜線です。麓の駒ヶ根市からもこのように見えます。最高峰の本岳(2,956m)はこの稜線の奥にあるため、伊那谷側からは見ることが出来ません。


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スイスの野山に咲く花たち

 日本では今梅雨の真っ只中で梅雨明けが待ち遠しいところです。日本アルプスや八ヶ岳等、山々では高山植物が咲き始めていることでしょう。スイスもベストシーズンを迎えておりました。バスや列車の車窓からは沿道や線路の脇にヤナギラン、ルピナスの群生やアザミ、キンポウゲ、ツリガネソウやフウロの仲間の他、ピンク色でツツジに似たアルペンローゼの群生が見られ見事でした。アルペンローゼを手前に入れてバックに雪山の写真を撮りたかったのですが、今回のトレッキングコースにはその場所は残念ながらありませんでした。スイスの風景で感じたことは送電線(高圧線)はあっても、一般住宅への電線や電話線が地下に埋められていて見当たりません。また洗濯物、看板も見当たらず規制されているようです。観光立国だからこそ、景観を重視している事が感じ取れます。一般家庭やホテルのベランダには赤いゼラニウムが飾られ、スイス建築に非常にマッチして素晴らしいです。コンパクトデジカメで接写した草花を紹介します。花の名前に間違っているものがあるかもしれませんが、ほぼ同種です。判別は難しいです。
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 アルペン・フロッケンブルーメ(ヤグルマギク属)
ハイジの里にて  2015.7.3
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タウンベンクロプフ・ライムクラウト(シレネorマンテマ属)
日本では似た花に南アルプス北岳に咲くタカネマンテマがありますが、縦縞があります。 
ハイジの里にて  2015.7.3
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ショイフツェル・グロッケンブルーメ(ホタルブクロ属) 
日本のツリガネニンジン、ヒメイトシャジンに似ている。 
ハイジの里にて  2015.7.3
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ヒエラキウム・プロセラ(ヤナギタンポポ属)
日本ではミヤマコウゾリナ(深山顔剃菜)が近種と思われます。遠くから草原に見える黄色の絨毯はタンポポだけでなく、このヒエラキウム・プロセラも群生し見事です。        ベルニナ・ディアボレッツァにて 2015.7.3                

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              クーゲリゲ・トイフェルクラーレか?(フィテウマorタマシャジン属)
日本でこの花に似たものは思いつきません。花弁の先端がかぎ爪状になっていることから、「悪魔の爪」とも呼ばれているようです。虫が寄って来ております。            ベルニナ・ディアボレッツァにて 2015.7.3 

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                 エーデルワイス(ヴェンゲンのホテルで栽培されていたもの)
現地山岳ガイドの話では野生では見られる所が減り、滅多に見られないようです。日本ではウスユキソウが近種で、日本のエーデルワイスと呼ばれるミヤマウスユキソウは中央アルプス木曽駒ヶ岳(西駒)で見られます。        2015.7.4    
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                 カルク・ポルスターネルケ(シレネorマンテマ属)
苔のような細かい葉が密生し、その上に花が咲いております。花の形は芝桜ににております。ツェルマット ローテンボーデン~リッフェルベルクの遊歩道にて 2015.7.6            

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                  フリューリングス・エンツィアン(リンドウ属)
白のエーデルワイス、赤のアルペンローゼ、青のフリューリングス・エンツィアンはアルプスを代表する花です。ツェルマット ローテンボーデン~リッフェルベルクの遊歩道にて                      2015.7.6 
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                             不明?
花の作り、付き方から見ると日本ではキバナノカワラマツバに似ておりますが、葉の形がよく確認できません。ツェルマット ローテンボーデン~リッフェルベルクの遊歩道にて    2015.7.6      
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                  アルペン・クレーか?(シャジクソウ属)
日本の車軸草(シャジクソウ)の近種で、クローバーも同種のようです。ツェルマット ローテンボーデン~リッフェルベルクの遊歩道にて    2015.7.6 

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               ショウジョウバカマの仲間か?(ユリ科ショウジョウバカマ属)
花の出方、花の作りが日本のショウジョウバカマに似ていて、葉も同じ形であるため、ショウジョウバカマの近種と思われます。ツェルマット ローテンボーデン~リッフェルベルクの遊歩道にて    2015.7.6 

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                             ゼラニウムの花に飾られた家  ツェルマットにて
スイスのリゾート地の殆どのホテル、住宅は写真のようにゼラニウムの鉢で飾られております。一説によると蚊を防ぐ効果があり、虫防止のためだそうです。
                                                                           
                                                                             


papawakaipapawakai  at 23:46コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

感動のスイス紀行

 高校を卒業して以来41年間勤めた職場を6ヶ月早く定年退職し、次の職場に勤めるまでの間にかみさん孝行で旅行を計画しました。かみさんの希望は登山電車に一度乗ってみたいということで、スイスにしました。今回のツアーは、私たちのような熟年夫婦2組の他、姉妹、旅行仲間、単独参加者3名という構成で、愛知、岐阜、長野県から14名が参加しました。女性添乗員が同行してくれたお陰で、安心して行って来ることができました。この時期のスイスはベストシーズンで可憐な花の開花時期でもあり、私も山と花の写真を撮りたかったため、デジタル一眼レフカメラ、コンパクトデジカメ、さらに動画もとハンディカムビデオカメラを持って行きました。そのためか虻蜂取らずになった感もありますが、主だった所を載せましたのでご覧ください。

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アルプスの少女ハイジの舞台となった家(マイエンフェルト)
                                                2015.7.3   9:53

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ピッツ・ベルニナ(4,049m)とモルテラッチ氷河 
ベルニナアルプス ディアボレッツァ展望台(2,978m)にて 2015.7.3  14:18
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ベルニナ鉄道
ベルニナ・ディアポレッツア駅付近 2015.7.3  15:31 
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ユングフラウ(4,158m)と麓のヴェンゲンの街
夜9時過ぎなのにまだ明るい。2015.7.4   21:16
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ユングフラウ・ヨッホに向かう登山鉄道車窓より
草原は黄色の花盛りを迎え、スイスらしい風景がある。2015.7.5  9:59
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世界遺産のアレッチ氷河
ユングフラウヨッホ展望台(3,454m)より 2015.7.5  11:31
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マッターホルン(4,478m)とゴルナーグラート展望台(3,089m)
                                           2015.7.6   9:38
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 リッフェルゼー(リッフェル湖)に映る逆さマッターホルン
                                            2015.7.6     11:31

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                             ツェルマットの夜景とマッターホルン
深夜1時半に起きてツェルマットの高台まで行き撮影しました。天の川は天上に薄っすらと確認できましたが、撮影は無理でした。マッターホルンに登る登山者のヘッドランプの灯りが時々確認できました。 写真を2回クリックすると登山者の灯りも分かります。 この時間マッターホルンの上には金星、冬の大三角形の一つである「こいぬ座」のプロキオンが輝いている筈ですが、写真では確認が難しいです。    2015.7.7  2:14
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 朝陽に染まるマッターホルン 
 スネガ展望台(2,300m)より  2015.7.7    5:59
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モンブラン(4,810m)山頂は雲に被われて見えていません。
 フランス域のエギーユ・デュ・ミディ展望台(3,842m)より    2015.7.7  14:14

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                               グランドジョラス(4,208m)
クリックすると手前の山稜の登山者が確認できます。滑落すればまず助からないと思われます。写真には写っておりませんが、左手方面に針のように尖ったシャモニー針峰群が続きます。              2015.7.7   14:19            


papawakaipapawakai  at 20:26コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!