2007年10月13日

アルゼンチンババア(DVD)2

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母の死を乗り越えてよみがえる父と娘の美しい絆に、幸せの涙が頬をつたう、大きな愛と命の物語。しあわせがじんわりと体中にしみわたる。

両親と仲良く暮らしていた女子高生・みつこ。だが母が病死してしまい、父親は母が死んだ日にそのまま失踪。それから半年後、父は町外れの草原にぽつんと立つ屋敷で発見された。そこは、小さな田舎町の中の異国。昔はタンゴやスペイン語を教えていたが、今はちょっと頭がおかしい、と噂される“アルゼンチンババア”の屋敷だった。母の供養もせず、どうして父はそんなところに?! みつこは父親奪還のため、屋敷に向かうが……。気のいい町の人々を巻き込んで、父親をまともな(?)世界に取り返そうと奮闘するみつこが目にした屋敷の内部の光景は、温かな陽だまりのように気持ちよく、不思議にしあわせな空気が満ちていた。(作品資料より)

京香、まき<感想>いまや世界中で作品が翻訳される人気作家のよしもとばななが、2002年に発表した「アルゼンチンババア」。見どころは何と言っても演技派俳優の豪華共演と純粋で、仕事にも亡き妻にも一途だった職人気質の父親役に役所広司。そんな父親に翻弄される一人娘に堀北真希。

そして大きな愛の力で、町の人々を包み込む不思議な存在、“アルゼンチンババア”を鈴木京香が老けメイク?で見事に演じきっている。監督は、「鉄塔武蔵野線」「さゞなみ」の長尾直樹。
3人でお茶役所広司が演じる石職人・涌井悟は、入院している妻の臨終に立ち会うこともせず、お通夜、葬式にも顔を出さず、無責任極まりない男だ。どういうわけか知らないが、噂のアルゼンチンババアのところへ行く途中に、草むらの穴に落ち、動きがとれなくなっているところを彼女に助けられたのだという。「穴に落ちる」というのは、女の虜になるという意味にも取れる(笑)。

たて、タンゴを踊るふたりその相手のユリという女性(アルゼンチンババアの本名)も、その変人的な生き方には、それなりの理由があったのだろうが、毎日屋上でアルゼンチンタンゴを踊ったり、蜂蜜を作ったり、猫屋敷で掃除なんかしてないので臭いらしい。部屋も掃除なんかしてないし、ユリ自身もボサボサな白髪頭で魔法使いみたいな雰囲気。

“アルゼンチンババア”と呼ばれる鈴木京香さんのケバイ化粧!と変身ぶりに驚きです。料理というほどでもないが、インスタント・ラーメンの中にゆで卵をポンと入れて、心配してきた妹たち(森下愛子)に振舞ったりして、・・・それと蜂蜜たっぷり入れたマテ茶が、飲んだみんなの心が癒され幸せにしてくれる魔法の飲み物なんですね。

屋上の曼荼羅ユリの家の屋上で石に曼陀羅を掘っている(タイルを敷き詰めたみたい)。そして、ユリはキリスト教を信心しており、仏教とキリスト教との関係って不思議な感じがするが、どちらの神様でも信じる事っていいんですよ。

娘のみつこは、パンをこねるのがうまく嫌な事があると無心になれるのか、パン作りに勢をだす。それに、指圧やマッサージにも興味を持ち、田中直樹が演じるマッサージ師と親しくなり、受付のバイトを始める。密かに恋ごころなんか持って、でも田中には彼女がいたのだ。それに、東京に資格を取りに行くと言う。

猫屋敷初めてみつこが、父親のいる“アルゼンチンババア”の屋敷へ自転車を一生懸命こいで行くみつこが切ない。しかし、“アルゼンチンババア”の屋敷は、草ぼうぼうの庭、猫のおしっこと便の匂いがきつそう(笑)でも、ユリがみつこに「辛かったわね、お母さんが死んで、本当に偉い子」と優しく抱きしめられると、一気にみつこの心が和むのが手に取るように分かる。

うなぎや、おばさん他悟の妹役で、スナックのママをしている森下愛子。この人もユリにあって、話をするが何だか強気に言う事ができない。息子に言われる、「お母さんだって好きな事して家を出たじゃないか」なんだかみんな、ユリの魔法にかかったようだ。町のうなぎ屋に岸部一徳が、店の女の子と良い仲になっている。その他にも、警官(きたろう)とか酒屋とか涌井悟の幼馴染が必死になって、連れ戻そうとするが、当人同士は恋愛の真っ最中!誰がなんと言うと離れられない。

蜂の巣今度こそ連れ戻そうとみつこは、おばさんの馬鹿息子のバイクを運転して、交通事故を起こして鞭打ちになり、お母さん(手塚里美)のお墓を彫ってもらおうと、町の皆が持って行った墓石を、凄く重いのにみつこが家まで持って帰り冷蔵庫のビールを一気飲み。

小さな町なので、子供たちがユリの塀に落書きをし、「ババア馬鹿、石屋」と囃し立てる悪がき、怒った悟は、屋上からトマトを投げつける。今度は打ち上げ花火だ。屋上の鳥小屋に火がつき火事騒ぎ、ユリが機転をきかして貯水槽のバルブをひねる。そんな事していると、ユリさんが急に苦しみ出し、妊娠だと?・・・えっ、この年で?原作では50歳だと言う、信じられないけれど産むというから驚きだ。

イルカのお墓怒ったみつこがお骨と位牌を持って家出する。黙々とひたすらに彫ったお母さんのお墓(イルカ像)を、ライトバンに乗せて大雨の中ひたすら走る悟(右側の窓ガラスがなくビニールをガムテープで塞いでいる)。

フェリーに乗ってイルカの島まで(3人で過ごした楽しい思海に沈んだイルカい出の島)行くと、みつこがパンを作っていた。

ボートでイルカを彫ったお墓を海に沈める。お骨も海に散骨したのかな?・・・お墓参りってしないのかな?・・・いろんな疑問が浮かびますが、家に帰ってみるとユリさんが男の子を出産だ。でも高齢だし、心臓が弱く亡くなってしまうのです。

ラスト、みつことゆりラストのビルの屋上で、みつことユリがタンゴを踊るシーン、幻想的で本当は生きている時に踊りたかったに違いない。澄み切った青空、広々とした草原、映画の所々でバンドネオン奏者・小松亮太の、アルゼンチンタンゴが流れるのが違和感なく凄く心地よい。内容は、ほのぼのした家族の、親子の愛と絆の再生物語です。



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