2010年07月02日

告白4

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物語は【告白】で始まり、【告白】で繋がり、【告白】で終わる。

09年本屋大賞に輝き、上半期単行本フィクション部門第1(日販調べ)を記録したベストセラー、『告白』(湊かなえ/双葉社)。「生徒に娘を殺された」という女教師の告白からはじまり、殺人事件に関わった登場人物たちの独白形式で構成される物語は、虚実入り混じり、驚愕・戦慄・唖然の連続。そのショッキングすぎる内容から賛否両論&話題騒然となった衝撃作が、まさかの映画化!!

物語:ある中学校の教師(松たか子)が、終業式のホームルームで不気味な告白を始める。数ヶ月前、自分の幼い娘(芦田愛菜)が校内のプールで溺死した事故は、じつはこのクラスの中の2名による殺人だったというのだ。

そんな衝撃の事実を知らされながらも、まるで深刻にうけとめず、好き勝手に騒ぐばかりのこの崩壊学級の少年少女たち。だが教師は少しもひるむ事無く、次に告げた「ある事実」により、全員を凍りつかせてしまう。

監督をつとめるのは、独創的な映像感覚と確かな演出力で、『下妻物語』『嫌われ松子の一生』『パコと魔法の絵本』などの大傑作を生み出してきた、天才・中島哲也。

主人公・森口悠子を演じるのは、『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』であらゆる映画賞を総なめにし、いま最も注目される女優・松たか子。

また、熱血すぎてウザい新人教師役に岡田将生、殺人犯の過保護すぎる母親役に木村佳乃、そして全国1000人以上のオーディションで選ばれた1B組の生徒たち=37人の13歳が出演する。(作品資料より)

kokuhaku<感想>はい、この映画もだいぶ前に鑑賞したものです。原作は読んでいませんが、やはり興味津々で鑑賞となりました。

いまどきの中学生って、教室ではこんなに自由に、先生の話など聞かずに思い思いのことをしている。

あんたは「古い、時代は変わっているんだ」な〜んてね、って言われるかもしれませんが、私は中学、高校と女子校で学んだので、規則が厳しいかったし、授業中はひたすら黒板を見詰め先生の話を聞いてましたね。

映画と言ってしまえばそれまでですが、確かに物が氾濫して、親が子供に何でも買ってあげて、少子化で子供が一人っ子が多くて、両親が子供を過保護化して、だからって訳でもないが、こういう問題児が多くなってしまったのでしょう。

告白、113歳、今頻繁に起きているいじめや、自殺、それに見境のない殺人など、少年法で守られた子供たちが、平気で人を傷つけ、一方では自己防衛とでもいうのだろうか、自分が被害者にならないために巧妙に立ち振る舞う。

中学生のそんな殺人がマスコミで報道されるたび、自分の子供になぜもっと愛情をもって、躾や、教育、命の尊さを教えてあげないのだろうか。

しかし、物語としてはちょっと異質ですよね。特に3人の母親ですかね。

可愛い一人娘を生徒に殺された森口先生。娘の父親はエイズに侵されていて、結婚してなく、つまり亡くなった娘もエイズに侵されているのですよね。

その娘が、授業が終わるまで保健室で遊ばせていた時に、プールに落ちて溺れて死んだそうです。これは働く母親として、3歳の娘を職場に連れて来てここは安全だからといって、少しの時間だから遊ばせておくというのもいけませんね。

そんな娘を溺愛している母親、森口先生は、娘の死因を不審に思い推理する。

告白、5そして突き止めたんですね。娘を殺された恨みを晴らすべく最後の授業に、生徒の中に犯人が二人いると告白するところから始まります。

それも、犯人の名前も名指しでいい、二人の少年A、Bの給食の牛乳の中に、娘の父親のエイズ患者の血を混入させたと言う。
恐ろしいですね、母親の怨念なのか殺した娘の仇を取ってやろうという、森口先生の復讐劇が始まります。

犯人Bの少年、学校ではいつも友達から「死ね、死ね」とケータイのメールに打ちこまれ、それでも学校へ通っている。

父親は単身赴任をしているらしく、家には母親と息子の二人で住んでいる。一軒家で中々良い暮らしをしているし、母親もパートに出ているわけでもなく、ひたすら一人息子の将来を夢見て期待している。

告白、木村佳乃だからなのか、息子が学校で友達にいつもいじめをうけていたことさえ気づかないし、担任の先生が訪問しても取り合わない。
森口先生の告白の後、息子が登校拒否を続けて家に引きこもり、風呂も入らず汚い身なりで髪の毛は伸びっぱなしである。

息子は、もう自暴自棄に陥っており、精神的にも真ともではない。息子が森口先生の娘をプールに突き落としたのは事実であり、確かに少年Aがスタンガンの付いたポシェットを森口先生の娘がさわって気絶した。だが死んではいなかったのに、抱きかかえてプールへ落とした。

まさか自分の子だけは、なんて自信過剰な母親を、木村佳乃さんが奇麗な洋服を着て化粧もばっちりして、自分の子供が他人様の子供を殺してしまったという実感もなく、果物ナイフで息子を殺そうとするなんて。

だが、近頃の男の子は体力がある。反対に母親を何度も刺して殺したのだ。この息子は母親を愛していたのだろうか?もうそんな判断も付けないほど心が病んでいたのだろう、哀しいですね。

もう一人の少年Aは、優秀な科学者である母親と平凡な父親との間に生まれ、母親が息子に自分の優秀な血を引いているのだから、と期待されて育てられ、学校に入ると自分より息子の頭が劣っていることが分かると母親を放棄して家を出ていく。その後は、父親が再婚をして息子はガレージに住まわせられる。

だからなのか、少年Aは、産みの母親に執着して自分が優秀なことを見せつけるように猛勉強し、理科の実験で優秀賞をもらう。それも母親に褒めてもらいたいばかりに。

告白、松たかこ森口先生の告白の後、少年Aは学校にいっても皆からいじめにあい、それでも女の友達ができ、その女の子をいとも簡単にを殺してガレージの冷蔵庫の中に入れて置く。

そして、卒業式の日に自分が作った爆弾で、全校生徒を殺してしまおうと計画する。
この計画も、全て森口先生のお見通しで、この爆弾は別の場所へと移される。

それは、少年Aの産みの母親のところなのだ。最後の少年Aが、爆弾のスイッチを押す時に、自分諸共爆破しようとしたようだが、前もって置いた場所に爆弾がないのだ。

何度もスイッチを押したようだが、すでに母親は爆死したようである。そのことを、森口先生が話すのですが、「人間が一番愛している人を亡くしてしまうという悲しさ、喪失感を味わって欲しかった」な〜んてね!・・・なんて言葉で片付けられても、どうしようもない苛立ちと、衝撃で頭を打ちのめされた感じがしました。

森口先生の復讐劇と、それからの犯人少年AとBの生き様は、人殺しの連鎖をよび、突発的に、衝動的に人間を殺めてしまう恐ろしさはぬぐえない。

時代は変わってしまったのだろうか、教職者としての森口先生はただの復讐の鬼になってしまったのだろうか。家族とは、人間の命とはそんなに軽い存在なんでしょうか。この映画を観終わって虚しさだけが残ったのは私だけだろうか?

 



papikosachimama at 18:33│ 2010年劇場公開作品、鑑賞 | か行・が行の映画

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6. 告白 (松たか子さん)  [ yanajun ]   2010年07月07日 22:29
映画『告白』は、『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』などで有名な中島哲也監督が、2009年本屋大賞を受賞した湊かなえ氏の同名小説にほれ込んで映画化した作品です。松たか子さんは、主演の教師・森口悠子 役で出演しています。先日、劇場に観に行きました。●導入部...
5. 告白  [ 我想一個人映画美的女人blog ]   2010年07月07日 21:35
ランキングクリックしてね{/heratss_blue/}{/hikari_blue/} ←please click 去年、本屋大賞受賞した、湊かなえの同名ベストセラー小説の映画化{/ee_3/} 本は読んでないんだけど、 娘を殺された教師が教室で、犯人はこの中に二人いる。と告白。 それだけでもう既に面白い...
4. これが私の復讐です〜『告白』  [ 真紅のthinkingdays ]   2010年07月07日 21:11
 ある中学校。終業式当日の教室で、1年B組の担任教師・森口悠子(松たか子) が告白を始める。  「娘の愛美は事故死などではなく、この??.
3. 告白/松たか子、岡田将生、木村佳乃  [ カノンな日々 ]   2010年07月07日 21:09
湊かなえさんの原作小説はハードカバーで平積みされていた頃から気になっていたんですが、文庫本になったら買おうかなと保留。2009年の本屋大賞を受賞したときにやっぱり買ってしまおうかなと思ったんですけど、これを何とかやりすごしたら案の定映画化されることに。それな....
2. 「告白」 人間の本質は自己中心性  [ はらやんの映画徒然草 ]   2010年07月04日 05:53
ほんとすごい作品だと思う。 本作に登場する登場人物は子供から大人までほとんどが自
1. 告白  [ LOVE Cinemas 調布 ]   2010年07月02日 21:43
2009年の本屋大賞・湊かなえの同名ベストセラー小説を映画化。自分の教え子に愛娘を殺されたとある中学校の女教師がそれをクラスで発表し徐々に復讐をを始める…。主演は『ヴィヨンの妻 ??桜桃とタンポポ??』の松たか子。共演に『重力ピエロ』の岡田将生と『キラー・ヴ...

この記事へのコメント

2. Posted by パピママ   2010年07月13日 22:17
5 えいさんへ・・・いつもTBありがとうございます。
コメント入れて下さって、返事が遅くなりごめんなさい(-_-;)
内容が考えさせられる作品だったもので、ついのめり込んでしまいました。
もしかして、全部森口先生の妄想だとおもってしまえば、あの「なん〜てね」と言う言葉に引っかからなかったと思います。
1. Posted by えい   2010年07月07日 23:20
こんばんは。
あの「な〜んてね」ですが…。

もしかしたら、
この「爆弾」の「告白」は少年Aを絶望に追いやるためであって、
実際は、爆弾を仕掛けてはいないから出た言葉なのかも、
(いわゆる「なんちゃっておじさん」)
などとも思いました。
でも、いずれにしろ衝撃的な映画でした。