2017年09月03日

スパイダーマン:ホームカミング

スパイダーマン、タイトル、アイアンマンやキャプテン・アメリカなど“アベンジャーズ”を中心にマーベル・ヒーローが同一世界観の中で活躍する“マーベル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる新シリーズの第1弾となる痛快エンタテインメント青春アクション大作。
主演は「インポッシブル」「白鯨との闘い」のトム・ホランド。共演はアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jrのほか、マイケル・キートン、ジョン・ファヴロー、ゼンデイヤ、マリサ・トメイ。監督は「クラウン」「
COP CAR/コップ・カー」で注目され、長編3作目の本作でいきなりブロックバスター作品に大抜擢となった新鋭ジョン・ワッツ。

あらすじ:ニューヨークに暮らす15歳の高校生、ピーター・パーカー。憧れのトニー・スターク=アイアンマンに見込まれ、彼が開発した特製スーツに身を包み、スパイダーマンとして街のパトロールに精を出しながら、早くアベンジャーズの一員になりたいと夢見ていた。そんな中、スタークに仕事を奪われ復讐に燃える男エイドリアン・トゥームス=バルチャーが、地球外の物質から強力な武器を作り出し、ニューヨークを危機に陥れようとしていた。アベンジャーズに任せろとのスタークの忠告にもかかわらず、一人前のヒーローとして認められたいと焦るピーターは、たった一人で敵に立ち向かおうとするのだったが…。

スパイダーマン、3<感想>今回のスパイダーマンことピーター・パーカーは、15歳の高校生。ですが、あの「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(16)の戦闘シーンをスパイダーマン視点から観た映像で始まるから、絶対にそっちの方の予習はしておいた方がいいですね。

超能力を手にしてまだ間がなく、手製のコスチュームで町内の平和を守っていたところを、アイアンマンのトニー・スタークからスカウトされたという設定なんですよ。

タイトルの「ホームカミング」とは、アメリカの高校のイベントで、卒業生も集まる盛大なパーティのこと。だから、今回の映画の中でもクライマックス近くで開催されて、ピーターにとっても大きな意味を持つわけ。

それに、今作ではピーターの高校生活がかなりフィーチャーされていて、今までのものと比べても学園青春映画の要素が多くつまっているようですね。それに、ヒーロー活動と学校などの日常生活の両立に苦労したり、思春期ならではの悩みがリアルに描かれているところが原作に近いところなんです。

スパイダーマン、2ヒーローとしての活躍は、まだ駆け出しのヒーローであるスパイダーマンは、トニーから貰った高機能スパイダーマンスーツを、完全には使いこなせていないし、人間的にも未熟だし、しばしば判断ミスを起こしてしまう。

カッコよくビルの谷間を飛び回るかと思えば、何かにぶつかったり、落っこちったりと。でもその欠点だらけのところが、共感を呼ぶんですね。

普通の高校生が、アベンジャーズに憧れて、認めてもらおうとして無茶をして失敗。だけど、めげずにさらにガンバル。ここにグッとくるんですよ。

そして、今回の悪役のバルチャーは、巨大な翼で大空を自在に飛び回る怪人なんです。映画のなかで、異星人が残した兵器の残骸を改造したものを装備している設定であり、頭部はヘルメット。

スパイダーマン、、3クライマックスでは、飛行機の上での対決であり、ですが見せ場がそれだけじゃない。フェリーが真っ二つになるところを、スパイダーマンが蜘蛛の糸で引っ張ってくっつけるシーンでは、アイアンマンが助太刀に来てくれるのだ。

主人公の成長ドラマとアクションを融合させ、そこにユーモアを振り掛けている見事な手腕を発揮した、新鋭ジョン・ワッツ監督。今までのスパイダーマン映画は、暗くて苦手という人にも今回の映画は楽しめると思います。

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papikosachimama at 18:05|Permalink2017年劇場鑑賞作品 | さ行・ざ行の映画

2017年06月27日

夜に生きる4

夜に生きる、タイトル警察一家の父親とその息子たちを巡る激動の一大サーガを綴った人気ミステリー作家デニス・ルヘインの傑作三部作の一編を「ザ・タウン」「アルゴ」のベン・アフレック監督・主演で映画化した犯罪ドラマ。
禁酒法時代を舞台に、警察一家に生まれながら裏社会でのし上がっていく一人の若者の愛と野望の行方を描く。共演はエル・ファニング、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ、ゾーイ・サルダナ、シエナ・ミラー、クリス・クーパー。

あらすじ:禁酒法時代のボストン。警察幹部トーマス・コフリンの三男として生まれたジョーは、厳格な父に反発して家を飛び出し、不良仲間とチンピラ稼業に明け暮れていた。
そんなある日、賭博場を襲撃したジョーは、そこでアイルランド系ギャングのボス、ホワイトの愛人エマと出会い恋に落ちる。しかしホワイトの罠にはまって刑務所送りとなってしまう。
危険な獄中生活で裏社会での生きる術を身につけていったジョーは、父トーマスの尽力でわずか3年で出所すると、ホワイトと敵対するイタリアン・マフィアの傘下に入り、ホワイトが牛耳るフロリダ州タンパへと乗り込んでいくのだったが…。

夜に生きる、5<感想>ベン・アフレック監督・主演の映画職人ぶりを遺憾なく発揮されている作品。一本筋の通ったギャングの一代記であり、製作総指揮にも名を連ねているデニス・ルヘインの原作が渋めなのだが、テンポの良さと演出のメリハリで見せ場の多い作品に仕上げているのが良かった。

ギャング稼業の非情な世界を彩るアクション、1920年代〜30年代のアメリカのクラシカルな色味や街並みの撮り方には品があり、痺れるほどにかっこいいのだ。

特筆すべきは役者のアップを多用しているところ。顔面の力で活劇を見せられるのは、やはり俳優出身の監督ならではの実力なのだろう。

夜に生きる、3主人公のライバルとなるエル・ファニングが、聖女とも魔女ともつかない芝居が印象的なのだが、彼女のルックスを逆手にとったキャスティングの勝利でしょうね。

ですが、この映画を真に支えているのは、ファニングの父親を演じているクリス・クーパーを始めとするオジサンの脇役陣たちに尽きると思う。

監督・脚本・主演作の連打で、ポスト・イーストウッドの地位を確実に手に収めたアフレックの今が、まさに旬といった作品になっている。


 
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papikosachimama at 15:23|Permalink2017年劇場鑑賞作品 | や行の映画

メッセージ5

メッセージ、タイトル「プリズナーズ」「ボーダーライン」などを手がけ、2017年公開の「ブレードランナー 2049」の監督にも抜擢されたカナダの鬼才ドゥニ・ビルヌーブが、異星人とのコンタクトを描いた米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ。
ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。
主人公ルイーズ役は「アメリカン・ハッスル」「魔法にかけられて」のエイミー・アダムス。その他、「アベンジャーズ」「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナー、「ラストキング・オブ・スコットランド」でオスカー受賞のフォレスト・ウィテカーが共演。

<感想>この映画の脚本エリック・ハイセラーと、監督のドゥニ・ビルヌーブは、物語の核心と骨子を残しつつ大胆な映画的アレンジを施している。その結果、この作品は、原作に劣らぬ傑作となっていると思う。映画の本当のテーマは、SFでもなく、デザイスターでもなくヒューマン・ドラマであること。主人公である言語学者、ルイーズのパーソナルな物語となっている。

メッセージ、1この異星人は何者なのか?・・・何のために地球にやって来たのか?・・・だから脚本の構成と編集の素晴らしさ、それに連動したテーマとなる概念をビジュアル化した文字とその形態など。無重力空間の撮り方や、音の使い方など、いろいろとつっこみどころはあるけれど、それを含めて新しい映像体験であることに変わりはない。

それに、ドラマのゆくえを左右する局面では、中国のポジションが、今の国際社会における中国のそれと多分に関係しており、政治的にも映画を含む産業的にも如実に反映されていたと感じました。

言語学者のヒロインである、主演のエイミー・アダムスが、国家の要請を受けて宇宙人とのコミュニケーションに協力するというアイデアが秀逸であり、とてもいい感じでヨハン・ヨハンソンの音楽も素晴らしかった。

メッセージ、2宇宙からの訪問者の目的は友好なのか?・・・それとも侵略か?。ルイーズはアメリカ政府から人類の存亡を左右する困難なミッションを委ねられる。物理学者のイアンと共に、言語解明をするルイーズは、米軍大佐のフォレスト・ウィテカーたちからの、強いプレッシャーをかけられる。

初めに宇宙船の彼らとの接触を試みる。宇宙船内は無重力であったが、スクリーンのような壁で地球外生命体と対面したルイーズは、懸命にコミュニケーションの手段を模索して、やがて、「ヘプタポッド」と名付けた彼らが提示してきたもの、丸い図形のような表意文字の解析に成功し、対話ができるようになっていく。

メッセージ、、1突如現れた異様な宇宙船とペプタポッドと名付けられた宇宙人の姿は、猟奇的で煽情的ではないが、印象的なイメージを残していると思う。「プリズナーズ」で見せたドゥニ・ビルヌーブ監督の優れた映像センスですね。

SFとしての道具立てはかなり簡略化されており、展開は淡々としていて、派手さはないがラストに待ち受ける驚きと、感動は格別であり、頻繁にフラッシュバックされるヒロインの過去の私生活が、最後に意味を持ってくる。「未知との遭遇」を発展させた新しいSF映画の誕生と言えるでしょう。
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2017年05月01日

ワイルド・スピード ICE BREAK4

ワイスピ、タイトル世界的大ヒット・カー・アクション「ワイルド・スピード」シリーズの第8弾。謎の女サイバーテロリストと手を組んだドミニクの裏切りでファミリーが最大の危機を迎える中、世界各地を舞台に繰り広げられるファミリーとドミニクの攻防の行方と彼らの運命を壮大なスケールで描き出す。
キャストにはヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジェイソン・ステイサムらお馴染みのメンバーに加え、シャーリーズ・セロン、スコット・イーストウッドらが新たに参加。
監督は「ミニミニ大作戦」「ストレイト・アウタ・コンプトン」のF・ゲイリー・グレイ。

あらすじ:束の間の平穏を味わうドミニク(ドム)、レティら固い絆で結ばれたファミリーたち。ところが誰よりもファミリーを大切にしてきたドムのまさかの裏切りでホブスが投獄され、ファミリーは崩壊の危機に。
そしてドムの背後には謎の女サイバーテロリスト、サイファーの存在が。ドムの暴走を止め、連れ戻そうとするレティたちだったが、到底太刀打ちできない。そこで最後の手段として、ファミリーは宿敵デッカード・ショウに協力を要請するが…。

ワイスピ、、2<感想>前作の「ワイルド・スピード/スカイ・ミッション」は、世界で1500億円も稼いだというから凄い。内容も最初はストリートレースと強盗団の話だったのが、いつの間にか世界を股にかけて巨大な陰謀と戦う正義の味方になっているしね。この拡大具合もユニークだよね。

主演の二人、ヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーのコンビが再結集したシリーズ4作目からは、どんどんレギュラーメンバーが増えているし、しかも参戦してくるのが、人気スターばかりというのも凄いときてる。

ワイスピ、5今回は、謎のサイバーテロリストの悪役でシャーリーズ・セロンが登場。前作で出てきたカート・ラッセルも登場するし、何といっても驚いたのはジェイソン・ステイサム演じるデッカーが味方になるってことなのね。

前作であれだけチームを苦しめてきた相手が、どんな活躍をするのか、ワクワクしてきちゃうよね。それがいつもの素手での格闘技で、ドムの赤ん坊を救出して、敵を戦うのよ。でもね、一度はシャー子に殺されたのに、生き返ったってことは、母親のヘレン・ミレンが出て来て生き返らせたってことになるの。

何でも有りのトンデモな展開で、ドムもシャー子に自分の息子を誘拐されてしまい、仲間を裏切ることになるんですからね。

しかし、主人公チームは結束が固いときている。ドムは絶対にチームを裏切るわけがないと、自分たちで最強のチームを結成する。

ワイスピ、、5悪役のシャーリーズ・セロンが知的な悪女役で、派手なアクションは見せないが、さすがのオスカー女優、どんな役でも存在感がたっぷりでした。NYでは遠隔操作で、ゾンビカーとなった車がビルの駐車場から落下するし、無人で町中を走り回るというしかけ。

クライマックスは、アイスランドで撮影された氷河での、大チェイスバトル。なんと巨大潜水艦も参戦するというスケール。

毎回毎回、驚かせてくれるけれども、やっぱるこの映画のカースタントは本当にすごいよね。IMAXDでの鑑賞だったので、大画面の大音響で、アドレナリン全開のリアルな体感が出来て良かったです。

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2017年02月21日

サバイバルファミリー4

サバイバル、タイトル「ウォーターボーイズ」「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」の矢口史靖監督が、ある日突然世の中から電気がなくなった、との奇想天外な設定の下、ある一家の決死のサバイバルの行方を、リアルなシミュレーションとユーモアを織り交ぜ、スケール感いっぱいに描き出した異色のロード・ムービー・コメディ。主演は小日向文世、深津絵里、『過ぐる日のやまねこ』の泉澤祐希、『罪の余白』の葵わかな。

あらすじ:東京に暮らす鈴木家は、父・義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、息子の賢司(泉澤祐希)、娘の結衣(葵わかな)の4人家族。
仕事一筋の父親・義之はどこか頼りなく、家族の心はすっかりバラバラ。そんなある日、いきなり電気が消滅するという原因不明の異常事態に遭遇、電池も使用不能で、電化製品ばかりか電車や自動車に加え、ガスや水道といった全てのライフラインも止まってしまう。
最初はしばらくすれば復旧するとタカを括っていた一家だったが、状況はいよいよ深刻の度を増していく。水も食料も容易には入手できず、義之は東京を離れることを決断する。そして一家は自転車で、祖父のいる鹿児島を目指して旅立つのだったが…。

サバイバル、3<感想>この映画はサバイバル・ドラマと見せかけて、実は家族のリーダーとしての父親の復権劇でもある。それと、実は高次元での現代人への批判ともとれる。

この映画は、担当の編集者がトレッキングが好きで自転車好きときたもんだ。
野宿大好き人間、放浪の旅が大好き人間による作品だと言うが、それが作品では生きていない。

ある分野での主人公らの熟達を描いている「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」などが多かった監督が、電気消失と言う設定によってハウツーを超え、現代人都会人がいわば“電畜”であることをも描いていることには、非常に興味深いですが、・・・。

例えば東京では街の灯が消え、節電が促されて、不便な生活に不満もあったと思いますよ。ですが、喉元過ぎればなんとやらで、あっという間に、われわれの生活は元どうりになり、それどころか更なる浪費が進んでいる感は否めないはず。

サバイバル、、、本作は現代の寓話でもあるが、それゆえに過剰に描かれている部分も確かにあります。しかしですよ、震災から6年を迎えたのに、特に都会に住む人々が再考すべきことを、今一度思い出させてくれるこの映画の笑いは、戒めでもあるからだと思いましたね。

東日本大震災を思い出し、不便を愛でるきっかけになったはずだと思うのだが、みなさんはどうでしょうか。いや、これはチト大げさだが、監督がこれまでにない野心とスケールで、家族4人による先へ先へのドミノ倒し的な冒険を描き、その意欲が面白かった。

その反面、ツッコミどころも多かったが、ご都合主義的なエピソードもハンパじゃないのだ。それもこれもが観客へのサービス精神なのだろうが、電気が復活しての終盤に、もう一つひねりがあったらなお良かったのに。惜しいな。

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papikosachimama at 20:09|Permalink2017年劇場鑑賞作品 | さ行・ざ行の映画

2017年01月10日

海賊とよばれた男4

海賊と、2百田尚樹の一大ベストセラーを「永遠の0」に続いて山崎貴監督、岡田准一主演で映画化した大作ドラマ。若くして石油業に乗り出し、欧米石油メジャーに果敢に立ち向かって激動の時代を駆け抜けた男の一代記を吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、堤真一、綾瀬はるか、小林薫をはじめとする豪華キャストの共演で描き出す。

あらすじ:主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を予感していた若き日の国岡鐡造(岡田准一)は、北九州・門司で石油業に乗り出すが、その前には国内の販売業者、欧米の石油会社(石油メジャー)など、常に様々な壁が立ち塞がり、行く手を阻んだ。
しかし、鐡造はどんなに絶望的な状況でも決して諦めず、それまでの常識を覆す奇想天外な発想と、型破りの行動力、何よりも自らの店員(=部下)を大切にするその愛情で、新たな道を切り拓いていった。
その鐡造の姿は、敗戦後の日本において、さらなる逆風にさらされても変わることはなかった。

そしてついに、敗戦の悲嘆にくれる日本人に大きな衝撃を与える “事件”が発生する。
石油メジャーから敵視され、圧倒的な包囲網により全ての石油輸入ルートを封鎖された国岡鐡造が、唯一保有する巨大タンカー「日承丸」を、秘密裏にイランに派遣するという“狂気”の行動に打って出たのだった。
海賊と、1イランの石油を直接輸入することは、イランを牛耳るイギリスを完全に敵に回すこと。
しかし、イギリスの圧力により貧困にあえぐイランの現状と自らを重ね合わせた鐡造は、店員の反対を押し切り、石油メジャーとの最大の戦いに臨む。
果たして、日承丸は英国艦隊の目をかいくぐり、無事に日本に帰還することができるのか?そして、国岡鐡造は、なぜ“海賊”とよばれたのか?その答えが、明らかになる―。

<感想>この映画の岡田准一は凄かった。何が凄いのかと言うと、劇中で基本的に“老いているから”である。
つまり実年齢よりも年上の役であるだけでなく、ほとんどの場面で何らかの特殊メイクを施して、“年老いている”のだから。

本作では、彼の主演作でしばしば生じる啖呵をきる場面である。
立派すぎる体格の登場人物を岡田が見上げる姿勢をとりながら、態度は上から目線で叱責する時に、ますます主人公のカリスマ性は強調され、またそれは旧世代日本人の体格時代考証に合ってない役者が、非難されているようにも見えるのだ。

海賊と、1960年代を中心に描いていると言えば、そういう感じにメイクをして演技をしているかと思うが、違うんです、もう老人に成りきっていた。
彼は果敢に“老い”を演じているが、観客がそのことを望んでいるか否かなんてことは、お構いなしなのだ。役者の鑑だと思う。

山っ気の多い勝負師のような商売人の成功譚と言ったら身も蓋もないが、確かに主人公が戦後日本の復興に果たした役割は大きいのだろう。
映画の中の主人公は、観ているこちらの心に触れるものが感じられ、岡田准一の演技も人間的なスケール感で満足。
商売人が商売のためにあれやこれやと仕掛けるのは当然のことだが、美術やロケ地など時代再現は頑張っていると思った。

かいぞくと、5だが、主人公のイケイケ的な行動を追うだけではない描写も欲しかった。
しかし、結果として天皇制や日本人の心性への批判を忍ばせていて、そこは良かったと思う。

国岡鐵造を演じる岡田准一を筆頭に、監督自身が「山崎組アベンジャーズ」と名付けた吉岡秀隆、染谷将太ら常連組や、名優たちの競演も見どころの一つです。
それが、主人公・国岡鐵造のモデルとなったのが、出光興産創業者である出光佐三の生涯を描いた映画なのだ。

かいぞくと、3

折角ユキ(綾瀬はるか)と結婚するも、跡継ぎが出来ず離婚してしまうのも残念。
その後に、再婚をして子供が出来たのですね。冒頭での東京大空襲シーンなど、クオリティの高いCG技術で見せる時代描写にも唸らせられます。
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papikosachimama at 16:50|Permalink2017年劇場鑑賞作品 

2016年12月29日

疾風ロンド3

しっぷうロンド「容疑者Xの献身」など数多くの著作が映像化されてきた直木賞受賞作家・東野圭吾の小説を映画化。
大学の研究所施設から盗まれた危険な生物兵器の回収を命じられた中年研究員が、わずかな手掛かりを基に奔走するさまを描く。
大学の医科学研究所に勤めるもどこか頼りなくツイていない主人公を、東野原作の『新参者』シリーズで主演を務めた阿部寛が演じる。
メガホンを取るのは、
NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」などに携ってきた吉田照幸。

あらすじ:大学の研究施設の違法生物兵器「K-55」が盗難に遭い、さらに国民を人質に身代金3億円を用意するよう脅迫メールが届く。
残された時間は
4日間、主任研究員の栗林和幸(阿部寛)はひそかに兵器を探索するという任務を依頼されるも、手掛かりはゼロ。
そんな折、犯人死亡というまさかの事態にぼうぜんとしながらも大惨事を回避すべく、犯人の遺品をヒントに国内屈指の規模を誇るスキー場へと向かう。

<感想>どこが疾風なんだか、そういえば冒頭で、何者かが雪山の木に、クマのぬいぐるみを打ち付けて、「さぁ、ゲームの始まりだ」と薄笑いを浮かべて呟いていたが、ゲームならそれなりのルールや、ルートがあるはずなのに。この映画では、それぞれの駒で、勝手に問題を起こし、あらぬ方向へと走っていくという。

しっぷう、4医科学研究所から盗まれた生物兵器が雪山に隠され、上司から秘密裏に奪還を命じられた中間管理職の研究員が、スキー場スタッフの協力を得て捜索に乗り出す。ただし、探し物が生物兵器だとは絶対に知られてはならない。

やりすぎな柄本明の研究所所長の出演シーンだけは、いつもの大げさな演技で喜劇役者になっていた。
それは、テンデンバラバラであり、緊急を要する事件があるのに、阿部ちゃんのこの能天気ぶりには、脚本も演出も最悪ですね。でもね、雪上場面で、スノボで豪快に滑走する大島優子の、グット突き出した逞しいお尻が最高。それに、レスキューの大倉さんがまたかっこいいときてる。

しっぷう、1事件を解決すべき主人公が、何らかの理由で動けない状態にあるからなので、そういう意味では、本作の主人公を演じている阿部ちゃんは酷い。
自分の仕事の重大さを息子に話していないし、親子関係の修復のために、スキー場へ学校まで休ませて連れて来るなんてね。

でも、コメディ路線をまっしぐらの阿部ちゃんなら仕方ないでしょう。
笑いや雪上でのアクションを畳みかけることによって、主人公がその場に留まっていることに、違和感を持たせない工夫もされている。

ロケ地の野沢温泉が舞台なので、大倉さんと大島の関係には、もどかしい恋愛要素も少しはありそうで、最後の方でそんな感じのシーンもあり、でもキスぐらいしても良かったかもね。
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papikosachimama at 20:09|Permalink2016年劇場公開作品 | さ行・ざ行の映画

古都3

古都、タイトル文豪・川端康成の不朽の名作を、現代を舞台に原作のその後の物語として映画化したドラマ。生き別れになった双子の姉妹、千重子と苗子が、それぞれに年頃の娘を持つ母となり、人生の岐路に立つ娘との関係に葛藤する姿を描く。主演は松雪泰子、共演に橋本愛、成海璃子、伊原剛志、奥田瑛二。監督はハリウッドで映画制作を学んだTV「ロボサン」「昼のセント酒」のYuki Saito

あらすじ:京都室町に先祖代々続く佐田呉服店を継いで20年になる佐田千重子。古くからの付き合いの職人たちが次々と廃業していく時代の流れの中、店の存続に頭を悩ませていた。
一人娘の大学生・舞にいずれは店を継いでほしいと考えていたが、就職活動をしながらも自分の将来像を見出せず、迷いが拭えない舞の思わぬ反発にあってしまう。
一方、千重子の生き別れた双子の妹・中田苗子は、北山杉の里で夫と林業を営んでいた。一人娘の結衣は、絵画を学ぶため、パリに留学していた。しかし自らの才能への疑問が生じ始め、悩める日々が続いていたのだが…。

古都、1<感想>川端康成の「古都」は、過去に岩下志麻版に、山口百恵ちゃん版があるが、本作は単に再映画ではない。いま流行りの新味を加えた改変をアピールしたいリプート版であります。変えたところ、付け加えたところに手でしっかりと握るものがある。

生活格差が生じた双子という従来の設定に、さらにその娘たちはと、線を延ばしたところが現代的でもあります。そこでの自立や、人生の開拓が行われるのだ。
松雪泰子の二役と、蒼あんな、蒼れいな姉妹、それに橋本愛と成海璃子の、落ち着いた系の美人が満載であり、それだけでも観られると思う。

和服姿の松雪さんが京都をウロウロする、その歩き方からして綺麗でなく、その表情はしかめっ面の八の字眉顔だ。古都も文化もヘッタクレもあったもんじゃない。

古都、2本作では西陣織の世界のことを描いているが、これは「映画」そのもののことを描いているようでもある。後継者を失い、技術が廃れ、次世代に引き継げないという現状。

だから、この映画はその“伝統”の在り方を川端康成の「古都」に倣いながら、かつての栄華を誇った撮影所のある町・京都を舞台にしている。
それは単なる偶然ではなく、映画の始まりと終わりを飾る、着物の縦の糸と横の糸なんですね。それはまるで、京都の街を象る碁盤の目のようでもあります。

京都とパリ、それぞれに素晴らしい伝統のある古都に住む娘の舞と結衣。
お互いの存在を知らなかった2人が、それぞれの母親の生き別れの話を聞かされる。
古都、5そして、絵を学ぶためにパリへ渡った結衣と、京都で呉服屋の跡継ぎ問題で悩む舞、就職問題にも疲れて悩み、書道教室の先生に誘われてパリへと日本の伝統文化の紹介のために舞がパリを訪れる。

川端康成の現代版って、古都つながりでパリに留学とはね。終盤のパリの日本文化デモンストレーションは、橋本愛が青い振袖姿で日本舞踊を踊る姿にハットさせられます。

その後に、パリの教会で結衣と出会う2人、一度も会ってないのに、母親が姉妹だということも。しかし、教会で並んで座る2人も姉妹に見えてしまった。

中島みゆき作詞・作曲「糸」を歌う新山詩織の歌声が、「縦の糸はあなた、横の糸は私、」じんわりと心に染み入り、姉妹ってどこかで繋がっているから、離れていても、出会った時にはあい通じるものが感じたはずですね。
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papikosachimama at 19:43|Permalink2016年劇場公開作品 | か行・が行の映画

2016年12月22日

ブレア・ウィッチ3

ブレア、タイトル「サプライズ」「ザ・ゲスト」のアダム・ウィンガード監督が、1999年に世界中でセンセーションを巻き起こした低予算ホラー「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の続編に挑んだホラー・サスペンス。姉の行方を追う主人公とその仲間たちが森で体験する戦慄の恐怖を、ヘッドセットカメラやドローンをはじめとした最新撮影機器も織り交ぜ描き出す。

あらすじ:かつて“ブレアの魔女”の謎を追ってドキュメンタリー映画の製作に乗り出したヘザーだったが、撮影のために訪れたブラック・ヒルズの森で消息を絶ってしまう。それから20年。弟のジェームズは、You Tubeの映像に姉の姿を見つける。彼は仲間たちとともに、姉を捜すべくカメラを手にブラック・ヒルズの森へと足を踏み入れるのだったが…。

<感想>製作費わずか6万ドルという低予算作品ながら、1999年に世界中で記録的な大ヒットとなったホラー映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の17年ぶりとなる続編。監督は「サプライズ」「ザ・ゲスト」などのホラー作品を手がけ、ハリウッド版「デスノート」の監督も務めるアダム・ウィンガード。

タイトルが「ザ・ウッズ」だったようですが、邦題を原題に合わせて「ブレア・ウィッチ」に変更したそうです。

ブレア、、2前に観た「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は、全然怖くないね、と思い、まだ話も終わってないのに。と思ったものの、これはマジで怖かったです。当然ながらテクノロジー的にアップデートされており、森の中へ入っていく若者たちが、ヘッドカメラやドローンを駆使しているのですが、それらが効果的に使用されるわけでもなく、むしろ最新機材が次々とダメになっていくことで演出の怖さを出しているのだ。

物語の展開では、雨の中2人が森の中にある小屋を見つけ、ジェームズが先に入り中が暗いので、音もホラーらしくおどろおどろしい雰囲気で、幻覚か姉のヘザーらしき女が立っているように見えて、姉の名前を呼び追いかける。ボロ屋なので床下が抜け落ちているような、昔子供たちが行方不明になったという事件を表しているような、壁には小さな子供の手型がたくさんある。それに暗いし小さな懐中電灯ではよく見えない。なのに、ビデオで映しているし。

ブレア、4それに、女も小屋の中へと入るも、ジェームズは何処にいるのか探せない。そうこうしていると、あの案内係の男が狂ったように出て来るのだ。彼女は殴られて気絶をして地下室へと落とされる。その地下室の抜け穴から抜け出そうと、細い穴を這いずるも、恐怖を表す音楽がいかにもという感じ。その穴は小屋の外へと続いているのか、灯が見えるではないか。しかし、穴を出るとそこは小屋の中だった。方向感覚が音痴になり、堂々巡りをしている感じ。せめて、この女だけでも助かって欲しいのに。何だか、全員死んでしまったような気配がして終わる。

容赦のない救いのなさは、前作同様であり、やたらとデカい音を突然出すのは、わざとらしくて嫌〜な感じでした。恐怖には2種類あって、一つはかつてどこかで見たり聞いたりした怖いことが、これから起きるのではないか予感する経験に基づいたもの。

もう一つは、全く予期せぬ事態が突然目の前で起こったり、知らない何かに襲われたりする未知に対するもの。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のフォーマットでは、現時点ではある程度誰にも知られており、カメラを持って森の中へ入った若者はひどい目に遭うに決まっている、と言う続編として保証された恐怖はともかくとして、一作目がもたらした後者はない。

基本的には、前作をなぞったものであり、正統派の続編ならではの独創的な新しいアイディアがなにのだ。手持ちカメラの揺れ動く映像に、驚愕を煽る大音響の効果は、1時間半とはいえいささか疲れるのだ。

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2016年11月20日

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK4

ジャック・リーチャーリー・チャイルドの小説を実写化したアクション『アウトロー』の続編。かつてアメリカ軍の優秀な秘密捜査官だったが、今は放浪生活を送る男ジャック・リーチャーが、巨大な陰謀に挑む。監督は、『ラスト サムライ』などのエドワード・ズウィック。
前作に引き続いてトム・クルーズが主演を務め、『アベンジャーズ』シリーズなどのコビー・スマルダーズやテレビドラマ「プリズン・ブレイク」シリーズなどのロバート・ネッパーらが脇を固める。ド派手な見せ場の数々や、トムのアクションも痛快。

あらすじ:アメリカ軍の優秀な秘密捜査官だったものの、今では街から街へとあてもなくさまよう生活を送っているジャック・リーチャー(トム・クルーズ)。
ある店でトラブルに見舞われた上に保安官に連行されそうになった彼は、自分をめぐる何かしらの陰謀が動きだしているのを察知する。やがて彼は、元同僚であったターナー少佐(コビー・スマルダーズ)を訪ねるが、彼女がスパイ容疑を掛けられて逮捕されたことを知る。ターナーを救い出して共に事態の真相を追ううちに、軍内部に不穏な動きのあることをつかむが……。

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<感想>2012年の「アウトロー」に続いて、全米ベストセラーを原作とするトム・クルーズ主演の第2弾。もちろん主人公はトム・クルーズで、最強の元陸軍エリートでありながら、組織に属することを嫌い、常に我が道を行く孤高の男、ジャック・リーチャー。

ジャック、8ただし、今回の物語は、その一匹オオカミ設定に少しひねりが加わっている。
それが、陸軍少佐スーザンの無実を証明しようとして、軍内の汚職事件に巻き込まれたリーチャーは、さらに自分の娘かもしれない、生意気なティーンの少女を旅の道連れとするハメになるとはね。そのサマンサが、いわゆる美少女じゃないところがいいのかもです。

陸軍少佐スーザンっを演じているのは、「アベンジャーズ」シリーズのコピー・スマルダースだから、一緒にアクションもするので楽しいですから。
アフガンでの麻薬と武器をめぐり、米軍上層部が汚職をしているという、ありきたりな物語ながら、知性も体力もあるスーザンが魅力的に演じていて、男に引けを取らない

ジャック、、1新監督には『ラスト サムライ』などのエドワード・ズウィック。アクション映画のスタイル的に言うと、1作目ではオールドファッションであった。
こちらは、倉庫での銃撃戦とか、屋根の上での爆走チェイスとかを見ていると、
80年代〜90年代のハリウッドのアクション映画では、こういう感じだったと、懐かしく思えてくる。

花火の挙がるニューオーリンズでのハロウィン・パレードをクライマックスにしたのも効果的でした。最近の3Dや、CG映像満載の作品が乱立する今の時代にあって、ポップコーン片手に観る映画本来の、シンプルなお楽しみに立ち返ることが出来るようだ。

ジャック、、3トム・クルーズのアクションのキレにも、益々磨きがかかっていて、54

歳とは思えないほどのバイタリティがあり、まだまだ現役続行できる俳優でもあります。
本作での悪役では、ハークネス将軍を演じるのがTVドラマシリーズ『プリズン・ブレイク』“ティーバック”役として知られるロバート・ネッパーに、そして、黒服の殺し屋のパトリック・ヒューシンガーがキレッキレのアクションでかっこ良かったです。

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papikosachimama at 19:53|Permalink2016年劇場公開作品 | さ行・ざ行の映画