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乗鞍岳 一夜のドラマ

 昨年、乗鞍岳の雪渓に最後のスキーに行った際、雪の回廊を見て、何とかここで星空を撮影出来ないものかと考えておりました。同じような雪の回廊は立山が有名ですが、余りにも遠くて日帰りは無理です。
渋峠はどうだろうかと思いGWに行って来ましたが、高さが5m程で乗鞍で見た雪の壁よりも低く、ちょっと期待外れでした。6月1日からの春山バス運行で、雪渓入口までエコーラインが開通したため、バスで行って夜を待ち、撮影して翌朝のバスで帰ろうと最初考えたのですが、相当待たなくてはならないため、三本滝ゲートから歩くことにしました。夜8時半からへッドランプ頼りに暗い道路を登って行くのですが、10m高度を上げるにも道路はくねくねとつづら折れになっており、ショートカットの道も熊が出て来やしないかと、林の中へ入る気にはとてもなれません。歩き出してちょうど2時間で位ヶ原山荘に到着。山荘管理人のものと思われる車が1台駐車してありましたが、山荘は真っ暗でした。ここまで来れば雪の回廊まであと2〜3kmと判断し、星空が続いてくれるのを祈りながら向かいました。
 大きなカーブを曲がると前方に剣ヶ峰が見え、いくつかのカーブを過ぎて上がっていくと雪の壁が現れ、雪の回廊に11時15分に着きました。両側の雪の壁の間にサソリ座が立ち、左側には天の川の中心部が見え、想像以上の素晴らしい星景でした。
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正面にサソリが立つ 2022.6.3  23:36
 雪解けの水が凍って道路はツルツルで、カメラの三脚が危ないため、乾いた舗装面での撮影となりました。
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手前は剣ヶ峰から続く尾根と奥は中央アルプス  2022.6.4  0:08

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 昨年初めて見た回廊はもう少し狭かったような気がする。道路縁石まで除雪されており、昨年よりその分広いようだ。 1:28

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北側には北斗七星が見えた  1:44

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ちょうど今、木星(明るい方)と火星が接近中。中央アルプスと奥は南アルプス 2:19

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朝焼けと雲海 左奥は浅間山、右奥は南アルプス、手前は中央アルプス  4:12

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日の出を迎えた  4:48
 
 朝まで撮影して9時40分頃のバスで帰ろうと思いましたが、フリースにダウンジャケットでも風が寒く、とても朝まで待てないため、来た道をまた歩いて戻ることにしました。おかげで小鳥のさえずりに癒され、ネコヤナギ、ヤマザクラ、ショウジョウバカマの花を見ながら下って来ました。天気が下り坂になる兆候の朝焼けも見事でした。
 



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