2008年11月15日
僕は君のために蝶になる
君には未来がある。でも、僕には、これが最後の恋。叶わなかった幸せな未来。
伝えられなかった大切な言葉。だから僕は、もう一度君の傍に__。
物語:大学時代、エンジャは片思いを実らせ人気者アトンとつき合い始めるが、彼には恋人がいた。
そのことが原因で喧嘩別れをしたエンジャをバイクで追いかけていたアトンは事故を起こし帰らぬ人となる。
3年後、エンジャは弁護士事務所に就職したものの心は抜け殻のようで、精神安定剤が手放せない日々を送っていた。そんな彼女の夢に死んだはずのアトンが現れ、かつてのように「君は僕を本当に好き?」と問いかける。
台湾の人気ユニットF4のヴィック・チョウ待望のスクリーン・デビュー作は、死んでも尚、愛されたという証しを求めてさまようロマンチックなゴーストストーリーだ。
脚本は『ラヴソング』のアイヴィー・ホー、ヒロインには『ドラゴン・キングダム』のリー・ビンビンを迎え、メガホンをとったのは香港映画界切っての個性派ジョニー・トー。『ザ・ミッション 非常の掟』『エレクション』などでアクションや男たちのドラマを描き、ハードボイルドな手法を得意とするトー監督が、シリアスな恋愛映画に、しかも広東語ではなく北京語で挑んだ画期的な本作。幸福な思い出があれば、人は憎しみや悔恨から解放されるのだと気づかせてくれる。(作品資料より)
3年前の悲劇が引き金となって薬に頼る生活を送り、新たな恋にも踏み出せないエンジャ。
何となく、トー版「ゴースト/ニューヨークの幻」ともいえる本作だが、見えてはいけないものを見てしまう主人公を描いている。
アトンは若い、社会に出る前なので精神的にも未熟で、彼みたいな性格だったら、いろんな女性と遊んだり、付き合ったりするのが普通だと思う。あまり関心はしないけど、愛されているかを知ろうとする彼は、執着し続け、結局成仏できないでエンジャの前に現れることってあると思う。
霊魂ってきっと死んでも死に切れない思いや、恨み辛みがあるとやはり出てくるのではないかしら。それは、一番思っている人にしか見えないのだから。
でも、この映画では何故だか、アトンは傷だらけでエンジャの前に現れる。その後は綺麗な顔になっていたけれど。
お父さんだって、警察官という職業柄、自分の息子には厳しく当たると思う、映画でなくても実際にそんなお父さんいっぱいいるものね。
大学2年で家を出て以来、父親とは冷え切ったまま復縁する機会を失っていたアトン。その父親のことも気がかりだった。上手い具合にエンジャの前にシューという男が現れて、アトンの父親と仲良くなり一緒に住むことになるわけで、・・・。
シューもエンジャを好きになり、その思いは、周囲に迷惑をかけることでしか彼女の気を惹くことができない。
それに、怒ったエンジャを追いかけて、今度はシューが交通事故にあってしまう。
手術室の前で待つ、エンジャとアトンの父親、・・・3年前の悪夢が甦る。
もう、全体に暗い印象です。本当だったらかなりしつこくて、ストーカー、ネクラの男かななんて想像しましたが、見ているうちに愛した記憶はあるのに、愛されたという確証が不安定な男、はっきりと愛していることを確かめたい。
本気で恋をしてしまった男。女の方は、目の前で交通事故で死に、心にまだ愛がくすぶっている。お互いに相手に未練を残したまま、心の傷を癒せずにいるふたりが再会し、確かめたかった言葉を探す。
そして、新しい人生を見つけていく。
ラストでは、死者の魂を象徴する黄色い蝶が舞うシーンは美しく、やっと安息を得たという永遠の別れ、見ていて強く印象に残るシーンでもあります。
ちなみに、本作のタイトルであり、キーワードでもある蝶は、死者の魂の象徴であるそうです。
それと同時にキリスト教では、“復活”の意味もあるという。
それだけに、現世に想いを残したアトンと、トラウマから立ち直っていくエンジャの2人を表わしただけでなく、息子に対する後悔から次第に癒されていくアトンの父親も含んだ、ダブル・ミーニングになっているのですね。
アトンを演じたヴイック・チョウは、今年日本で公開された「闘茶〜tea fight」で香川照之さんと競演しております。
さらに、トー作品の常連、オヤジ俳優たちの魅力が際立っているんです。
本作でもエンジャの父親を演じているラム・シューに、精神科医を演じたロイ・チョン。なかでもヨウ・ヨンが演じたアトンの父親は、エンジャとアトンも霞んでしまうほどの存在感があったように見えましたもの。
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この記事へのコメント
ヴッィク・チョウ〜男前ですよね、でもあんなに愛されてもね、しつこく最初は追いかけて、見ていて本当に事故に遭うと思ってましたよ。
他にも女がいたしね、死んでからも幽霊で出てくるなんて、それも3年後になんてね。
でも、最後の天国へと蝶が舞うシーンは感動しました。
僕は君のために蝶になる見ました
ヴッィク・チョウのファンです
ちょっと怖かったけど愛しすぎたのね
あの傷が怖かったわ
少しウルウルシーンもありで楽しめました
映画が大好きなモアです
レッドクリフも見ました 迫力満点ですごい人数で見ごたえがありました
part2も楽しみです
今度は来週は私は貝になりたいを観に行きたいと思っています
また寄せていただきますね