南アルプス最深部 池口岳・光岳グレートトラバース
今年の夏山はコロナ感染防止のため山小屋の営業を休業している所や、梅雨の大雨によって登山口までの道路が寸断されたりと、山やさんにとっては残念な夏です。
以前から赤石山脈の最深部で、100名山の光岳に行ってみたいと思っておりました。高校時代の夏山合宿で三伏峠から入り、烏帽子、小河内、荒川、赤石、聖、光岳と縦走する計画だったのですが、荒川岳で台風に遭遇し、2日間沈殿、計画変更で赤石、大沢岳、大沢渡に下り、雨で増水した北又沢を腰まで浸かって渡渉し、北又渡から林鉄跡を梨元まで延々と歩いた記憶があります。大沢渡から木沢の梨元のバス停まで、遠山森林鉄道史を見ると25.6kmもあったんですね。ヒルの攻撃を受けてよく歩いたもんだと、今になってつくづく思います。
光岳への長野県側からの一般ルートは、遠山川本谷の易老渡から易老岳に登り光岳へと行くコースか、もう少し奥の便ヶ島から聖平に登り、上河内、茶臼、仁田、易老岳へと縦走してくるコースがありますが、後者のコースは聖岳に登れば3泊しないと無理なコースです。2018年の台風災害で易老渡までの林道が崩落し、北又渡から少し入った芝沢ゲートで車通行止となっており、そこから徒歩で易老渡までは1時間半は掛かり、便ヶ島まではさらに30分必要です。悪いことに今年(2020年)の梅雨の大雨で路肩が流れ、徒歩でも行けず立入禁止としてあり、当面復旧は無理のようです。残された登山口は池口集落から池口岳分岐まで登り、そこから加々森山、光岳へと行き、帰路は同じルートを戻るしかありません。池口岳分岐から先の加々森山までは、昭文社の2016版地図にもルートが記載されておりませんが、グレートトラバースの田中陽希が、昨年の8月6日に光岳小屋から池口岳、南信濃和田へと、ヘトヘトになって下ったようで、ちょうど1年前のことで行けそうだと思い、8月5日、6日と行って来ました。
写真をクリックすると大きく見られます。
埼玉から来られた68歳の方と、登山口からご一緒する。日帰りということでこの後、池口岳分岐の先で戻られ、池口岳を登って下山されたもよう。
加々森山という表示も無く、光岳への指標も無い。GPSの感度が悪く、帰りに加々森山分岐と気付く。
昨夜の夕立が嘘のように晴れた。
写真中央に光石、奥は昨日来た稜線、左から池口岳南峰、北峰、加々森山。
また今日戻らねばならない。

光石と遠方は静岡県寸又峡方面か? 6:08
赤石(ラジオラリヤチャート)は放散虫等の深海堆積物が蓄積されて固まった岩石で、赤石山脈の名前の由来はこの赤石から来ている。特に荒川岳、赤石岳に多く見られる。
大概の双耳峰の山は鹿島槍ヶ岳、雨飾山のように、両峰同士がせいぜい数百メートルと近いのだが、池口岳は
遠くて別の山のようだ。
やっとの思いで面切平、登山口まであと1時間か? 17:16
登山口からヒノキ、アカマツ、カラマツの順で植えられた木々がよく手入れされている。
ここはまだアカマツ地帯。
18時に無事登山口に到着。1日目は行きに12時間半、2日目は迷って1時間ロスしましたが、12時間の行動とかなりハードな山行となりました。日の長い夏の時期でないと池口岳の日帰りも無理でしょう。暗くなってしまうと道案内の赤いテープが見つけられません。それに登山者が少ないため熊に遭う危険もあります。行きがけに植林帯のところで熊が木に登っているのを目撃しました。体長1mくらいでしたが、直ぐこちらに気付いて逃げて行きました。バッタリ鉢合わせすると危険ですので、こちらの存在を知らせることです。
水は稜線歩きのためありません。途中、水場の案内標識がありましたが、沢まで降りて汲みに行くには相当時間が掛かりそうです。光岳小屋も沢まで降りて戻るまでに25分掛かります。
今回はかなりハードでしたが、体力の自信になりました。筋肉痛は無いのですが腰が痛くて、もともと硬い体を曲げるのに苦痛です。腰は要と書くだけに、何するにも力が掛かるところです。背筋、腹筋を鍛えることが必用だと感じております。
玄人の山行ですね🎵
そろそろ歳も考えなくてはなりませんが、毎週3,4回ジムに通って30分走ったりしておりますので、
足腰は自信あります。
ただ、ケガが心配ですから危険な処は避けております。