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スガラ(クロスズメバチ)採りに挑戦

先月、遊歩道整備に行った際に蜂の巣を見つけました。巣の外で見張りをしているハチを見たところ、スガラ(飯田下伊那地方ではそう呼び、伊那市周辺ではスガレと呼ぶ、地方によってはハエバチ、ヘボとも呼ぶ=正式名はクロスズメバチ)のようでした。クロスズメバチは普通は土の中に巣を作ります。私が小学生の頃(55年前)、親戚の高校生だった兄さんがスガラ採りの名人で、トノサマガエルを捕まえて、皮を剥いてブドウの木の処や、クルミの木のそばに置いてハチが来るのを待つのです。するとスガラが来て、カエルの肉を切り裂いて巣に運ぶ時に、白い綿をハチに着けてそれを目印として、舞って行くのを追うのです。途中で見失うとその場所にカエルを移動させ、巣との距離を縮めていき巣を見つけるのです。これが信州で昔から行なわれてきた「ハチ追い」です。近年ではハチもめっきり減ってしまい、ハチ追いする人も周辺では聞かなくなりました。
 信州は海が無いため動物性たんぱく質の補給に、山肉や昆虫で補ってきました。今でも食品スーパーに行けば、蚕のサナギの佃煮や、ハチの子の瓶詰めが置いてあります。さすがにザザムシ(カワゲラやトビゲラの幼虫)の佃煮は料亭でしか食べられなくなりました。 

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拡大するとハチがいるのが分かります。  2020.10.5

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過去に樹液に来ていたオオスズメバチに試して効果があった焼酎と葡萄ジュースを混ぜた液体を巣に向かって噴射し、ハチがその液体を吸って酔って飛べなくなるのを待つ。ハチは果汁が大好き。

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煙幕を長い棒にテープで留めて、巣の下に差し込んで燻す。土の中なら完全に燻せるが、煙が漏れるのと、巣の層が10段程重なっているため、上まで煙が回らなかった。煙幕が足りない!

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ハチの巣の上部を少し壊して内部を見たところ、元気な大群がいるではないか!

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ハエ取りリボンを長い枝に巻きつけハチを減らそうとしたが、数が多過ぎて近寄っては危ない。煙幕で気絶させておいて、鎌で巣を切って袋に入れようと考えたが作戦失敗。手袋だけの無防備ではいくらスガラでも数箇所刺されれば、最後の手段しかなかった。最後は長い枝を使って接地部を壊して落とした。落ちた巣にハチが群がって来たのを焼酎スプレーを噴射して酩酊状態にさせる。

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時期的にもちょうど身が詰まっている頃合でした。10段くらいの大きな巣です。

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写真は一部ですが、採ってきた全部のハチの子を抜き出すのに、かみさんと二人で3時間かかりました。

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同じ巣の中でも上流階級と一般階級があるのか、巣房(ハニカム)の大きさが手前の方が大きいですね。幼虫の大きさもスガラとは思えない程の大きさです。

 TV番組で、ハチ退治の専門業者が完全防備で強力な殺虫剤を噴射して退治するのを見ると、勿体ないなあと思います。信州人なら多くの人がそう思っていると思います。オオスズメバチの成虫(親蜂)は焼酎漬けにしておくと強壮剤になるようで、漢方薬として売られておりますね。オオスズメバチ等の幼虫は大きいので気持悪がられそうですが、素揚げは高級珍味です。伊那市の産地直売場ではつい先日、オオスズメバチの巣1段が7,000円で売られておりました。







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