2010年07月07日
エルム街の悪夢
夢の中で人間を襲う殺人鬼フレディ・クルーガーが人気を集めたホラー・シリーズが、装いも新たに映画化。
物語:郊外にあるエルム街に住む10代の若者たち―ナンシー、クリス、クエンティンら若者たちは、ある頃からみな一様に同じような不気味な悪夢にうなされていた。
それは、赤と緑のストライプのセーターに、焼けただれた顔のやけどを隠すフェドーラ帽をかぶり、指が鉄の爪を持つ男(ジャッキー・アール・ヘイリー)が襲ってくるというもので、夢の中で彼に傷つけられると、それは目覚めた時に現実の傷になっているという怪奇現象を起こしていた。
夢を見た若者の一人ディーンが犠牲者となり悲惨な死を迎え、同じ夢に悩まされていたナンシー、ジェシー、クェンティン、クリスの4人は、生き延びるには眠らずにいるしか無いと知る。
今回フレディを演じるのは、ロバート・イングランドに替わり『リトル・チルドレン』でオスカーにノミネートされ、『ウォッチメン』のロールシャッハ役で存在感を見せたジャッキー・アール・ヘイリー。共演はルーニー・マーラ、カイル・ガルナー他。制作をマイケル・ベイが務め、監督はこれがデビューのサミュエル・ベイヤー。(作品資料より)
<感想>リメイク版「エルム街の悪夢」やロメロ監督の最新ゾンビ映画「サバイバル・オブ・ザ・デッド」はまだ地方には来ていないので観ていない。それに「ハロウィン?」も見逃してしまった。だが、いつの世もホラー人気は衰えることがないですね。
ウェス・グレーブン監督による「エルム街の悪夢」オリジナルの第1作は、1984年11月に全米公開されるや、関係者の予想を超えるヒットとなりシリーズ化されることに(番外編の「フレディVSジェイソン」まで8作品が制作された)。
この作品でフレディの犠牲者となるグレン役でデビューを飾ったのがジョニー・デップだったそうで、巷で噂になっているし、私も大ファンの一人であるジョニーの若いころの顔を見たいで「TSUTAYA」へ借りにいったが、あいにく1本しかなく借りられていた(残念)。
ここのところ毎日猛暑続きで、映画館にでも行って涼んでこようと選んだ作品がこれである。オリジナル版も知らないまま初めて観たのですが、ホラー・オカルト作品は結構好きで「ソウ」シリーズは全部観ていただけに、パンフの焼けただれた顔を帽子で隠し、右手には鉄のツメ、服は赤と緑のボーダーのセーターという殺人鬼フレディが現れるのだが、印象はあまり恐怖心を感じなかった。
屈指のホラー映画と期待してたが、こういった作品には慣れっこになっているせいもあるのか怖くなかった。最初に出てくるダイナーで、一人の客がコーヒーのお代わりをしたのに、ウェイトレスは奥へと引っ込む。何か怪しいと奥の厨房へと行くと、コンロの火は付いたままだし、いつもの怖い音響がするしで、後ろ〜、後ろに鉄の爪をした男に襲われたぞ。
しかしそれは彼の悪夢だったのだが、ディーンの手の平には切られた傷跡があるし、3日間寝ていないという。あの夢は現実だったのか?・・・眠ってしまったら殺されるにちがいない。でも睡魔にはかてないディーン。その後フレディに首を切られて殺されてしまう。まるで自殺をしたみたいに。
この殺人鬼フレディには、このように若い人たちを殺すにはきっと過去に何かあるに違いない。そう思いながら観ていると、授業中居眠りしている生徒が悪夢で起きる。高校生の間であの殺人鬼フレディが襲ってくる同じ夢を見るという。
どうやら一番奇麗な顔のナンシーが主役のようだ。お風呂へ入るシーンなんて色っぽいし、そこにも股の間から鉤爪が出てくるよ。
夢の中のシーンで、自分の寝室が雪で真白だったり、古びた幼稚園のボイラー室だったり、ナンシーが一番フレディのお気に入りだったらしく、水色のワンピースを着ている自分の胸の部分に切り裂いた跡がある可愛いナンシーが夢に出てくる。
「1、2、3、お前が鬼だ」クローゼットの中へ隠れるナンシー。そこへ隠れても見つかるよって、フレディが後ろから襲ってくるし、「エクソシスト」みたいにベットの上で天井に上がったりドサっと落とされたり、ピンクのワンピーを着たナンシー、「お前の記憶の中で、体は喜んでいる」って、ナンシーがハサミでフレディの目を突くが、「ここは俺の世界どうってことない」一度死んだ人間に刃物を刺してもダメなんだよ。
やがてこの男が、かつてこの街の幼稚園の管理人だったことが分かる。謎の焼死を遂げた彼に、何か幼かった頃の自分たちと関係があるらしいことをナンシーたちは突き止める。それは、幼稚園時代にフレディが子供たちに悪戯をしたことが発覚し、親たちがフレディを用務室に閉じ込めて火を付けて焼き殺したことが分かる。
だが実は、警察は彼の犯罪を認めていなかった。彼は無実だったのに焼き殺されその怨念が、十数年経って子供たちの夢の中に現れ復讐に戻ってきたのだろうか?
これだったらフレディの無念を晴らすという意味では、夢の中で殺人鬼となって襲うって理由で物語として納得できたのに。しかしですよ、この作品の中での殺人鬼フレディは、いわゆる幼児趣味変態の男なんですから。
大人が気がついて警察にいっても取り合わなく、仕方なく焼き殺したのだ。それで、恨みをもってこの世に出てくるフレディ。なんで彼を始末した大人を殺さないのか?・・・気になっていた。でもね、普通は4歳頃の記憶って覚えているよ、それも悪戯されたんでしょ。
ところで睡魔に襲われるし、眠らないようにと薬(覚せい剤、麻薬)を飲むクエンティン、スピード出して車が突っ込むし、ナンシーと廃墟となっている幼稚園へ行き、フレディが住んでいたと思われる部屋で鉤爪を見つけ、その奥に部屋が。
ここで二人が眠ったらフレディに殺される。ナンシーが私が眠ったら起こしてとクェンテインに頼むが、夢の中に出てくる殺人鬼とどうやって戦うのか?床にある刃物を手に待ち構えるクェンティン。だが、彼も睡魔に吸い込まれ、ボイラー室へとそこにはフレディがいた。「お前には救えないよ!」と。
ナンシー目を覚ませと、クェンティンが胸にアドレナリンを打つ。そこへフレディが現れ「死んでみるか、クソガキ!」って、フレディの手と首をぶった切ってナンシーが大活躍。悪夢は終わりねと、二人は家に帰ると母親が心配していた。ところが最後にやっぱり、壁に掛っている絵からフレディの鉤爪が出てきて、ナンシーの母親を殺してしまった。血がドッバーってね。まだまだ終わってないですから。続編あるの?
これでもかって、ド派手な映像シーンと音響で恐怖心を煽るが、ホラー映画の王道を突っ走っているだけで何か物足りなさを感じた。