2008年09月12日

闘茶2

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幸せになれる幻のお茶を求めて、京都から台湾へ・・・。茶に心を奪われた人々の物語。

中国、福建省で生まれた“闘茶“。参加者それぞれが無数の種類の茶葉を持ち寄り、その抽出法、風味、さらに様式美、精神性などを競い合う。勝者は仙人のような栄光を得るものの、敗者は一生その屈辱を背負うことに・・・。

そんな中国四千年の歴史が生み、日本にも伝来した伝説の競技をテーマに、日本・台湾・香港の映画界が総力を結集。これまで誰もが見たことのない、極上のアジアン・エンタティンメントがここに誕生した。

物語:京都で何代も続く、老舗の茶屋を継ぎながら、現在は開店休業状態の主人・八木圭(香川照之)。先祖代々伝わる「黒金茶の呪い」と、愛する妻の死が密接な関係にあると信じている父親に、早く立ち直ってほしいと願う、一人娘の美希子(戸田恵梨香)。

娘の美希子はそんな父に立ち直ってもらう術はないかと、ネットで台湾の茶人とチャットをする日々。

ある日、「闘茶」(中国で行われていた茶を持ち寄って淹れ方、風味等を競う競技)の末、絶滅していたと思われていた幻の「雌黒金茶」を父が持っていることを知り、台湾にある「雄黒金茶」と掛け合わせれば父の目を覚ますことができると知った美希子は、父との大喧嘩が引き金となり、勢い余ってひとり台湾へと旅に出てしまう。

同じころ、台湾の闇の茶市場の実力者が、美希子の持つ「雌黒金茶」に狙いをつけていた。

美希子と村野キャストには、日本・台湾・香港を代表する豪華な面々が集結。愛娘を追って、自らも台湾に飛ぶ父、圭を演じるのは「ゆれる」、「キサラギ」といった話題作で、日本映画界を支える一方、「鬼が来た!」「故郷の香り」など、中国映画界でも活躍する演技派俳優の香川照之。

彼の勝気な娘、美希子を演じるのは「デスノート」シリーズでミサミサに扮した戸田恵梨香。またその恋人村野には、細田よしひこが、その父親、和菓子やの旦那にほんこんなど個性的な面々が顔を揃えている。

台湾からは、アイドル・ユニット<F4>のヴィック・チョウと、その恋人にチャン・チュンニンが参加。二人が演じるのは、数奇な運命に引き裂かれた恋人たち。また「インファナル・アフェア」シリーズでマフィアのボスを演じた、香港映画界を代表する重鎮、エリック・ツァンが、物語の狂言回しとして、お茶の神様など、様々な役柄で登場するのも見逃せない。

原案・監督は、故エドワード・ヤン監督の愛弟子として「ヤンヤン夏の想い出」など、数々のヤン作品に演出として参加し、映画監督としてはデビュー作ながら、マルチ才能の持ち主のワン・イェミン監督。

斬新かつスタイリッシュな衣装を『キル・ビル』『さくらん』の杉山優子が担当。さらに、劇中の音楽を海外での評価の高いZAK、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの愛児である、ショーン・レノンが担当するほか、ハナレグミとしても活動する永積タカシがヴォーカルを務める、ファンク・バンドSUPER BUTTER DOGが主題歌「あいのわ」を提供」しているという。
中国・唐の時代から1000年以上も続く茶の競技闘茶の、緊張感みなぎるシーンに注目。(作品資料より)

アニメ1<感想>この映画の冒頭部分でまず観客の目を引くのは、“闘茶”の伝説を描いたオープニング・アニメーションで描いているのは素晴らしい。

ちなみにこのアニメは、『鉄コン筋クリート』などで有名なスタジオ4℃である。

 

さすがに、流れるように描く水墨画のように美しい描線、そして、淡い中間色を多用した美しい色彩を駆使し、観客を一気に「闘茶」の世界へと引き込む。

 

anime2ワン・イェミン監督が描き出す「茶に魅入られた人たち」の神秘的な世界は、精密な照明と、カメラアングルで切り取られ、時には躍動的、時には慎重な移動で構成され、現実を一歩超えた世界である。

 

この魅惑的な茶の宇宙に役者たちが、活き活きと躍動して「闘茶」の語る情念と執念、怨念の物語を体現していく。

達者な役者たちによって体現された「闘茶」の世界を彩るのは、なんと_北京語と関西弁!

親子と村野美希子と圭父娘の猛烈なやり取り。標準語ではああはいかない。茶会での大騒ぎ、「お前ら蓮根や」、「何がレンコンや?」、「我、スカスカやないかい!顔がスカスカて言うてんねん」

娘は父親に反発していることになっているが、二人のやりとりは、まるで兄弟喧嘩である。

一方、戸田恵梨香が演じる娘の美希子は、「雌黒金茶」の謎を独力で調べようと、台湾に行くのですが、何だか観光気分で台湾の名所を案内しているみたいだ。

ヴィック・チョウだから、彼女が、「雄黒金茶」を育てる部族の末裔であるヤン(ヴィック・チョウ)と出会のだが、台湾でイケメン青年との出会いと大差なくなってしまう。

彼女がヤンの経営するマクドナルド風の茶店を訪れたり、お笑い芸人みたいな店員とコミカルなやりとりをするあたりから、この映画は、「闘茶」とはだんだんと離れていく。


ヤンが、茶の相場の取引を株や金の取引のように扱い金儲けにしていること。

自分の祖先の伝統とのはざまで悩んでいるとヤンとルーファいうが、それは、茶の伝統との深い関係のなかで展開されることはないし、「茶芸学校」で出会ったルーファ(チャン・チュンニン)との恋愛も、まるでラブストーリーである。


この映画では、後半、茶の伝統的な要素は、八木美希子がタイペイで通うことになる「台湾茶芸学校」の老教師(チン・スーチェ)とのやりとりぐらいにしかなくなる。

「闘茶」を仕切るのもこの老人で、全体として、ドラマそのものは、ただの親子物語になっており、ラブストーリーなのである。茶の奥深い文化は、後半からどうでもよくなっているのにはまいった(笑)。

闘茶ともかく、見ている途中で、スクリーンからお茶の香りが漂ってくる気分になるから不思議ですよね。お茶って普段は、とても身近にあるものなのに、とっても奥が深いんですね。

 

入れる人によっては味が違うし、季節によっても全然違う。それに、その時の気分によっても違うんですもの。

 

お茶は、落ち着かせてくれたり、元気にしてくれたり、香りと味で私たちにパワーをくれる。日本には「闘茶」はないとしても、「お茶会」がちょっと「闘茶」に近いかもしれませんね。

私も興味があって習ったことがあるのですが、「お茶会」に参加させていただくと、お茶をたてていただく間が、本当に心がほっとする、幸せな気分になるんですよね。

 

茶室の掛け軸や、庭に咲く花まで気遣う心、呼んでいただいた方の思いやりがお茶に込められている。これは自分の真心でお客様をもてなす、自分のセンスを磨くいわゆる自分自身の「闘茶」なのかな〜ぁと思います。

なんだか、闘うことよりもチャレンジする精神が美しいのだということを・・・。



papikosachimama at 00:15│ 2008年劇場公開作品、鑑賞 | た行・だ行の映画

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この記事へのコメント

2. Posted by パピのママ   2008年09月14日 09:47
5 rose chokolatさんへ・・・こんにちは、こちらこそいつもお世話になっております。
そうなんですね、茶道というよりも中国の「闘茶」にまつわるお話でもあるのですが、・・・。
京都でのお寺での茶会で、戸田恵梨香が、裏千家のお手前だと思うのですが、厳かにお茶をたてていると、急に失神してしまいそのお茶会はそこで終わりです。(足が痺れたのか、貧血なのか?)
その他にも、クライマックスの3人での「闘茶」は、ワクワクして見ていたのに、中央に座った香川さんは、石臼で茶葉を丁寧に擂って抹茶にして、日本の茶道のお手前を披露するのでこれは良かったですよ。
でもね、両側にいるチャン・チュンニンとヴィック・チョウのお茶の入れ方は、中国のパフォ−マンス的、アクロバットな動きで、静かにお茶を嗜む日本人としては、これは邪道かなとも思いました。
結局は、二人は愛し合っている仲で、最期は抱き合って仲直り(笑)
しかし、台湾のお茶畑が美しい、それだけでも見る価値があるかもしれませんね。
1. Posted by rose_chocolat   2008年09月12日 23:48
こんばんは。いつもありがとうございます。

これは結局見送ってしまう形になってしまいました。なかなかタイミングが合わなくて。。
出演者や中身的にもとても惹かれるものがあるのですが、他のレビュアーさんの感想を拝読しても、どうも今一つ評価がよろしくないようでして。。。 途中から、テーマの「お茶」を外れていってしまうのでしょうか?