2016年04月26日

ボーダーライン5

ボーダー、4メキシコの麻薬組織壊滅を目的とする特殊チームにスカウトされた正義感あふれるFBI女性捜査官が、突然放り込まれた麻薬戦争の最前線で目の当たりにする衝撃の実態をリアルかつ極限の緊張感で描き出した社会派サスペンス・アクション。
主演は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラント、共演にベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン。監督は「灼熱の魂」「プリズナーズ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ。

あらすじ:FBIの誘拐即応班を指揮する女性捜査官、ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)。
ある日その活躍が認められ、メキシコの麻薬組織“ソノラ・カルテル”の壊滅と最高幹部マヌエル・ディアスの拘束という極秘任務を帯びた特殊部隊にスカウトされる。
こうしてリーダーの特別捜査官マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)やコンサルタントとしてチームに同行する謎のコロンビア人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)ともに国境を越えてメキシコのフアレスに向かったケイト。しかしそこで待っていたのは、正義や法の手続きなどが一切通用しない、暴力のみが支配する麻薬戦争のあまりにも深い闇だった。

ボーダー、7<感想>こんなストーリーは何度も語られてきたはずなのに、一度も見た事のない話のようにも思えるのだ。
最高レベルのアクション演出が見られるのに、アクション映画とは全然違う何かを観たかのような思いがした。

善悪の境界を曖昧にさせる麻薬戦争の過酷な現実。メキシコから国境を越えてアメリカへ運び込まれ、人々の心身をむしばむ“麻薬”という深刻な社会問題であり、その危機に対するために結成された特殊チームのミッションの行方を骨太にかつリアルに描き出している。

まるで魂の奥底へと沈んでいくかのように。空を大きく捉えた画面も空撮も、これほど効果的に思えたことはない。


ボーダー、5硬質な映像で人物の心情をすべてすくいあげ、物語りに圧倒的な深みを与える撮影に感心した。

「麻薬の国のアリス」といったところなのか、ヒロインのエミリー・ブラントの目を通して、正義も仁義も法のどうりもありゃしないのだ。
卑劣で、残酷でどす黒い麻薬戦争の実態を見せつけている。

そして、その渦中に飛び込んだばかりに困惑し、恐怖し、疲弊する彼女の姿が観ているこちらと被ってくる。

それに、敵の姿をまったく見せないことで尋常ならざる緊張感が、境界線の傍に掘られているトンネル内での銃撃戦など、今回もドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が発揮する。

ボーダーライン、4すっかり太って中年ぶとりなのに、俊敏な殺人マシンを演じ切るベニチオ・デル・トロが見事だ。

メキシコの麻薬カルテルとの闘いを描いた映画は多いが、これほどリアルな迫力をもったものは例がないだろう。
詳細をしらされぬまま、戦いの一員に加えられたFBIの捜査官、エミリー・ブラントの視線で、正義も法律も無力化し、暴力のみが支配する白日夢の街へと投げ込まれる。

二転三転する調査のいきとどいた脚本に、廃墟しきった街を切り取る見事な映像と、見応えのあるクライム映画の傑作になっている。
テロに対して、テロで応じるという現代戦争の縮図を観た思いがした。



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モヒカン故郷に帰る3

モヒカン、タイトル『横道世之介』などの沖田修一が監督と脚本を担当し、数年ぶりに故郷に戻った売れないバンドマンが余命わずかの父親のために奮闘する姿を描くコメディードラマ。
恋人の妊娠を報告するために瀬戸内海に浮かぶ故郷の島に帰るバンドマンを『舟を編む』などの松田龍平が、昔かたぎの頑固な父親を『悪人』などの柄本明が演じる。
共演は、前田敦子、もたいまさこ、千葉雄大ら。松田のモヒカンヘアでのパフォーマンスや、松田と柄本の広島弁を駆使したひょうひょうとした掛け合いが見どころ。

あらすじ:プロのバンドマンになるべく東京で活動していた永吉(松田龍平)は、付き合っている由佳が身ごもったことを報告するために数年ぶりに広島の島へ戻ってくる。
頑固な父親・治(柄本明)は息子の永吉につっけんどんな口調で接するが、内心はうれしくてその夜、島民たちを誘って大宴会を開催。しかし、宴会の最中に治が倒れ、がんであることが発覚し、余命宣告を受ける。永吉は父親の喜ぶ顔が見たいと奮起するも、なかなかうまくいかず……。

モヒカン、3<感想>この監督作品「南極料理人」「キツツキと雨」、を思い出します。あの映画でパラレルな関係性として描かれている父と子供の関係の話が、全面に展開して現れているのが本作と同じだと思います。

主人公の松田龍平の魅力満載と、言う以上に彼の物語を語っているような、何かの意見を求められると考えるふりをしながら、まともなことはなにも言わないくせに、無言の力で引っ張っていくところ。
とにかく、父親の衰亡をかみしめる息子の風情がいいのだ。

どこにいても、何をしていても、何処か心ここにあらずという、常に浮いている男がぴったりな松田龍平。

モヒカン頭でデスメタルのロックバンドに夢中な息子が、妊娠中の彼女と故郷へ帰って、病気の父親と対峙して、本の少し未来を思う。

モヒカン、2すでに成長しているはずの大人が、ごくごくゆるく、かすかな成長を綴った家族映画にして、息子のめざめの物語でもある。

故郷へ帰って見れば、父親は末期がんで余命が短い。生きているうちに、父親の好きな食べ物、ウィンナー入りピザを喰わせてやろうと、本土から3店舗のピザ店に注文して、テーブルに並べて好きなだけ食べさせるシーンとか、父親がヤザワの大ファンで、死にぎわに自分が矢沢永吉のフリをして成りすまして、父親の枕元へ立つシーンも涙ぐましくて良かった。

途中で父親の柄本が、点滴の機材を引きずりながら、病院の屋上から向かいの中学校の屋上へ集まった吹奏楽部の生徒たちに指揮をするという、なんとも素敵な楽しいシーンもある。

それに、父と息子に嫁を連れて海を見ながら話を交わす言葉。その二人の表情がたまらなく良く映っている。


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2016年02月29日

オデッセイ5

オデッセイ、タイトル『グラディエーター』などのリドリー・スコットがメガホンを取り、『ボーン』シリーズなどのマット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じるSFアドベンチャー。
火星で死亡したと思われた宇宙飛行士が実は生きていることが発覚、主人公の必死のサバイバルと彼を助けようとする
NASAや乗組員たちの奮闘が描かれる。共演は、『ゼロ・ダーク・サーティ』などのジェシカ・チャステインや『LIFE!/ライフ』などのクリステン・ウィグなど。スコット監督による壮大なビジュアルや感動的なストーリーに注目。

あらすじ:火星での有人探査中に嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を去るが、彼は生きていた。空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない危機的状況で、ワトニーは生き延びようとする。一方、NASAは世界中から科学者を結集し救出を企て、仲間たちもまた大胆な救出ミッションを敢行しようとしていた。

<感想>オバマ米国大統領が、「2030年代の半ばまでに、火星への有人着陸を目指す」と宣言していたが、火星探検はもはや夢ではないのだ。本作もそんな手に届く近未来を舞台に、火星に残されたたった一人の男のサバイバルを描いたSF映画です。

オデッセイ、6主人公はマット・・デイモン扮する宇宙飛行士マーク・ワトニー。嵐のせいで取り残され、救助がくるまでのソル561(火星の1日の単位で、24時間39分35秒)を、資源も空気もない火星で生き抜こうとする。

原作である「火星の人」でも、ルイス船長のデータファイルに入ってたのは、趣味の“70年代のディスコ音楽”だったが、映画では具体的にテルマ・ヒューストンや、ドナ・サマーのヒットナンバーを流し、曲名と歌詞が主人公の心情と重なるようにしてあるのも良かった。

その船長の趣味は、孤独なワトニーを慰め癒しつつも、辟易させるのだが、いよいよNASAと彼がイチかバチかの手段に出るとき、劇中ではデイヴィッド・ボウイの「スターマン」が流されるのだ。

オデッセイ、5しかし、急死に一生を得たワトニーは、基地に残された資材と食べ物を集め、さらなる食糧確保のために排泄物を肥料に、ジャガイモ栽培を開始する。必要な水は、水素燃料から作ろうとするが、爆発するなど一筋縄ではいかない。

それに、土に埋もれていた大昔の探査機を発掘し、わずかな写真データーしか送れない旧型機だが、なんとか修理をして地球と交信を試みるワトニー。「YES」「NO」のレベルだがついに交信に成功する。

ですが、ベースキャンプの居住区ノハブのエアロック部分が気圧差のせいで爆発をお越し、せっかく作ったジャガイモの屋内農場はめちゃくちゃになり、氷点下の気温に作物も凍りつき、食料にも種イモにもならず、再び訪れる餓死のピンチが。

一方ではワトニーに補給物資を送ろうとロケットを打ち上げるが、作業を急ぎ過ぎたためにロケットが爆発してしまう。これでは、ワトニーは火星で飢え死にしてしまう。

地球に帰還中だったヘルメスが、Uターンをして火星に戻ればワトニーを救えるかも、との報告が届くも、ですが、それは全員が死亡の説もありえる危険な賭けだった。ルイス船長らは、制止するNASAを無視して火星へと向かう。

オデッセイ、3ついに火星軌道上に到着したヘルメス。ワトニーをキャッチ出来るタイミングは一瞬なのだ。さらには、ワトニーが火星の大気圏外に出るには、着陸船の極端な軽量化が必要であり、あまりにも危険で大胆な改造が強いられる中で、ワトニーの取った策とは。

着陸船を軽量化にするためにワトニーが取った策は、屋根を壊してビニールのシートをかぶせるだけ。それに、ヘルメスに戻るために彼が取った行動が、自分の宇宙服を破って飛び出す策には、一つ間違えれば宇宙の彼方へ飛び出す命がけのミッション。映画だからして成功するのですが、ちょっと眉唾もんでした。

宇宙船ヘルメス号にいる船長、ジェシカ・チャステインは、自分がマークを救出に行くといいはり、その瞬間がドキドキもので、もしかして、船長もマークも助からないのではという危険迫りくるシーンでありました。信じ難い救出劇には怒涛の感動が待ち受けていますから。

それでも、火星の地形や気候の描写、NASAが開発した宇宙施設などのデザインにおける徹底的な細部へのこだわりは、やっぱりリドリー・スコット監督ならではと頷けます。



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papikosachimama at 09:11|Permalink2016年劇場公開作品 | あ行の映画

2016年02月28日

orange−オレンジ−3

オレンジ、タイトル高野苺のコミックを基に、未来からの手紙によって運命を変えようと奮闘するヒロインの姿をファンタジックかつ爽やかに描く青春群像劇。手紙により10年後の自分が後悔していることを知った女子高生が、大切な人を救おうと行動する姿を映す。
NHKの連続テレビ小説「まれ」の土屋太鳳と山崎賢人がヒロインと相手役で再共演。『君に届け』やテレビドラマ「鈴木先生」などに携ってきた橋本光二郎が、長編映画で初のメガホンを取る。
土屋と山崎のほかにも、『マジックナイト』などの竜星涼や『神さまの言うとおり』などの山崎紘菜らが出演。

あらすじ:高校2年生の高宮菜穂(土屋太鳳)に、10年後の自分から手紙が届く。そこには、26歳になったときに後悔していることが数多くあること、転校生の翔(山崎賢人)を好きになるが、彼が1年後に死んでしまうことがつづられていた。当初はイタズラだと思った菜穂だったが、手紙に書かれていることが現実に起こり始める。菜穂は後悔しないため、そして翔を救うために行動を起こす。

オレンジ、4<感想>未来から来た手紙に、これから起きる出来事が事細かく書いてあったら、すぐにでも一気に読みたいはず。ですが、この主人公は、やたらと他のことにかまけては、手紙を読むのが遅いんですね。

過去に起きた友人の事故死を、未来からの手紙で知り、それをくい止めようと懸命になる主人公なのだが、日記を書いていたようなので、それが引出の中から出て来て先生のいう、世界はパラレルワールドになっているということを聞き、可能性を考えてもいいと思うようになる。

未来を変えるというより、要するに現在より良いものにするという、コンセプトには納得します。ですが、SFとしては片手落ちですね。どうやって、手紙を過去へ送るのか?・・・何の納得できる説明もないのもね。

こういう突飛なシチュエーションほど仕掛けとか伏線とかが必要なのに。ある朝、カバンの中に入っていた手紙というのが、ズサン過ぎる。二通目も無駄ですから。それと、手紙を過去に送った人には、パラレルワールドの現在は判らないので拍子抜けですよね。

オレンジ、現在と過去が交錯するが、過去を変えても平行世界で異なる未来が広がるのはいいとして、どうやって過去の手紙が届いたのかが曖昧すぎるのだ。

どうやって手紙を過去へ送るのかが、何の納得できる説明もないままに、それでもラストで明かされる過去への手紙を書く主人公の菜穂と、結婚したのだろう赤ちゃんを抱いている須和弘人の二人が、10年後にはこの世にいない翔への後悔の念のために書いたのであろう過去への手紙を、缶の中へ入れて土に埋めるシーンが見られる。

アンジェラ・アキの歌で「手紙〜拝啓十五の君へ〜」をちょっと真似したような設定も気にかかるのですが、この6人の高校生たちの愛だか友情だかの、間延びした薄っぺらさは、もう無かったことに、観なかったことにしたいほどでした。

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papikosachimama at 12:35|Permalink2016年劇場公開作品 | あ行の映画

森のカフェ3

森のカフェ、タイトル長年、劇場の支配人を務める傍ら、プロデューサーや脚本家としても活躍し、前作「見えないほどの遠くの空を」で記念すべき映画監督デビューを飾った榎本憲男の長編第2作。
美しい紅葉に染まる小さな森を舞台に、論文の締切りに追い詰められている哲学研究者の青年が謎めいた女性と出会い、思いも寄らぬ物語に巻き込まれていくさまを、哲学的な考察や不条理なタッチを織り交ぜユーモラスに綴る。主演は管勇毅と若井久美子。

あらすじ:締切りが迫っているのにまったく論文が書けない哲学研究者の松岡啓志。気晴らしに近所の森を彷徨い、偶然みつけた小さなテーブルに腰を落ち着けアイデアを練ることに。
ところがふと気づくと、目の前にひとりの若い女が現われ、“森のカフェにようこそ”と言って微笑みかけてきた。戸惑いつつも、彼女が提供するコーヒーを口にする啓志。いつの間にか寝てしまった彼が目を覚ましたときには、女の姿はなくなっていた。もしかしたら森の妖精と出会ってしまったのかもしれないと思い始める啓志だったが…。

森のカフェ、1<感想>何故か気になって観た映画。しかし、内容が論文に悩む哲学青年が、森の中でカフェと名乗る女と出会うシーンがあり、それが二度も繰り返されてその種明かしもされていて、結果書いたのがデカルト批判だという。

珈琲を毎日5杯以上は飲んでいる私としては、こういうロマンチックな場所で、論文の書けない哲学者と、珈琲を持って現れる不思議な女。
何となく期待して観てしまった。ですが、ちょっと私には複雑で難解であり、つまらなかった。

だから、雰囲気以上に、2人のキャラクターの持つ魅力とか面白みにより多く趣きを置いて欲しかった気がしました。

森のカフェ、3紅葉が色づく秋の風景に、森の中で現れる不思議なカフェ。その画はとても美しくまるで少女漫画的な世界に見えた。
ですが、演技がね、まるで学芸会のようだったのが残念。

精神を病むほどに悩んでいる哲学青年は、森で出くわした女子大生に心を惹かれ、彼女のギター弾きがたりに癒される。
それに、授業のシーンは難しすぎてつまらないし、哲学を散りばめた会話の妙をギャグに昇華させてくれていたら、もう少し印象が違っていたのではと思った。

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papikosachimama at 12:15|Permalink2016年劇場公開作品 | ま行の映画

2016年02月15日

ザ・ウォーク3D5

ザ・ウォーク、タイトル1974年にワールド・トレード・センターでの空中綱渡りに挑戦した、フィリップ・プティの著書を実写化した実録ドラマ。彼が成し遂げた前代未聞の偉業の全貌が映し出される。メ
ガホンを取るのは、『フォレスト・ガンプ/一期一会』などのロバート・ゼメキス。『ドン・ジョン』などのジョセフ・ゴードン=レヴィットがフィリップ・プティを熱演、その脇をオスカー俳優のベン・キングズレーらが固める。事実は小説よりも奇なりを地でゆく物語はもとより、めまいがしそうな歩行シーンも見どころ。

あらすじ:1974年。フランス人の大道芸人フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、誰も考えついたことのない挑戦をすることに。それはニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル、ワールド・トレード・センターの屋上と屋上の間にワイヤーロープを張って命綱なしで渡っていくというものだった。そして、ついに決行の日を迎えるフィリップ。地上110階の高さに浮いているワイヤーを、一歩、また一歩と進んでいく彼だったが……。

ザ・ウォーク、10<感想>実にこの映画の3D映像は衝撃でした。今まで観た事のない映像を見せて驚かせる。飛び出してくる映像とは違って、高低差を特化して高所にいることを疑似体験できる映画ということで新鮮であった。

この映画の舞台となった、ニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル、ワールド・トレード・センターは、2001年9月11日のテロで崩壊してしまって、現在は何も残っていない。だからそれを完璧に再現したのも凄いけれど、ニューヨーカーに愛されるこの建物に対するレクエムでもあるんじゃないかと思いますね。

地上441mの高さで綱渡りをするなんて想像もできないけれど、この映画を観ているとその感覚が伝わってくるのだ。ビルの屋上から下を見るシーンだけでも、震えて来るのだから。高所恐怖症の方には、ちょっとキツイかもです。

ザ・ウォーク、2独学で綱渡りを体得した天才ワイヤー・ウォーカーのフィリップ・プティ。その主人公を演じているのがジョセフ・ゴードン=レヴィット。飛んでもない男で、綱渡りに憑りつかれて、その途方もない夢に周囲を巻きこんでいきます。エネルギーに満ち溢れてはいるけれども、よくよく考えたら危ないヤツで、そんなキャラクターに説得力を持たせているのが、演じいているジョセフ・ゴードなのだ。なにせ、最後のワイヤーの上であんなこと、寝そべったり座ったり、腰かけたりと、本当に神様のように光り輝いて見えましたね。

監督はロバート・ゼメキスで、この無謀で非合法な計画をどうやって実行していくのか。準備段階からほぼぶっつけ本番に近い当日までを、克明に追い掛けてサスペンスを盛り上げていきます。

それに、次々と予期せぬアクシデントが発生するんですよ。屋上に上がったもう一人が、高所恐怖症という辺りからすったもんだがあって、フィリップがなだめすかしてやっとロープを結び付けるところなんか、独りでは成し遂げられないもんね。

この物語は実話だし、主人公の回想形式で展開するから、成功するのは分かっているのだけれども、それでも見ている方はハラハラ、ドキドキ、しますから。演出も名人芸ですよね。


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papikosachimama at 17:31|Permalink2016年劇場公開作品 | さ行・ざ行の映画

2016年02月09日

スター・ウォーズ/フォースの覚醒5

スターウォーズ、タイトル2005年の「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」で新3部作が完結してから10年ぶりに製作・公開されるSF映画の金字塔「スター・ウォーズ」のシリーズ7作目。
オリジナル
3部作の最終章「ジェダイの帰還」から約30年後を舞台に描かれると言われる、新たな3部作の第1章。テレビシリーズ「LOST」や「スター・トレック」シリーズなどで知られるヒットメーカーのJJ・エイブラムス監督がメガホンをとり、脚本にはオリジナル3部作の「ジェダイの帰還」「帝国の逆襲」も手がけたローレンス・カスダンも参加。
音楽はおなじみのジョン・ウィリアムズ。無名から大抜てきされた新ヒロイン、レイ役のデイジー・リドリーのほか、ジョン・ボヤーガ、アダム・ドライバー、オスカー・アイザック、ドーナル・グリーソンといった新キャストに加え、マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーらオリジナル
3部作のメインキャストも登場する。

<感想>「スター・ウォーズ」大ファンなので待ってた甲斐があった。DVDを見直してから、TVでも放送されてましたね。今回もかなり楽しめました。

スターウォーズ、1物語は:エピソード6の後、エンドアの戦いから30年後。ダース・ベイダーの死によって指揮系統が乱れた帝国軍だが、新たな共和国軍が残党を一掃しようと、30年間、両軍の戦いは続いた前提のもとで、レイア将軍やポー・ダメロンは共和国軍とも違うレジスタンス(反乱軍)として立ち上がる。

そんな状況下、帝国政府の残党の中でも右翼的な軍事組織ファースト・オーダーが台頭してくる。そしてダークサイドのフォースも強くなりつつあることを感じたレイア将軍は、最後のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーの助けを求めるのだが、ルークは雲隠れをして何処にいるのか分からない。

そこでレイア将軍は彼を探す手掛かりを入手するため古き友人のいるジャクーの集落へと秘蔵っ子のパイロット、ポー・ダメロンを送り込むのだ。

スターウォーズ、11やや、複雑な勢力図にフォースがどう絡むのかに注目したい。

主人公のレイ(ポー・ダメロン)が砂漠に住んでいて、これって「スター・ウォーズ」の旅の始まりって感じで、冒険に巻き込まれていく主人公。敵に追われて宇宙船に乗り込むと爆破されて、オンボロの宇宙船それがハン・ソロの「ファルコン号」なのだ。もう完全に昔を思いだし嬉しくなった。

それに、ハン・ソロにチューバッカも出て来て懐かしいよ、そしてレイア姫のキャリー・フィッシャーが、だいぶ痩せて見違えたわ。その二人の息子が、悪役のカイロ・レン(アダム・ドライバー)で、ダース・ベイダーを思わせる風貌で、十字型のライトセーバーを振り回してフォースを使い敵をなぎ倒す。

スターウォーズ、2そして、スター・キラーという天体のような基地への攻撃開始という。そうですね、一番初めに観た「スターウォーズ4」をなぞっているんです。クライマックスが、ダースベイダーとルーク・スカイウォーカーが戦ったような細い鉄橋で、父親のハン・ソロとカイロ・レンが再会を果たすのだ。

今回は女戦士のレイが出て来て、フィンが倒れている傍からライトセーバーを拾い上げてカイロと戦うのだ。彼女はジャクーに住み廃品を拾っては売っている女で、コロコロと転がるBB−8を助けるし、もしかして、悪党のカイロ・レンとは双子の兄妹なのかもしれない。

そして、最期が、レイが会いにいくのは、オビワン・ケノビのような風体で現れ、R2−D2が目を覚ます。もう涙が出るほど嬉しかった。次のエピソードへの期待感がワクワクですから。

もう、オマージュ映画に留まらず、CGも宇宙船も宇宙人もさすが本物のように見えた。興奮冷めやらずってとこですかね。
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2016年01月26日

007 スペクター5

007、タイトル長い間人々をとりこにしてきた大ヒット作『007』シリーズで、ダニエル・クレイグが4度目のジェームズ・ボンドを体当たりで演じたアクション大作。前作同様サム・メンデス監督がメガホンを取り、新たなる敵スペクターとボンドの死闘を描く。ボンドガールを『サイの季節』などのモニカ・ベルッチと、『アデル、ブルーは熱い色』などのレア・セドゥというイタリアとフランスを代表する美女が熱演。苦悩するボンドの葛藤はもとより、明らかになる彼の幼少期の秘密に期待。

あらすじ:ボンド(ダニエル・クレイグ)は、少年時代の思い出が詰まった生家“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取る。彼はM(レイフ・ファインズ)が止めるのも無視して、その写真の謎を解き明かすため単身メキシコとローマを訪れる。死んだ犯罪者の妻ルチア(モニカ・ベルッチ)と滞在先で巡り合ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を確信する。

<感想>メキシコを舞台にド派手なアクションの展開するオープニングでは、ダニエル・ボンドが絶好調であります。はては、崩れ落ちるビルからの脱出劇や、大群衆の頭上を駆け巡るヘリコプター内での肉弾戦など、何時も見ているダニエルなのだが、今回もキレッキレのアクションはなかなかの迫力でした。

007、ダニエル・ボンドは異端のボンドであり、華麗なる色男スパイではなく、幾つものトラウマを抱えた生々しくも不完全な男として描かれている点に於いては、新しくそのリアリティによって、「007」を見事にモダナイズしたのが彼、ダニエル・ボンドであります。

サム・メンデス監督とのタッグにより、いわば初の王道のクラシックなボンド・ムービーとなっているのが本作であります。

それに、過去3作で意図的に排除されていたスパイ・ガジェットやスーパーカーの演出もてんこ盛り状態だし、「007」を巡るお約束の数々が復活していて、それらがきっちりと繋がっているのが素晴らしい。

勝ち目がないと言えば、今回の悪役で登場するのが、あの宿敵ヴィラン役のオスカー俳優のクリストフ・ヴァルツがもの凄く上手い。圧倒的な情報を武器に、陰湿で惨忍な策略でボンドを追い詰めていく。この邪悪さは、まさに彼ならではの迫力。ボンドをいたぶる拷問シーンでは、絶体絶命のピンチになるボンド。しかし、Qから貰った腕時計で急場をしのぐのはいつものボンドであった。

スペクター、12もう全てがダニエル・クレイグの身体を張った演技とアクションなので、文句のつけようがないですから。
冒頭のビル倒壊から、ヘリまでの一気に見せるアクションシーンに目が釘付け状態になり、大群衆が逃げ惑うシーンもヘリコプターの難しい飛行術も、すべて模型やCGではなくすべて実際に撮影されたもの。
アクションに関しては本物を追求しているこのシリーズの凄みを感じました。トムちんの「ミションイン:ポッシブル」に匹敵するくらいにね。今回のボンドガールのレア・セドゥってあんまし華がなく、存在感では10分程度しか出番のないモニカ・ベルッチに完敗でしたね。オバサンといえども、あの豊満な肉体美で、ダニエルとのベッドシーンだけでも見栄えしますから。

そして、夜のローマの市街地で繰り広げられるカーチェイスのシーンでは、お馴染みのアストンマーティンの新車が登場するし、防弾の戦車のようなアストンに乗るでクレイグのご満悦の顔ときたら、でも新車を凸凹にして川にダイブさせてしまうとはね。

スペクター、6オーストリアの雪山では小型飛行機とランドローバーの攻防戦、モロッコの砂漠での大爆発シーンなど、どれも実際にスタントマンと撮影スタッフが体を張って作り上げているのだ。
クレイグの引き締まった肉体での格闘シーンでは、その格闘の相手、ヒンクスに扮しているのがプロレスラーのデイヴ・バウティスタ。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でも見せた巨体を武器にボンドに迫ってくるのだ。体格差が凄いから、これはどうやっても勝ち目がないのではと思ったりして、列車の中での格闘技を得とご覧あれ。

今までのシリーズの中では、ほんの脇役で、お約束の登場シーンでしかなかったボンドの上司レイフ・ファインズや、Qのベン・ウィショー他、秘書役のナオミ・ハリスなどのキャラクターを掘り下げて、それぞれの活躍シーンをちゃんと描いているところなど感心しました。彼らがチームワークを発揮する映画は今までの「007」シリーズになかったから、予想外で楽しかったです。



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2016年01月22日

グリーン・インフェルノ3

グリーン、タイトル「キャビン・フィーバー」「ホステル」のイーライ・ロス監督が、かつて80年代前後に様々な物議を醸して世界的にセンセーションを巻き起こした食人族映画を現代に甦らせて描く衝撃のカニバル・ホラー。アマゾンの先住民族に捕まったアメリカの学生たちを待ち受ける凄惨な運命を、過激なゴア描写満載に描き出す。主演はイーライ・ロス夫人でもある「アフターショック」のロレンツァ・イッツォ。

あらすじ:女子大生のジャスティンは、環境活動家グループのイケメン・カリスマ・リーダー、アレハンドロに好意を抱き、彼らが南米ペルーで行う抗議活動に参加することに。その内容は、未開のジャングルに暮らす先住民、ヤハ族を守るため、開発が進む工事現場に乗り込み、違法な森林伐採の様子を生中継で世界中に発信するというものだった。計画はみごとに成功し、大きな成果とともに帰途に就いた一行だったが、ほどなくしてセスナ機が墜落し、彼らはアマゾンの真っ只中に放り出されてしまう。かろうじて一命を取り留めたジャスティンたちだったが、生存者は全員、身体を真っ赤に染めたヤハ族に捕らえられ、彼らの集落へと運ばれる。そこでジャスティンたちを待っていたのは、世にもおぞましい人喰いの儀式だった。

<感想>拷問系とホラーというジャンルの映画。さすがに余りの残虐さと悪趣味さには驚きましたが、21世紀のネット社会に「食人映画」を蘇らせるという大胆な試みのイーライ・ロス監督。

ヒロインには監督の妻ロレンツァを起用して、ペルーのジャングルでロケを敢行。
グリーン、3ジャングルに迷い込んだ大学生たちが、食人族に次々と捕食される場面では、どぎつく、グロくて恐怖感が味わえます。

残虐な喰人行為も、村人にとってはただの食事にすぎず、生きたまま目や、耳、鼻、手足を切り刻み、まずは長老の婆あが味見するシーンがキモいたらないのだ。その後は、女たちが笑いながら、歌いながら調理をして、オーブンのような焼釜の中に、ココナツオイルや薬草を塗って入れて蒸し焼きにする。そんな何気ない食卓で、人肉をむさぼる姿に、恐怖感を増長させるのだ。

ですが、意識高い系の学生が、環境保護を訴える学生団なのに、マリファナを吸ったり、密林で携帯をいじったり、ノリが軽いのが笑えた。それに初めに食べられるのが、一番デブっている男だったのも。

実際にアマゾンで暮らす原住民たちが、エキストラで喰人族を演じており、森の中で人間を解体したり、その四肢に塩を揉み込み、焼くといった非現実てきな調理シーンにも、不気味な生活感が漂うのだ。

グリーン、8監督は、リアリティを追求すべく、原住民たちに「食人族」の映画を見せて、自身が求める演技について説明し出演を依頼したというのだ。

中盤では、森林開発阻止のデモに命をかけていたはずの学生が、態度を1変させ、食人族の集落がブルドーザーで破壊されるシーンなどは、人間のエコロジーに対する不安定な姿勢を象徴しているようだ。全編を通して、余りキモイとかグロイとか、何か作りもののように見えてしまい、コメディ映画のようでもあり、怖くなかった。

それに、ラストで主人公のロレンツァが一人だけ助かって生き延び、マスコミに勇気ある告白も、痛烈な皮肉を投げ掛けるのだ。エンドロールの中で、ジャングルに取り残された男子学生の妹から電話があり、「ジャングルで兄が生きているようなの」なんてことで、締めくくるのだ。カニバリズムを通して社会風刺を行う、怪作なのだろう。


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papikosachimama at 14:42|Permalink2016年劇場公開作品 | か行・が行の映画

2016年01月10日

海難1890 4

かいなん、タイトル日本とトルコの長年にわたる友好関係をテーマにしたドラマ。海難事故に遭ったトルコ軍艦エルトゥールル号への日本人による救援と、トルコ人によるイラン・イラク戦争時の在イラン日本人救出という、両国の絆を象徴する二つの出来事を見つめる。監督は『精霊流し』『サクラサク』などの田中光敏。『臨場』シリーズなどの内野聖陽、『許されざる者』などの忽那汐里、『孤高のメス』などの夏川結衣らが出演する。約100年という歴史をまたいだ展開はもちろん、日本とトルコの知られざる物語にも胸を打たれる。

あらすじ:1890年、和歌山県串本町沖。後のトルコであるオスマン帝国の親善使節団を乗せた軍艦エルトゥールルが座礁して大破、海に投げ出された乗組員500名以上が暴風雨で命を落とす。そうした過酷な状況下で、元紀州藩士の医師・田村元貞(内野聖陽)やその助手を務めるハル(忽那汐里)ら、地元住民が懸命の救援活動に乗り出す。イラン・イラク戦争中の1985年、日本政府は危機的状況を理由に在イラン日本人の救出を断念。そんな中、トルコ政府は彼らのためにある行動を取る。

かいなん、3<感想>トルコ共和国の独立は、第一次世界大戦の1922年のことなので、1890年の軍艦エルトゥールル号の遭難は、オスマン帝国下の事件ということなのだが、その辺は映画だからいいのかという疑問がある。

トルコが親日国であることは知ってはいたが、この作品の18909月の日本で勃発した「エルトゥールル号遭難事故」の詳細は知らなかったので、事故の内容とトルコの人々の抱きつづけた恩義について、興味深く観賞しました。

国策映画だと驚くも、日本とトルコの友好をうたうなら、イラン・イラク戦争の際に、当時の在イランのトルコ人が、日本人に飛行機を譲ってくれたという話でいいはずなのに。
かいなん、7だが、それが1890年に日本人が和歌山沖で遭難したトルコ人を救助したからだという構成と企画で、映画を作るということは、たとえそれが美談であっても、もはや十分すぎるほどに醜悪ではないだろうか。

役者や美術がいくら良かろうとも根本が怪しいと思う。
合作成立には、問題含みの日本、トルコ双方の政治的思惑が働いた匂いがする。

なんていちゃもんを付けたくなりますが、映画の脚色は多分にあるだろうものの、いくらでも感動をあおりそうなテーマですが、抑制のきいた丁寧な演出が印象的です。
暴風雨のさなかに沈みゆく舟と、遊郭の乱痴気騒ぎを交互にみせる映像も美しい。

ともあれ、和歌山県串本町沖でのエルトゥールル号遭難場面や、救助や治療のシーンは迫力があります。
かいなん、4対して、後半のテヘラン邦人脱出劇では、俳優もパワー不足のような気がした。

「真心」が鍵となる作品だけに、映画への真摯な姿勢に好感が持てました。それに、二役を演じた忽那汐里の、多くを語らず目で訴える表情が良かった。



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