2011年08月10日

コクリコ坂から3

コクリコ坂から、タイトル高橋千鶴・佐山哲郎の同名コミックを原作に、「崖の上のポニョ」の宮崎駿が企画・脚本、「ゲド戦記」の宮崎吾朗が監督を担当するスタジオジブリ作品。1963年の横浜を舞台に、16歳の少女と17歳の少年の出会いと交流、まっすぐに生きる姿を描く。声の出演は「岳 ガク」の長澤まさみ、「SP」シリーズの岡田准一、「レオニー」の竹下景子、「死にゆく妻との旅路」の石田ゆり子、「八日目の蝉」の風吹ジュン。

あらすじ東京オリンピック開催を目前に控えた1963年の横浜。女系家族の長女である松崎海(声:長澤まさみ)は高校二年生。

父を海で亡くし、仕事を持つ母・良子(風吹ジュン)をたすけて、下宿人もふくめ6人の大世帯の面倒を見ている。そんな海は、同じ高校に通う新聞部の部長・風間俊(岡田准一)に心を寄せるのだが……。(作品資料より)

コクリコ坂から、2<感想>とにかく宮崎駿監督の映画が大好きで、これもスタジオジブリ作品ということでどうしようか観るのを迷った。それは息子さんで、「ゲド戦記」の宮崎吾朗が監督だということ。内容も東京オリンピック開催の前年を設定とした青春ドラマらしい。だいぶ迷っているうちに今週は観たい映画がないのだ。それで仕方なく観ようと決めた。

さすがに映像の美しさには感心しました。昭和の風景を鮮明に覚えている私には懐かしくもあり、ノスタルジックに青春時代をさかのぼる画面に、つい見とれてしまいました。横浜は東京に住んでいた頃、何度か遊びに行ったところ。山下公園にマリンタワー、ホテルニューグランド、氷川丸、桜木町駅など出てきて懐かしさが込み上げる。

コクリコ坂から、6主人公の海の家も高台にあり、祖父が開業医をしていたこともあり立派な洋館スタイルで、母親がアメリカへ行っていること。
それに下宿人は医大生や、美大生、OLにお婆ちゃんに妹が2人に弟が1人と、大世帯の面倒を見るのが長女の海の日常なのだ。
毎朝庭のポールに旗を2枚上げる海。これは亡くなった父親が船乗りだったことで、毎日航海を案じて信号旗をあげている。

コクリコ坂から、7それで主人公が高校生ということもあり、ちょうど初恋を経験する年齢でもある。
海が通う学校では、明治時代に建てられた由緒ある建物を取り壊すという学校側の意見で、生徒と学校側とで論争が起きていた。
その建物は、男子生徒たちが部活の部屋として活用している大事な建物。取り壊されたら自分たちの行き場所がなくなるし、その建物にも愛着がある。

コクリコ坂から、8その取り壊すべきか、保存すべきかの論争に海と風間が巻き込まれていく。
そんな中、二人の心に恋が芽生え惹かれあっていくのだが。風間の自転車の後ろにしがみつく海、坂道を颯爽と駆け降りるドキドキ感は海の心を表しているのだろう。

ところが二人には知らなかった秘密があったのだ。海の家へ遊びに来た風間が、彼女の部屋で見た物は、父親と友達が3人で写っている古い写真。その中の澤村という名の男に釘付けになる。

コクリコ坂から、4調べて行く内に二人の父親が同じだということに。父親の隠し子騒動に、それでは兄妹になるではないか。誰にも打ち明けられない悩みを抱える海。せっかく気持ちが通じ合っていたのに、二人の恋の行方は?・・・父親が生きていたなら直ぐにも真実を聞けたのに、海は夢の中でどうしようもない苛立ちと、それでも現実を受け止めねばならない心の葛藤で苛立ち、風間も真実を知りたいと父親に本当のことを聞く。

そんな中、カルチェラタンを取り壊さないように理事長に会いに東京へと3人で行く。3人の話を聞き、その建物を見に行くことが決定。それも海の父親の話が理事長の心を動かしたのだ。

二人の父親のことも、終戦後の時代にはよくあったことで、友人である海の父親が風間の本当の父親、立花が戦死したことで生まれた息子を海の父親が、風間という友達に託したことを知る。これで、二人は兄妹ではなく、これから将来愛を育むことだってできるはず。

コクリコ坂から、3そんな若い二人の初恋を描く物語ではありますが、主人公の海は家の家事全般を引き受けて、朝はご飯としじみの味噌汁にハムエッグに納豆、お昼の弁当のおかずには卵焼きに赤いウィンナー、夕食もカレーライスや鯵のフライとか、いつも思うのだがジブリの作品の中ではよく食事シーンが出てくる。
一番印象にあるのは、「崖の上のポニョ」の大きなハムの乗ったラーメンですね。

コクリコ坂から、1内容は、大人向けの青春の甘酸っぱい思い出がする、昭和の時代を背景に細かく描かれた当時の風景が、・・・船が行き交う海の青さ、舗装されていない横浜の坂道とそこに立ち並ぶ家々、人と車とごった返した商店街など、見所は手書きならではの温かさのこもった絵を見ているようで、セピア色した昔の古めかしいフイルムを見ているようなそんな錯覚を覚えさせてくれる。
流れる音楽も坂本九さんが歌う「上を向いて歩こう」が2度も使用されて、震災後TVで何度か聞いた曲で癒された。ちなみに私は、「見上げてごらん夜の星を」の方が好きです。アメリカでもスキヤキソングで有名な曲ですね。

しかしながら、館内は夏休みということもあって子供連れで混雑して、その中でも小さな小学生とかが目立つ。ジブリ作品というと、今まで子供達に冒険心や夢のある映画を作って来たように思う。この作品がダメだというわけではないが、子供たちがツマンナサそうで、時折りあちこちで母親に小声で囁く子供達。親には満足でも一緒の子供達には厭きてくる。またきっと子供達の喜ぶ作品を作ってくれることを、これからのスタジオジブリに期待したいです。



papikosachimama at 20:20│ 2011年劇場公開作品、鑑賞 | か行・が行の映画

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★★★★  序盤はやや分かり辛かったが、中盤からは俄然面白くなってきた。そして感動の終盤には、知らぬ間に熱い水が私の頬を濡らし始めたのである。  ジブリの作品としては、珍しく主人公が高校生であり、ストーリーもファンタジックな要素を排した現実的な展開であった
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7. コクリコ坂から  [ LOVE Cinemas 調布 ]   2011年08月12日 19:37
1980年に「なかよし」に連載された同名漫画を『ゲド戦記』の宮崎吾朗監督が映画化。企画・脚本を父親の宮崎駿が務めている。60年代に生きる高校生の男女の青春物語だ。主人公の少女の声をを長澤まさみ、少年の声を岡田准一が演じる。共演にも竹下景子、石田ゆり子、風
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上を向いて歩くのは、希望の未来を見据え、哀しみの涙を零さないため。 「コクリコ坂から」は、東京オリンピックを翌年に控えた1963年の横浜を舞台にした、スタジオジブリによる青春アニメーション映画。 高...
5. 『コクリコ坂から』  [ 京の昼寝〜♪ ]   2011年08月12日 18:34
□作品オフィシャルサイト 「コクリコ坂から」 □監督 宮崎吾朗□脚本 宮崎 駿□原作 高橋千鶴□キャスト(声) 長澤まさみ(メル:松崎 海)、岡田准一(風間 俊)、竹下景子(松崎 花)、石田ゆり子(北斗美樹)、風吹ジュン(松崎良子)、内藤剛志(小野寺善雄)
4. 『コクリコ坂から』  [ こねたみっくす ]   2011年08月12日 17:47
スタジオジブリが目指す新しい世界観。それが故・近藤善文監督が描いた等身大の淡い恋心。 ついに鈴木敏夫プロデューサーが宮崎駿、高畑勲に続くスタジオジブリ第3の監督に宮崎 ...
3. コクリコ坂から/長澤まさみ、岡田准一  [ カノンな日々 ]   2011年08月12日 17:42
一番最初に目にした映画チラシに宮崎駿さんの寄稿が載っていたのでてっきり宮崎駿監督作品なんだとばかり思っていたら、その息子の宮崎吾朗監督の『ゲド戦記』以来5年ぶりの作品な ...
2. 劇場鑑賞「コクリコ坂から」  [ 日々“是”精進! ]   2011年08月12日 17:40
「コクリコ坂から」を鑑賞してきました1980年に『なかよし』に連載された同名コミックを、これが「ゲド戦記」に次ぐデビュー2作目となる宮崎吾朗監督で映画化した長編アニメー...
1. コクリコ坂から  [ Akira's VOICE ]   2011年08月12日 17:30
じわりじ〜んわりと効能を発揮する良作。  

この記事へのコメント

1. Posted by 健太郎   2011年08月14日 15:23
4 こんにちは。

ジブリ映画ですが、吾朗監督なので心配でした。
冒頭は学生運動臭がぷんぷんなので余計に心配でした。
ですが、駿監督の企画・脚本なせいか演出はちゃんとジブリでしたね。
てきぱきとした動き、特に調理の細かさはジブリ独特の細かさですし、カルチェラタンのごみごみした様は「ジブリだなあ」と安心しました。
話自体も、大きな山はないですが丁寧に作ってあって良かったです。