恋愛適齢期(DVD)日本列島 いきものたちの物語

2012年02月15日

サラの鍵4

saranokagi1942年にパリで起きたユダヤ人迫害事件にまつわる悲劇を描いたタチアナ・ド・ロネのベストセラー小説を映画化。
出演は「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス、「Ricky リッキー」のメリュジーヌ・マヤンス。
監督は、自らもユダヤ人の祖父を収容所で亡くしているジル・パケ=ブランネール。


あらすじ:
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、45歳で待望の妊娠をはたす。
が、報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。
そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。

夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたというのだ。
さらに、その一家の長女で10歳の少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)が収容所から逃亡したことを知る。

一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。
すぐに戻れると信じて……。
果たして、サラは弟を助けることができたのか?
2人は今も生きているのか?
事件を紐解き、サラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そこに隠された事実がジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。(作品資料より)

saranokagi,2<感想>フランスでも起きていたホロコーストの悲劇。
これは「黄色い星の少年たち」で映画化されていましたね。
第二次大戦下、1942年、パリ警察の主導で行われたユダヤ人迫害事件。
「ヴェルディヴ事件」の史実に基づく小説の映画化です。


現代を大戦時のパリの、それぞれのエピソードを交錯させながら、悲しい事実を明かしていく。

ジュリアたちが新居となるアパートの部屋が、その事件で検挙されたユダヤ人一家のものだったのではないかと疑いはじめる。
アパートが不正に入手されたのではと疑うジュリア。調査で、アパートには1942年までユダヤ人少女サラの一家が住んでいたことが分かる。収容所の死亡者名簿にサラと弟の名前が無いことを突き止めるジュリア。

saranokagi,3サラは幼い弟を納戸に隠し、鍵を閉めたまま両親と共にパリの競輪場へ。その後収容所へと移送されるのだが、脱走する。事情を知っている養父を問い詰めたジュリアは、衝撃に事実を知ることとなる。そしてサラのその後の足取りを辿る。

ジュリアがサラの事を調べていく内に、夫との間にも諍いが起こり深い溝が、「真実を知って、誰かがより幸せになるのか、世界が今よりも良くなるのか」と言う夫の言葉に、思わず胸をドンと付かれる。


真実を調べて傷つく人だっていることを、真実を知らないでおくほうが幸せなのかもしれない。私は真実をしつこく調べるよりも、このまま知らない方がいいのではと、別に臭い物に蓋をしろと言うのではないが。

saranokagi,4この作品では、これでもかとサラの足跡を辿っていきます。
それは必ずしも幸せな生活を送ったサラの生涯とは思えません。
弟を自分の不注意で死なせてしまった自責の念と贖罪の日々、そのことを死ぬまで悩み懺悔し、自殺に至ったことを思うと、悲しみが増すばかりです。


ジュリアが、サラの息子がイタリアにいることを知り、身重の体で訪ねますが、息子は人違いだと事実をまったく知らなかったのですね。
真実を知らされて、驚き哀しむ息子の痛々しさ。

観終えた後に残る、サラの人生の懺悔の日々を思うと、居たたまれなくなるほど哀しみが込み上げてくる。
saranokagi,5彼女が悪いのではないことを。


それでもジュリアが、夫の反対を受けても子供を生むことにしたのは、大いに喜ばしいことで、生まれた娘に“サラ”と名づけたのは、命の繋がりを感じ安堵の安らぎを得た。


 久しぶりにくる天人気ブログランキングに挑戦しています。
  良かったら押してね!    http://ranking.kuruten.jp/rankin.php"



papikosachimama at 19:28│ 2012年劇場公開作品鑑賞 | さ行・ざ行の映画

この記事へのトラックバック

21. サラの鍵  [ 新・映画鑑賞★日記・・・ ]   2012年07月17日 13:22
【ELLE S'APPELAIT SARAH】 2011/12/17公開 アメリカ 111分監督:ジル・パケ=ブランネール出演:クリスティン・スコット・トーマス、メリュジーヌ・マヤンス、ニエル・アレストリュプ、エイダン・クイン、フレデリック・ピエロ ただ、伝えたい。決してあなたを忘...
20. DVD:サラの鍵  ヴェルディヴ事件を追う女性記者が、少女サラを通して辿り着く真実とは。  [ 日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜 ]   2012年07月14日 16:43
1942年、ナチス占領下のパリ。 ユダヤ人一斉検挙がフランス警察によって行われ、競輪場に集められ迫害を受けた後、収容所に送り込まれ 死に追いやられていた。 この重い事実をネタにした映画(ヴェルディヴ事件) 最近でいうと「黄色い星の子供たち」 LA RAFLE(2011-07-...
19. 映画『サラの鍵』を観て  [ kintyre's Diary 新館 ]   2012年07月07日 11:07
11-86.サラの鍵■原題:Elle s'appelait Sarah(英題:Sarah's Key)■製作年・国:2010年、フランス■上映時間:111分■字幕:斎藤敦子■料金:1,800円■鑑賞日:12月17日、新宿武蔵野館(新宿)□監督・脚本:ジル・パケ=ブレネール□脚本:セルジュ・...
18. サラの鍵  [ いやいやえん ]   2012年07月05日 17:44
フランスでユダヤ人が迫害されていたという事実。そういう事実があったことは知ってはいましたが、詳しくは知らなかった自分が恥ずかしいですね。とてもよく出来ている作品でした。 現代、ジャーナリストのジュリアは、夫が祖父母から譲り受けたアパートに、かつてユダ
17. サラの鍵  [ 映画とライトノベルな日常自販機 ]   2012年03月29日 11:31
★★★★★4.5“二人の女性の人生が時代を越えてつながっていく運命の不思議さに魅せられます” 映画は現代を生きるジュリアと、ヴェル・ディブ事件やその後のサラが交互に描かれています。 ベルトランはジュリアに“家族がアパートに関する真実を知ることを恐れている”と話
16. サラの鍵  [ ルナのシネマ缶 ]   2012年03月05日 23:04
ナチス占領下でのフランス警察による ユダヤ人迫害の ベルディブ(冬季競輪場)事件は あまり知られていないですよね。 こんな悲惨な事があったんですね。 サラと弟がどうなったのかが ミステリー感いっぱいで かなりハラハラします。 1942年、ナチス占領下のパ
15. サラの鍵  [ ケントのたそがれ劇場 ]   2012年02月29日 17:02
★★★★  パリ住まいのアメリカ人女性記者ジュリアは、40代半ばで妊娠するのだが、喜ぶと思っていた夫の反対に失望する。そんなときにある取材がもとになって、1942年に起ったナチによるユダヤ人迫害事件に興味を持ちはじめるのだった。 また偶然にも、夫の父が住ん
14. サラの鍵  [ 心のままに映画の風景 ]   2012年02月27日 02:55
1942年、ナチス占領下のパリ。 フランス当局によるユダヤ人一斉検挙が始まり、10歳のサラは、弟を納戸に隠して鍵を閉める。 一家はヴェルディヴに連れていかれるが…。 2009年。 パリに暮らすアメリカ...
13. 『サラの鍵』  [ ほし★とママのめたぼうな日々♪ ]   2012年02月23日 08:12
劇場鑑賞は逃してしまったのですが 先日、自宅で『黄色い星の子供たち』を観ました。 鑑賞後、ネッ友さんのレビューを読ませて
12. 『サラの鍵』:第18回大阪ヨーロッパ映画祭  [ だらだら無気力ブログ! ]   2012年02月19日 02:11
素晴らしくて見応えのある作品でした。
11. *『サラの鍵』* ※ネタバレ有  [ 〜青いそよ風が吹く街角〜 ]   2012年02月18日 15:37
2010年:フランス映画、ジル・パケ=ブレネール監督、タチアナ・ド・ロネ原作、クリスティン・スコット・トーマス、メリュジーヌ・マヤンス、ニエル・アレストラップ、エイダン・クイン出演。 ≪【第18回(2011年)大阪ヨーロッパ映画祭】先行上映にて観賞≫
10. 【サラの鍵】ヴェル・ディブ事件の爪痕を開く鍵  [ 映画@見取り八段 ]   2012年02月18日 01:56
サラの鍵 〜 ELLE S'APPELAIT SARAH 〜 監督: ジル・パケ=ブランネール    出演: クリスティン・スコット・トーマス、メリュジーヌ・マヤンス、ニエル・アレストリュプ、フレデリック・ピエロ...
9. サラの鍵(2010)◎ELLE S'APPELAIT SARAH  [ 銅版画制作の日々 ]   2012年02月18日 01:22
 ただ、伝えたい。決してあなたを忘れなはしないと。 評価:+8点=88点 ジュリアとともに、私もサラの足跡を旅した気分。ジャーナリストでもないし、サラとは無縁だけど、こうして作品と出会ったことで何かサラという少女が身近に感じられた。 10歳という年で...
8. サラの鍵 ELLE S'APPELAIT SARAH  [ まてぃの徒然映画+雑記 ]   2012年02月18日 00:16
『黄色い星の子供たち』と同じ、フランスのユダヤ人迫害事件「ヴェルディヴ事件」を題材にした作品。 1942年7月の早朝、突然警官がアパートを訪れ、スタジンスキ一家をはじめユダヤ人を連行する。サラ(メリュジーヌ・マヤンス)はとっさに弟ミシェルを納戸に隠し鍵をか...
7. 『サラの鍵』  [ ラムの大通り ]   2012年02月17日 22:50
(原題:Elle s'applelait Sarah) ----これって、去年の東京国際映画祭で話題になった映画だよね。 「うん。周りで観た人のほとんどがベストとして推していた。 それを裏付けるかのようにこの作品は、 最優秀監督賞と観客賞をW受賞している。 さあ、どんな映画だ...
6. サラの鍵  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2012年02月17日 18:07
 『サラの鍵』を銀座テアトルシネマで見ました。 (1)この映画は、以前見た『黄色い星の子供たち』で描かれたのと全く同様の事件(注1)を取り扱った作品で、そちらがかなり実録ベースであるのに対して、こちらはフィクション仕立てになっています(注2)。  そして、そ...
5. 『サラの鍵』試写 (2回目鑑賞)  [ Nice One!! @goo ]   2012年02月17日 14:58
昨年、第23回東京国際映画祭にて鑑賞した時の感動が忘れられずに、今もずーっと心に残る作品。 ようやく今週末、12月17日より一般公開となります。 まるで自分のことのように嬉しくて仕方がないのです。 そのサラに、ジュリアに、早く逢いたくて、試写会に行って来まし...
4. 【TIFF 2010】『サラの鍵』 (2010) / フランス  [ Nice One!! @goo ]   2012年02月17日 14:58
原題:Sarah's Key / ELLE S'APPELAIT SARAH 監督:ジル・パケ=ブレネール 原作:タチアナ・ド・ロネ 出演:クリスティン・スコット・トーマス メリュシーヌ・マイヤンス ニエル・アレストラップ エイダン・クイン 公式サイトはこちら。(2011年12...
3. 現在、過去、真実 〜『サラの鍵』  [ 真紅のthinkingdays ]   2012年02月17日 11:06
 ELLE S'APPELAIT SARAH  1942年7月、パリ。フランス警察が何千ものユダヤ人を逮捕し、屋内競技 場に収容した日。少女サラは弟ミシェルを納戸に匿い、鍵をかけた。  2009年、夫と娘の3...
2. サラの鍵/Elle s'appelait Sarah  [ LOVE Cinemas 調布 ]   2012年02月15日 23:42
世界中で300万部を売り上げたタチアナ・ド・ロネが原作。フランスで起きたユダヤ人迫害事件「ヴェルディヴ事件」をテーマに、過去事件迫害を受けた少女の生きた軌跡を現在に生きるジャーナリストの女性が追いかける形で、現在と過去をかわるがわる描きながら物語が進行してゆ
1. サラの鍵 /ELLE S'APPELAIT SARAH /SARAH'S KEY  [ 我想一個人映画美的女人blog ]   2012年02月15日 20:48
ランキングクリックしてね ←please click 第23回東京国際映画祭にて監督賞と観客賞を受賞 KLYさんのお誘いで公開前に試写で観ていたんだけどupが遅れちゃってた。 17日から公開中 タチアナ・ド・ロネによる世界的ベストセラー。 「黄色い星の子供...
恋愛適齢期(DVD)日本列島 いきものたちの物語