2018年02月13日

デトロイト4

デトロイト、タイトル1967年に起きたデトロイトの暴動を題材にした実録サスペンス。暴動の最中、あるモーテルで警察が宿泊客に行った過酷な自白強要の行方を、息詰まるタッチで映し出す。
監督は『ハート・ロッカー』などのキャスリン・ビグロー。『スター・ウォーズ』シリーズなどのジョン・ボイエガ、『レヴェナント:蘇えりし者』などのウィル・ポールター、『リチャードの秘密』などのジャック・レイナーらが熱演する。

あらすじ:1967年の夏、アメリカ・ミシガン州デトロイトで大規模な暴動が発生し、街が騒乱状態となる。2日目の夜、州兵集結地の付近で銃声が鳴り響いたという通報が入る。
デトロイト警察、ミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元警備隊は、捜査のためにアルジェ・モーテルの別館に入る。
数人の警官が、モーテルの宿泊客相手に捜査手順を無視した尋問を開始。自白を強要された宿泊客たちは……。

デトロイト、3<感想>
掛け値なしのメガトン級の衝撃作であった。そりゃ監督が「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグローとくれば、ある程度の覚悟はできていたが、正直いってこれまでとは予想していなかった。
1967年の夏、テトロイトの暴動の際に起きた実際の事件を、ビグロー監督は綿密なリサーチをもとに再構築し、鮮烈なドキュメンタリー・タッチで描いている。
映画が始まってすぐに観客は、舞台であるアルジェ・モーテルの中に否応なく引きずり込まれる。まるで現場にいるかのように、すべてを目撃するはめになるとは思ってもいなかった。
町中が暴動で揺れるのを尻目に、モーテルでパーティを楽しむ黒人の若者たちが無邪気にオモチャのスターターピストルを発砲したために、白人の警官が押し寄せ、その後に暴力的な尋問による悪夢のような一夜が展開する。
デトロイト、6それは、黒人たちを壁に並ばせ後ろ向きに立たせて、拳銃を頭に突き付けての尋問である。発砲した拳銃は何処にあるのか、誰が発砲したのかと。黒人の若者が遊び半分にオモチャのピストルを発砲させたのも悪い。正直にそのことを言っていればいくらかは良かったのに。
しかし、白人警官は、日頃から黒人の若者たちが麻薬や拳銃をどこからか持ってきて、それを売買しているのを知っている。それに、その中に白人の若い売春婦2人が混ざっていたのも、気に入らなかった。執拗に責め立て、ドアを閉めては一人ずつ尋問をしては、最後に銃殺するのだ。
ですが、本作の衝撃は暴力描写にあるのではない。描写に関してなら、もっと目を背けたくなる作品は他にもあるだろう。そうではなく、本作の焦点は事件それ自体の陰惨さ、非人間性にこそあるからだ。
デトロイト、5いったいどんな人間がこれほどの憎悪と差別感情に貫かれたようになるのか。
さらには、それを助長する白人の警官たちの仲間の意識である。その圧倒的な救いのなさを前に、唖然とさせられる。
そして、現代社会のリンクも念頭に、鉄の意志でここまで妥協なしに映画化したキャスリン・ビグロー監督に、ただただ敬服するしかないだろう。

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2018年02月10日

キングスマン:ゴールデン・サークル4

キングスメン、タイトル「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督と原作者のマーク・ミラーが再びタッグを組み、世界最強のスパイ組織“キングスマン”の活躍を描いて世界的大ヒットを飛ばした痛快スパイ・アクションの続編。
一人前のスパイに成長したエグジーを主人公に、アメリカの同盟組織と手を組み、新たな敵に立ち向かうキングスマンの戦いの行方を、スタイリッシュにして過激なアクション満載に描く。
出演はコリン・ファース、タロン・エガートン、マーク・ストロングら前作のキャストに加え、チャニング・テイタム、ハル・ベリー、ジェフ・ブリッジス、ジュリアン・ムーアらが新たに参加。

あらすじ:ロンドンの高級テーラーの地下に本部を置く、どの国にも属さないスパイ機関“キングスマン”がある日、サイコパス女ポピー率いる世界的麻薬組織“ゴールデン・サークル”の攻撃によって壊滅してしまう。
残されたのはエグジーとメカ担当のマーリンのみ。そこで2人はアメリカに渡り、同盟組織“ステイツマン”に協力を求める。するとそこで、死んだはずのハリーとも再会するエグジー。
テキーラ、ウイスキー、シャンパンらステイツマンのアメリカン・スタイルに戸惑いつつも、ゴールデン・サークルの恐るべき陰謀を阻止すべく決死の戦いに臨むエグジーだったが…。

キングスマン、、、2<感想>コリン・ファースとタロン・エガートンのW出演で2015年に公開された「キングスマン」は、理屈抜きで楽しいスパイ・アクション映画の快作だった。
「サヴィル・ロウの高級紳士服店が、実はスパイ組織の秘密基地だった」という設定をはじめとし、UKファッション/カルチャー好きのツボを突きまくる仕掛けをあれこれと散りばめつつも、いざアクション・シーンが始まるとキレッキレの仕上がり。

最近の「007」シリーズの「ハード&シリアス路線」とは真逆のサービス精神で、その確信犯的な突き抜け方が実に爽快だったと思う。


キングスメン、

シリーズ2作目となる本作では、謎の敵=ゴールデン・サークルの攻撃によって、キングスマンの英国本部がボッコボコに壊滅。
どうにか生き残ったエグジーたちは、アメリカのスパイ組織、その名も“ステイツマン”の助けを仰ぐのだけども、・・・。

UK×USA的な展開が導入されることで、映画全体の悪ノリ感はますますアップになっているようだ。
キングスメン、3
新たな悪役のサイコパス女ポピーに扮したジュリアン・ムーア、ミスをした部下を人間ミンチの機械に入れて、ハンバーグを作るという。
ちなみに彼女は、世界征服を企む麻薬王であり、ノリノリですから。
それに、本人役で出演している、誘拐されるエルトン・ジョンの超ドSなイジリ方も、いかにも「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督らしいですよね。
あ、そうそう、ケンタッキー州に本部を置く組織で、コテコテのカウボーイスタイルで、テキーラのチャニング・テイタムの活躍を期待していたのに、全然出番が少ないのにがっかりでした。

思考回路のスイッチは完全にオフにして、頭も心も「正月気分でバカ騒ぎをして」ただただ、楽しむことをお勧めしますです。
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否定と肯定4

ひていとこうてい、タイトルある日突然ホロコースト否定論者との法廷闘争に巻き込まれ、ホロコーストを巡る歴史の歪曲を許しかねない世界が注目する裁判の当事者となってしまったユダヤ人歴史学者デボラ・E・リップシュタットの回顧録をレイチェル・ワイズ主演で映画化した実録法廷サスペンス。共演はトム・ウィルキンソン、ティモシー・スポール。監督は「ボディガード」「L..ストーリー/恋が降る街」のミック・ジャクソン。

あらすじ:1996年、アメリカの大学で教鞭を執るユダヤ人歴史学者デボラ・E・リップシュタットは、自身の著書で非難したホロコースト否定論者のデイヴィッド・アーヴィングから名誉毀損の訴えを起こされる。悩んだ末に裁判で争うことを決めたリップシュタット。しかし裁判の舞台となるイギリスの法廷では、訴えられた側が立証責任を負うとされ、たとえアーヴィングの主張がどんなに荒唐無稽であっても、裁判で勝利することは決して容易なことではなかった。そんな中リップシュタットは、法廷弁護士リチャード・ランプトンをリーダーとする弁護団からホロコースト生存者ばかりか彼女自身にも証言しないよう求められてしまう。それは自らホロコーストの真実を証明したいと意気込むリップシュタットにとって到底納得できるものではなかったが…。

<感想>今年に入ってやっと東北でも上映されました。第二次世界大戦中にナチス・ドイツがユダヤ人を大量虐殺したホロコースト。「ホロコーストは捏造」と、その史実を真っ向から否定するイギリス人の歴史家であるデイヴィッド・アーヴィングが、彼の著書で批判したユダヤ人の女性歴史学者デボラ・E・リップシュタットを名誉棄損で訴えたというのだ。

ひていとこうてい、実話の映画化である本作には、現代社会を覆いつくす歴史改ざん主義の愚かさ、「両論併記」なる美名のもとに猛威をふるうマスコミの不公正が、きわめて直感的に描き出されている。

被告となったユダヤ人歴史学者デボラ・E・リップシュタットは、証言するなと弁護団から指示される。学者が言葉を奪われるとは。しかし、喋らない主人公というのが、映画的に逆説的な公正さをもたらしたのだ。被害者でさえ法廷で一言も発言しない。

「ホロコーストはなかったこと」にという歴史家がいて、その著作を批判した学者が訴えられる。そんなバカな話があるもんかと、思う裁判。だけどひょっとしたら、学者が敗訴するのではないかと、内心ヒヤヒヤもした。偏見まみれの虚説がまかりとうる昨今、この設定は胸が騒ぎますから。

ひていとこうてい、1裁判は情ではなく理性である。そのことをびしびしとこちらの肌にしみこませて、人間の知性、それこそが虚説に対抗できる唯一の武器だということを。

非情にスマートな作品であります。慰安婦問題とか南京虐殺とか、日本でこれをやったら、さてどうなることでしょうね?・・・。

歴史の真実と知性の意味、言論の在り方と解釈など、今の時代に改めて考えさせられます。主演のレイチェル・ワイズがパワフルな魅力で熱演している。硬派だが、テンポの良さもあり、ぐいぐいと引き込まれる力作でもあります。

 

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2017年09月03日

スパイダーマン:ホームカミング

スパイダーマン、タイトル、アイアンマンやキャプテン・アメリカなど“アベンジャーズ”を中心にマーベル・ヒーローが同一世界観の中で活躍する“マーベル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる新シリーズの第1弾となる痛快エンタテインメント青春アクション大作。
主演は「インポッシブル」「白鯨との闘い」のトム・ホランド。共演はアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jrのほか、マイケル・キートン、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、マリサ・トメイ。監督は「クラウン」「
COP CAR/コップ・カー」で注目され、長編3作目の本作でいきなりブロックバスター作品に大抜擢となった新鋭ジョン・ワッツ。

あらすじ:ニューヨークに暮らす15歳の高校生、ピーター・パーカー。憧れのトニー・スターク=アイアンマンに見込まれ、彼が開発した特製スーツに身を包み、スパイダーマンとして街のパトロールに精を出しながら、早くアベンジャーズの一員になりたいと夢見ていた。そんな中、スタークに仕事を奪われ復讐に燃える男エイドリアン・トゥームス=バルチャーが、地球外の物質から強力な武器を作り出し、ニューヨークを危機に陥れようとしていた。アベンジャーズに任せろとのスタークの忠告にもかかわらず、一人前のヒーローとして認められたいと焦るピーターは、たった一人で敵に立ち向かおうとするのだったが…。

スパイダーマン、3<感想>今回のスパイダーマンことピーター・パーカーは、15歳の高校生。ですが、あの「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(16)の戦闘シーンをスパイダーマン視点から観た映像で始まるから、絶対にそっちの方の予習はしておいた方がいいですね。

超能力を手にしてまだ間がなく、手製のコスチュームで町内の平和を守っていたところを、アイアンマンのトニー・スタークからスカウトされたという設定なんですよ。

タイトルの「ホームカミング」とは、アメリカの高校のイベントで、卒業生も集まる盛大なパーティのこと。だから、今回の映画の中でもクライマックス近くで開催されて、ピーターにとっても大きな意味を持つわけ。

それに、今作ではピーターの高校生活がかなりフィーチャーされていて、今までのものと比べても学園青春映画の要素が多くつまっているようですね。それに、ヒーロー活動と学校などの日常生活の両立に苦労したり、思春期ならではの悩みがリアルに描かれているところが原作に近いところなんです。

スパイダーマン、2ヒーローとしての活躍は、まだ駆け出しのヒーローであるスパイダーマンは、トニーから貰った高機能スパイダーマンスーツを、完全には使いこなせていないし、人間的にも未熟だし、しばしば判断ミスを起こしてしまう。

カッコよくビルの谷間を飛び回るかと思えば、何かにぶつかったり、落っこちったりと。でもその欠点だらけのところが、共感を呼ぶんですね。

普通の高校生が、アベンジャーズに憧れて、認めてもらおうとして無茶をして失敗。だけど、めげずにさらにガンバル。ここにグッとくるんですよ。

そして、今回の悪役のバルチャーは、巨大な翼で大空を自在に飛び回る怪人なんです。映画のなかで、異星人が残した兵器の残骸を改造したものを装備している設定であり、頭部はヘルメット。

スパイダーマン、、3クライマックスでは、飛行機の上での対決であり、ですが見せ場がそれだけじゃない。フェリーが真っ二つになるところを、スパイダーマンが蜘蛛の糸で引っ張ってくっつけるシーンでは、アイアンマンが助太刀に来てくれるのだ。

主人公の成長ドラマとアクションを融合させ、そこにユーモアを振り掛けている見事な手腕を発揮した、新鋭ジョン・ワッツ監督。今までのスパイダーマン映画は、暗くて苦手という人にも今回の映画は楽しめると思います。

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papikosachimama at 18:05|Permalink 2017年劇場鑑賞作品 | さ行・ざ行の映画

2017年06月27日

夜に生きる4

夜に生きる、タイトル警察一家の父親とその息子たちを巡る激動の一大サーガを綴った人気ミステリー作家デニス・ルヘインの傑作三部作の一編を「ザ・タウン」「アルゴ」のベン・アフレック監督・主演で映画化した犯罪ドラマ。
禁酒法時代を舞台に、警察一家に生まれながら裏社会でのし上がっていく一人の若者の愛と野望の行方を描く。共演はエル・ファニング、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ、ゾーイ・サルダナ、シエナ・ミラー、クリス・クーパー。

あらすじ:禁酒法時代のボストン。警察幹部トーマス・コフリンの三男として生まれたジョーは、厳格な父に反発して家を飛び出し、不良仲間とチンピラ稼業に明け暮れていた。
そんなある日、賭博場を襲撃したジョーは、そこでアイルランド系ギャングのボス、ホワイトの愛人エマと出会い恋に落ちる。しかしホワイトの罠にはまって刑務所送りとなってしまう。
危険な獄中生活で裏社会での生きる術を身につけていったジョーは、父トーマスの尽力でわずか3年で出所すると、ホワイトと敵対するイタリアン・マフィアの傘下に入り、ホワイトが牛耳るフロリダ州タンパへと乗り込んでいくのだったが…。

夜に生きる、5<感想>ベン・アフレック監督・主演の映画職人ぶりを遺憾なく発揮されている作品。一本筋の通ったギャングの一代記であり、製作総指揮にも名を連ねているデニス・ルヘインの原作が渋めなのだが、テンポの良さと演出のメリハリで見せ場の多い作品に仕上げているのが良かった。

ギャング稼業の非情な世界を彩るアクション、1920年代〜30年代のアメリカのクラシカルな色味や街並みの撮り方には品があり、痺れるほどにかっこいいのだ。

特筆すべきは役者のアップを多用しているところ。顔面の力で活劇を見せられるのは、やはり俳優出身の監督ならではの実力なのだろう。

夜に生きる、3主人公のライバルとなるエル・ファニングが、聖女とも魔女ともつかない芝居が印象的なのだが、彼女のルックスを逆手にとったキャスティングの勝利でしょうね。

ですが、この映画を真に支えているのは、ファニングの父親を演じているクリス・クーパーを始めとするオジサンの脇役陣たちに尽きると思う。

監督・脚本・主演作の連打で、ポスト・イーストウッドの地位を確実に手に収めたアフレックの今が、まさに旬といった作品になっている。


 
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papikosachimama at 15:23|Permalink 2017年劇場鑑賞作品 | や行の映画

メッセージ5

メッセージ、タイトル「プリズナーズ」「ボーダーライン」などを手がけ、2017年公開の「ブレードランナー 2049」の監督にも抜擢されたカナダの鬼才ドゥニ・ビルヌーブが、異星人とのコンタクトを描いた米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ。
ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。
主人公ルイーズ役は「アメリカン・ハッスル」「魔法にかけられて」のエイミー・アダムス。その他、「アベンジャーズ」「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナー、「ラストキング・オブ・スコットランド」でオスカー受賞のフォレスト・ウィテカーが共演。

<感想>この映画の脚本エリック・ハイセラーと、監督のドゥニ・ビルヌーブは、物語の核心と骨子を残しつつ大胆な映画的アレンジを施している。その結果、この作品は、原作に劣らぬ傑作となっていると思う。映画の本当のテーマは、SFでもなく、デザイスターでもなくヒューマン・ドラマであること。主人公である言語学者、ルイーズのパーソナルな物語となっている。

メッセージ、1この異星人は何者なのか?・・・何のために地球にやって来たのか?・・・だから脚本の構成と編集の素晴らしさ、それに連動したテーマとなる概念をビジュアル化した文字とその形態など。無重力空間の撮り方や、音の使い方など、いろいろとつっこみどころはあるけれど、それを含めて新しい映像体験であることに変わりはない。

それに、ドラマのゆくえを左右する局面では、中国のポジションが、今の国際社会における中国のそれと多分に関係しており、政治的にも映画を含む産業的にも如実に反映されていたと感じました。

言語学者のヒロインである、主演のエイミー・アダムスが、国家の要請を受けて宇宙人とのコミュニケーションに協力するというアイデアが秀逸であり、とてもいい感じでヨハン・ヨハンソンの音楽も素晴らしかった。

メッセージ、2宇宙からの訪問者の目的は友好なのか?・・・それとも侵略か?。ルイーズはアメリカ政府から人類の存亡を左右する困難なミッションを委ねられる。物理学者のイアンと共に、言語解明をするルイーズは、米軍大佐のフォレスト・ウィテカーたちからの、強いプレッシャーをかけられる。

初めに宇宙船の彼らとの接触を試みる。宇宙船内は無重力であったが、スクリーンのような壁で地球外生命体と対面したルイーズは、懸命にコミュニケーションの手段を模索して、やがて、「ヘプタポッド」と名付けた彼らが提示してきたもの、丸い図形のような表意文字の解析に成功し、対話ができるようになっていく。

メッセージ、、1突如現れた異様な宇宙船とペプタポッドと名付けられた宇宙人の姿は、猟奇的で煽情的ではないが、印象的なイメージを残していると思う。「プリズナーズ」で見せたドゥニ・ビルヌーブ監督の優れた映像センスですね。

SFとしての道具立てはかなり簡略化されており、展開は淡々としていて、派手さはないがラストに待ち受ける驚きと、感動は格別であり、頻繁にフラッシュバックされるヒロインの過去の私生活が、最後に意味を持ってくる。「未知との遭遇」を発展させた新しいSF映画の誕生と言えるでしょう。
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papikosachimama at 15:04|Permalink 2017年劇場鑑賞作品 | ま行の映画

2017年05月01日

ワイルド・スピード ICE BREAK4

ワイスピ、タイトル世界的大ヒット・カー・アクション「ワイルド・スピード」シリーズの第8弾。謎の女サイバーテロリストと手を組んだドミニクの裏切りでファミリーが最大の危機を迎える中、世界各地を舞台に繰り広げられるファミリーとドミニクの攻防の行方と彼らの運命を壮大なスケールで描き出す。
キャストにはヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジェイソン・ステイサムらお馴染みのメンバーに加え、シャーリーズ・セロン、スコット・イーストウッドらが新たに参加。
監督は「ミニミニ大作戦」「ストレイト・アウタ・コンプトン」のF・ゲイリー・グレイ。

あらすじ:束の間の平穏を味わうドミニク(ドム)、レティら固い絆で結ばれたファミリーたち。ところが誰よりもファミリーを大切にしてきたドムのまさかの裏切りでホブスが投獄され、ファミリーは崩壊の危機に。
そしてドムの背後には謎の女サイバーテロリスト、サイファーの存在が。ドムの暴走を止め、連れ戻そうとするレティたちだったが、到底太刀打ちできない。そこで最後の手段として、ファミリーは宿敵デッカード・ショウに協力を要請するが…。

ワイスピ、、2<感想>前作の「ワイルド・スピード/スカイ・ミッション」は、世界で1500億円も稼いだというから凄い。内容も最初はストリートレースと強盗団の話だったのが、いつの間にか世界を股にかけて巨大な陰謀と戦う正義の味方になっているしね。この拡大具合もユニークだよね。

主演の二人、ヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーのコンビが再結集したシリーズ4作目からは、どんどんレギュラーメンバーが増えているし、しかも参戦してくるのが、人気スターばかりというのも凄いときてる。

ワイスピ、5今回は、謎のサイバーテロリストの悪役でシャーリーズ・セロンが登場。前作で出てきたカート・ラッセルも登場するし、何といっても驚いたのはジェイソン・ステイサム演じるデッカーが味方になるってことなのね。

前作であれだけチームを苦しめてきた相手が、どんな活躍をするのか、ワクワクしてきちゃうよね。それがいつもの素手での格闘技で、ドムの赤ん坊を救出して、敵を戦うのよ。でもね、一度はシャー子に殺されたのに、生き返ったってことは、母親のヘレン・ミレンが出て来て生き返らせたってことになるの。

何でも有りのトンデモな展開で、ドムもシャー子に自分の息子を誘拐されてしまい、仲間を裏切ることになるんですからね。

しかし、主人公チームは結束が固いときている。ドムは絶対にチームを裏切るわけがないと、自分たちで最強のチームを結成する。

ワイスピ、、5悪役のシャーリーズ・セロンが知的な悪女役で、派手なアクションは見せないが、さすがのオスカー女優、どんな役でも存在感がたっぷりでした。NYでは遠隔操作で、ゾンビカーとなった車がビルの駐車場から落下するし、無人で町中を走り回るというしかけ。

クライマックスは、アイスランドで撮影された氷河での、大チェイスバトル。なんと巨大潜水艦も参戦するというスケール。

毎回毎回、驚かせてくれるけれども、やっぱるこの映画のカースタントは本当にすごいよね。IMAXDでの鑑賞だったので、大画面の大音響で、アドレナリン全開のリアルな体感が出来て良かったです。

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2017年02月21日

サバイバルファミリー4

サバイバル、タイトル「ウォーターボーイズ」「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」の矢口史靖監督が、ある日突然世の中から電気がなくなった、との奇想天外な設定の下、ある一家の決死のサバイバルの行方を、リアルなシミュレーションとユーモアを織り交ぜ、スケール感いっぱいに描き出した異色のロード・ムービー・コメディ。主演は小日向文世、深津絵里、『過ぐる日のやまねこ』の泉澤祐希、『罪の余白』の葵わかな。

あらすじ:東京に暮らす鈴木家は、父・義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、息子の賢司(泉澤祐希)、娘の結衣(葵わかな)の4人家族。
仕事一筋の父親・義之はどこか頼りなく、家族の心はすっかりバラバラ。そんなある日、いきなり電気が消滅するという原因不明の異常事態に遭遇、電池も使用不能で、電化製品ばかりか電車や自動車に加え、ガスや水道といった全てのライフラインも止まってしまう。
最初はしばらくすれば復旧するとタカを括っていた一家だったが、状況はいよいよ深刻の度を増していく。水も食料も容易には入手できず、義之は東京を離れることを決断する。そして一家は自転車で、祖父のいる鹿児島を目指して旅立つのだったが…。

サバイバル、3<感想>この映画はサバイバル・ドラマと見せかけて、実は家族のリーダーとしての父親の復権劇でもある。それと、実は高次元での現代人への批判ともとれる。

この映画は、担当の編集者がトレッキングが好きで自転車好きときたもんだ。
野宿大好き人間、放浪の旅が大好き人間による作品だと言うが、それが作品では生きていない。

ある分野での主人公らの熟達を描いている「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」などが多かった監督が、電気消失と言う設定によってハウツーを超え、現代人都会人がいわば“電畜”であることをも描いていることには、非常に興味深いですが、・・・。

例えば東京では街の灯が消え、節電が促されて、不便な生活に不満もあったと思いますよ。ですが、喉元過ぎればなんとやらで、あっという間に、われわれの生活は元どうりになり、それどころか更なる浪費が進んでいる感は否めないはず。

サバイバル、、、本作は現代の寓話でもあるが、それゆえに過剰に描かれている部分も確かにあります。しかしですよ、震災から6年を迎えたのに、特に都会に住む人々が再考すべきことを、今一度思い出させてくれるこの映画の笑いは、戒めでもあるからだと思いましたね。

東日本大震災を思い出し、不便を愛でるきっかけになったはずだと思うのだが、みなさんはどうでしょうか。いや、これはチト大げさだが、監督がこれまでにない野心とスケールで、家族4人による先へ先へのドミノ倒し的な冒険を描き、その意欲が面白かった。

その反面、ツッコミどころも多かったが、ご都合主義的なエピソードもハンパじゃないのだ。それもこれもが観客へのサービス精神なのだろうが、電気が復活しての終盤に、もう一つひねりがあったらなお良かったのに。惜しいな。

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papikosachimama at 20:09|Permalink 2017年劇場鑑賞作品 | さ行・ざ行の映画

2017年01月10日

海賊とよばれた男4

海賊と、2百田尚樹の一大ベストセラーを「永遠の0」に続いて山崎貴監督、岡田准一主演で映画化した大作ドラマ。若くして石油業に乗り出し、欧米石油メジャーに果敢に立ち向かって激動の時代を駆け抜けた男の一代記を吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、堤真一、綾瀬はるか、小林薫をはじめとする豪華キャストの共演で描き出す。

あらすじ:主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を予感していた若き日の国岡鐡造(岡田准一)は、北九州・門司で石油業に乗り出すが、その前には国内の販売業者、欧米の石油会社(石油メジャー)など、常に様々な壁が立ち塞がり、行く手を阻んだ。
しかし、鐡造はどんなに絶望的な状況でも決して諦めず、それまでの常識を覆す奇想天外な発想と、型破りの行動力、何よりも自らの店員(=部下)を大切にするその愛情で、新たな道を切り拓いていった。
その鐡造の姿は、敗戦後の日本において、さらなる逆風にさらされても変わることはなかった。

そしてついに、敗戦の悲嘆にくれる日本人に大きな衝撃を与える “事件”が発生する。
石油メジャーから敵視され、圧倒的な包囲網により全ての石油輸入ルートを封鎖された国岡鐡造が、唯一保有する巨大タンカー「日承丸」を、秘密裏にイランに派遣するという“狂気”の行動に打って出たのだった。
海賊と、1イランの石油を直接輸入することは、イランを牛耳るイギリスを完全に敵に回すこと。
しかし、イギリスの圧力により貧困にあえぐイランの現状と自らを重ね合わせた鐡造は、店員の反対を押し切り、石油メジャーとの最大の戦いに臨む。
果たして、日承丸は英国艦隊の目をかいくぐり、無事に日本に帰還することができるのか?そして、国岡鐡造は、なぜ“海賊”とよばれたのか?その答えが、明らかになる―。

<感想>この映画の岡田准一は凄かった。何が凄いのかと言うと、劇中で基本的に“老いているから”である。
つまり実年齢よりも年上の役であるだけでなく、ほとんどの場面で何らかの特殊メイクを施して、“年老いている”のだから。

本作では、彼の主演作でしばしば生じる啖呵をきる場面である。
立派すぎる体格の登場人物を岡田が見上げる姿勢をとりながら、態度は上から目線で叱責する時に、ますます主人公のカリスマ性は強調され、またそれは旧世代日本人の体格時代考証に合ってない役者が、非難されているようにも見えるのだ。

海賊と、1960年代を中心に描いていると言えば、そういう感じにメイクをして演技をしているかと思うが、違うんです、もう老人に成りきっていた。
彼は果敢に“老い”を演じているが、観客がそのことを望んでいるか否かなんてことは、お構いなしなのだ。役者の鑑だと思う。

山っ気の多い勝負師のような商売人の成功譚と言ったら身も蓋もないが、確かに主人公が戦後日本の復興に果たした役割は大きいのだろう。
映画の中の主人公は、観ているこちらの心に触れるものが感じられ、岡田准一の演技も人間的なスケール感で満足。
商売人が商売のためにあれやこれやと仕掛けるのは当然のことだが、美術やロケ地など時代再現は頑張っていると思った。

かいぞくと、5だが、主人公のイケイケ的な行動を追うだけではない描写も欲しかった。
しかし、結果として天皇制や日本人の心性への批判を忍ばせていて、そこは良かったと思う。

国岡鐵造を演じる岡田准一を筆頭に、監督自身が「山崎組アベンジャーズ」と名付けた吉岡秀隆、染谷将太ら常連組や、名優たちの競演も見どころの一つです。
それが、主人公・国岡鐵造のモデルとなったのが、出光興産創業者である出光佐三の生涯を描いた映画なのだ。

かいぞくと、3

折角ユキ(綾瀬はるか)と結婚するも、跡継ぎが出来ず離婚してしまうのも残念。
その後に、再婚をして子供が出来たのですね。冒頭での東京大空襲シーンなど、クオリティの高いCG技術で見せる時代描写にも唸らせられます。
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papikosachimama at 16:50|Permalink 2017年劇場鑑賞作品 

2016年12月29日

疾風ロンド3

しっぷうロンド「容疑者Xの献身」など数多くの著作が映像化されてきた直木賞受賞作家・東野圭吾の小説を映画化。
大学の研究所施設から盗まれた危険な生物兵器の回収を命じられた中年研究員が、わずかな手掛かりを基に奔走するさまを描く。
大学の医科学研究所に勤めるもどこか頼りなくツイていない主人公を、東野原作の『新参者』シリーズで主演を務めた阿部寛が演じる。
メガホンを取るのは、
NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」などに携ってきた吉田照幸。

あらすじ:大学の研究施設の違法生物兵器「K-55」が盗難に遭い、さらに国民を人質に身代金3億円を用意するよう脅迫メールが届く。
残された時間は
4日間、主任研究員の栗林和幸(阿部寛)はひそかに兵器を探索するという任務を依頼されるも、手掛かりはゼロ。
そんな折、犯人死亡というまさかの事態にぼうぜんとしながらも大惨事を回避すべく、犯人の遺品をヒントに国内屈指の規模を誇るスキー場へと向かう。

<感想>どこが疾風なんだか、そういえば冒頭で、何者かが雪山の木に、クマのぬいぐるみを打ち付けて、「さぁ、ゲームの始まりだ」と薄笑いを浮かべて呟いていたが、ゲームならそれなりのルールや、ルートがあるはずなのに。この映画では、それぞれの駒で、勝手に問題を起こし、あらぬ方向へと走っていくという。

しっぷう、4医科学研究所から盗まれた生物兵器が雪山に隠され、上司から秘密裏に奪還を命じられた中間管理職の研究員が、スキー場スタッフの協力を得て捜索に乗り出す。ただし、探し物が生物兵器だとは絶対に知られてはならない。

やりすぎな柄本明の研究所所長の出演シーンだけは、いつもの大げさな演技で喜劇役者になっていた。
それは、テンデンバラバラであり、緊急を要する事件があるのに、阿部ちゃんのこの能天気ぶりには、脚本も演出も最悪ですね。でもね、雪上場面で、スノボで豪快に滑走する大島優子の、グット突き出した逞しいお尻が最高。それに、レスキューの大倉さんがまたかっこいいときてる。

しっぷう、1事件を解決すべき主人公が、何らかの理由で動けない状態にあるからなので、そういう意味では、本作の主人公を演じている阿部ちゃんは酷い。
自分の仕事の重大さを息子に話していないし、親子関係の修復のために、スキー場へ学校まで休ませて連れて来るなんてね。

でも、コメディ路線をまっしぐらの阿部ちゃんなら仕方ないでしょう。
笑いや雪上でのアクションを畳みかけることによって、主人公がその場に留まっていることに、違和感を持たせない工夫もされている。

ロケ地の野沢温泉が舞台なので、大倉さんと大島の関係には、もどかしい恋愛要素も少しはありそうで、最後の方でそんな感じのシーンもあり、でもキスぐらいしても良かったかもね。
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papikosachimama at 20:09|Permalink 2016年劇場公開作品 | さ行・ざ行の映画