ふたたび swing me again最後の忠臣蔵

2010年12月27日

リトル・ランボーズ3

リトル・ランボーズ、タイトルとびきりポップな感動に包み込んでくれる遊びごころがギッシリ詰まった少年たちの友情と絆の物語。彼らを救ったのは、愛でもなく、神様でもなく、たった一本の映画だった。

物語:1982年、イギリス郊外。ウィル・プラウドフット(ビル・ミルナー)は母、妹、祖母と暮らす11歳の小学5年生。父親はいない。プリマス同胞教会の厳格な道徳律のもとで育てられた彼は、音楽、テレビ、映画など、同年代の子供たちが楽しんでいる娯楽を一切禁じられていた。息苦しさを感じつつ過ごす日々の中で、ウィルの唯一の楽しみはノートや聖書にパラパラマンガやイラストを描くことだった。

そんなある日、ウィルは学校きっての問題児リー・カーター(ウィル・ポールター)と出会う。ウィル同様、父親のいない環境で育ったカーターは、様々な悪事を働く反面、留守がちな母親に代わって兄の朝食も作る自立した少年だった。気弱で内気なウィルと悪ガキカーター。一見対照的ながらも、似たような境遇で育った2人は、たちまち友情を築き上げてゆく。

やがて、この友情がウィルの日常を大きく変えることになる。それは、老人ホームを営むカーターの自宅で生まれて初めて見た一本の映画がきっかけだった。その映画とは「ランボー」。傷だらけで戦うベトナム戦争帰りのヒーローに、人生で最高の衝撃を受ける。すっかり影響を受けたウィルは、ランボーになりきって“僕はランボーの息子だ!”と名乗ると、カーターが制作していた自主映画への出演を宣言。こうして、2人の映画作りがスタートする……。

監督・脚本を務めたガース・ジェニングス(「銀河ヒッチハイクガイド」)の少年時代の思い出をベースに、S・スタローンにキャラクターの使用許可を得て製作された。出演は「Is Anybody There?」のビル・ミルナー。(作品資料より)

リトル・ランボーズ、1<感想>イギリス映画で、少年を主人公にした名作が誕生した。その物語は一本のアクション映画「ランボー」である。この映画に感動して感化された動物・映画で「グレムリン」って作品もあるが、それよりもまぁ、こちらの作品の方が良く出来ている。

子どもの頃、特に男の子にとっては父親の存在が大きいのだが、この子たちには父親がいない。それもウィルという少年の家は、母親に妹、それに祖母と、厳格なプリマス同胞教会という宗教の信者で、母親は何を職業としてお金を得ているのか分らないが、それなりに一軒家で食べて暮らし向きは悪くない。ただ学校では虐められ友達がいない。

リトル・ランボーズ、2そんな時、同じような境遇の問題児リー(こちらは両親がいなく、兄と暮らしている)と学校の廊下で知り合う。仲良くなった悪ガキ同士、リーの家へ遊びに行き、そこは老人ホームで奥へ行くと兄と暮らしているようで、映画のダビングをして他人に販売して小遣いを稼いでいる。

このリーという少年、初めは映画館でタバコを吸いながら、前の椅子に足を乗せて態度の悪いマセガキそのもの。万引き盗みなんて日常茶飯事。言葉使いだって、家庭環境だって知れたもんではない。あまり行儀作法も良くなく、まるで孤児みたい。とにかくそこでシルヴェスタ・スタローン演じる映画の主人公「ランボー」を見て衝撃を受けたウィル少年。彼の家では宗教じょうの理由で、映画とかテレビは一切禁止なのだ。そんな宗教ってあるか(怒)

リトル・ランボーズ、4彼は勉強は真面目ではないが、パラパラ漫画や物語を創造し描くことが大好きで、ランボーという仮想のヒーローに夢を描く。ノートや聖書(参考書だと思った)に描かれたその絵を見たリーや、フランス人の留学生のディデイエ(オカマみたいなハデな格好)の目にとまり映画を制作することになる。この学校の上級生たちは、平気でタバコを吸ったり、女子はケバイ化粧したり、近頃の小学生?、中学生は本当に躾がなってない。このシーンには腹が立った。

リトル・ランボーズ、10それにウィルの家庭の話しでは、教会の信者の男が母親と仲良くなっているのか、家に入り込んで夕食を共にし、父親の代わりをしようとする。お婆ちゃんだって歩けないのか、食事も過保護すぎだし、自分で出来る範囲はしてもいいのに。

リトル・ランボーズ、9先生たちや、親ごさんたちも見て見ぬふりしているようなそんな印象がした。それに、リーの兄の持っている映写機(家庭用ビデオだったの?)で映画を撮影するのですが、危険極まりないですからね。泳げないウィルが川に落ちて死にそうになったり、廃墟で車の免許もないのにディデエに運転させて衝突し、重油の中へ落ちるウィル。案山子のアイディアは最高でしたがね。

勝手に映画をフランス留学生と撮っているウィルに、腹を立てて喧嘩をするリー。映画だからか、ウィルが重油の中に落ち、真っ黒になり上にトタンが被さり、危く死ぬところを助けるリー。間一髪のところへ戻って来たのだ。ところがウィルを助けだしたのは良かったが、今度はリーが倒れてくる鉄柱の下敷きになり危なく命を落としそうになる。これはもうダメかと思った。

リトル・ランボーズ、6最後にリーの兄が、弟のために映画を編集しなおして短編映画として街の映画館で上映してくれたのは、よかったのですが編集に無理があるよね。

リー少年が、足の骨折ですんだものの、一つ間違えば命を落とすことになるはずだったのに、こんな内容では、少年の冒険とか感動の成長記録とか、あまり私にはそんなに心をくすぐる印象はなかったです。



papikosachimama at 23:46│ 2010年劇場公開作品、鑑賞 | ら行の映画

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この記事へのコメント

2. Posted by パピのママ   2011年01月11日 18:47
rose chocolatさんへ・・・コメントお返し遅くなりました。
いい話なんですよね、男の子の成長期というか、虐められっ子とみんなから外れている子同士が仲良く映画を撮る。
それも「ランボー」を題材にした内容。
でもね、小学生でタバコ吸ったり、化粧したり、映画館でも行儀が悪いのが気に入りません。
皆さんは高い評価でしたね。しょうがないですよね、捉え方の違いというか、感性の違いでしょうかね。
1. Posted by rose_chocolat   2010年12月30日 03:41
こういう感じ、決して嫌いではないですし、いい話だとは思うのですが、
展開が読めちゃうような感じで・・・。

成長したんですよ! って感じが見えてしまったのよね。

繰り返して言いますけど、悪くはないんですよ。 これ。 
だけど超感動という訳ではなかったです。
ふたたび swing me again最後の忠臣蔵