2009年劇場公開作品、鑑賞

2010年01月24日

ラブリーボーン (試写会)5

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大作を次々と送り出してきたピーター・ジャクソンが、ついにスティーブン・スピルバーグとタッグを組んだ。しかも題材は、2002年全米で一大センセーションを巻き起こしたベストセラー小説アリス・シーボルドの同名原作「ラブリーボーン」の映画化だ。

「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督も、その本に魅了され監督が得意としていた「乙女の祈り」で見せたような、生と死を見つめた人間ドラマ。

しかし、最新作はちょっと意外で、すごく異色なファンタジー。アクションもなければクリーチャーも出てこないが、サスペンス満点の作品。

19日、東北放送による試写会で観てきました。   

   注意:ネタバレです!

まず物語が意外性に満ちています。舞台は70年代の米国ペンシルバニア。主人公は14歳の少女スージー・サーモン。

ある日下校の途中、彼女はとうもろこし畑で暴漢に襲われ殺されてしまう、というショッキングな描写から幕を開けます。

地上に戻ることも出来ず、天国に行くこともできない彼女がその狭間で、地上に残してきた家族、初恋の少年、そして自分を殺した犯人を見つめ、生前の心のケジメをつけるまでを描いています。

スージー、レイスージーがその殺された日、ずっと密かに想っていた上級生のレイにデイトに誘われる。

まさに天にも昇る気分だったに違いありませんね。ですがその帰り道、トウモロコシ畑を通っていると、隣人のハーヴィさんに呼び止められ彼が作った地下室に誘われそこで殺されてしまったのです。

家で帰りを待つスージーの両親はたまりかねて警察へ電話するのですが、トウモロコシ畑から、スージーの被っていたママの手編みの帽子が見つかり、そこに彼女の血痕があったことから死を確認するのです。

ma-ku,reityeruこの当時は少女誘拐とか家出といったことが頻繁に起きていて、警察も犯人捜しに協力的ではありません。

以来パパは犯人を捜そうと躍起となり、娘の死を忘れたいママはそんなパパが怖くなり、スージーの妹リンジーも、幼い弟バックリーも壊れかけた家庭を見つめているしかすべはなかった。

そしてある日のこと、リンおばあちゃんがやってきて、ママは家を出て行く。それでもパパは犯人捜しを続け、ついにハーヴィに目をつけたわけです。

青春目前だったのに、デイトもキスもできなかったスージーは、突然の出来事のあと彼女が辿り着いたのは、”天国とこの世の間”これはスージーの感情が元になってできているんですね。

シアーシャ

さすがにピーター・ジャクソン、殺された少女が留まる世界の映像が素晴らしく綺麗です。

美しい天国の映像でため息をつかせつつ、彼女が殺されたとき、酷い恐怖を味わったんだと匂わせるホラー描写で心を揺さぶります。

そんな地上に残してきた“スージーの想い”をジャクソン監督は得意のヴィジュアルで表現しています。

スージーが天国の入り口で無意識に創っていく世界。そこに彼女の想いが凝縮され、「春のような暖かい草原」、「ショッピングモールの見晴台」、「パパと一緒に作っていたボトル・シップ」、「命を落としたトウモロコシ畑」。

これらが倫理的にはあり得ない組み合わせが施され、映像の中に登場するシーンは圧巻ですね。

そして、大波に揺られて壊れてしまうボトル・シップ、そして何度も現れる赤い花、・・・それらがスージーの、言葉に出来ない想いを込めて観客に訴えかけるところも胸を打ちます。

raburi-bo-nn1しかし、たとえ完璧な天国にいても叶えられない願いであり、地上にいる家族と触れ合うこととか、犯人捜しに明け暮れるパパに何か知らせる手立ては無いのだろうかとか?

・・・娘を守れなかった罪悪感で苦しみ家を出て農園で働く母親。

だんだんと壊れていく家族をスージーは祈るような思いで天国から見守りつづけるんですね。

 あらすじだけ聞くと、暗くて重い感じの内容ですが、強調されるのは事件の悲惨さではないのです。

sutannri-確かに途中で犯人がスージーを殺した後、泥だらけ血だらけのバスタブに浸かっている殺人鬼が映し出されて、スージーは切断されて麻袋に入れられ古い金庫の中へ入れられるシーンとか、他の幼女殺人も映し出されるしで、観客に早く警察が犯人を捕まえるようイライラさせるシーンもあります。

 

感動作でありながら、この映画にはサスペンス要素もたっぷり。

少女殺しの犯人は捕まることなく、日常生活の中に溶け込み警察の捜査も進みません。

そこで、スージーのパパが彼女が残してくれた写真の中から、赤い花(スージーが訴えるシーン)の植えてある向かえ家の男を、犯人だと推測し追い詰めるのですが、犯人がトウモロコシ畑に逃げ込み、追いかけているうちに覗き変態と間違われ、若い男にボコボコに殴られて瀕死の重症を追うハメになります。

さらには、スージーの妹も父親と同じ犯人を突き止めて、犯人の家へ地下室から侵入、寝室の床板から犯行の証拠のノートを発見、しかし、そこへ犯人が帰って来てハラハラ・ドキドキの手に汗を握るシーンもあります。

監督、ピーター・ジャクソン確かに、殺人鬼を中盤から観客に見せつけておいて、誰しもが、早く犯人を捕まえて死刑にしてしまえという感情になりますよね。

天国へ行く前に出会った少女が、「人間はいつかは死ぬのよ」と言っていたけれど、でも犯人が逃走してあの死に方は気にいりませんでした。やはり電気椅子で死刑にして欲しかったですよね。

しかしながら、この作品が描くのは、残された家族の更生への道のりであったり、そして天国から家族を見守る少女の愛なんですね。事件のせいで絆を失っていく家族の姿に、スージーは胸を痛め、事件のことを引きずらないで、ただ私のことだけ覚えておいてねと。

今でも頻繁に起きている殺人事件。犯人が捕まらなくて迷宮入りになり、時効が過ぎてのうのうと殺人犯がこの世で生きているなんて理不尽極まりないと思います。

でも、絶望の先にあるかすかな光が、きっとあの世、天国へ行かれないで彷徨っている霊魂、天国とは人によって形が違い、自由に形を変えるものとして描かれ、それは美しく幻想的な映像で、観る者に、胸の奥にある温かい感情を呼び起こしてくれます。

監督が描くテイストも、人間ドラマ、ファンタジー、サスペンス、ホラーと、どのジャンルにも当てはまる幅の広さで演出力を見せ付ける。

su-zann特に殺されたヒロインという難しいキャラクター、スージー役に挑戦したのは「つぐない」でキーラ・ナイトレイの妹を演じたシアーシャ・ローナン。

透明感のある神秘性と愛らしさを醸し出して演技も数段上手くなっている。

最愛の娘の死のせいで壊れていく両親には、マーク・ウォールバーグとレイチェル・ワイズ。

家族を支えるおばあちゃんには、ベテラン女優のスーザン・サランドン。

そして犯人のハーヴィには、「プラダを着た悪魔」のスタンリー・トゥッチが、オスカーノミネートも必至と言われていることからも判るように、圧倒的な不気味さと恐ろしさで、彼が登場するシーンは極上のサイコ・サスペンスな感じで緊張が高まりますから。
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papikosachimama at 23:10|Permalink

2010年01月04日

映画ベストランキング10〜2009年5

 

お正月の生け花新年明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になり有難うございました。

本年も何とぞ宜しくお願い申し上げます。

2009年度劇場で鑑賞した作品、159本の中でベスト10!を選考。

2008年よりも、48本少なかったけれど、実は暮れにかかって「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」と「フォーカス・カインド」、「ティンカー・ベルと月の石」、「よなよなペンギン」も鑑賞しております。

 

しかしながら、なにしろ暮れにかかって映画を鑑賞したおかげで、すっかり家のことがおろそかになり、お正月の支度やらで投稿せずじまいとなりました。

まぁ、言い訳がましくなりましたが、2009年一年間で劇場通いして鑑賞した映画の中から、本当に素晴らしく自分の記憶にも残っている映画を選りすぐりました。

洋画部門

第一位:「グラン・トリノ

第二位:「レッドクリフ・part?」

第三位:「アバター

第四位:「ターミネーター4

第五位:「私の中のあなた

第六位:「カールじいさんの空飛ぶ家

第七位:「スラムドック$ミリオネア」

第八位:「永遠のこどもたち」

第九位:「ベンジャミン・バトン数奇な人生」

第十位:「チェ 28歳の革命」

特別賞:2009625日に急遽したマイケル・ジャクソンが、ロンドンで実施予定だったコンサート“THIS IS IT”。その何百時間にも及ぶリハーサル映像と舞台裏を収録したドキュメンタリー。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

邦画部門  

第一位:「サマーウォーズ

第二位:「エヴァンゲリヲン新劇場版:破

第三位:「重力ピエロ

第四位:「沈まぬ太陽

第五位:「ジェネラル・ルージュの凱旋」

2009年の邦画は鑑賞数が少なかったので五位までとしました。

昨年中は、TB・コメントをたくさん頂戴し本当にありがとうございました。

私の方が、TB・コメントのお返しが遅くなり大変申し訳なく思っております。

今年も皆様のところへ伺わせていただきますので、今後とも何卒宜しくお願いいたします。



papikosachimama at 14:24|Permalink

2009年12月30日

アバター 3D5

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構想およそ14年、製作およそ4年半、そして「タイタニック」を超えるフォックス史上最大の制作費をつぎ込んだジェ−ムズ・キャメロン監督作品がオリジナルSF大作である。

今回の大きなポイントのひとつは、ハリウッドの主流になりつつある3D影像。

キャメロン監督は最新の技術を駆使し、観客に、まるでその映画の中にいるかのような臨場感を味わわせようとしているのだ。

さてその気になってくるのが作品のストーリー。

時代は22世紀、そして舞台はパンドラという美しい惑星。主人公は両足の自由を失った元海兵隊員ジェイクと、そのパンドラに暮らす種族、青いヒョウのような姿をしたナヴィ族のプリンセス、ネイティリ。

ある時ジェイクはパンドラで行われている“アバター・プロジェクト”への参加を要請される。

アバターそれは、人間の肉体では決して暮らすことの出来ない惑星パンドラに融合するために、考えられた科学的プロジェクト。

グレース博士たちは、ナヴィ族と人間のDNAを組み合わせてアバターを創造し、その体に意識を送ることで、パンドラでの生活を実現しようとしていたのだ。

その被験者として選ばれたのがグレース博士とジェイク。というのも使用されたDNAはジェイクの双子の兄のものだったからだ。

ジェイクは車椅子から開放されて自由と新しい肉体を手に入れ、未知なる星へと足を踏み入れる。果たしてそこに何が待っているのか?・・・。(作品資料より)

ジェイク<感想>この作品は、キャメロン監督の頭の中から生まれた100パーセント・オリジナルストーリーである。大作といえば、シリーズもの、原作もの、リメイクしかないと言ってもいいくらいの現在のハリウッドでは、それだけで充分特異な存在といえるだろう。

しかも、その製作費はウワサによると映画史上最高の5億ドル!?

前作の「タイタニック」の時も当時、史上最高といわれた2億ドルだったのだから、その辺もいかにもキャメロン・ムービーなのである。

sigani-では、今回はどこに大金が投入されたのだろうか?・・・もちろん映像の技術にこだわっており、役者は科学者役のシガニー・ウィーヴァーを除けば、ほぼ新人状態のサム・ワーシントンとゾーイ・サルダナ。

役者関係はローコストに抑え、その分投入したのが新技術と、今回の舞台未知の衛星パンドラの創造なのである。

キャメロン監督が撮影監督のヴィンス・ペースと、趣味のドキュメンタリー「タイタニックの秘密」(03)製作時に共同開発をした、フュージョン3Dカメラシステムをよりバージョンアップさせたものを使い、映画を“体験”できるかのような映像を見せている。

さらに、役者の繊細な演技や動き、表情をとらえることが出来るより進化したパフォーマンス・キャプチャーを駆使して、3Dキャラクターを想像。今回の主人公に捉えている。

jyeiku,neiteliri映像技術は現在主人公であるパンドラの先住民ナヴィ族は青い皮膚だが、光の下だとその皮膚から赤い血液が透けて見えるという、キャメロンのこだわりを感じるこの辺の“人肌感覚(異星人の肌色?)”にも是非注目したいですね。

それともうひとつ、キャメロン監督が時間とお金、情熱を注ぎ込んだのが、今回の舞台となる衛星パンドラである。妥協をしらない完全主義者のキャメロンだから、自分の頭の中にだけ存在していたこの未知の星を具現化するため、各界のプロフェッショナルを召喚した。

天体物理学者、古生物学者、文化人類学者、音楽人類学者、植物学者、言語学者らの知識を総動員し、動物や植物、その生態系、大気や鉱物、果てはカレンダーまで、パンドラという星をまんま作り上げてしまったのだ。

なので、キャメロン曰く、パンドラに棲む動植物はすべて理に適ったものばかり。ナヴィ族の武器や兵器も、彼らの特性をベースにした上で作られているから。

ちなみに、言語学者はナヴィ族が喋るナヴィ語を一から作り、役者たちを集めて会話コースのコーチまで務めたそうだ。

jyeiku人類が宇宙開拓を始める22世紀を背景にした物語は、若き元海兵隊員ジェイクが地球からはるか遠い衛星パンドラを訪れるところから始る。

 

人類に莫大な利益をもたらす超伝導性の鉱物を採掘するための「アバター・プロジェクト」に参加するため。

過去の戦闘で傷ついたジェイクは車椅子生活を送る身だが、最先端科学が生んだ肉体“アバター”を得て、再び自由に動きまわれるようになるわけです。

意識をアバターとリンクさせ、第2の体と足の自由を得たジェイクは、プロジェクトの責任者グレイス博士のアバターと一緒にパンドラへと行く。生い茂るジャングルには巨大な猛獣(サイに似た感じで、獰猛なハンマーヘッドの甲殻体を持つ)がいて、無数の島が浮かぶ空には翼竜(パンシーというクリーチャー)が生息し、幻想的でいて危険が潜む世界で、そこでジェイクは星の先住民ナヴィの勇敢な女性ネイティリと出会うわけなんです。

neiteliriジェイクが初めてネイティリを見たとき、彼女をすごく魅惑的な女性だと思うんですね。何故って、彼女が強く独立した女性であり、彼がより良い人間になる助けとなってくれることに気づいていくんですね。

だが、ネイティリの方は、ジェイクから良い印象を受けず、最初は軽蔑さえしている。

ジェイクはネイティリにとって、パンドラの存在そのものを脅かす人間の、火炎放射器で焼き畑式の、鉱物掘削事業を代表する存在だったから。ジェイクの命を救うため、彼女はパンドラに生きるヴァイパーウルフ(毛のない光黒い皮膚、重なり合った鎧のように見える。)を殺さなければならなかったのです。

その他にも先住民が乗りこなすダイアホースは、地球の馬に似ているが、6本足で派手な模様、蛾のような触覚と羽毛のような先端がついている。それに、最も凄いと思った真紅に黄色、黒の縞模様で翼を広げるとゆうに20メートルにもなる空飛ぶプレデーター、レオノプテリクスに、あのジェイクが挑んで乗りこなすなんて信じられませんでしたから。

しかし、この凶暴な生き物さえも、パンドラの生態系にとって重要な一部であり、その生態系とナヴィ族は強く結びついているのだから。

パンドラには多くのナヴィが住んでいるが、ジェイクが知り合ったのは300メートルを超える高さのあるホームツリーの中で、一万年もの間暮らしているオマティカヤ族。

巨大ツリー樹木の複数に分岐した層を彼らは村のように活用している。一族のリーダーであるエイトゥカンはネイティリの父親で、モアトという一族の呪い師として権力を共有している。

パンドラの驚異の一つとして、その世界にはびこる中立の網状組織があり、それを通して星のあらゆる植物や動物の生命は結びついていることだ。ちょうどそれは人間の神経組織のように、この網状組織によってパンドラの全生命体は一つの固体のような機能をしている。

この組織の中央、そして星の中心部には、巨大な曲がりくねった“聖なる木”(クラゲのような、薄紫色の絹の糸みたいな二酸化珪素を撒き散らし、夜間には小さな胞子が飛び回る)

があり、それはナヴィの中核でもあり、生命のもとの拡張、再生と知識の源でもあり、ジャングルの魂の重要な一部でもあるのだ。

この聖なる木は、パンドラの一番磁場の強い場所で、この見えない磁場は計りしえないほどで、この貴重な鉱物は超伝導で物体を宙に浮かばせるという、地球の資源不足を補い、1Kg約20億円もの価値があるというもの。

panndora映画の前半では、パンドラの地に降りたジェイクの大冒険が展開し、未知の野生動物や植物が息づくパンドラはまさに生命の宝庫で、その神秘的な大自然を縦横無尽に駆け抜けるジェイクの解放感がダイナミックに伝わってきます。

彼がパンドラの先住民、ナヴィの娘ネイティリと織りなす情感豊かなラブストーリーも見所のひとつですね。

やがてジェイクは、ネイティリから星の生態や、生命との絆を重んじるナヴィの習性を知るわけ。だから、自然と彼らと心を通わせ、ネイティリとも恋に落ちるジェイク。

しかしながら、中盤からは、ジェイクの喜びに苦悩の影が滲みだして、人類がパンドラで行う大事業は、この星に対する侵略行為だと気づくわけです。偵察者の役目を担ってナヴィに接近したジェイクは、パンドラの環境を破壊する自らの任務に疑問を抱くようになっていくのです。

戦闘ナヴィの集落の下に埋まる鉱物を得るには、彼らを排除しなければならない。人間として戦うべきか?・・・ナヴィとして星を守るべきなのか?・・・このような状況のもとで人類とナヴィの板ばさみになってしまったジェイクの心の葛藤を通して、希望のありかを探す若者の成長のドラマとしても描かれている。

やがて訪れるクライマックスでは、パンドラという一つの星の存亡がかかった壮絶なバトルが展開する。いつも思うのですが、このような人間が殺しあうシーンを見るたび、何て愚かな行為を繰り返しているんだろうと、愛や命の尊さを知るにつけ、人としての責任感に目覚めたジェイクが下す命がけの決断が素晴らしいですね。

 

kyameronnこの星を攻める人間の兵器は、ロボットが先頭を歩き、大型のショベルカーに火炎銃、機関銃、ミサイルなど自然を破壊し動物、人間をもわけなく殺してしまう新兵器。

それに対するパンドラのナヴィ族は、人間が原始時代に使っていた弓矢だけ、それに猛獣だ。

彼女の一族は、共生、共感、調和という意味で、私たち人間が憧れるべき部分であり、その意味でこの物語は、環境との繋がりを、おそらく我々人間がそれを失った時代だからこそ賞賛すべき点ではないかと思います。

最新のデジタル3D映像で、世界中の観客にこれまでにない鮮明さで、映画を“体験”させることが出来、舞台となる星に、あたかも存在しているかのような“生物発光”をパンドラの環境に利用したリアリティをもたらし、観客がその星で呼吸している感覚を作り出しているのも素晴らしい。

あなたも是非3D映像で体験してください。

映像技術が進化するなら、その技術で見せる世界も物語も進化させるフィルムメーカーの努め、ということなのだろう。



papikosachimama at 14:06|Permalink

2009年12月25日

ニュームーン/トワイライト・サーガ3

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愛し合いながらも別れなければならなかった二人に、新たな危機が迫ろうとしていた!

美しきバンパイアと、平凡な人間の少女の運命の恋を描くファンタジー・ロマン「トワイライト/初恋」は、全世界で熱狂的ファンを生み出し大ヒット!

その待望の続編がこの「ニュームーン/トワイライト・サーガ」だ。美形のバンパイア、エドワードにはロバート・パティンスン、彼と恋に落ちる少女ベラにクリステン・スチュアートという主演カップルに、前作では脇役だったベラの幼馴染ジェイコブがさらに重要な役になり、再びテーラー・ロートナーが演じるなど、前作のキャストが再集結。

さらに、「PUSH 光と闇の能力者」でちょっと大人に見えたダコタ・ファニング、「フロスト×ニクソン」のマイケル・シーンらが新参入し、初登場キャラのヴォルトゥーリ一族を演じている。監督は「ライラの冒険/黄金の羅針盤」のクリス・ワイツ。

物語:バンパイアのエドワードと恋に落ちたベラにとって憂鬱な日がやって来た。カレン家それは彼女の18歳の誕生日。17歳から永遠に年をとらないエドワードよりも大人になってしまうのだ。

そんな彼女の心を知って知らずか、エドワードは彼女の誕生日を、彼の家族たち、カレン一家で祝おうとする。

だが、そのパーティーの最中、ベラが怪我をして血を流したことで事態は急変、エドワードの兄弟、ジャスパーが彼女の血の香りに反応してしまい、カレン家が修羅場になりかけたのだ。

このままではカレン家の絆も崩れ、さらにはベラも傷ついてしまうかもしれないと・・・エドワードは、ベラを愛すればこその選択を迫られる。彼はベラに偽りの言葉を並べ、一家共々このフォークスの地から立ち去ってしまう。

ジェイコブとベラ運命の人と信じたエドワードから突然の別れの言葉を告げられたベラは、それから廃人のような日々を送ることになる。

彼女のうつろな心に新しい風を吹き込んだのは、幼馴染のジェイコブだった。

ジェイコブとの交流で次第に元気を取り戻していったベラだったが、かつて彼女を狙っていたバンパイアのローランが舞い戻り、襲われかける。

そこに巨大な狼の群れが現れ、ベラは命を救われた。その狼たちは、実はジェイコブも属する一族、キラユーテ族の変身だった。ジェイコブもまた、この狼族の末裔で、ベラの危機にその遺伝子が覚醒し始める。

ベラとエドワードそんな時、ベラは自分が危険な状態になると、エドワードの幻影が現れ、忠告を与えてくれることに気づく。

そのため、彼女は様々な危険を冒すようになるが、それが元で、遠方の地にいたエドワードは、ベラが死んでしまったと誤解し、その絶望のあまりバンパイア一族のある掟を破り、自らもその命を絶とうとしていた。

 

フォークスに戻ったカレン家のアリスから、その事を聞かされたベラは、エドワードの“自殺行為”を止めるために、彼が向かったイタリアへ飛ぶ。そこには、バンパイアの掟を厳格に守り続ける最大勢力、ヴォルトゥーリ一族が住んでいた。

間一髪で愛する人を救ったベラ。だがエドワードの告白は、すでにヴォルトゥーリ族の族長アロや、冷血なジェーンたちの怒りに触れていた。

二人は彼らの恐るべき刑罰から逃れるために、命がけの駆け引きにでる。(作品資料より)

bera,edowa-do<感想>この作品も12月始めに鑑賞したのですが、かなり遅れての投稿となりました。

世界中の女子のハートをわし掴みにした「トワイライト」の続編、狼族のジェイコブが逞しい成長を見せたり、バンパイアの新しい種族が登場したりといよいよ物語は佳境に入って行きます。

クリス・ワイツがメガホンをとったことで、前作よりも胸キュン度は減ったけれど、ステファニー・メイヤー節少女マンガ的展開と、恋の三角関係や思わせぶり的なセリフは、かろうじて健在なり。

それと、サービスカットと思しき、ジェイコブ役のテイラー・ロートナーの鍛え上げられた体の逞しさと、相変わらず弱弱しくて青白いエドワードを演じている、ロバートパティンソンの上半身裸など、見どころもしっかりおさえているのが嬉しいですよね。

ジェイコブなんか、原作では、エドワードは最初と最後しか出てこないという。

ファンをがっかりさせないために製作側が工夫を練り、ベラが心の中でエドワードを想ったり、彼の声を聞くというシーンもあるのですがね。

でも、少々ベラがバイクで暴走したり、崖から海へ飛び込むなど、自殺行為のような危険なことをしないと、エドワードが亡霊のように現れないんですよ。

エドワードに会いたいばかりに危険なことをするベラ。この場面は見ていて複雑な気持ちになりましたね。

だって、ベラの命を救うのが、片思いのジェイコブなんですもんね。ベラとジェイコブのキスシーンなんて期待したのですが、ダメでした。

bera後半のクライマックスのシーン、イタリアのトスカーナ地方のモンテプルチアーノでの撮影現場。

広場の真ん中には噴水があり、その周辺にはフード付の赤いマントを着た大勢のエキストラたち。

このロケは、気温が30度ある真夏日に撮影したそうです。

あの衣装では相当暑いだろうと見ていて同情してしまう。

 でもこのシーンは、物語の最初で、愛し合いながらも別れることになるベラとエドワードが再会する大事な場面なんです。

ヴォルトゥーリ一族しかしながら、二人はゆっくりロマンチックな気分になんて浸ってられないんですよ。

だって、とてつもない危険にさらされているから。

でもでも、最後にエドワードがベラに「結婚しよう!」ってプロポーズするんですね。と言うことは、次回作では目出度く二人は結ばれるっていうこと?・・・じゃぁ、ベラはバンパイアになるってことかしらね。

ヴォルトゥーリ一族のキャスティングは、とても荘厳な感じのする俳優さんたちでまとめていて申し分ないですね。

dakodaファニングちゃんのバンパイアは、かなり似合ってたと思います。

でも、出番が少なかったですよね。

 

ちなみに第三弾「エクリプス」のロケは、8月にバンクーバーでスタートして、次の監督は「30デイズ・ナイト」のデーヴィット・スレード。

 

最もドラマチックな完結編「ブレーキング・ドーン」に向けて、このロマンチックでスリル満点の物語の映画化は、急速に進んでいるそうです。



papikosachimama at 23:28|Permalink

2009年12月19日

パブリック・エネミーズ4

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硬派骨太なマイケル・マン監督が1930年代、全米にその名を轟かせた伝説の実在した銀行強盗デリンジャーの実話を描いている。

単なるギャング・アクションとはまったく違う。ジョニー・デップがそこで演じてみせるのは、己のポリシーを貫き通した一人の男の生き様であり、男の美学に他ならない。

男が酔い、女が惚れる、そんな“男の美学”を本作でたっぷり味わい尽くそうではないか。

 ご注意下さい:全部ネタバレですから

物語:1933ねん、銀行強盗のデリンジャーは、FBIを挑発するかのように、手下を率いて鮮やかな手口で、大胆不敵な犯罪を繰り返していた。

デリンジャーが手下に課していたのは、銀行に居合わせていた一般人には手を出さない、血は流さない、仲間は裏切らない、というもの。

外見も三つ揃いのスーツにコート、帽子という紳士姿の強盗団だ。その犯罪のルールは、デリンジャーの生き方のダンディズムに繫がっている。

デリンジャーは、「愛した女は最後まで守る」という男の美学、権力にはどこまでも反逆するが、弱い者イジメや、卑劣なまねは決してしないという、「流儀」を持った男だった。

そんなダーティー・ヒーローを演じあげる、ジョニー・デップのカリスマ性と複雑なロマンチシズムは美しい。

marionnある夜、デリンジャーはシカゴのナイトクラブで、クローク係のビリーというミステリアスな美女に一目惚れする。「エディット・ピアフ/愛の賛歌」でアカデミー主演女優賞を受賞した、マリオン・コティヤールがビリーを演じている。

ビリーはフランス人とインディアンの混血で、孤独な環境で育ち、早くから自立して世間の苦労を味わっていた。そのため、デリンジャーに惹かれながらも人生を託すことをためらう。深入りして結局彼を失うことになるのが恐ろしい。そうなれば、いままでとは違う孤独が待っているから。

折から創設されたばかりのFBIが、デリンジャーを指名手配して宣戦布告。捜査官バーヴィスを指揮官とした大捜査網が敷かれる。バーヴィス捜査官には、あの「ターミネーター4」で活躍したクリスチャン・ベイルが深みのある演技で緊迫感を与えている。

海辺で不安を募らせるビリー、と、ここで出たデリンジャーの殺し文句が、・・・「俺は殺されはしない。君と老いて死ぬ」、海沿いのこの場面のジョニーに抱きしめられ、なんてこと言われたら誰だって惚れちゃうよね。

だが、一味は逮捕され、裁判を経て刑務所に収容されるが、デリンジャーは厳重警戒のスキをついて鮮やかに脱獄。真っ先に電話をしたビリーは、すでにFBIの監視下に置かれていた。

「会いに来ないで」というビリーに、またしても決めるデリンジャー!・・・「君を迎えに行くよ、面倒はみる」もうだめ、ビリーはついにデリンジャーの女になる喜びと悲しみを受け入れた。デリンジャーを心から愛している。もう引き返せない。

銃撃戦まもなくデリンジャーは、新たなメンバーを加えてまたしても犯行に及んだものの、FBIに隠れ家を包囲されて仲間を銃撃戦で失う。

デリンジャーは、からくも逃れてビリーの元へ。これまで刹那的に生きてきて高飛びなど考えたこともないデリンジャーだったが、ビリーを知ってからというもの、心境に大きな変化が訪れていた.

「次の仕事が終ったら一緒に遠くへ逃げよう」とデリンジャー。「ええ、あなたと一緒に行くわ」とビリー。いやもう、なんて大人な純愛なの!

そこに度重なる失敗によるFBI長官フーバーの苦境とバーヴィスの苦悩。ジリジリと迫る捜査網というドラマとサスペンスが絡み合って、見ごたえがずっしりと来ること間違いありません。

jroni-面目丸つぶれ、何としてでもデリンジャー逮捕にこぎつけなければならないFBI、さらに捜査に総力をあげる。それは、デリンジャーの幼馴染だった売春宿の女主人、アンナが不法滞在者である情報を入手。バーヴィスはそれを突破口に、最後の勝負に出る。

運命の夜のラストシーン、アンナと売春婦のポリーと映画を観に行くことなった。上映されていた映画は、クラーク・ゲーブル主演の「男の世界」ギャング映画のよう。

3人が劇場から出てきたところへ、待ち伏せしていた20人を超える捜査官による銃撃の発砲された弾がデリンジャーの後頭部に当たり、この一発が彼の命を奪った。

彼が息を引き取る時に言った最後の言葉を、ビリーに伝える捜査官。あの初めて会った時の思い出の曲「バイバイ、ブラックバード」。ビリーの頬を伝い落ちる大粒の涙が、デリンジャーとビリーの愛の深さを思いしらされる。

arisu,wannda-ranndo大好きなジョニーの映画、どんなに内容が酷くっても気にしません(笑)

本当は★5個付けたかったのよね、でも皆さんの顰蹙をかう様なので4個です。

ジョニーにはやっぱり美しきアウトローが良く似合う!・・・そりゃもうカッコイイに決まっているから( ´_ゝ`)ノ

手持ちカメラ多用の、時代そのものを感じさせるリアリティに満ちた画のカッコよさもさることながら、裏切り者を決して許さず、しかし昔の仁義を忘れる新しい仲間たちの失態によって追い詰められながらも、愛した女に一途な思いを抱き続ける男の姿に痺れます。

 

デリンジャーとビリーが出会った瞬間のロマンチックなこと、交わす眼差しには“運命の女を見つけた”という熱い思いが感じられ、デリンジャーの腕に抱かれて踊るビリーの赤いドレスと、陶酔したようなビリーの瞳が印象的でしたね。

そして、「あなたの好きなものは?」というビリーへの質問に「俺が好きなのは、野球、映画、高級服、速い車、そして君だ!」と女心をわしずかみにするキメ台詞。

そんなデリンジャーを、久しぶりに白塗りメイクではなく、ハンサムな顔を魅せてくれたジョニーが演じているのだから文句なしだわ!

次回作は、コスプレ満載の「アリス・イン・ワンダーランド」なので、綺麗なジョニーを鑑賞するには本作がうってつけの作品ですよ。

 

追記:そうそう、「ダークナイト」のヒース・レジャーが撮影半ばで急遽したことで、ヒース亡き後、主人公をジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウの3大スターが演じ分けたことで話題となった幻想奇談「Dr.パルナサスの鏡」が、2010年1月23日に公開されます。



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2009年12月14日

カールじいさんの空飛ぶ家5

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君との約束を守るため僕は今から旅に出る__この冬、ディズニー/ピクサーが贈る最新作は、風船のついた家で空へ飛び立ったガンコじいさんの物語。

ラブストーリー、アドベンチャー、アクション、ヒューマンドラマ、すべての要素がここに詰まっています。

物語:幼馴染だった愛妻エリーに先立たれ、今や妻との思い出がたっぷりと詰まったオンボロな一軒家にひとりで暮らしている78歳のカール。

周囲も開発が進んでビルが立ち並び、カールの家は立ち退きを迫られている状態だ。

そんな中、工事関係者とトラブルを起こし、老人ホーム行きを免れない状態に。

そこでカールは、家を大量の風船で浮かび上がらせ、エリートの夢であった南米への旅、ベネズエラにある秘境パラダイスフォール(楽園の滝)へと旅立っていく。

ところがこの旅には思わぬ参加者が、小太りな少年ラッセルがたまたま飛び立つ寸前のカールの家を訪れていたために、そのまま同行することになってしまったのだ。

けれどもやがてラッセルの生い立ちを聞いたりするうちに、カールとラッセルには不思議な絆が生まれていく。かくしてようやくベネズエラに到着したカールたちは、人間の言葉を話す犬や幻の怪鳥、そしてカールの憧れであった冒険家チャールズ・マンツと出会うなど、いろいろな出来事に遭遇。

やがて思わぬ事態に巻き込まれていく。(作品資料より)

空へ<感想>「トイ・ストーリー」、「ファインディング・ニモ」などヒット・アニメを生むディズニー/ピクサーの10作目。

「モンスターズ・インク」で不気味であるはずのモンスターたちと幼い少女の交流をハートフルに描いたピート・ドクター監督らしく、今回も可愛げない頑固なおじいさんを主役にしつつ、最高に心温まる作品に仕上げている。

他のスタジオなら確実に「ボツ。次のを考えて」と言われそうな、風船で家ごと持ち上げて南米への冒険旅行に出るという展開を、観客に「あり得ない」と思わせずに堂々とやりきってしまっているのもさすがですね。

また本作は、ピクサーにとっても初の3Dデジタルアニメでもあるし、変に仕掛けで飛び出す映像を見せるのではなく、より自然美などを浮かびあがらせるようなタッチで作り上げているのもお見事。

エリーととてもファンタスティックでありながら、ユーモアのセンスもたっぷりと、涙あふれる展開もびっしりと詰めこまれた老若男女誰もが楽しめる傑作に仕上がっている。

そもそもカールとエリーは子供の頃に出会った。

2人とも冒険が大好きだがカールは無口でシャイ、エリーはやんちゃで陽気でカールとは真逆な性格だ。

そんな2人が次第に成長して、恋に落ち、結婚する様をスケッチのように冒頭で綴っていく。南米行きの旅費を貯めつつ、トラブルでその貯金を失った様や、実はエリーに原因があって2人に子供ができなくなったいきさつなど、2人の人生がしっかり描かれていてかなり泣けること間違いないです。

南米の滝物語のベースはカールじいさんの亡き妻への愛情なのだが、湿っぽい回想シーンを長々と挟まず、スナップ写真などアイテムでさらりと“思い出”の尊さや切なさを表現したドラマは、まさに大人の味わいですね。

 

そうしたディテールが実に繊細なため、カールじいさんと妻エリーとの記憶が宿った家具を捨ててまで家を空へと浮上させるシーンでは、家が浮く瞬間からは、何度もウワ〜っと声を上げる驚きが連続する。もう、ここだけで充分に泣けるんですね。

ラッセルと色とりどりの風船にぶら下がった家が、高層ビルの谷間を抜けて飛んで行く光景の美しさ、ここで見られる風船の数はなんと20622個。

 

目的地の南米にある伝説の滝付近の神秘的な光景に、思わず息をのむ。

それに、なぜか家に乗り込んでいた8歳の少年ラッセルに、最初は辟易していたものの、一緒に旅を続けていくうちに心を通わせていく姿が胸を打ちます。

そして、彼らに次々と襲いかかる危機は、スリルたっぷりでドキドキが止まりませんね。

南米についたカールたちを迎えるのが、カートゥーン(漫画映画)らしいユニークな動物キャラたち。

怪鳥特に傑作なのは、鼻が大きく、自動犬語翻訳機のおかげで人間としゃべれるようになっている犬のダグ。

テニスボールとリスに目がない彼の言動はキュートですから。

ちなみに、ダグの声は共同監督のボブ・ピータースンが担当しているそうですよ。

また3メートル以上もあるカラフルな怪鳥(ケヴィン)も、軽快な動きとキョトンとした目と表情の面白さで笑わせてくれる。

底流に妻エリーへの尽きせぬ思いが流れつつ、冒険のワクワク感、正義や優しさなどのエピソードに心が熱くなること間違いありません。そして深いテーマに、最高にハッピーな気分にしてくれる満足な作品です。

追記:同時上映の『晴れ、ときどきくもり』
コウノトリの秘密を明らかにした短編映画で、曇りの雲とオチコボレのコウノトリの間のハートウォームなやりとりが面白かったです。



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2009年12月12日

20123

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マヤ文明が予言した世界の終末がいま現実のものとなる!ディザスター映画の巨人が放つパニック・スペクタル。

高度に発達しながらも謎の消滅を遂げた古代マヤ文明。そこで用いられた“マヤ暦”は、西暦2012年12月21日で終っていた。その日、人類の歴史にいったい何が起きるのか?・・・「インデペンデス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」など数々のディザスター大作を世に送り出して来たローランド・エメリッヒ監督が最大級のスケールで放つパニック・スペクタル。

大洪水、地震、津波、火山噴火、氷河の溶解など、あらゆる天変地異が人類に襲いかかる。

物語:ジャクソン(キューザック)はうだつのあがらない小説家。彼が家族を尻目に仕事に没頭するあまり、妻のケイト(アマンダ)は子供を連れて家を出て行った。

それでも二人の友好的な関係は続いていた。

異変の始まりは、ジャクソンが娘と息子との久しぶりの旅行を楽しんでいた時だった。ロサンジェルスを大地震が襲い、地表を分断するほどの亀裂をもたらしたのだ。

そして、イエローストーン国立公園を訪れたジャクソンたちは、火山地帯を占拠するするものものしい軍隊を目にする。

いったい何が起きているのか?、そんなジャクソンの疑問に答えたのは、公園内に潜伏していた風変わりなラジオDJチャーリー(ハレルスン)。彼によれば、ニュートリノの異常によって地球の核が溶解し、まもなく全世界を壊滅的打撃が襲うという。

2012,LAその証拠に、それに気づいた職者たちが次々と不審な死を遂げている、と。だが、そのあまりにもエキセントリックな説は、ジャクソンには受け入れがたかった。

しかし、ジャクソンが日常へ戻って間もなく、突然それは始った。人類がかつて経験したことのない地表が波打つような巨大地震。

崩壊していく家屋から間一髪で家族を救出したジャクソンは、地表が割れ、建物が崩壊し、街が炎に包まれていく惨状をくぐりぬけ、飛行場までたどり着く。

LA崩壊無我夢中で上空に飛び立った彼らの目に映ったのは、ロサンジェルス全域が跡形もなく消えてゆく悪夢のような光景だった。

太陽系の惑星が直列したとき、世界終末の日がやってくる。__古代マヤ人はすでにこの日が来ることを予言していた。

2012年12月21日でマヤ暦は終っていたのだ。この地震は、破滅の発端に過ぎなかった。

いちはやく地球が発するメッセージを解読したのは、アメリカ大統領科学顧問のエイドリアン(イジョフォー)これから何が起きるのかが分かった時、彼は覚悟を決める。

津波全人類を救うことが出来なくても、一部の人間は救えるかもしれない。

だがアメリカ大統領(グロヴァー)を初めとする各国政府の上層部は、世界の危機を予知しながらも、集団パニックを防ぐため情報をひた隠しにしていた。

大統領の娘ローラ(タンディー)は、そんな父親の決断にショックを隠せない。

終末の時は、大災害となって世界中を覆っていく。空から降り注ぐマグマの塊、崩れ落ちてゆく歴史的建造物。ヒマラヤ山脈おも飲み込もうとする大津波。

世界中が地獄絵図化としていく中、ジャクソンは死力を尽くして生き残る術を模索していた。彼らにとって唯一の望みは、政府が作ったといわれる“巨大船”の存在。何があっても家族を守り抜く、その強い気持ちがジャクソンを奮い立たせていた。

出演は、「1408号室」のジョン・キューザック、「キンキーブーツ」のチュイテル・イジョフォー。「恋愛適齢期」のアマンダ・ピート、「幸せのちから」のタンディー・ニュートン。「ブラインドネス」のダニー・グロヴァー、「ノーカントリー」のウッディー・ハレルスン。(作品資料より)

eidoriann<感想>冒頭は2009年のインド。そこで地熱の急上昇を知った科学者のエイドリアンが、それが世界終末につながると予測するシーンから始る。

そして、2010年にG8でエイドリアンの推測が正しく、世界に終わりが来るとアメリカ大統領が主要国に報告をする。

それから、あっという間に2012年になって、アメリカ西海岸で地震の大きさが、なんとマグニチュード10.5とか。

とんでもない、理論的にはあり得ない数値の巨大地震が起きて、地球が割れて海底は隆起し、世界規模の洪水が起きる。

2012、火山地殻崩壊による“世界沈没”の地獄絵図を描いた我らがエメやん。

映画の中盤で展開されるLA崩壊シーンだけで、入場料の元は取れるって!

 

そして、キューザック一家の乗った車、途中からはセスナ機が、すべてギリギリ0.1秒前に危機を逃れるパニック映画のツボ的な連続技に、大音量を伴っての高層ビルにハイウェイの倒壊で、間違いなく全身硬直状態になりますからね(笑)

各キャラの絶妙なご都合主義的な?・・・絡み方も、この手の映画ならではですよね。

jyonn,kyu-zakkuカルフォルニアが「ボルケーノ」して、イエローストーンが「ダンディス・ピーク」するなか、ヒマラヤ山脈には「ディープ・インパクト」が迫り、やっとのおもいで乗ったジャクソン一家が、「ポセイドン」な状況に陥いり、キューザックが水の中へ潜って絡まっているロープを解くシーンは、「アルマゲドン」な決意をするしで、現代版のノアの箱舟は「タイタニック」的な大ピンチになる。

過去のあんな映画やこんな映画が入り乱れてのディザスター祭り!そして、終盤は人類の怒涛の運命が、・・・巨大な津波で地球が海の藻屑になると思いきや、隆起したアフリカの大地が見える。

何だか期待したのに、そこはエメリッヒ作品らしい終息だけど、地球の危機を絵的に観たい人の欲求には充分応えている仕上がりかと思えます。

でもね、“ノアの箱舟”に乗れる人達って、お金持ちとかお偉いさんしか乗れないのよね、だって1人の乗船チケット代が、10億ユーロっていうのだから、・・・貧乏人は生き延びれないでしょうね(苦笑)

大統領と娘エメリッヒの作品って、全体的にとんでもないって雰囲気があるんだけど、こういう実話ベースの部分があるから面白いのかもしれませんね。

 

過去作品でも「インデペンデス・デイ」でもエリア51(宇宙船を保存していた秘密基地)が登場するし、「デイ・アフター・トゥモロー」では、地球温暖化で海流が停止する説をもとにしたけど、本当にある学説なのだ。

 

今回はマヤ暦の2012年終末思想

と地殻が流動する説を合わせているしね。本当に2012年がいまある世界の終わりで、新世界到来の予言としたら、ホントに起きるかもしれないってこと、後3年じゃん、生きた心地しないよね。

でも、ノストラダムの予言は外れちゃったから、どうも信用できないし、資料によるとマヤ暦は計算的で信憑性があるし、マヤ暦の別のサイクルでは、2012年は通過点で、終わりの年ではないという説もあるそうで、その先数万年まで存在するそうですよ。

そうなれば、結構信じやすい性格の私には、映画で地球が滅んでも気分は複雑ですが、希望が持てますよね(笑)



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2009年12月04日

理想の彼氏3

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あなたの理想は間違ってない?__バツイチ40歳女子が24歳草食男子と恋に落ちた。

恋に年の差なんて関係ない、とは昔からよく言ったものだけど、最近は完全に男女が逆転していると思う。

しかも、キャリア系アラフォー女性と草食系男子は、実は黄金コンビなのだ。それを確かめる決定打がこの映画「理想の彼氏」で胸キュンして欲しい!

理想の結婚だったはずが、夫の浮気を知り離婚した40歳のサンディ。かたや、グリーンカード目的の女性に騙され、これまた結婚に破れたばかりの24歳のアラム。

2人の子持ちのシングルマザーと、自分探し中のバイト君が、ひょんなことで出会い、惹かれあっていく。ところが簡単には、恋人同士にはなれない。何故って男女逆転した年の差も、キャリアの差も、現実問題やっぱりデカイ。

互いの周囲も“まさか本気じゃないでしょ?”と奇異の目だし・・・。

それでもサンディの子供を間に、二人がたまらなく惹かれ合っていく過程、魂が触れ合うようなその優しい関係が、超ロマンチック!

特に「君と君の子と過ごす時間が、僕を豊にしてくれる」と真剣なまなざしで語るアラムに、酸いも甘いも知った女性はほだされずにはいられない!

女友達の紹介で、サンディが元夫を彷彿とさせる妙に自信満々の男たちとデートするシーンは笑いの連続。なるほど理想の条件を備えた男と、心が求めている真の理想の彼って違うのね、と目からウロコ。

しかし、そのまま簡単に二人の関係がゴールとはならず、横たわるシビアな障壁も描きこまれているのが本作の妙味。

果たしてこの恋の行方は?・・・本当の幸せってなんだろうと考えさせられつつ、温かい気持ちに包まれる。

アカデミー賞女優、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが等身大の40歳のヒロインをコミカルかつ魅力的に演じる。誠実な若者アラムを演じるのは『ナショナル・トレジャー』のジャスティン・バーサ。

本作は、ジュリアン・ムーアの年下の夫でもあるバート・フレインドリッチ監督のオリジナル脚本。(作品資料より)

kyasarinn2<感想>浮気夫と離婚後、理想の結婚生活を手放すところから、主人公サンディのラッキー?、ハッピー?の生活は始ったわけで、一番に不安に思ったのは一緒に連れて出た子供たち。

だって、今まで専業主婦だったわけで、こんなに簡単に仕事がみつかりアパートも見つかる。それに、若いベビーシッターまでもね。

ここでは、以外にそんな不安も描かれていなくて、サンディ中心の彼女の自由奔放な性格を、幸せを探しながら自分らしく生きる、誰かのためだけに過ごすのではなく、なりたい自分を目指し生き生きと輝いていく姿が描かれているんです。

そんなサンディだから、昔から夢だったスポーツ・チャンネル局で働き始め、努力と熱意のもと仕事も雑用係から、やがてキャスターへと専業主婦からキャリアウーマンへと転身。

家族当然のこと不安もあるけど、未来の自分に期待して頑張るしかないのよね。幸せになる人って失敗を恐れていては何も始らない。

一時期凹んでも失敗から成長できちゃうのよね。

一生を共に生きる永遠のパートナーって、何が何でも妥協して無理をしながら一緒にいても幸せじゃないって思わない?

家族と過ごす時間も大切だけれど、一人の時間を楽しむ趣味とか、心の余裕もあった方が絶対にいいに決まっている。

この映画のサンディは、ヨガやジムで体を動かしたり、女友達とおしゃべりをも楽しむ時間は必要不可欠なもの。

アラムに子供を任せて、自分のための時間を楽しむようになっていくサンディ。ロマンチックでありつつも、思わず笑ってしまうコミカルなシーンが満載。その中でも女性センターで護身クラスに参加するシーンだ。

センターのバイトで、ウレタン製のファットスーツ(相撲とりの着ぐるみみたいな)を着込んだアラムを、浮気した夫に見立てて、激しいキックとパンチを繰り返し、とんでもない暴言を浴びせちゃうシーンには、私も思いっきりこんなふうに発散してみたいと思ったわ(笑)

kyasarinnそんな二人も自然に結ばれていくのは当然のことだけど、サンディが子宮外妊娠をして二人の関係がギクシャクしていく。

と言うか、サンディの方が若いアラムと今後一緒に暮らすことに不安を抱いてしまったからなの。

それにしても、私生活でパパラッチされると単なるオバハンなのに、映画の中では見事に体を絞ってシェイプアップしているキャサリンの魅力が満載です。

タンクトップのエクササイズ姿に、クーガー女のエロスと女優魂を見せ付けられました。

理想の彼は、幸せにしてくれる人じゃなくって、“一緒に幸せをつくれる人”。世間で言う理想の彼氏を手に入れるために必死になったり、手に入れた理想のかけらにしがみついて、本当の意味で幸せになってない人って多いと思うのよね。

でもね、日本の女性たちって、今はだいぶサンディのような勇気ある行動を取る女性も多くはなってはいるが、まだまだ男性に依存して、子供のためにと我慢しながら結婚生活を続けている人っていると思う。

だから、毎日が充実して、今もそれなりに幸せで、でも「これでいいの?」と不安になった時には、「本当の幸せは人と比べるものじゃない」って自分に言い聞かせること。

当たり前のことだけれど、人それぞれの幸せがあってもいいと思う。周りの人がどう思うかなんて関係ないし、未来に期待して今できることからやってみよう。毎日がそんなに悪くないと思えたらそれが、最高なのでは。



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2009年11月26日

イングロリアス・バスターズ4

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新作を発表する度にセンセーションを巻き起こし、世界中の映画シーンを揺るがす鬼才クエンティン・タランティーノ。映画的に面白さがいっぱい詰まった痛快無比な作品だ。

今作の舞台は、ユダヤ狩りが行われていた「昔々ナチス占領下のフランス」。そこで荒唐無稽なお伽噺のような物語が展開される。

物語:第一章:「その昔・・・ナチ占領下のフランスで」1941年、フランスの田舎町ナンシー。ナチスのジープの音が響き、農場主ラパディット家に緊張が走る。部下を引き連れてやって来たのはハンス・ランダ大佐。数え切れぬほどのユダヤ人を死に追いやり、“ユダヤ・ハンター”の異名を名乗る冷血漢だ。物腰こそ柔らかだが巧妙な話術で、一家の家長ラパディットを追い込む。

ついにランダ大佐は床下にユダヤ人一家を匿っていることを白状させた。床に向かって一斉に射撃するランダ大佐の部下たち、ユダヤ人一家は全員殺されたかと思われた時、娘のショシャナが辛くも銃弾を逃れ逃げ去った。

第二章:「名誉なき野郎ども」ナチス総統アドルフ・ヒトラーは苛立っていた。彼を悩ませるのは“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれる連合軍の極秘部隊の存在だ。アルド・レイン中尉率いるユダヤ系アメリカ人で編成されたバスターズたちは、フランスに潜入してナチを殺して、頭の皮を剥いでまわっている。彼らはいずれも血気盛んだが、とりわけ野球のバットで敵を容赦なく殴り、“ユダヤの熊”と呼ばれているドニーと、ドイツ人でありながらナチ将校13人を虐殺し、服役中にアルドにスカウトされたヒューゴは恐れられていた。

syousyana第三章:「パリにおけるドイツの宵」1944年6月、うら若き映画館主ミミューは、ドイツ軍の若い兵士フレデリックに言い寄られ、困惑していた。実はミミューは、3年前にランダ大佐に家族を殺された少女ショシャナその人だったのだ。

フレデリックは危機の最中に、たった一人で250人もの連合軍兵士を殺した戦争の英雄で、その武勇伝はナチの宣伝大臣ゲッベルスの指揮の下、本人の主演で映画化されたばかり。この映画「国家の誇り」のプレミア上映を、フレデリックはショシャナの映画館で実施したいと申し出る。

強引にゲッベルスと引き合わされ、そこで彼女はランダ大佐とも再会することに。この時ショシャナは決心した。プレミア上映の夜、劇場もろともヒトラーやナチスの高官たちを燃やしつくそうと。

酒場で第四章:「映画館作戦」。「国家の誇り」のプレミア上映の報をを受けたイギリス軍は、ナチスもろとも映画館を破壊するという極秘作戦を実行するため、ヒコックス中尉を現地に派遣した。この作戦には“イングロリアス・バスターズ”も動員されていた。

ヒコックス中尉は現地に近いナディーヌ村でアルト中尉らと合流し、英国の二重スパイであるドイツ人の人気女優ブリジットに居酒屋で接触する。ところが、ナチがいないはずの店には、その日に限って子供が生まれたドイツ兵とそれを祝う仲間たちで賑わっていた。

ヒコックス中尉の不自然なドイツ語訛りに気をとめるドイツ兵。その場に居合わせたナチの将校もヒコックス中尉に疑惑の目を向け、銃撃戦になってしまう。そこから生き延びたのは、脚に銃弾を浴びた女優ブリジットだけだった。

第五章:「ジャイアント・フェイスの逆襲」。「国家の誇り」のプレミア上映の夜、続々とナチスの高官たちが映画館にやってくる。そこにはイタリア人を装い、ブリジットを連れ立って潜入したアルド中尉らの姿も。

警備主任となったランダ大佐は、ブリジットの裏切りを疑い、目を光らせている。一方、ショシャナは恋人の映写技師マルセルに最後の仕事を頼み、自らは復讐心を胸に秘めて、この夜の映写係を務める。様々な思惑が交錯しながら、運命のプレミアが幕を開けた。(作品資料より)

タランティーノ監督<感想>その名のごとくタラタラとした会話も魅力のタランティーノ作品だが、今回は冒頭での例のごとくの会話が、じわっと恐怖をかきたてる演出に円熟味が感じる。

そんな感じで終始、過去のやんちゃな勢いは抑制され“魅せる”映画になっていたのにも驚いた。

監督が大好きな作品にオマージュを捧げているだけでなく、彼の映画愛が物語とともに炎上した作品になっている。

映画のポスターのブラッド・ピット、傲慢な表情にちょび髭のブラットが写った、ナチスのシンボルの鷲をあしらったポスター。ブラッドは当然ヒトラー役ではないわけで、ユダヤ系の男たちを率いる米軍の将校で、ナチス占領下のフランスに潜入し、ナチスと見れば容赦なく殺していくゲリラの隊長の役。

burapi昔から戦争映画、ナチスものが好きだったこともあるが、ナチスは必ず悪役、それも冷酷非情な悪役で、映画としてはとてもわかりやすい。

しかも、ナチスの面々はキャラクターとして際立っている。

ヒトラーにしろ、ゲッベルス、ゲーリンク、ボルマン、下っ端の将校にいたるまで、誰を例にとっても劇画化しやすいのではないかしら。

アメリカ軍(連合国軍)はとにかくナチスをやっつければいい(笑)。

なにをされても、どんな扱われ方をしても、誰も文句は言えない、っていうか言われない映画の中のナチスは“悪”なのだ。そこんところをタランティーノは充分承知していて、実にうまく映画にしている。

kurusutofu冒頭の場面から、観客は映画の世界に一気に引き込まれる。バックに流れるのは、何故かマカロニウェスタンのテーマ曲。

ところが、これがぴったり合うんですよね(笑)

ユダヤ人を匿っている疑惑のある農場へ、、ナチスきっての“ユダヤ・ハンター”、クリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダ大佐が現れる。このランダ大佐は、フランス語、ドイツ語、英語を駆使して、農場主を追い詰めていく場面。

息詰まるやりとりの挙句、苦悩の表情を浮かべる農場主。

もうこのシーンだけで「タランティーノ、ってやっぱすげぇ~・・・!」憎ったらしいまでに職務に忠実、冷静沈着なランダ大佐に、クリストフはめっちゃ気持ち悪くて素晴らしい、もうぞっこん!・・・であります(笑)

悪い奴が、どれだけ魅力的か、実は、映画の鍵はそこにあったりするんですね。主役が魅力的なのはあたりまえだし、彼、又は彼女に対する立場にいるキャラクターが、どれだけ観客を良くも悪くも虜にするかで、映画の面白さが決まってくるといってもいいすぎではないと思います。

innguroriasu,basuta-zuこのランダ大佐は、そういう意味で近来稀にみる理想の敵役!・・・ブラッドの影も薄くなりそうなくらいでしたよね。

あいかわらずの暴力、画面は血みどろのシーンが続く、「もうやめて~」と言いたくなる場面もありながら、バスターズの潜行作戦とショシャナのナチへの復讐劇が、ナチのプレミア上映会の映画館に収束!

活劇に走るかと思いきや、表向きは緻密なサスペンス劇に徹した戦争ドラマを装い、そのじつ本作そのものが特に映画が大きな力を持ち、悪をも打ち負かす武器にもなるメタフォーになっている。

いや、もう、ナチスものの戦争映画のお約束も、こまごまと盛り込んでくれていて、この手の映画ファンにはたまらない出来なのですね。おまけに、ドイツ人はドイツ語を話し、フランス人はフランス語を話し、イタリア人(ブラピ?)はイタリア語(?)を話し、英米人は英語を話す。当然のことなのに、それが素晴らしく思えた。

クライマックスでは、ナチスに必死の抵抗を試みるヒロインや、実際には遺体を鑑定してやっとヒトラーの死ではなく、この手で決着をつけたかった、と願う人々の思いをスクリーンで果たしてみせたタランティーノの優しさが、口惜しいけどほんと心にしみたわ。

それだけに、タラの抱く映画愛の大きさがうかがい知れますね。

そして、後半クライマックスで燃え上がるショシャナの復讐劇を飾る、D・ボウイが歌う「キャット・ピープル」の主題歌の使い方もグ~ゥです!



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2009年11月25日

クリスマス・キャロル3

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未来は変えられる__、ある一夜の出来事が、それまでの人生を変えるとしたら・・・。

金がすべての嫌われ者、エベニザー・スクルージ。クリスマス・イヴの夜、彼の前に3人の“クリスマスの精霊”が現れる。それは人生を変えるための最悪のプレゼント。

彼らに連れ出されたスクルージは、時空を超えて、過去、現在、未来のクリスマスの時へと旅を続ける。

目を背けていた人生の真実や、広い世の中を知り、今まで侮蔑していた人々の愛や善意を始めて感じるスクルージ。だが、やがて彼は、自らの驚愕の未来を見て、絶望のどん底に突き落とされる。

そして、過去の行いを悔い、現在の孤独な自身の人生を見つめ、やがて訪れるであろう未来の姿と対面したスクルージ。果たして、彼は、未来を変えることができるのか?

このクリスマスの精神や祝歌をタイトルにした『クリスマス・キャロル』は、1843年にチャールズ・ディケンズによって、書き上げられた世界で最も親しまれているクリスマスの物語だ。
チャールズ・ディケンズは、貧困と無知が犯罪の根源であることや、学問や自尊心を身につけることがいかに大切かを説いた作家である。

ジム1ディケンズは、「人は、いつでも変わることができる」という極めてシンプルで、限りなく希望にあふれたメッセージをこの作品に込め、大不況に喘ぐ人々たちに希望の光を与えた。
どんなに取り返しのつかない過去を持っていても、未来はまだ変えられるかもしれない…絶望の中から生まれる希望を描く、奇跡と感動のファンタジー映画。
監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレスト・ガンプ/一期一会』を手がけたロバート・ゼメキス。『ポーラー・エクスプレス』で新しい映像世界を開拓したゼメキスが、パフォーマンス・キャプチャーという革新的な技術で、心躍らせる、誰もまだ体験したことのない『Disneysクリスマス・キャロル』を誕生させた。

家族愛そして、なんといっても強烈なのは、主人公スクルージに生命を吹き込んだのは、コメディもシリアスな演技も絶賛されるジム・キャリー。

彼は、さまざまな時代のスクルージや、3人のクリスマスの精霊たちなど、何と全7役を演じ分けている。

忠実な雇い人ボブ・クラチットとその息子のティム、そして共同経営者だったマーレイの幽霊を演じるのは、ゲイリー・オールドマン。

陽気な甥のフレッドを演じるのは、コリン・ファース。さらに、ボブ・ホスキンスが、かつての雇い主フェジウィッグ他を、ロビン・ライト・ペンが昔の恋人ベルと妹ファンを演じるなど、実力派俳優たちの豪華な競演も大きな魅力です。(作品資料より)

<感想>パフォーマンス・キャプチャーを使い、ディケンズが生んだ不朽の名作を革新的映像と、絶妙なストーリーテリング力を誇る映像の魔術師、ロバート・ゼメキス。

最新作でもゼメキスらしいワードをちりばめた、こだわりの世界を展開する。

全編CGの本作に使われたのが、「ポーラー・エクスプレス」(04)で開発した映像技術なんですね。この作品は、クリスマス・イブの夜、北極点行きの急行に乗り込んだ少年の冒険を描く物語。トム・ハンクスが一人5役に挑んだことも有名です。

監督曰く、「今回はたくさんの改良を加えていて、最大のポイントは、4台のHDカメラで秒64コマ撮影したことで、顔のシワや、毛穴の動きまで取り込めるようになった」と。身体の動きと顔の表情を同時にデジタル化するシステムで、しぐさはもちろん目の動きまで、俳優の演技をすべてキャラに反映させることができるんですもの。

亡霊それに、もう一つの注目すべきテクノロジーが3Dなんですね。リアルな立体効果が観る者を物語の中へと引き込んでいくわけですから。

私が一番この“パフォーマンス・キャプチャー”で感動した作品、「ベオウルフ/呪われし勇者」(07)伝説の英雄ベオウルフと怪物たちの戦いを描いたアクション映画。

この映画の中で怪物グレンデルの母親を演じたアンジェリーナ・ジョリーは、実写と見まがうばかりの美しさと妖艶さの映像には驚きましたね。

今回は、中でも主役のスクルージを演じたのはジム・キャリー。過去の姿や亡霊など計7役をこなしているのが凄い。確かに亡霊たちはスクルージの分身なのだから、同じ俳優が演じるのは当然だと思うが、それでも凄いの一言でこの映画の見所でもあります。

強欲この上ない金貸業者の老人スクルージは、暖炉もない凍える事務所で事務員クラチェットを働かせ、親切な甥のフレッドの行為を怒鳴り、貧しい人への寄付を乞われれば「余分な人口が減ったほうがマシ」と答える金の亡者その者。

そしてクリスマスのイブ我が家に戻ったスクルージの前に、数年前に死んだ仕事のパートナー、マーレイの幽霊が現れ、「お前の元にこれから3人の亡霊が現れる」と予言して去っていく。

恋人とまず、最初に現れたのは炎のような頭部を持つ「過去のクリスマスの亡霊」。このシーンでは、亡霊に連れられ8歳の時の孤独な幼少時代、妹を可愛がっていた17歳の頃、奉公時代に恋人ベルとパーティで出会い、幸福な自分の姿を懐かしく見つめるスクルージなのですが、傲慢な性格が災いし、やがて破局を迎えてしまいます。

そして次にやってきた「現在のクリスマスの亡霊」のシーンでは、金の亡者となり嫌われ者になってしまったスクルージ。クラチット一家のクリスマス風景を見るスクルージ。幸せなクリスマスを過ごす、愛にあふれた家族を見て動揺します。

ge-ri-クラチットの病弱で健気な息子ティムは「このままではケチなお前のせいで死ぬだろう」と亡霊に冷たく言い渡されるスクルージ。

最後にやってきた「未来のクリスマスの亡霊」は、顔も体もなく、黒い影のような未来の亡霊に、未来の自分の姿を見せられたスクルージは、あまりにも無残なその姿に驚愕します。

今の時代にもこんな人っていますよね。強欲で、ケチで金の亡者。愛のない人生を送り一人寂しく孤独死をするなんて、・・・とても私には考えられない人生の送り方です。

確かに苦労して働いたお金は、大事に貯め込んで使いたくないもんですがね、でもね、人生ってそのお金を有効に自分のため、自分の生活を潤すため、家族のため、それから、災害にあった人のために使ってこそ有意義なんですよね。墓場までお金は持っていけませんもの。

今の経済不況の時代だからこそ、必要とされる物語かもしれませんね。人間は生きてさえいれば何度だって悔い改めて人生をやり直すことが出来るだぞ!ってことですよね。

でもね、そういう人って映画代もケチって見ないからね、誰の言う言葉も耳に入らないしで、もうすでにスクルージになっているんでしょうね。



papikosachimama at 23:28|Permalink