ら行の映画

2015年12月20日

リトルプリンス 星の王子さまと私4

リトルプリンセス世界中で親しまれているアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作「星の王子さま」を初めてアニメ映画化。
レベルの高い学校を目指し勉強漬けの日々を過ごす少女と、若いころ不時着した砂漠で出会った星の王子さまとの思い出を語る老飛行士の交流を、
CGアニメとストップモーションアニメを駆使して描く。
『カンフー・パンダ』などのマーク・オズボーン監督をはじめ、アニメーション製作の一流スタッフが集結。
声優陣にはジェフ・ブリッジス、ジェームズ・フランコ、マリオン・コティヤールらが名を連ねる。

あらすじ:母親の言う通りに、いい学校をに入るべく必死で勉強する少女の隣家には、昼間は裏庭にある破損した飛行機を修理し、夜は望遠鏡で空を見ている老人が暮らしていた。
引っ越してきて以来彼のことが気になっていた少女は、ある日母親に黙って老人と接するようになる。若かった時代に飛行士だったという老人は、かつて不時着した砂漠で出会った男の子の思い出を語りだすが……。

リトルプリンセス、5<感想>サン=テグジュペリの不朽の名作「星の王子さま」。この原作の世界と、9歳の女の子の世界を融合させたミラクルな物語を、最新技術で描いたアニメーションである。とにかくスマートに洗練されていて、表情ある映像が楽しい。

特に主人公の女の子の顔が、CGなのに生っぽさを感じさせて親しみがわく。
でも、何故に母娘の物語なのだろう。最近のシングルマザーで、働きながら子育てしている女性を応援しているかのようにもとれた。

「星の王子さま」の後日譚という設定で、王子さまも登場して、満天の星を閉じ込めたドーム状の巨大なカプセルも出てくる。
リトルプリンセス、1女の子は、老人が病気で入院してしまい、星の王子さまを探す旅に出ますが、出会う星の住人、人から褒められることが大好きな大人。トレードマークは変な帽子。うぬぼれ男や、私欲にまみれた上昇志向まみれのビジネスマン。星を所有して数えることしか興味がない。大きなガラス入れ物に星がたくさん入っている。

そして、王子さまの小さな惑星に、一輪のプライドの高いバラも、たぶん誰もが持っている一面だと思います。驚いたのが、女の子がとある星で王子さまと出会うのだが、かなり大人になっていてビルの掃除をしていた。どう見ても王子とは気付かないような、忙しそうに働いて、薄汚れていて気品がない。

キツネが王子さまに贈る、「大切なものは目に見えない」という原作のメッセージに感動しつつ、「人生で出会った人たちを大切にしなさい」という映画のメッセージにも感動してしまった。

リトルプリンセス、2王子がパイロットに羊の絵を描いてくれと頼むが、パイロットが描いた羊は弱弱しい感じだったり、年寄の羊だったり、どれもこれもが王子さまにとって気に入らなかった。すると、長方形の箱に丸い穴を描き、「箱の中に小さな羊が入っているよ覗いてご覧」と。それが、箱の中には羊はいないのだが、想像で小さな羊がいるってことに。

物語の押し絵の独特なタッチがとっても気になった。王子さまや彼に慣らされるキツネ、ヘビやパイロットなどが登場する原作の部分は、色彩もタッチもまさしく押し絵の雰囲気そのままで、紙と粘土を用いたストップモーション・アニメが手作り感あふれる砂漠やお星さまが夢見ごこちに誘われます。

もの凄くファンタジーで、絵本の中へ入っていくようなそんな感じを受けました。

 よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング



papikosachimama at 19:02|Permalink

2015年06月03日

龍三と七人の子分たち 4

竜三と七人の子分たち数多くの個性的な作品を世に送り出してきた北野武監督が、ユニークかつ異色の設定で放つコメディータッチのドラマ。オレオレ詐欺の被害者となって憤慨する元ヤクザの組長が子分を引き連れ、孫のような若さの首謀者たちを成敗していく。
藤竜也、近藤正臣、中尾彬らベテランや実力派俳優たちが世直しに息巻く血気盛んなヤクザを快演する。高齢化社会や詐欺犯罪といった社会問題を巧みに盛り込んだストーリーに加え、バスの暴走などハードなアクションも見もの。

<感想>多彩なヤクザ像を描いてきた北野武監督が、非道な世間に対抗する元ヤクザたちを描いたコメディになっている。
極道から身を退き息子一家とシブシブ同居する龍三。
主要キャスト陣は平均年齢72歳の“ジジイたち”というけれど、ベテランの俳優陣たち。
金なし、先なし、怖いモノ無し! という元ヤクザの老人たちが、弱者を食いものにする悪徳詐欺集団を相手に抱腹絶倒の大立ち回りを繰り広げるのだ。

「義理も人情もあったもんじゃねえな!」とタンカを切る龍三は、かつての仲間に会いに行こうとすると、商店街で不良に絡まれるモキチ(中尾彬)に遭遇。
竜三と七人、8その場を取りなしたのが、昔なじみの刑事・村上(北野武)の話から、暴走族上がりのワルが集まるサギ集団“京浜連合”の存在を知る。こいつら“オレオレ詐欺”の他にも“浄水器に羽毛布団”の詐欺もしていた。

「若いヤツらに勝手な真似はさせられねぇ!」と、年賀状などから昔の仲間に招集を掛ける。中には老人ホームに入っている人も、それに恩師が100歳で登場とは。

そして、龍三をはじめとする“ジジイ”たち7人の子分が集まった。
丁半博打が大好きな「若頭のマサ」(近藤正臣)、寸借詐欺で生活する「はばかりのモキチ」(中尾彬)、肌身離さず拳銃を持ち歩く「早撃ちのマック」(品川徹)、仕込みステッキが武器の「ステッキのイチゾウ」(樋浦勉)、心臓病を患う「五寸釘のヒデ」(伊藤幸純)、老化で自分の髭剃りもままならない「カミソリのタカ」(吉澤健)、軍服をまとう右翼まがいの「神風のヤス」(小野寺昭)と、元ヤクザたちが集まってくる。
だが、平均年齢は
72歳、手がプルプルと震え、足元もおぼつかない者も……。すっかり時代遅れとなった龍三と7人の“ジジイ”の大集合となったのだ。

龍三役の藤竜也以下、ベテラン男優陣が全員、タガを外した演技で楽しんでいるように見えた。北野武竜三と七人、2監督も元ヤクザのジジィ達を思いっきり馬鹿させている。
「アウトレイジ・ビヨンド」で冷酷なワルを演じていた中尾彬を早々に死者に仕立てて、車いすに縛りつけて、防護壁代わりに使う演出など、内話ネタふうの遊びもあります。

でもそういった遊びや楽しさが一向に画面に現れなくて、自分たちだけ暴走しているようにもとれた。
古臭さや泥臭さも内内のジョークで終わらせて、観ているこちらは、まるで蚊帳の外のようだ。

しかし、いままでの北野武監督の映画の表現のタカのくくり方への突っ込みが、その意識は暴力表現において鋭く機能し、観る側はずっとその見事な殴打や銃撃を喰らってきた。
それを打ち消すようなものを作るという、本作は谷間ではなく、なんというか作品歴を続投するかのような映画になっている。

今だ肉体が衰えずに美しさがフィルムに映える藤竜也が、北野武監督以上に華があるという点でも異色の作品である。
 よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング


 



papikosachimama at 18:07|Permalink

2015年05月25日

レッド・ファミリー4

レッド・ファミリー『アリラン』『嘆きのピエタ』などの鬼才キム・ギドクが、脚本、編集、エグゼクティブプロデューサーを務めた異色のドラマ。家族を装って韓国に潜入する北朝鮮の工作員たちが、次第に階級の壁を乗り越えて奇妙な絆で結ばれていくさまを追う。監督を務めるのは、本作が初の長編作となるイ・ジュヒョン。『人形霊』などのキム・ユミ、『大韓民国1%』などのソン・ビョンホら実力派俳優が共演。
ハートウオーミングかつスリリングな物語の中に、南北分断の現状も垣間見える作品。

あらすじ:誰もがうらやむ理想の家族を絵に描いたような一家。だがその正体は、母国からの密命を遂行するために韓国に潜入している北朝鮮の工作員チーム、サザンカ班だった。表では仲むつまじい4人家族だが、玄関のドアを閉めると階級を重んじ、母国の命令を順守するスパイ集団となる。何かと押し掛けてくる隣人一家を資本主義の隷属者と見下しながらも彼らに憧れを抱き、互いの階級を忘れて家族的な絆を育むようになる4人。そんな中、メンバーの一人が母国に残した妻子が脱北に失敗したとわかり……。

レッドファミリー、2<感想>雑な2時間ドラマみたいに、棒立ちのまま台詞をやり取りしているだけのシーンがやたらに多いと感じた。それは、北朝鮮の諜報部員が、自分たちの正体に関わる会話を周りに聞こえないような状況で、会話していることを好意的に解釈すれば、これがリアリズムを志向していないコメディ映画を目指しているからなのだろう。

喧嘩の絶えない南の家族(韓国側)も、偽の家族を形成する北の工作員たちも、その出会いいから展開される物語も、そういうものだろうと見ている者が思い描くイメージの域を出ることはないようだ。

冒頭での韓国の軍事施設の近くにあるレストランで、家族がウナギを食べるシーンから始まる。その店の下では、その家族が国境をバックに写真を撮っているのだ。どんなウナギ料理を食べているのか気になったのだが、これが北の工作員たちの偽装家族で、それに後ろ隣の(南)一般市民の一家などが絡み、早口台詞の多種家族間ドラマが展開するのだから面白い。

怒りっぽい人間味が溢れる南の家族。きっちりとしてはいるが人間味の薄い北の家族。彼らが実際の韓国で、北朝鮮同様に、隣り合って暮らす構図からして巧いと思った。国境、国家、思想という大義名分も、愛や情には適わないことを、笑いと涙とスリルで綴る脚本の、キム・ギドクのストーリーテラーぶりに感心しました。

レッドファミリー、1哀しみを芳醇に劇作できる韓国映画界が羨ましい。それにしても、南の家族が喧嘩する声が筒抜けなのだから、北の家族の叱責する怒鳴った声や、ビンタの打音も絶対に外に漏れて聞こえているはず。

南の家族の口げんかさえも「理想的な」、北の一家にとっては理想へと変わるのだ。ちょっとくだらないケンカの内容なのだが、北の国が目指すモノが一体何なのか?・・・問われます。普通の暮らしがしたい。しかし答えはない。

結局は裏切りは処刑されるのがオチで、助かった娘が最後に出てくる。まだ、北の工作員として働いているのだろう。

この映画の中では、可笑しいことと哀しいことが同時に描かれる。限りなく家族に近い生活をさせられながら、偽の家族であり続けることを強要されているのだから、自然と対立と葛藤が生まれてくるのだ。その描き方が実に面白かった。例えば南のダメ妻が、闇金融の取り立てに困っているところへ、北の一家にかかれば暴利な利息も交渉可能だし、急所を押えられたヤクザたちは慌てて逃げ出してしまう。

南の家への垣根を越えてしまった彼らは、監視をしている仲間にとっては、資本主義に毒された証拠である。北で鍛えられた能力を無駄使いしてしまった代償は大きい。だから、北に住んでいる家族の安否を餌に、残酷な選択を突きつけるのだ。偽の家族に一切の自由はないのだから。
よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング



papikosachimama at 11:58|Permalink

2014年10月07日

ルパン三世 4

ルパンアニメ版も絶大な人気を博している、モンキー・パンチのコミックを実写化したクライムアクション。天才怪盗のルパン三世と仲間たちが、世界最高峰の警備を誇る要塞型金庫から秘宝を盗み出そうとする。
メガホンを取るのは、『スカイハイ』シリーズなどの北村龍平。ルパン三世に小栗旬、次元大介に玉山鉄二、石川五ェ門に綾野剛、峰不二子に黒木メイサ、銭形警部に浅野忠信と、実力派たちがおなじみのキャラクターを熱演する。
彼らのハマりぶりに加え、迫力にあふれたアクションの数々にも目を奪われてしまう。

あらすじ:絶対に破られることがないという屈指のセキュリティーシステムが敷かれている超巨大要塞型金庫、ナヴァロンの箱舟。手にした者は世界を支配できると伝えられる秘宝クリムゾンハート・オブ・クレオパトラがそこに収蔵されているのを知ったルパン三世(小栗旬)は、天才怪盗として強奪不可能をうたったセキュリティーを突破してやろうと決意。
銭形警部(浅野忠信)の追跡をかわしながら、仲間である次元大介(玉山鉄二)、石川五ェ門(綾野剛)と秘宝強奪計画を進めていく。

ルパン、9<感想>いかせんアニメのイメージが強烈すぎてリスクだらけになっていた。それでも、ルパン三世に小栗旬くんと言うのは良かった。残念だったのが峰不二子の黒木メイサだ。もっとナイスバディの女優さんいたのに。

それに、アニメ由来のキャラは、ルパンを含めて皆さん健闘しており、次元大介の玉山鉄二なんかは原作よりカッコ良かった。
石川五ェ門の綾野剛、銭形警部に浅野忠信というキャスティングも良かったぞ。

この道具立てなら、もっと面白くなっていいのに、何故?と言うのが率直な感想です。難攻不落と思える金庫から首飾りを盗み出す、というのはすでにお約束で、工夫の余地はさほど感じられませんから。

ルパン、7とすれば人物相互間の引力もないし、じゃしりぞける力で物語を弾ませるのが本道だが、その点でどうみても弱いのが峰不二子を挟んでルパンと対峙するマイケルの存在である。

これはキャスティングの問題なのか、それとも演出の問題なのか?・・・マイケルの悪役のキャラが中途半端だから、裏切りも表返りもサスペンスを孕んでないのが惜しい。マイケルと不二子が兄妹という設定も何だか変。

日本人キャストがむちゃくちゃ頑張っていたのに、その原因はキャラクター云々よりも、バチバチとした格闘シーンを中心に展開した世界観の方にあると思う。ですので、原作の設定を下敷きにした北村監督らしい多国籍アクション映画として楽しむのにはいいのかもしれませんね。

それでも、面白くなかったということではないので、スピンオフを期待します。


 よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング



papikosachimama at 11:28|Permalink

2014年09月24日

LUCY/ルーシー4

ルーシー、タイトル「レオン」「ニキータ」のリュック・ベッソン監督がスカーレット・ヨハンソンを主演に迎えて贈るヒロイン・アクション。
新種ドラッグの影響で脳機能が驚異的に覚醒し、超人的な能力を発揮し始めたヒロインの暴走の行方を描く。共演はモーガン・フリーマン、チェ・ミンシク。

 訪れた台北のホテルでマフィアの闇取引に巻き込まれてしまったごく平凡な女性ルーシー。体内に埋め込まれた特殊な薬が漏れたことで脳機能が驚異的に覚醒し、人間離れした能力を発揮し始めるヒロインの暴走を描く。
通常は
10パーセント程度しか機能していない脳が、100パーセントへ向かって覚醒していくヒロインを見守る脳科学者役に、オスカー俳優モーガン・フリーマンがふんする。

あらすじ:マフィアの闇取引に巻き込まれたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、特殊な薬が入った袋を体に埋め込まれ運び屋にされてしまう。
しかし、体内で薬が漏れたことで彼女の脳機能は驚異的に覚醒。脳科学者ノーマン博士(モーガン・フリーマン)が見守る中さまざまな能力が超人的に目覚める一方、少しずつ人間性が喪失し、自らを制御できなくなっていく。

ルーシー、2<感想>10%しか機能していない人間の頭脳が、覚醒して100%使えるようになったらどうなるのか、というサスペンス。スカジョの頭脳が高度化するたびに、動物たちのもっともらしいモンタージュが入るのが笑える。

ベッソン監督は、モーガン・フリーマンの教授に理屈はすべて任せて、話をどんどん進めていく。

いいじゃありませんか、脳が100%使用されたら何が起こるのか、そのアイデアって最高です。
台北とパリを舞台に韓国マフィアとスカジョが戦い、平和と安全の象徴モーガン・フリーマンも登場。通常では10%使用の脳が20%になる段階で、恐怖と欲望が消えてしまい、知識の吸収スピードが劇的に向上する。そこまでは到達したいもんです、はい(苦笑)

ルーシー、1この作品、脳の覚醒で急に強くなったパツキン姉ちゃんのマフィア退治、という単純な構造を超越して、“強い美女フェチ”の映画の集大成となっているのだ。
人類史、宇宙、神、未来へと飛躍した「2001年宇宙の旅」の領域に敢えて、「2014年
LUCYの旅」と呼びたいもんですぞ。

マザー・コンピューターのようなスカジョに平定される世界、これだけ詰め込んで90分ぽっきり延長なしとは、スカジョ密着ものだもの、ファンには堪りませんね。

しかし、覚醒していくようには残念ながらまったく見えないスカジョ姫、あれやこれやを眺めて過ごすにはいいかもです。チェ・ミンシクの暴走はサンゴまで何だかよく分からなかった。

 よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング   



papikosachimama at 15:23|Permalink

2014年09月22日

るろうに剣心 京都大火編5

るろうに剣心、タイトル和月伸宏原作の人気コミックを基にした2012年の前作に続き、原作のクライマックスともいうべき「京都編」を前後編で実写映画化したアクション大作の前編。
日本制圧をたくらむ強敵を倒すべく京都へと向かう、人斬り抜刀斎こと緋村剣心の活躍を描く。
主演の佐藤健やヒロインの武井咲らが引き続き出演するほか、剣心の宿敵役の藤原竜也や伊勢谷友介らが新たに登場する。
監督は、前作と同じくテレビドラマ「龍馬伝」や『ハゲタカ』などの大友啓史。迫力満点のスケールと驚異的なアクションに目を奪われる。

あらすじ:かつて人斬り抜刀斎と呼ばれた伝説の人斬り、緋村剣心(佐藤健)。刀を置き、平穏な生活を送る剣心は、ある日、剣心から影の人斬り役を引き継いだ志々雄真実(藤原竜也)が京都でその名をとどろかせていることを知る。
政府が派遣した討伐隊は志々雄を前に成すすべがなく、最後の望みとして剣心に白羽の矢が立つ。志々雄の野心を阻止すべく、剣心は京都へ向かう。

るろうに剣心、1<感想>前作では、破天荒な主人公の剣術を原作以上のスピード感と迫力で映像化して、日本映画の殺陣をアップデートした感すらあったと思う。
ですが、本作ではさらなるリミッター越えを達成している。

二部作連続の公開の前半ということもあるだろうが、とにかく飛ばす飛ばす。

特に神木隆之介演じる瀬田宗次郎の軽さと、キレ味は痛快なり。まさかの展開で、剣心の逆刃刀が真っ二つに折れてしまうとは恐れ入った。

贖罪人助けが一体化したビジュアルとしての逆刃刀のエピソードも的確です。

るろうに剣心、4キャラは確かに立っているのだ。そりゃあれだけ凝った扮装で、アクションも剣心がバッタバッタとなぎ倒すのはともかくとして、田中泯演じる翁と伊勢谷くんが扮する蒼紫との壮絶なる戦いは、二人とも二刀流で迫力があった。

藤原竜也のモンスターが強烈。その一部下の神木隆之介のイケメンぶりも爽快でいいし、大久保卿暗殺の真犯人という設定も楽しい。

明治という体制への増悪だけで生きる人々の、ポートレートというコンセプトが新しく、そう見ると剣心の生き方はいかにもハンパなのだが、瀬田宗次郎が強いせいで面白い展開となっている。

海賊船の趣も大いに良く、ひたすらラセンのごとく核心へと向かう物語の運びも、後半部へのヒキとしてぬかりがないのが最高。最後に浜辺に剣心を助ける福山雅治は、もしかして、剣心の師匠なのかもしれない。そうなると、完結編にも期待大である。

るろうに剣心」2012年 

よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング   



papikosachimama at 19:13|Permalink

2014年05月08日

LIFE!4

ライフ、4凡庸で空想癖のある主人公が未知なる土地への旅を経て変化していくさまを、ベン・スティラー監督・主演で描くヒューマンドラマ。
夢を諦め、写真雑誌の写真管理部で働く地味な中年男性が、ひょんなことからニューヨークをたち世界中を巡る旅を繰り広げる様子をファンタジックに映し出す。
物語の鍵を握るカメラマン役で『ミルク』などのショーン・ペン、主人公の母親役で『愛と追憶の日々』などのシャーリー・マクレーンが共演。
壮大なビジュアルや、主人公のたどる奇跡のような旅と人生に目頭が熱くなる。

あらすじ:雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者。
唯一の特技は妄想することだった。
ライフ、3ある日、「LIFE」表紙に使用する写真のネガが見当たらない気付いたウォルターはカメラマンを捜す旅へ出る。ニューヨークからグリーンランド、アイスランド、ヒマラヤへと奇想天外な旅がウォルターの人生を変えていく。

<感想>平凡な毎日に埋没してしまった男の、思いがけない転機を描いたヒューマンドラマ。
ダニーケイの「虹を掴む男」の焼き直しであり、トム・ハンクスの「フォレスト・ガンプ/一期一会」の新装版のようでもあります。

こんな映画を監督・主演してしまうなんて、幸せなことだ。一風変わった編集テクニックの狙いが見えてくると、どんどん引き込まれていくのだ。写真の謎が、LIFE誌の最終号の表紙と結びついてくるという脚本のアイデアが抜群で良かった。

ライフ、8もっとも、気弱で不器用で空想癖のある四十男の役が、ベン・スティラーにぴったりだし、おかしくて悲しくて奇妙な物語を、堂々たる作品に仕立てた監督としての腕前も大したもんです。

原作とも前作とも、まるで似ていない。主人公がウォルター・ミティであるだけ。
テイストとしては、「おかしなおかしな大冒険」のようだった。

新参者のボスが悪役に仕立てて変身のきっかけを作ってくれているが、もともと主人公が抱えていた問題は、何も解決していないように思う。
だが、中盤以降では、奇想天外なアドベンチャー・ムービーとして楽しめて面白かった。

NYから北極圏の大自然へと、ヘリから海へ飛び込み、広い道路をスケボーで滑り、雪山を登り、テンポよく進んでいく。

その冒険に過剰なロマンや自己陶酔がなく、ひたすら爽快なのも気持ちがいい。

そして、シャーリー・マクレーンのさらりとした母親の愛情も素敵です。それにしても、写真家のショーン・ペンが恰好よすぎます。


ライフ、6ただし、LIFE誌の最後の表紙を飾る幻の一枚が、違う写真だったら、主人公の株はもっと上がったかもしれない。

それでも、果たしてこの作品が、ベン・スティラーが監督主演を務めて、冠をのせて語り継がれるのかどうか、いささか心もとない気がしました。




よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング



papikosachimama at 16:48|Permalink

2014年04月10日

ロボコップ4

ロボコップ1987年製作のポール・ヴァーホーヴェン監督作『ロボコップ』をリメイクした近未来SFアクション。爆破によりひん死の重傷を負った警官が最新技術によりロボコップとして生まれ変わる姿を描く。メガホンを取るのは『バス174』などのジョゼ・パヂーリャ。主演には、『デンジャラス・ラン』などにも出演したスウェーデン人俳優のジョエル・キナマンを抜てき。ゲイリー・オールドマンやマイケル・キートン、サミュエル・L・ジャクソンら実力派俳優が脇を固める。ブラックを基調とする新生ロボコップのデザインやさまざまなガジェットなど、クールな武器にも注目。

あらすじ2028年、アメリカのデトロイト。巨大企業オムニコープ社がロボットテクノロジーを牛耳っていた。警官のアレックス(ジョエル・キナマン)は愛する家族と幸せな日々を過ごしていたが、ある日、車の爆破に巻き込まれる。かろうじて命を取り留めたアレックスは、オムニコープ社の最先端のテクノロジーによってロボコップとして生まれ変わり……。

<感想>前作のシリーズ第1作目から四世紀が過ぎ、本作のプレスに「現代の最先端技術に即したリアルな設定」とあるように、最新の映像技術を駆使しながらハリウッド映画とはやや趣の異なるリアルな仕上がりになっている。

近年流行のリブート作でも、かなりの上出来ではないかと思う。元々ヴァーホーヴェン監督の「ロボコップ」が悪趣味さにおいて素晴らしい作品だったが、本作もその精神を受け継ぎながら、若干違った今回のマーフィは死亡ではなく、瀕死の重傷を負い、あくまでも表向きの理由だが、その命を助けるべくオムニ社は、妻のクララの了承を得てサイボーグ手術を行い、彼は己の記憶を保持したままロボコップとして再生する。ここに、家族との交流を描こうというオリジナル脚本コンビも含むスタッフのこだわり感じられてならない。

ロボコップ、5機械部分を全部外した後のロボコップの姿があまりにビターであった。そのせいもあって、主人公の表情はいつも暗く沈んでいる。訓練の果てに敵をバンバンやっつけるロボコップかと思ったら、実は自動操縦モードなのに、自由意志で動いたつもりになっているだけ。と言う具合に疎外し尽くされタロボコップなのだった。

と同時に、今回はオリジナルを意識しながら微妙にずらした設定が多々見受けられる。オリジナルのマーフィは犯罪者一味に虐殺されるが、今回は武器密売犯に通じる汚職刑事のワナにかかり重傷を負う。

内部告発を恐れる汚職警官たちによる謀殺であり、オムニ社の設定もオリジナルでは既に警察を支配していたが、今回は自社のロボット技術を警察も含むアメリカ国家側に売り込もうと躍起となっている最中である。

ロボコップ、9ロボコップ手術の際も、オリジナルでは機械優先で残された生の左腕が切断されるが、今回は人間としてそのままにされる。
が、ワンクリックで強制シャフトダウンされてしまう姿も異様に哀しく見えた。だから、人間サミュエル・L・ジャクソンがその対照でとても輝いていたのが印象的でした。

その他に、ロボコップの開発者は旧作では目立たない存在だったが、新作では開発者のノートン博士のゲイリー・オールドマンは、オムニコープの社長セラーズ、マイケル・キートンと並び立つ、最重要キャラクターとなっている。

それでも、これはこれで良く出来ているが、前作が恋しいと感じたのは、懐かしさだけなのかも。
よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング   



papikosachimama at 18:36|Permalink

2014年03月28日

ラッシュ/プライドと友情5

ラッシュ、タイトルF1レーサー、ニキ・ラウダとジェームス・ハントが壮絶なタイトル争いを繰り広げたドラマを映画化。
事故で大けがを負いながらもシーズン中に復帰したラウダと、性格もドライビングスタイルも正反対なハントの死闘とライバル関係を、臨場感あふれるレースシーンと共に描く。
監督は、『ビューティフル・マインド』などの名匠ロン・ハワード。陽気なハントをクリス・ヘムズワース、冷静沈着なラウダをダニエル・ブリュールが演じる。

あらすじ:性格もレーススタイルも相反するF1レーサー、ニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)とジェームス・ハント(クリス・ヘムズワース)が激しい首位争いを繰り広げていた1976年。
ランキング1位だったラウダはドイツ大会で大事故に遭遇し、深いけがを負う。
復活は無理だと思われたがわずか6週間でレースに復帰し、日本の富士スピードウェイでのシリーズ最後のレースに臨む。

ラッシュ、6<感想>F1史上に残る76年のニキ・ラウダとジェームス・ハントの闘いが、個性の違いも含め魅力的な本作。カー・レース映画の最高の1本でしょう。
史実に忠実であると同時に、ラウダの語り手に、その前史も含めた映画的な構成の巧みさも、19768月のドイツGPで起きた「悪夢のニュルブルクリンク」決勝直前から始まり、豪雨の富士最終戦で終わるというのは、特筆に値すると思う。


お話がごく面白く出来ている上に、語り口が絶妙で、しかも役者がまたいいときている。まず申し分のない出来栄えといえよう。破天荒なハントに対してクールなラウダというイメージだが、見てみれば実はラウダの方がよっぽど過激だということが分かる。真面目な人ほど突っ走った時は、際限を知らない。

ラッシュ、2事故から早々にレースに復帰したラウダの、生々しいヤケドの傷跡が残る顔は、ハントをはじめ多くの人々の心を深く傷つけるが、ラウダ本人だけが、それを意に介してない。
だからサーキット場で、彼が装着するフェイスマスクとヘルメットは、ラウダよりもラウダを観る者たちを救う。
彼の異形を肯定するために。

事故が生死に直結した時代を記録映像は最小限に、実際に当時の車をコースで走らせて再現したのは、合成はあるにせよ単純に考えても凄いですから。これを超えるのは難しいでしょうね。


ピーター・モーガンの脚本は、1976年のシーズンに話をしぼり、悪天候の「世界選手権いん・ジャパン」で締め括ったのがうまい。
ラッシュ、1二人の天才を徹底的に対比したのが見事だし、生と死のにおいで観客の気を引く辺りも心憎い。

ロン・ハワード演出は、スリリングなことこの上ない映像だし、効果抜群の音響と、配役の妙を含めて年季が入っていると感じた。


よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング  



papikosachimama at 21:06|Permalink

2014年03月22日

ルビー・スパークス3

ルビー・スパークス「リトル・ミス・サンシャイン」のジョナサン・デイトン&バレリー・ファリスが同作以来6年ぶりに手がけた監督作。スランプ中の若手作家と現実世界に出現した小説のヒロインが繰り広げる恋を描いたラブストーリー。

脚本を執筆し、タイトルロールを演じたのは、映画監督エリア・カザンの孫娘ゾーイ・カザン。19歳で天才作家として華々しくデビューしたものの、その後10年間にわたりスランプに陥っているカルヴィンは、夢で見た理想の女の子ルビー・スパークスを主人公に小説を書き始める。するとある日、目の前にルビーが現れ、カルヴィンと一緒に生活を始める。しかし、ルビーが自分の想像の産物であることを隠そうと、カルヴィンは周囲と距離を置き、そのことに寂しさを覚えたルビーは、新しい仲間たちと交流を広げていく。そうして次第に関係がぎこちなっていく2人だったが……。

2012年(アメリカ)原題:Ruby Sparks 監督:ジョナサン・デイトン/バレリー・ファリス
出演:ポール・ダノ、ゾーイ・カザン、クリス・メッシーナ、アントニオ・バンデラス、アネット・ベニング、スティーブ・クーガン 、エリオット・グールド
(映画comより)

ルビー、1<感想>物語の、実際の着想は、まさに「理想の恋人を自ら製造する」話の祖形である、ギリシャ神話のピュグマリオンとのことだが、いずれにせよ自分が夢に見た女子をヒロインにして小説を書いていくと、彼女が実体化して出現する、・・・という少し不思議なSF的な、妄想を設定し、やがて自己中心的な欲望が暴走するという内容です。

そして、しっぺい返しに転じるという教訓劇の構造が、私たちには昔から親しんでいる藤子F的なものに思えるのだが。おまけに主人公の青年カルヴィンを演じるポール・ダノのルックスが、いかにものび太っぽいメガネ君であることも大きな要因の一つに思えた。
しかしだ、そう
カルヴィン青年は29歳でいい歳なのである。今時こだわりという面倒くさい自我を示すアイテム、その年代物のタイプライターを使い、「オハイオ州出身、初恋の相手はハンフリー・ボガードとジョン・レノン」と、二次元の嫁的な“俺の萌えキャラ”を鼻息荒く創造するのだから。
例えて言うなら今どきの草食系男子みたいな。まぁ、カス扱いされても仕方がないのだ。
日本の「モテキ」がアラサー男子への、共感を軸に恋愛ものを描いたものだとしたら、ヒロインのルビー役のゾーイ・カザンが脚本も務めているこの映画は、同種男子のコミュニケーション不全に向けた、女子目線からの直截的な説教なので、カルヴィンには欠点が濃厚に凝縮されていると思う。それゆえに甘酸っぱいのではなく、奥まで噛んだら苦いのである。
ルビー、2ちなみに私生活でもカップルのポールとゾーイは、撮影中も超熱愛ぶりを見せつけていたそうですよ。このように知能は高いけど社会的に不器用なキャラウターが、「リトル・ミス・サンシャイン」の監督、ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス夫妻の好みなのだろう。「リトル・ミス〜」では、ハミ出し者ばかりの“負け組一家”を描くロードムービーだが、実は全員個性的な規格外のインテリぞろいで、天才ファミリーの物語でもあった。本作でも、ヒッピー的な生活を送っているカルヴィンの両親が紹介されるシーンは、解放感あふれる魅力的な描写が映されており、ここだけ「リトル・ミス〜」の再演のように感じた。両親にはアネット・ベニングとアントニオ・バンデラスが演じており、ベテラン同士の絶妙な演技で面白おかしく熱演しているのもすこぶるいい。ここだけ前作の再演のような、ポール・ダノが自閉的な長男役を演じた「リトル・ミス〜」は日本でも人気が高い。しかし、本作に関してはあくまでも、ゾーイ・カザンの脚本がクリエイションの柱であり、83年生まれというゾーイの世代感覚に支配されていると思う。中でもカルヴィンがルビーの出現に驚いて口にする「ハーヴェイ」、映画版では巨大ウサギの幻覚上の友人を持つ無垢な中年男をジェームズ・スチュワートが演じている。
よかったら押して下さいね 〜"http://ranking.kuruten.jp/rankin.php" くる天 人気ブログランキング  



papikosachimama at 22:51|Permalink