2008年10月22日

ビッグ・フィッシュ(DVD)4

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ホラ話しかしない父親の本当の姿を求めた、息子が出会う真実。

自分の人生をお伽話のように語る男と、彼の家族との絆を描いた感動作です。

物語:自分の人生をお伽話のように人々に語り続ける有名な男、エドワード・ブルーム(アルバート・フィニー)。未来を予見する魔女(ヘレナ・ボナム=カーター)のこと、若き日の自分(ユアン・マクレガー)が一緒に旅した巨人カール(マシュー・マグローリー)のこと、人を襲う森とその先にある美しい町のこと。

そんな彼の話には誰もが楽しい気分になった。しかしジャーナリストとして活躍する息子のウィル(ビリー・クラダップ)は、自分の結婚式の祝宴でエドワードが巨大魚の話をして注目をさらってから、父親に憤りを抱いている。

しかしある日、母親のサンドラ(ジェシカ・ラング)から、患っていた父の容態が悪化したとの報告。ウィルは出産間近の妻、ジョセフィーン(マリオン・コティヤール)と共に実家へと向かった。

遊園地エドワードは一日のほとんどをベッドで過ごしつつも、相変わらず思い出話を語っている。

ジョセフィーンはサンドラとの恋愛話を聞かされ、そのロマンティックな内容に心を打たれた。

だがウィルはそれが事実ではなく作り話であることに苛立つ。

しかしそんな時、ウィルは、エドワードの話の中に出てきた彼の戦死を告げる電報をサンドラが見つけたことで、お伽話の中に真実が隠されていたことに気づき衝撃を受ける。

間もなくエドワードの様態は急変。人生の最期を迎えようとする父に、枕元でウィルは父の物語を豊かに創作して語って聞かせる。

そしてエドワードの葬式には、彼の物語に出てきた人々がたくさん集まってくるのだった。

巨人監督は「PLANET OF THE APES/猿の惑星」のティム・バートン。脚本は「チャーリーズ・エンジェル」シリーズのジョン・オーガスト。

原作はダニエル・ウォレスのベストセラー小説。撮影は「PLANET OF THE APES/猿の惑星」のフィリップ・ルースロ。音楽は「PLANET OF THE APES/猿の惑星」「シカゴ」のダニー・エルフマン。美術は「オー・ブラザー!」のデニス・ガスナー。

編集は「PLANET OF THE APES/猿の惑星」「トリプルX」のクリス・リーベンゾン。衣裳は「シカゴ」のコリーン・アトウッド。

出演は「スター・ウォーズ」シリーズのユアン・マクレガー、「背信の行方」のアルバート・フィニー、「あの頃ペニー・レインと」のビリー・クラダップ、「私は『うつ依存症』の女」のジェシカ・ラング、「PLANET OF THE APES/猿の惑星」「記憶のはばたき」のヘレナ・ボナム=カーター、「スパイキッズ」シリーズのスティーヴ・ブシェミ、「オースティン・パワーズゴールドメンバー」のダニー・デヴィート、「マッチスティック・メン」のアリソン・ローマン、「銀幕のメモワール」のマリオン・コティヤールほか。(作品資料より)

yuann<感想>ティム・バートンは映像を駆使して饒舌に語る抜群のストーリーテラーである。

うさんくさい話を語るのが大好きな主人公エドワードの物語を、二重進行で描く。

一つは、死期が近づく彼とその家族との現在。もう一つは、彼がこれまで語ってきた自分のエピソードだ。

いかにも作り物な魚が水中を泳ぐ冒頭。ぎこちない動きを捉えながら、その怪魚についてナレーションが流れ始める。

誰にも捕まえることのできない伝説の魚が、自分の金の指輪で釣れた__エドワードの話は、どれも非現実的な内容。

息子のウィルは、ホラ話ばかりしかしない父親を疎んじ、結婚してパリに住んで3年も疎遠になっていたのだ。

その息子夫婦が、父親の病状が悪化したため、アラバマの実家に戻ってきた。

jyesika,ranngu逸話部分をファンタスティックに描いて、バートン印を堪能させ、現実の部分で普遍的な家族愛を伝えている。

これまでのバートン作品、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」、「スリーピー・ホロウ」のような闇ではなく、光のファンタジーなのだ。

この作品がバートンによって作られたことが嬉しい、とっぴな物語をイマジネーション豊に映像に刻む力がなければ、ただのホラ吹きオヤジと、父に手厳しいマジメ息子との、感動的な親子ドラマで終っていたのだろうから。

 

温かい涙が流れるのは、親子愛が素晴らしいことよりも、人間は誰しも物語を求めずにはいられないという真実を、この映画が一つの物語として説いているからでしょう。

 

旅や出会い、恋愛や結婚、仕事に至るまで、すべては自分の物語づくりとして生きるのだということを。

花畑そして、創造する喜びが画面いっぱいに伝わってくる。

CGを多用せず、水仙畑をはじめとする手作り感覚の背景をこしらえた結果、ぬくもりのある映像が誕生したのですね。

桃源郷の町、サーカス団、戦地の慰安舞台など、お祭り騒ぎのファンタジーは愉快だし、人間の死に際を瞳に映す魔女、車ごと水に沈めてしまうもの凄い嵐など、描写のユニークさにはこと欠きません。

 

なかでも、サーカス団長を演じるダニー・デヴィートが正体を見せる場面は、頭のなかでフィルムを巻き戻しながら再三楽しめるのも嬉しい。

車が木にデヴィート以外にも、スティーヴ・ブセミが行き当たりばったりの詩人を演じていたりして、随所に心躍らせるキャステイングも憎いですね。

 

回想シーンでエドワードの青年期から、中年期を演じたユアン・マグレガー。

現実離れしたエドワードの冒険シーンでは、いかにもバートンらしく、巨人やオオカミ、そしてどでかい魚などがたくさん登場する。

とてつもない話からバートンが、真のペーソスを醸し出すのに成功したのは、マグレガーの演技に負うところが大きい。

魔女その老年期を演じるアルバート・フィニーは、ホラ話に凄みとタヌキぶりを滲ませて、熱演に成功している。

クラダップ演じる息子に「ニセ者」と言われても動じない図太さがピッタリなのだ。

そのフィニーを前にしては、クラダップは線が細すぎて存在感がいまひとつで、まぁ〜、それも狂言回しとしての役割かもしれませんね。

クライマックスの川のシーンでは、夢の憧憬としては脳裏にズシリと刻まれること間違いない。

エピソードの信憑性などとは関係なく、フィニーが演じる老い衰えたエドワードの切なく感動的なシーンに、これほどまでに素直な感動を呼び、胸をつかれる作品はないだろう。

herena父と子の複雑な心の葛藤が描かれており、深い感動を呼ぶストーリーに不思議なお伽噺を融合させた点に、最後にはうまくしてやられたって思いましたね。

 

追記:目を見た人間に死の瞬間を見せる魔女役を演じた、ヘレナ・ボナム・カーター、「猿の惑星」が縁で結ばれた彼女。

この映画のアラバマでの撮影が始って最初の週に、バートン監督の子供を妊娠していることに気づいたそうです。

 

それと、ウィルの出産間近の妻役で、マリオン・コティヤールが、出産シーンを演じています。本作品でハリウッドデビュー。

「ロング・エンゲージメント」ではセザール賞助演女優賞を獲得。そして、タイトルロールの熱演が光った「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」は各映画賞で大絶賛され、アカデミー賞で主演女優賞に輝いた女優さんです。



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この記事へのコメント

2. Posted by パピのママ   2008年10月27日 16:08
ゆかりんさんへ・・・こんにちは、本当にコメント有難う!(^^)!
ティム・バートン監督作品って、好き嫌い別れると思うのですが、私は大好き派の方です(*^。^*)
この作品は、バートン監督もちょうどお父さんが亡くなり、ビリーが演じたウィリアムのような関係だったそうです。
「落下の王国」を見て、急に思い出し鑑賞となったわけです。
私の方は、いつもTBばかりですみません^^;
これからも、よろしくお付き合い下さいませ
1. Posted by ゆかりん   2008年10月22日 17:35
こんにちは♪
ちょうど祖父が亡くなった頃に観た作品でとても思い入れがある素敵なお話でした。
ずいぶん前に観たのでパピのママさんのレビューを読ませていただいてまた観たくなりました〜