2013年11月27日
スティーブ・ジョブズ
2011年に死去したアップルの創設者、スティーブ・ジョブズの生涯を描く。大学を中退し禅や仏教に傾倒しながらも、無為の日々を送るジョブズは、親友のウォズニアックの趣味であるコンピュータに興味を持つ。
2人は友人たちの協力を得て世界初の個人向けマシンApple Iを商品化。
ジョブズは自宅ガレージを改造して、ウォズニアックらとアップルコンピュータを設立する。ジョブズは社長として経営に辣腕をふるい、77年にApple IIを発売、大ヒットとなる。
25歳にして成功を手中にしたジョブズだったが、そのときから周囲との軋轢に苦しみ、挫折と栄光を味わうことになる。
若きジョブズそっくりと言われていたアシュトン・カッチャーを主演に迎え、共演はダーモット・マローニー、マシュー・モディーンらベテラン陣。監督は「ケビン・コスナー チョイス!」のジョシュア・マイケル・スターン。
<感想>小さなガレージから世界を変えたカリスマ起業家の知られざる涙。エレクトロニクスに革命をもたらした故スティーブ・ジョブズの伝記ドラマである。アップルコンピュータ創設前夜から、01年のipod発表までの時期にスポットを当てて、ありのままのジョブズを浮き彫りに見せている。
それにうり二つのアシュトン・カッチャーの成り切り振りも見ものです。
それでも、今や伝説の人物なのだが、あまり感心しない。観客を刺激し、鼓舞するタイプの作品に期待すると大いにガッカリしますから。
校庭でジョブズと初対面の女のクローズアップから、いきなりエッチ後の裸につなぐ下品さ。インド旅行の細切れモンタージュ。遅れてきた8ミリ少年のような演出に、なんだかガッカリである。
早い話が、何もかも中途半端な代物なのであります。一方では、唯我独尊のイヤな奴あんおだ。軽蔑に値する俗人として描きながら、片方では、創造的な仕事に情熱を傾け、世界を変えた偉人として称える。
IT業界の奇才をネタにしたこの手の作品では、「ソーシャル・ネットワーク」が一つのマスターピースを打ち立てたため、テーマ的にも作られるタイミングが出遅れた感が否めない。
それでも、本人に似せた俳優を集めてはいるが、形だけの模倣で、時代精神やパソコンに賭ける天才的な、閃きを描いてくれないと、不十分なデキである。
まぁ、当たり障りのない、どっちつかずの作品で、ジョブズという稀な風雲児の足跡を振り返っただけで、モデルとなった本人がすでに不在であるにもかかわらず、一般常識以上のエピソードも希薄なのもネック。
そこには人物に対する批評が足りない。面白いゴシップならネット上にあふれているのだから、美しいサクセス・ストーリーがゴールでは、さすがにツッコミ不足なのではないかしら。
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