モヒカン故郷に帰るテラフォーマーズ

2016年04月26日

ボーダーライン5

ボーダー、4メキシコの麻薬組織壊滅を目的とする特殊チームにスカウトされた正義感あふれるFBI女性捜査官が、突然放り込まれた麻薬戦争の最前線で目の当たりにする衝撃の実態をリアルかつ極限の緊張感で描き出した社会派サスペンス・アクション。
主演は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラント、共演にベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン。監督は「灼熱の魂」「プリズナーズ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ。

あらすじ:FBIの誘拐即応班を指揮する女性捜査官、ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)。
ある日その活躍が認められ、メキシコの麻薬組織“ソノラ・カルテル”の壊滅と最高幹部マヌエル・ディアスの拘束という極秘任務を帯びた特殊部隊にスカウトされる。
こうしてリーダーの特別捜査官マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)やコンサルタントとしてチームに同行する謎のコロンビア人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)ともに国境を越えてメキシコのフアレスに向かったケイト。しかしそこで待っていたのは、正義や法の手続きなどが一切通用しない、暴力のみが支配する麻薬戦争のあまりにも深い闇だった。

ボーダー、7<感想>こんなストーリーは何度も語られてきたはずなのに、一度も見た事のない話のようにも思えるのだ。
最高レベルのアクション演出が見られるのに、アクション映画とは全然違う何かを観たかのような思いがした。

善悪の境界を曖昧にさせる麻薬戦争の過酷な現実。メキシコから国境を越えてアメリカへ運び込まれ、人々の心身をむしばむ“麻薬”という深刻な社会問題であり、その危機に対するために結成された特殊チームのミッションの行方を骨太にかつリアルに描き出している。

まるで魂の奥底へと沈んでいくかのように。空を大きく捉えた画面も空撮も、これほど効果的に思えたことはない。


ボーダー、5硬質な映像で人物の心情をすべてすくいあげ、物語りに圧倒的な深みを与える撮影に感心した。

「麻薬の国のアリス」といったところなのか、ヒロインのエミリー・ブラントの目を通して、正義も仁義も法のどうりもありゃしないのだ。
卑劣で、残酷でどす黒い麻薬戦争の実態を見せつけている。

そして、その渦中に飛び込んだばかりに困惑し、恐怖し、疲弊する彼女の姿が観ているこちらと被ってくる。

それに、敵の姿をまったく見せないことで尋常ならざる緊張感が、境界線の傍に掘られているトンネル内での銃撃戦など、今回もドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が発揮する。

ボーダーライン、4すっかり太って中年ぶとりなのに、俊敏な殺人マシンを演じ切るベニチオ・デル・トロが見事だ。

メキシコの麻薬カルテルとの闘いを描いた映画は多いが、これほどリアルな迫力をもったものは例がないだろう。
詳細をしらされぬまま、戦いの一員に加えられたFBIの捜査官、エミリー・ブラントの視線で、正義も法律も無力化し、暴力のみが支配する白日夢の街へと投げ込まれる。

二転三転する調査のいきとどいた脚本に、廃墟しきった街を切り取る見事な映像と、見応えのあるクライム映画の傑作になっている。
テロに対して、テロで応じるという現代戦争の縮図を観た思いがした。



 よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング



papikosachimama at 14:58│ 2016年劇場公開作品 | はとぱ行の映画
モヒカン故郷に帰るテラフォーマーズ