か行・が行の映画

2018年02月10日

キングスマン:ゴールデン・サークル4

キングスメン、タイトル「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督と原作者のマーク・ミラーが再びタッグを組み、世界最強のスパイ組織“キングスマン”の活躍を描いて世界的大ヒットを飛ばした痛快スパイ・アクションの続編。
一人前のスパイに成長したエグジーを主人公に、アメリカの同盟組織と手を組み、新たな敵に立ち向かうキングスマンの戦いの行方を、スタイリッシュにして過激なアクション満載に描く。
出演はコリン・ファース、タロン・エガートン、マーク・ストロングら前作のキャストに加え、チャニング・テイタム、ハル・ベリー、ジェフ・ブリッジス、ジュリアン・ムーアらが新たに参加。

あらすじ:ロンドンの高級テーラーの地下に本部を置く、どの国にも属さないスパイ機関“キングスマン”がある日、サイコパス女ポピー率いる世界的麻薬組織“ゴールデン・サークル”の攻撃によって壊滅してしまう。
残されたのはエグジーとメカ担当のマーリンのみ。そこで2人はアメリカに渡り、同盟組織“ステイツマン”に協力を求める。するとそこで、死んだはずのハリーとも再会するエグジー。
テキーラ、ウイスキー、シャンパンらステイツマンのアメリカン・スタイルに戸惑いつつも、ゴールデン・サークルの恐るべき陰謀を阻止すべく決死の戦いに臨むエグジーだったが…。

キングスマン、、、2<感想>コリン・ファースとタロン・エガートンのW出演で2015年に公開された「キングスマン」は、理屈抜きで楽しいスパイ・アクション映画の快作だった。
「サヴィル・ロウの高級紳士服店が、実はスパイ組織の秘密基地だった」という設定をはじめとし、UKファッション/カルチャー好きのツボを突きまくる仕掛けをあれこれと散りばめつつも、いざアクション・シーンが始まるとキレッキレの仕上がり。

最近の「007」シリーズの「ハード&シリアス路線」とは真逆のサービス精神で、その確信犯的な突き抜け方が実に爽快だったと思う。


キングスメン、

シリーズ2作目となる本作では、謎の敵=ゴールデン・サークルの攻撃によって、キングスマンの英国本部がボッコボコに壊滅。
どうにか生き残ったエグジーたちは、アメリカのスパイ組織、その名も“ステイツマン”の助けを仰ぐのだけども、・・・。

UK×USA的な展開が導入されることで、映画全体の悪ノリ感はますますアップになっているようだ。
キングスメン、3
新たな悪役のサイコパス女ポピーに扮したジュリアン・ムーア、ミスをした部下を人間ミンチの機械に入れて、ハンバーグを作るという。
ちなみに彼女は、世界征服を企む麻薬王であり、ノリノリですから。
それに、本人役で出演している、誘拐されるエルトン・ジョンの超ドSなイジリ方も、いかにも「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督らしいですよね。
あ、そうそう、ケンタッキー州に本部を置く組織で、コテコテのカウボーイスタイルで、テキーラのチャニング・テイタムの活躍を期待していたのに、全然出番が少ないのにがっかりでした。

思考回路のスイッチは完全にオフにして、頭も心も「正月気分でバカ騒ぎをして」ただただ、楽しむことをお勧めしますです。
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papikosachimama at 20:01|Permalink

2016年12月29日

古都3

古都、タイトル文豪・川端康成の不朽の名作を、現代を舞台に原作のその後の物語として映画化したドラマ。生き別れになった双子の姉妹、千重子と苗子が、それぞれに年頃の娘を持つ母となり、人生の岐路に立つ娘との関係に葛藤する姿を描く。主演は松雪泰子、共演に橋本愛、成海璃子、伊原剛志、奥田瑛二。監督はハリウッドで映画制作を学んだTV「ロボサン」「昼のセント酒」のYuki Saito

あらすじ:京都室町に先祖代々続く佐田呉服店を継いで20年になる佐田千重子。古くからの付き合いの職人たちが次々と廃業していく時代の流れの中、店の存続に頭を悩ませていた。
一人娘の大学生・舞にいずれは店を継いでほしいと考えていたが、就職活動をしながらも自分の将来像を見出せず、迷いが拭えない舞の思わぬ反発にあってしまう。
一方、千重子の生き別れた双子の妹・中田苗子は、北山杉の里で夫と林業を営んでいた。一人娘の結衣は、絵画を学ぶため、パリに留学していた。しかし自らの才能への疑問が生じ始め、悩める日々が続いていたのだが…。

古都、1<感想>川端康成の「古都」は、過去に岩下志麻版に、山口百恵ちゃん版があるが、本作は単に再映画ではない。いま流行りの新味を加えた改変をアピールしたいリプート版であります。変えたところ、付け加えたところに手でしっかりと握るものがある。

生活格差が生じた双子という従来の設定に、さらにその娘たちはと、線を延ばしたところが現代的でもあります。そこでの自立や、人生の開拓が行われるのだ。
松雪泰子の二役と、蒼あんな、蒼れいな姉妹、それに橋本愛と成海璃子の、落ち着いた系の美人が満載であり、それだけでも観られると思う。

和服姿の松雪さんが京都をウロウロする、その歩き方からして綺麗でなく、その表情はしかめっ面の八の字眉顔だ。古都も文化もヘッタクレもあったもんじゃない。

古都、2本作では西陣織の世界のことを描いているが、これは「映画」そのもののことを描いているようでもある。後継者を失い、技術が廃れ、次世代に引き継げないという現状。

だから、この映画はその“伝統”の在り方を川端康成の「古都」に倣いながら、かつての栄華を誇った撮影所のある町・京都を舞台にしている。
それは単なる偶然ではなく、映画の始まりと終わりを飾る、着物の縦の糸と横の糸なんですね。それはまるで、京都の街を象る碁盤の目のようでもあります。

京都とパリ、それぞれに素晴らしい伝統のある古都に住む娘の舞と結衣。
お互いの存在を知らなかった2人が、それぞれの母親の生き別れの話を聞かされる。
古都、5そして、絵を学ぶためにパリへ渡った結衣と、京都で呉服屋の跡継ぎ問題で悩む舞、就職問題にも疲れて悩み、書道教室の先生に誘われてパリへと日本の伝統文化の紹介のために舞がパリを訪れる。

川端康成の現代版って、古都つながりでパリに留学とはね。終盤のパリの日本文化デモンストレーションは、橋本愛が青い振袖姿で日本舞踊を踊る姿にハットさせられます。

その後に、パリの教会で結衣と出会う2人、一度も会ってないのに、母親が姉妹だということも。しかし、教会で並んで座る2人も姉妹に見えてしまった。

中島みゆき作詞・作曲「糸」を歌う新山詩織の歌声が、「縦の糸はあなた、横の糸は私、」じんわりと心に染み入り、姉妹ってどこかで繋がっているから、離れていても、出会った時にはあい通じるものが感じたはずですね。
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2016年09月30日

 君の名は。5

きみの名は、タイトル「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」の新海誠監督が、夢の中で入れ替わる少年と少女を主人公に贈る青春SFファンタジー・アニメーション。入れ替わりが巻き起こす思春期ならではのコミカルで甘酸っぱい青春模様と、2人を待ち受ける思いも寄らぬ運命の顛末を美しい映像とともに綴る。声の出演は神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子。

あらすじ:千年ぶりとなる彗星の接近を1ヵ月後に控えた日本。山深い田舎町で鬱屈した毎日を過ごし、都会の生活に憧れを抱く女子高生の三葉。ある日、夢の中で自分が東京の男子高校生になっていることに気づき、念願の都会生活を満喫する。一方、東京の男子高校生・瀧は、山奥の田舎町で女子高生になっている夢を見る。そんな奇妙な夢を繰り返し見るようになった2人は、やがて自分たちが入れ替わっていることに気がつく。戸惑いつつも、メモを残してやりとりしながら、少しずつ事実を受け止めていく瀧と三葉。ところが、互いに打ち解けてきた矢先、2人の入れ替わりは突然起こらなくなってしまう。そこで瀧は、夢の記憶を頼りに三葉に会いに行こうと決心するのだったが…。

<感想>別々の時空間で、ずっと誰かを何かを探している高校生の男子と女子。2人は出会うことなく、相手と出会い、出会わないのに相手の存在に気が付く。何やらややこしい言い回しになってしまったが、思春期特有の「なりたい願望」をベースにした本作は、宇宙の神秘まで取り込んでリアルに着地するのだ。

とはいえ、途中でこちらの飲み込み方が悪かったのか、未消化なところもある。ですが、繊細で美しい映像と、2人のキャラクターを観ていると、それだけで心地よくなり、新海誠監督のアニメに流れる時間は格別であります。

きみの、8千年ぶりの巨大彗星の到来を1ケ月後に控えた日本で、山深い田舎町の女子高生、三葉と東京の男子高生、瀧の中身が突然入れ替わるという不思議な現象が起こる。慣れない環境に戸惑ったり、楽しんだりして、状況を受け入れ、お互いの毎日を過ごす二人。一人で二人の人生を、あるいは二人で一つの人生を生きるような時間の中で、彼らは深い結びつきを得てゆく。

「入れ替わり」という超現象によって訪れた奇妙な出会い。それは偶然にもたらせられたものだったが、彼らはその中で、互いを取り囲む景色を見つめ、周りの人々を見つめ、そこから見える三葉と瀧自身を真っ直ぐに観た。

「入れ替わり」の後、出逢いを無に帰しかねない出来事が、彼らに襲い掛かる。

しかし、その信じがたい現実を前に、二人は繋がりを諦めることをしなかった。

それは彼らがほかでもない自分の眼で、意志で、互いを「運命の人」として選びとったからなのだろう。

きみの出逢いは何時だって偶然だ。私たちにも、日々たくさんの出会いが訪れる。でも、それを必然に変えられるかどうかは、常に自分自身の選択と行動にかかっているのだ。三葉と瀧が必死につかみとった飛び切りの「運命」は、そんな勇気のある事実を、私たちに教えてくれているのだから。

映画では、ラストで東京ですれ違いざまに、三葉と結婚相手の男性と会うのですが、お互いにまだ気が付いていない。それが、瀧が大学を卒業して就職し、マンションの3つ目くらいの隣の部屋に三葉が住んでいて、公園の階段で上と下で気が付いて「君の名前は?」と尋ねるところで終わる。心の中で二人は何処か繋がっていたんですね。これからに二人の関係はどうなるのだろう、って気になるよね。

夢で見知らぬ誰かと出会うなんてファンタジックな出来事は、現実には無いような気がするけれど、常にまだ会ったことのない誰かを待っている状態にあると思うから。明日誰かと新たに知り合うかもしれないし、転校して思いがけない出逢いがあるかもしれないのだ。
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2016年01月22日

グリーン・インフェルノ3

グリーン、タイトル「キャビン・フィーバー」「ホステル」のイーライ・ロス監督が、かつて80年代前後に様々な物議を醸して世界的にセンセーションを巻き起こした食人族映画を現代に甦らせて描く衝撃のカニバル・ホラー。アマゾンの先住民族に捕まったアメリカの学生たちを待ち受ける凄惨な運命を、過激なゴア描写満載に描き出す。主演はイーライ・ロス夫人でもある「アフターショック」のロレンツァ・イッツォ。

あらすじ:女子大生のジャスティンは、環境活動家グループのイケメン・カリスマ・リーダー、アレハンドロに好意を抱き、彼らが南米ペルーで行う抗議活動に参加することに。その内容は、未開のジャングルに暮らす先住民、ヤハ族を守るため、開発が進む工事現場に乗り込み、違法な森林伐採の様子を生中継で世界中に発信するというものだった。計画はみごとに成功し、大きな成果とともに帰途に就いた一行だったが、ほどなくしてセスナ機が墜落し、彼らはアマゾンの真っ只中に放り出されてしまう。かろうじて一命を取り留めたジャスティンたちだったが、生存者は全員、身体を真っ赤に染めたヤハ族に捕らえられ、彼らの集落へと運ばれる。そこでジャスティンたちを待っていたのは、世にもおぞましい人喰いの儀式だった。

<感想>拷問系とホラーというジャンルの映画。さすがに余りの残虐さと悪趣味さには驚きましたが、21世紀のネット社会に「食人映画」を蘇らせるという大胆な試みのイーライ・ロス監督。

ヒロインには監督の妻ロレンツァを起用して、ペルーのジャングルでロケを敢行。
グリーン、3ジャングルに迷い込んだ大学生たちが、食人族に次々と捕食される場面では、どぎつく、グロくて恐怖感が味わえます。

残虐な喰人行為も、村人にとってはただの食事にすぎず、生きたまま目や、耳、鼻、手足を切り刻み、まずは長老の婆あが味見するシーンがキモいたらないのだ。その後は、女たちが笑いながら、歌いながら調理をして、オーブンのような焼釜の中に、ココナツオイルや薬草を塗って入れて蒸し焼きにする。そんな何気ない食卓で、人肉をむさぼる姿に、恐怖感を増長させるのだ。

ですが、意識高い系の学生が、環境保護を訴える学生団なのに、マリファナを吸ったり、密林で携帯をいじったり、ノリが軽いのが笑えた。それに初めに食べられるのが、一番デブっている男だったのも。

実際にアマゾンで暮らす原住民たちが、エキストラで喰人族を演じており、森の中で人間を解体したり、その四肢に塩を揉み込み、焼くといった非現実てきな調理シーンにも、不気味な生活感が漂うのだ。

グリーン、8監督は、リアリティを追求すべく、原住民たちに「食人族」の映画を見せて、自身が求める演技について説明し出演を依頼したというのだ。

中盤では、森林開発阻止のデモに命をかけていたはずの学生が、態度を1変させ、食人族の集落がブルドーザーで破壊されるシーンなどは、人間のエコロジーに対する不安定な姿勢を象徴しているようだ。全編を通して、余りキモイとかグロイとか、何か作りもののように見えてしまい、コメディ映画のようでもあり、怖くなかった。

それに、ラストで主人公のロレンツァが一人だけ助かって生き延び、マスコミに勇気ある告白も、痛烈な皮肉を投げ掛けるのだ。エンドロールの中で、ジャングルに取り残された男子学生の妹から電話があり、「ジャングルで兄が生きているようなの」なんてことで、締めくくるのだ。カニバリズムを通して社会風刺を行う、怪作なのだろう。


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2016年01月10日

海難1890 4

かいなん、タイトル日本とトルコの長年にわたる友好関係をテーマにしたドラマ。海難事故に遭ったトルコ軍艦エルトゥールル号への日本人による救援と、トルコ人によるイラン・イラク戦争時の在イラン日本人救出という、両国の絆を象徴する二つの出来事を見つめる。監督は『精霊流し』『サクラサク』などの田中光敏。『臨場』シリーズなどの内野聖陽、『許されざる者』などの忽那汐里、『孤高のメス』などの夏川結衣らが出演する。約100年という歴史をまたいだ展開はもちろん、日本とトルコの知られざる物語にも胸を打たれる。

あらすじ:1890年、和歌山県串本町沖。後のトルコであるオスマン帝国の親善使節団を乗せた軍艦エルトゥールルが座礁して大破、海に投げ出された乗組員500名以上が暴風雨で命を落とす。そうした過酷な状況下で、元紀州藩士の医師・田村元貞(内野聖陽)やその助手を務めるハル(忽那汐里)ら、地元住民が懸命の救援活動に乗り出す。イラン・イラク戦争中の1985年、日本政府は危機的状況を理由に在イラン日本人の救出を断念。そんな中、トルコ政府は彼らのためにある行動を取る。

かいなん、3<感想>トルコ共和国の独立は、第一次世界大戦の1922年のことなので、1890年の軍艦エルトゥールル号の遭難は、オスマン帝国下の事件ということなのだが、その辺は映画だからいいのかという疑問がある。

トルコが親日国であることは知ってはいたが、この作品の18909月の日本で勃発した「エルトゥールル号遭難事故」の詳細は知らなかったので、事故の内容とトルコの人々の抱きつづけた恩義について、興味深く観賞しました。

国策映画だと驚くも、日本とトルコの友好をうたうなら、イラン・イラク戦争の際に、当時の在イランのトルコ人が、日本人に飛行機を譲ってくれたという話でいいはずなのに。
かいなん、7だが、それが1890年に日本人が和歌山沖で遭難したトルコ人を救助したからだという構成と企画で、映画を作るということは、たとえそれが美談であっても、もはや十分すぎるほどに醜悪ではないだろうか。

役者や美術がいくら良かろうとも根本が怪しいと思う。
合作成立には、問題含みの日本、トルコ双方の政治的思惑が働いた匂いがする。

なんていちゃもんを付けたくなりますが、映画の脚色は多分にあるだろうものの、いくらでも感動をあおりそうなテーマですが、抑制のきいた丁寧な演出が印象的です。
暴風雨のさなかに沈みゆく舟と、遊郭の乱痴気騒ぎを交互にみせる映像も美しい。

ともあれ、和歌山県串本町沖でのエルトゥールル号遭難場面や、救助や治療のシーンは迫力があります。
かいなん、4対して、後半のテヘラン邦人脱出劇では、俳優もパワー不足のような気がした。

「真心」が鍵となる作品だけに、映画への真摯な姿勢に好感が持てました。それに、二役を演じた忽那汐里の、多くを語らず目で訴える表情が良かった。



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2015年12月06日

グラスホッパー 4

グラスホッパー、タイトル人気作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説を、『人間失格』などの生田斗真主演で映画化したサスペンス。
恋人を殺害した犯人への復讐(ふくしゅう)に燃える元教師、人の心を操り自殺に追い込む殺し屋、その命を狙うナイフ使いの殺し屋の運命が、それぞれの思惑を抱えながら交錯していくさまが展開。
監督は、『脳男』に続き生田とタッグを組む瀧本智行、脚本を『あなたへ』などの青島武が担当。
共演には日本のみならず国際的に活躍する浅野忠信、
Hey! Say! JUMPの山田涼介が顔をそろえる。

あらすじ:恋人を殺害した犯人へのリベンジを誓った鈴木(生田斗真)は、教職を辞め裏社会の組織に潜入しその機会をうかがっていた。絶好の機会が訪れた矢先、押し屋と呼ばれる殺し屋の仕業で犯人が目前であっけなく死んでしまう。
正体を探るため鈴木が押し屋の後を追う一方、特殊な力で標的を自殺に追い込む殺し屋・鯨(浅野忠信)は、ある任務を終えたとき、殺人現場を目撃し……。

グラスホッパー、2<感想>映画の冒頭で、ハロウィンでごった返す渋谷のスクランブル交差点が忠実に再現され、これは中々もって壮観でした。俯瞰で捉えられた交差点に蠢くバッタの群れ。
物語を象徴するこのシーンも鮮烈な印象であります。

飽きはしないが、渋谷のスクランブル交差点に車で突っ込むビギニングは、タイムリー感狙いだろうが、現実のカオス感に上をいかれた。

実際は轢殺、通り魔をすることが不可能なほどの人混みなのに。渋谷のハロウィン狂騒は、ここ4年ぐらいで急速にきたが、本作では描写がリアルに負けた気がした。


グラスホッパー、1それに、やたら組織が暗躍するのもいただけない。殺し屋に扮した俳優たちも、目だった動きもしないのに、それらしい雰囲気を醸し出している押し屋の吉岡秀隆をはじめ、自殺屋の眼で殺す浅野忠信、ナイフ使いの狂気を覗かせる山田涼介など、よく頑張っていると思う。

面白いのが、浅野忠信演じる鯨が、人の心を狂わせる眼力でターゲットを自殺に追い込むのだが、過去に殺した者たちの幻覚、亡霊に悩まされている。
その現場に必ず現れる亡霊が宇崎竜童のおっさんである。住処としているトレーラー車の中は、綺麗に整然としており、グラスホッパー、9珈琲が好きらしく豆を挽いているところへ、車いっぱいに殺した人たちの幻覚が現れるシーンも圧巻です。

主人公の気弱で受け身の生田斗真もよく走っているしね、にもかかわらず、映画としての疾走感が乏しいのが難点だ。
それ以上に問題なのが、無差別殺人を起こす悪の合成麻薬密売グループ。首領寺原会長
(石橋蓮司)の息子が、目の前であっけなく“押し屋”という殺し屋によって殺される。

キャストの健闘も光っている全編、バイオレンスとメランコリーの塩梅も嫌いではないが、ラストのシーンで、原作と異なる部分で拭いきれぬ疑問も残り、残念でならない。

それでも、伊坂幸太郎ならではの気がさわる一歩手前の粋や、洒落の妙も息づいている大人向けの映画になっていた。

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2015年11月29日

ギャラクシー街道3

ギャラクシー街道、2劇作家・脚本家として絶大な人気を誇り、次々と話題作を世に送り出してきた三谷幸喜監督による奇想天外なSFコメディー。
三谷映画として初めて宇宙空間を舞台に、木星のそばに浮かぶ人工居住区「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路「ギャラクシー街道」の脇に立つ、こぢんまりとした飲食店に集まる異星人たちが織り成す物語を描く。
主人公の宇宙人夫妻ノアとノエを、三谷監督作『ザ・マジックアワー』にも出演した香取慎吾と綾瀬はるかが演じる。

あらすじ:本作は、宇宙空間を舞台にした三谷監督初のSFラブコメディー。西暦2265年、木星と土星の間に浮かぶ人工居住区「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路「ギャラクシー街道」の中央にたたずむ小さなハンバーガーショップに集う人々が織り成す恋模様を、香取慎吾、綾瀬はるかを中心としたオールスターキャストで描く。

<感想>今回で7本目となる三谷幸喜の監督作は、すべて脚本も兼ねたオリジナルである。
原作至上主義が横行する現在の邦画界では、驚異的だし、立派とも言えます。いまどきオリジナルで勝負し続ける映画監督など希有だから。

ギャラクシー、今回は、初のスペース・ロマコメに手を染めていて、敬愛するビリー・ワイルドのタッチを自分流にアレンジしたそうですが、三谷作品の骨格である群像劇、シチュエーション・ドラマを宇宙に移動させたもの、と思えばいつもと変わらぬ“三谷食堂”のメニューと同じである。

とは言え、器も盛りつけも、味付けもだいぶ変わっているので、これはいつもと違うぞ、笑えないぞ、寒いぞと思われる方々がいてもおかしくありません。

ロードサイドにあるファストフード店での、店長とその妻、店長の元カノと夫、妻に言い寄る出入りの業者、常連客の警備隊員、その恋人と上司、商談中のコールガールと医者などが、入り乱れる色恋沙汰は、リアルに描かざるを得ない。

ギャラクシー街道、1ですが、これはデフォルメされた宇宙空間なら非日常となるわけで、生臭い設定も何もかも寸止め状態で生殺しで良しとなる。

宇宙に逃げたのは生臭い男女のアレやコレやナニを回避するため。

「リアルな物語なので」と監督が力説してもでありますから。

出入りの業者の遠藤憲一が綾瀬はるかに、甘い言葉でおでこをくっつけ合うのだが、両性具有の異星人の遠藤は、これだけで受精し妊娠をしてしまう。
想像妊娠の発展形なのだそう。その後に、遠藤そっくりの子供たちが、卵で8つも生まれてきて、面妖感が笑いのつぼなのだが、観ていて悲惨で悲しくなってしまう。笑えないぞ。


ギャラクシー、7それに、コールガールの描写でも、宇宙一のテクニシャンを持つ女は、客の医者相手に交渉するが、一番高いCコースが、人差し指同士の「E.T」ポーズで「はい、お終い」という味気なさ。

男女の価値観、恋愛観も、設定は23世紀だが、60年代に準じている。
未練タラタラの夫の香取に、綾瀬が優香に対して、結婚5年目の重みを武器に、最後まで香取を信じようとするし、優香もまた香取からみれば冴えない現在の夫をしっかりと擁護するのだ。


優しい女性たちが、勝手な妄想や願望にこだわる子供な男たちを、支える価値観は、三谷監督の本音かもしれませんね。

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2015年11月04日

この国の空4

この国の空、タイトル芥川賞作家・高井有一の同名小説を、日本を代表する脚本家・荒井晴彦が自ら18年ぶりの監督も務めて映画化したドラマ。
空襲に怯えながら暮す
19歳のヒロインが、明日の見えない暗黒の日々の中で、妻子ある中年男性との許されぬ恋に身を焦がしていく姿を描く。
主演は「私の男」の二階堂ふみと「ラブ&ピース」の長谷川博己。共演に工藤夕貴、富田靖子、奥田瑛二。

あらすじ:太平洋戦争末期。杉並の住宅地に母と2人で暮す19歳の里子。度重なる空襲に怯え、食べものの確保にも苦労する日々が続く。
ある日、空襲で家族も自宅も失った横浜の伯母が転がり込んでくる。ただでさえ苦しい食糧事情の折だけに、母は当惑を隠さない。
隣家には、妻子を疎開させた銀行支店長の市毛が住んでいた。そんな市毛の身の回りの世話をしていた里子だったが、いつしか彼のことを男として意識するようになり…。

<感想>終戦70年周年記念作品とある本作、まんま終戦ドラマスペシャルとして放送されても違和感がないようだ。ガラス窓を補強する紙の貼り付け。その檻のように思わせるイメージが、映画全体に現れているようです。

脚本家が演出する利点がこういうあたりに現れていると感じた。主人公が隣人の家に一人で上がって、掃除をする場面の演出も痺れます。

この国の空、乱れた寝床の構図がたけにエロチックで、観ていて想像してしまうのだ。

母子で買い出しに出て、その出先の河原で母親が上半身裸で、過去の不倫話を始め、急に開放的になってしまう場面にもエロさを感じました。ちなみに母親役には工藤夕貴が、もうそんな年になったのかと、いつまでも若い役は回ってこないものね。

実際に、観ている最中、女世帯の愚痴や世間話のくだりなどは、何度もTVドラマの向田邦子のドラマを連想させる感もある。

特に、里子役の二階堂ふみのちょっと丁寧な言葉づかいも、それにしても里子の初体験を荒井監督が曖昧にするとは。背中からのヌードは少しエロく映っていました。

数々の食卓、二階堂が抱える長谷川の枕、彼女が発する女の匂い、そして赤いトマト、露骨に描かなくとも匂いが濡れ場を包み込んでいるように捉えているのだ。

二階堂の膝下まで露出した脚など、間接的にエロスの程よさも含めて、脚本はとてもいいと思った。特に、終盤の雨に至るまで画面から官能的な匂いが漂うことに驚く。それに、静かな物語と語り口に酔いしれます。


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2015年10月24日

キングスマン5

キングスマン、タイトル『英国王のスピーチ』などのオスカー俳優コリン・ファースを主演に迎え、『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン監督がメガホンを取って放つ痛快スパイアクション。
世界を股に掛けて秘密裏に活躍するスパイ機関所属の主人公が、最強の敵相手に奮闘する姿が描かれる。『サイダーハウス・ルール』などのマイケル・ケインや、『パルプ・フィクション』などのサミュエル・
L・ジャクソンらが共演。
エレガントな小道具やウイットに富んだ会話はもとより、切れ味のいい怒とうのアクションに見ほれる。

あらすじ:ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、実はいかなる国の干渉も受けない屈指のエリートスパイ集団だった。ブリティッシュスーツを小粋に着こなす紳士ハリー(コリン・ファース)もその一人で、日々極秘任務の遂行に務めていた。
そんなある日、仲間が何者かに暗殺され、彼は街で不良少年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。

かつて、父親の同僚だったというハリーとの出会いからスパイになる訓練を受けることになる。同じ頃、世界中の著名人や政治家が次々と失踪する事件が起きて、その影にはIT富豪のヴァレンタインの影が。ハリーはその調査に出向うのだが、・・・。

キングスマン、5<感想>ロジャー・ムーア時代の「007」をベースにした、つまりは現実感抜きで、世界征服を企む悪人と対決する秘密の諜報員が描かれているのだ。作品の中でも話しているとおり、ショーン・コネリーの「007」に敬意を表しながら、それを乗り越えようとするスパイアクションでもある。

不良少年が紳士になれるのか?・・・、貧しい階級の出身であるエグジーが、貴族的なスパイへの道を歩む厳しい試練、タロン・エガートンは適役でよかった。
その訓練シーンが面白い。それなりにアイデアが生きて、パラシュート落ちとか、緊張感とコミック感覚がバランスを取っているのですが、終盤のシーンで一気におバカ映画に急降下してしまうのが惜しいです。

キングスマン、2能力者たちが同じ目標に向かって、集団で取り組みその敵は、地球規模という。
秘密結社的なスパイ組織の、欠員の座を、候補生が争う選考試験の過程は、就職活動中の学生とは違う、まるで特殊部隊の入隊試験のようにも取れた。

それに、敵側のサミュエル・L・ジャクソン側の女殺し屋、義足アクションのガゼルを演じるソフィア・ブテラが魅力的であった。それこそ小鹿のようなキュートさなのに、両脚のひざ下が鋭利な刃物となった義足で、華麗なダンスで舞うかのように人間を一刀両断にしていくのだ。

そして、コリン・ファースがかっこいいったらない。
キングスマン、1雨傘に最新鋭の武器が仕込まれていたかと思えば、靴の先には飛び出しナイフ、完全防弾・スタンガン内蔵のスパイ仕様。
そして傘のみならず、ライター型爆弾やバーチャル会議機能付きのメガネなど、わくわくするスパイガジェットがこれでもかと登場する。

同じヴォーン監督作ということで、スパイ版の「X−MEN:ファースト・ジェネレーション」としても観られるようだ。

もちろん「キック・アス」の悪乗りも炸裂して、残虐シーンもキャッチーな音楽と、軽快な編集でポップに仕上げているセンスは日本映画には真似できない芸当のようだ。まさに、マシュー・ヴォーン祭りといったところですから。


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2015年04月29日

寄生獣4

寄生獣、1、11990年代に一世を風靡(ふうび)した岩明均の人気コミックを実写化したSFサスペンス。
人体に寄生しながらほかの人間を食らう生物パラサイトたちを相手に、そのうちの
1匹を右手に宿した高校生が壮絶な戦いを繰り広げる。メガホンを取るのは、『永遠の0』などの山崎貴。
主演を務める『ヒミズ』などの染谷将太を筆頭に、『悪人』などの深津絵里や橋本愛、東出昌大ら実力派俳優が結集する。
VFXを駆使したパラサイトの変形や人間捕食の描写、スリリングな物語に引き込まれる。

あらすじ:海辺に漂着した小さな寄生生物、パラサイト。彼らは人間に寄生しては宿主に擬態し、ほかの人間を食料としてむさぼっていく。そのうちの1匹が至って普通の高校生・泉新一(染谷将太)に寄生するが、脳を乗っ取ることができずに右手に宿る。
自身の肉体にパラサイトが寄生して驚がくする新一だったが、彼をミギーと呼んで共生するうちに奇妙な絆を育むように。やがて、彼の通う高校に教師・田宮良子(深津絵里)に寄生したパラサイトやって来る。それを発端にほかのパラサイトが次々と出現し、新一とミギーに襲い掛かる。
寄生獣、1、2<感想>未知の生き物=パラサイトに人間が次々襲われるお話。まぎれもなくホラー映画だが、高校生の主人公染谷将太が最初、そいつに右手に寄生され、恐慌を来すとき、そのジタバタぶりは笑いを誘わずにはいられない。

日常の中での異変がまず笑いとともに、描くわけで、彼のパニック状態が深まり、他の人物が襲われパラサイト化するにつれて、じんわりと怖さが濃密になっていくわけ。そうした静かな不気味さの繁殖がホラー映画としての魅力をもたらしているのだが。

それと、全編、染谷将太の演じる新一を中心にアクションが連続することと無関係ではないのだ。主人公は、母親と二人で暮らしていて、息子の様子を気遣う母親を余貴美子が細やかに演じている。と思ううちに、彼女がパラサイトの餌食になり、息子に襲い掛かろうとする。
寄生獣、1、3染谷将太は右手だけだが、母親は丸ごとパラサイト化しており、新一が母親を想うばかりに、自分の手で退治してしまう哀しさは格別であろう。この点がこの映画のポイントであると思われる。

というのは、余貴美子が越境したとすれば、染谷将太は半分越境状態にあるわけで、いわば人間とパラサイトの間を生きるのである。そんな主人公がきっちり造形され、ユニークな人物像として成り立っているのだ。

教師の深津絵里は初めからパラサイトとして登場するが、注目すべきことに、警官の子供を身ごもり、彼はパラサイトに襲われ越境する。すると女教師がやがて産み落とすことになる赤ん坊は何者なのか?・・・。人間なのか?。

主人公の同級生としてヒロインの橋本愛が登場するが、この映画では、余貴美子と深津理絵を含め、染谷将太と関係のある女性の運命が重要な要素で、その行方は4月公開の「寄生獣完結編」に託されているようだ。完結編も観賞したので後日投稿します。

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papikosachimama at 15:29|Permalink