日本のエーデルワイスを訪ねて
スイスで見たエーデルワイスは自生しているものではなかったため、日本のエーデルワイスと呼ばれる「ウスユキソウ」を訪ねて中央アルプス西駒ケ岳(木曽駒ケ岳)に行って来ました。自宅から高速を使えば駒ヶ根インターまでは30分、そこから駒ヶ根高原のバスセンターの駐車場に車を置いて、バスとロープウェイの利用で、標高2,600mの千畳敷まで上がれます。バス、ロープウェイ往復運賃は3,900円、駐車料金は600円です。今回は花が目的のため正面の乗越浄土へは登らず、左手の遊歩道を登って極楽平の稜線に出ました。ロープウェイの終点からゆっくり歩いても1時間内です。登山道の脇にはピンク色のイワカガミ、黄色のシナノキンバイやミヤマキンバイが見事で、ショウジョウバカマも咲き出しており、何度も足を止めました。極楽平からは三沢岳(さんのさわだけ)が目の前に見え、御嶽、乗鞍と続きます。極楽平付近一帯は高山植物の管理が厳しく行なわれ、ロープの中に立入ることは出来ませんが、それでも何種類かの花を撮影出来ます。目当てのエーデルワイス「ヒメウスユキソウ」はすぐに見つかりました。過去に何回もウスユキソウにはお目に掛かってはいるのですが、地味な花なので写真に収めるという事は数少なかったと思います。ロープウェイを使えば千畳敷一体の高山植物が見られ、健脚の方なら稜線まで登れば木曽谷、御嶽、乗鞍も見渡せますので是非お出かけください。帰りには駒ヶ根名物「ソースカツ丼」を試食ください。
ヒメウスユキソウ 2015.7.15
日本にはウスユキソウ5種5変種あり、ここ中央アルプス駒ケ岳のヒメウスユキソウはウスユキソウ類中最も小型種のようです。スイスアルプスのエーデルワイスに最も近いのは岩手県北上山地の早池峰山(ハヤチネサン)に咲くハヤチネウスユキソウ、東北地方の月山、朝日、飯豊連峰に見られるミヤマウスユキソウとされております。
白い花はナデシコ科のイワツメクサで、中部山岳地の北、南、中央アルプス、八ヶ岳で見られます。黄色のスミレは国内に何種類もあり、分別は難しく、八ヶ岳に咲くキスミレはヤツガタケキスミレ、屋久島ではヤクシマキスミレ等、それぞれに少しずつ違うようです。花だけでタカネスミレとキバナノコマノツメの分別は難しく、葉が少し違うようです。
ショウジョウバカマ(ユリ科) 咲き出したところです。
極楽平からの三沢岳(さんのさわだけ)2,847m
三沢岳は宝剣岳から南西に延びる稜線にあるピークで、主稜線から外れているため縦走者は飛ばして行くため、そこだけを目的に行かないと行けない山です。往復3~4時間です。手前の白い花はチングルマ(バラ科)です。黄色の高山植物の代表格がキンポウゲ科の「キンバイ」ならば、白の代表格は同じくキンポウゲ科の「ハクサンイチゲ」、バラ科の「チングルマ」と言えるでしょう。
千畳敷一体 ピークは宝剣岳( 2,931m)
ロープウェイ終点の千畳敷ホテルからの稜線です。麓の駒ヶ根市からもこのように見えます。最高峰の本岳(2,956m)はこの稜線の奥にあるため、伊那谷側からは見ることが出来ません。