2015年劇場公開観賞作品

2015年12月31日

黄金のアデーレ 名画の帰還4

おうごんのアデーレナチスに奪われた世界的に有名なグスタフ・クリムトの名画を取り戻すため、オーストリア政府を相手に返還訴訟を起こした女性の実話を基に描いた人間ドラマ。肖像画のモデルとなった女性のめいで、戦争に運命を翻弄(ほんろう)された実在の主人公をオスカー女優ヘレン・ミレンが好演する。彼女とタッグを組む弁護士に、『[リミット]』などのライアン・レイノルズがふんし、『ラッシュ/プライドと友情』などのダニエル・ブリュールらが共演。『マリリン 7日間の恋』などのサイモン・カーティスがメガホンを取る。

あらすじ: ユダヤ人女性のマリア・アルトマンは、ナチスに占領された祖国オーストリアを捨て、夫フリッツとともにアメリカへの亡命を果たす。1998年、82歳となったマリアは亡くなった姉ルイーゼがオーストリア政府に対してクリムトの名画“黄金のアデーレ”の返還を求めていたことを知る。それはマリアの伯母アデーレの肖像画で、第二次世界大戦中にナチスに略奪されたものだった。マリアは姉の思いを受け継ぐことを決め、駆け出しの弁護士ランディに協力を仰ぐ。しかし、その名画は“オーストリアのモナリザ”と称される至宝。オーストリア政府にこれを手放す気は毛頭なく、マリアとランディの闘いは困難かつ長い道のりとなっていく。

おうごんの、2<感想>あのクリムトの名画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I」のお話であります。実話が基で、弁護士が作曲家のシェーンベルクの孫だというのに驚く。そのシェーンベルクも出入りしたことのあるユダヤの名家が、あの文化の華やかなりしウィーンが舞台となり、その名画の持ち主であるアメリカのマリア・アルトマンが、オーストリア政府に訴え出たのが当時82歳のマリア。

演じているのがアカデミー賞女優のヘレン・ミレンとくれば、これぞドンピシャの当たり役であった。ナチスの迫害から逃れて米国へ亡命したユダヤ人の名門資産家の娘という役にも、さすがに見事にハマっていた。

ここで描かれるのは、その名画の返還訴訟の顛末という、マリアの伯母であるアデーレをモデルにした、クリムトが描いた名画の製作当時の裏話を軸にした歴史的な実話なのだ。

おうごんのそこには、当然の如く名画を略奪したナチスに対する憎しみと怒りが渦巻き、それがこの映画の全編を貫くのである。思い出したくもない過去を敢えて直視して、尊厳を取り戻そうとする者と、過去を封印して置こうとする者たちとの闘いが本筋なのだが、その戦いは前者の一人の心の中でも展開される。

つまりは、ウィーンでの若き日のマリアの生活の回想シーンを間に挟み、ヒロインのナチ併合下オーストリアからのキビキビとした脱出劇で、これが作品自体のスリルを担うという仕掛けになっている。

中でもナチスに占領されたオーストリア時代のマリア一族の苦難の日々は、かなりリアルに描かれていて、この名画をめぐる旅の主眼は「反ナチス」であったことが次第に明らかになっていく。実話とはいえハリウッド映画ならではの筋運びといえる。

タイトルロールとなる絵画のモデルを演じた激烈美女、アンチュ・トラウェは、わずかな登場ながら存在感があり綺麗でした。共演の新米弁護士役のライアン・レイノルズに、ジャーナリス役のダニエル・ブリュールも共に、中々名演技を見せており、大女優のヘレン・ミレンを見事に支えていた。


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2015年12月20日

I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE4

スヌーピー、タイトル日本でも世代を越えて愛され続ける人気キャラクターの“スヌーピー”で知られるアメリカの国民的漫画『ピーナッツ』を、「アイス・エイジ」シリーズのブルー・スカイ・スタジオがCGで3Dアニメ映画化。
監督は「ホートン ふしぎな世界のダレダーレ」「アイス・エイジ4 パイレーツ大冒険」のスティーヴ・マーティノ。

あらすじ:何をやっても上手くいかない不器用な少年チャーリー・ブラウン。口うるさいルーシーや妹のサリーにバカにされるばかりか、かけがえのない親友である空想好きの飼い犬スヌーピーにまであきれられる日々。
そんなある日、クラスに赤毛の女の子が転校してくる。
チャーリー・ブラウンは一目で恋に落ちるが、引っ込み思案な彼はどうしても話しかけることができない。
何とかして彼女の気を惹こうと、スヌーピーの応援を力に必死に努力するチャーリー・ブラウンだったが…。


スヌーピー、2<感想>
2D吹き替え版にて観賞。3Dで観た方が良かったかもと後悔している。立体化にあれほど不向きな絵柄の原作を、よく3Dアニメに出来たものだと感心しました。

スヌーピーの絵柄は漫画版同様に平面感というのか、二次元感を保っていた。でも、良く観ると鼻の皮膚のキメ細かさとか、毛並が凄まじくリアルなのに驚く。発展する一方のCGに驚きつつも、技術の無駄使いともいえるアンバランスさにおののくのだ。

プロットは、スヌーピーの第一次世界大戦の航空冒険物語と、チャーリー・ブラウンの初恋物語とが並行して進行している。初恋物語は、なんてことない良くある展開なのだけれど、語り方が上手くて結構グットきましたね。

チャーリーが好きな女の子のため、一途に努力を重ねる姿は愛おしいたらないですからね。転校生としてお迎えに引っ越してきた赤毛の女の子に、チャーリーはすっかり一目惚れです。
スヌーピー、4何とか自分のことをアピールしたいのですが、オクテでネガティブ思考で何をしても失敗ばかり。自分の存在を気付いてもらおうと、ダンスコンテストや、学芸会では手品をしたいと練習に余念がない。

それが、今回は、特に妹のサリーが、学芸会のために練習に励んでいるのを見て、実際にその日が来ると、舞台の上では妹の馬のような芸が観客にしらけてしまい大参事、次の出番チャーリーが手品をする時間が無くなってしまうのを覚悟して、兄貴として妹の舞台を盛り上げてあげようと、白い布を被り風船で角を作って牛の姿になり、妹の前に出て盛り上げるのだ。自分の出番の時間が無くなってしまったのにね。だが、心優しく友人たちから愛されている。

スヌーピー、6そして、チャーリーの愛犬であるスヌーピーは、飼い主の名前も覚えず、「丸頭の男の子」と認識しているし、ダンスや運動が得意な空想家なんです。見た目はモフモフとしたと言っていますが、フエルト生地のような感じで、愛くるしいスヌーピーぬいぐるみって感じでしょうか。赤いラジコン飛行機を見たスヌーピーは、第一次大戦の撃墜王フライング・エースになる空想に浸ってしまう。大空を飛びまわり、パリジェンヌをさらった宿敵レッド・バロンと空中戦で一騎打ち。パリジェンヌのフィフィに一目惚れしてしまうスヌーピー。ピンク色の飛行機に乗って可愛いったらない。スヌーピーの飛行機は、真っ赤な犬小屋なんです。

スヌーピー、5そして、忘れてならないのがスヌーピーといつも一緒にいる黄色い小鳥のウッドストックもかわゆいです。邪魔にならないように飛んでいるのもいい。

ですが、大人の姿を一切映さないで、彼らが発する声を不快なノイズにするなど、徹底した子供だけの世界を創造する姿勢は大変によかったと思います。

良き時代のアメリカに対するノスタルジーなのかもしれませんね。戦後まだ貧しかった日本の少年にとって、アメリカのテレビやコミックで観るホームドラマは、豊かな民主国家の明るい家庭を覗きみる窓口だったのだから。家族愛、隣人愛、楽天的なヒューマニズムを教えられた気がしました。
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リトルプリンス 星の王子さまと私4

リトルプリンセス世界中で親しまれているアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作「星の王子さま」を初めてアニメ映画化。
レベルの高い学校を目指し勉強漬けの日々を過ごす少女と、若いころ不時着した砂漠で出会った星の王子さまとの思い出を語る老飛行士の交流を、
CGアニメとストップモーションアニメを駆使して描く。
『カンフー・パンダ』などのマーク・オズボーン監督をはじめ、アニメーション製作の一流スタッフが集結。
声優陣にはジェフ・ブリッジス、ジェームズ・フランコ、マリオン・コティヤールらが名を連ねる。

あらすじ:母親の言う通りに、いい学校をに入るべく必死で勉強する少女の隣家には、昼間は裏庭にある破損した飛行機を修理し、夜は望遠鏡で空を見ている老人が暮らしていた。
引っ越してきて以来彼のことが気になっていた少女は、ある日母親に黙って老人と接するようになる。若かった時代に飛行士だったという老人は、かつて不時着した砂漠で出会った男の子の思い出を語りだすが……。

リトルプリンセス、5<感想>サン=テグジュペリの不朽の名作「星の王子さま」。この原作の世界と、9歳の女の子の世界を融合させたミラクルな物語を、最新技術で描いたアニメーションである。とにかくスマートに洗練されていて、表情ある映像が楽しい。

特に主人公の女の子の顔が、CGなのに生っぽさを感じさせて親しみがわく。
でも、何故に母娘の物語なのだろう。最近のシングルマザーで、働きながら子育てしている女性を応援しているかのようにもとれた。

「星の王子さま」の後日譚という設定で、王子さまも登場して、満天の星を閉じ込めたドーム状の巨大なカプセルも出てくる。
リトルプリンセス、1女の子は、老人が病気で入院してしまい、星の王子さまを探す旅に出ますが、出会う星の住人、人から褒められることが大好きな大人。トレードマークは変な帽子。うぬぼれ男や、私欲にまみれた上昇志向まみれのビジネスマン。星を所有して数えることしか興味がない。大きなガラス入れ物に星がたくさん入っている。

そして、王子さまの小さな惑星に、一輪のプライドの高いバラも、たぶん誰もが持っている一面だと思います。驚いたのが、女の子がとある星で王子さまと出会うのだが、かなり大人になっていてビルの掃除をしていた。どう見ても王子とは気付かないような、忙しそうに働いて、薄汚れていて気品がない。

キツネが王子さまに贈る、「大切なものは目に見えない」という原作のメッセージに感動しつつ、「人生で出会った人たちを大切にしなさい」という映画のメッセージにも感動してしまった。

リトルプリンセス、2王子がパイロットに羊の絵を描いてくれと頼むが、パイロットが描いた羊は弱弱しい感じだったり、年寄の羊だったり、どれもこれもが王子さまにとって気に入らなかった。すると、長方形の箱に丸い穴を描き、「箱の中に小さな羊が入っているよ覗いてご覧」と。それが、箱の中には羊はいないのだが、想像で小さな羊がいるってことに。

物語の押し絵の独特なタッチがとっても気になった。王子さまや彼に慣らされるキツネ、ヘビやパイロットなどが登場する原作の部分は、色彩もタッチもまさしく押し絵の雰囲気そのままで、紙と粘土を用いたストップモーション・アニメが手作り感あふれる砂漠やお星さまが夢見ごこちに誘われます。

もの凄くファンタジーで、絵本の中へ入っていくようなそんな感じを受けました。

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papikosachimama at 19:02|Permalink

2015年12月15日

起終点駅 ターミナル4

ターミナル、タイトル「ホテルローヤル」で直木賞を受賞した、桜木紫乃の短編小説を原作にした人間ドラマ。
判事だったころに体験した苦い出来事を引きずる
55歳の弁護士が、孤独な25歳の女との出会いを経て再生していくさまを追い掛ける。
メガホンを取るのは、『小川の辺』などの篠原哲雄。
『壬生義士伝』、『ザ・マジックアワー』などの佐藤浩市、『アオハライド』などの本田翼が主人公となる男女を、『そして父になる』などの尾野真千子が男の人生に深く関わる人物を演じる。
実力派たちの共演に加え、ロケを敢行した北海道釧路市の風景も見どころ。

あらすじ:北海道旭川の地方裁判所判事だった鷲田(佐藤浩市)は、覚せい剤事件の被告となった昔の恋人・冴子(尾野真千子)と法廷で再会。東京に妻子を置いてきた身でありながら、関係をよみがえらせてしまう。
だが、その半年後に彼女を失って深く傷つく。それから
25年後、鷲田は判事を辞め、妻子と別れ、釧路で国選弁護専門の弁護士として孤独な日々を送っていた。そんな中、担当することになった事件の被告人・敦子(本田翼)と出会った彼は、彼女に冴子の面影を見る。一方の敦子も鷲田に心を許し……。

ターミナル、6<感想>北の国でたった一人、贖罪に生きる男と、やはり孤独を抱えた若い女が、二人のつかの間の触れ合いが綴られる。出だしは「滝の白糸」のようなとでもいった印象を受けたが、主人公は検事ではなく裁判官だが、裁く者と裁かれる者が、かつては恋人だったという関係から連想が湧いてきます。

尾野真千子演じる昔の恋人・冴子の突発的な自殺に、うまくのれないと後のドラマに付いていけないと思われます。
ですが、主人公の地方裁判所判事だった鷲田が、その恋人に目の前で飛び降り自殺をされてしまい、そこからいたたまれなくなり逃げて釧路の街まで逃げ延びてきます。

東京の妻とも別れて、一人で孤独に罪の意識をいつまでも償えずに日々を暮らしている男。
ターミナル、8そこへ、若い薬ちゅうの被告人・敦子(本田翼)と出会うのだ。

白髪交じりの佐藤浩市の後ろ姿は、猫背の中年老人のよう。雪の大地の白さと溶け合い何故かしっとりと胸に染み入る心地よさを感じた。

自分には息子がおり、大学を卒業して就職し、今度結婚することになったらしい。
結婚式に参列してくれと手紙や電話で再三言ってくれるが、彼には息子に父親として合わせる資格がないと思っているのだ。

若い覚醒剤女の敦子も、何気に家を訪れてはご飯を食べて帰る。彼の手作りの夕食を美味しそうに食べ、捜査をしていた彼女の男、覚せい剤所持者である男を匿っていると思い、彼女が自分の故郷へ帰ると言うので車で送って行き、そこで覚醒剤で昏睡状態の男を納屋で発見する。

ターミナル、1その覚醒剤のことで、昔、捕まえた中村獅童が頻繁に家にやってくるのだ。悪いやつではないが、ヤクザの自分の子分が覚醒剤の売人ということで、彼の家にやってきては様子をみている。

最後はいい、主人公が息子の電話を聞き、「父親はあなた一人です」という言葉に涙し、自分の犯したことに責任を取る意味でも、東京へと向かう晴れ晴れとした顔の白髪の男が駅に立っていた。



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papikosachimama at 13:27|Permalink

2015年12月06日

グラスホッパー 4

グラスホッパー、タイトル人気作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説を、『人間失格』などの生田斗真主演で映画化したサスペンス。
恋人を殺害した犯人への復讐(ふくしゅう)に燃える元教師、人の心を操り自殺に追い込む殺し屋、その命を狙うナイフ使いの殺し屋の運命が、それぞれの思惑を抱えながら交錯していくさまが展開。
監督は、『脳男』に続き生田とタッグを組む瀧本智行、脚本を『あなたへ』などの青島武が担当。
共演には日本のみならず国際的に活躍する浅野忠信、
Hey! Say! JUMPの山田涼介が顔をそろえる。

あらすじ:恋人を殺害した犯人へのリベンジを誓った鈴木(生田斗真)は、教職を辞め裏社会の組織に潜入しその機会をうかがっていた。絶好の機会が訪れた矢先、押し屋と呼ばれる殺し屋の仕業で犯人が目前であっけなく死んでしまう。
正体を探るため鈴木が押し屋の後を追う一方、特殊な力で標的を自殺に追い込む殺し屋・鯨(浅野忠信)は、ある任務を終えたとき、殺人現場を目撃し……。

グラスホッパー、2<感想>映画の冒頭で、ハロウィンでごった返す渋谷のスクランブル交差点が忠実に再現され、これは中々もって壮観でした。俯瞰で捉えられた交差点に蠢くバッタの群れ。
物語を象徴するこのシーンも鮮烈な印象であります。

飽きはしないが、渋谷のスクランブル交差点に車で突っ込むビギニングは、タイムリー感狙いだろうが、現実のカオス感に上をいかれた。

実際は轢殺、通り魔をすることが不可能なほどの人混みなのに。渋谷のハロウィン狂騒は、ここ4年ぐらいで急速にきたが、本作では描写がリアルに負けた気がした。


グラスホッパー、1それに、やたら組織が暗躍するのもいただけない。殺し屋に扮した俳優たちも、目だった動きもしないのに、それらしい雰囲気を醸し出している押し屋の吉岡秀隆をはじめ、自殺屋の眼で殺す浅野忠信、ナイフ使いの狂気を覗かせる山田涼介など、よく頑張っていると思う。

面白いのが、浅野忠信演じる鯨が、人の心を狂わせる眼力でターゲットを自殺に追い込むのだが、過去に殺した者たちの幻覚、亡霊に悩まされている。
その現場に必ず現れる亡霊が宇崎竜童のおっさんである。住処としているトレーラー車の中は、綺麗に整然としており、グラスホッパー、9珈琲が好きらしく豆を挽いているところへ、車いっぱいに殺した人たちの幻覚が現れるシーンも圧巻です。

主人公の気弱で受け身の生田斗真もよく走っているしね、にもかかわらず、映画としての疾走感が乏しいのが難点だ。
それ以上に問題なのが、無差別殺人を起こす悪の合成麻薬密売グループ。首領寺原会長
(石橋蓮司)の息子が、目の前であっけなく“押し屋”という殺し屋によって殺される。

キャストの健闘も光っている全編、バイオレンスとメランコリーの塩梅も嫌いではないが、ラストのシーンで、原作と異なる部分で拭いきれぬ疑問も残り、残念でならない。

それでも、伊坂幸太郎ならではの気がさわる一歩手前の粋や、洒落の妙も息づいている大人向けの映画になっていた。

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papikosachimama at 19:17|Permalink

2015年11月29日

ギャラクシー街道3

ギャラクシー街道、2劇作家・脚本家として絶大な人気を誇り、次々と話題作を世に送り出してきた三谷幸喜監督による奇想天外なSFコメディー。
三谷映画として初めて宇宙空間を舞台に、木星のそばに浮かぶ人工居住区「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路「ギャラクシー街道」の脇に立つ、こぢんまりとした飲食店に集まる異星人たちが織り成す物語を描く。
主人公の宇宙人夫妻ノアとノエを、三谷監督作『ザ・マジックアワー』にも出演した香取慎吾と綾瀬はるかが演じる。

あらすじ:本作は、宇宙空間を舞台にした三谷監督初のSFラブコメディー。西暦2265年、木星と土星の間に浮かぶ人工居住区「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路「ギャラクシー街道」の中央にたたずむ小さなハンバーガーショップに集う人々が織り成す恋模様を、香取慎吾、綾瀬はるかを中心としたオールスターキャストで描く。

<感想>今回で7本目となる三谷幸喜の監督作は、すべて脚本も兼ねたオリジナルである。
原作至上主義が横行する現在の邦画界では、驚異的だし、立派とも言えます。いまどきオリジナルで勝負し続ける映画監督など希有だから。

ギャラクシー、今回は、初のスペース・ロマコメに手を染めていて、敬愛するビリー・ワイルドのタッチを自分流にアレンジしたそうですが、三谷作品の骨格である群像劇、シチュエーション・ドラマを宇宙に移動させたもの、と思えばいつもと変わらぬ“三谷食堂”のメニューと同じである。

とは言え、器も盛りつけも、味付けもだいぶ変わっているので、これはいつもと違うぞ、笑えないぞ、寒いぞと思われる方々がいてもおかしくありません。

ロードサイドにあるファストフード店での、店長とその妻、店長の元カノと夫、妻に言い寄る出入りの業者、常連客の警備隊員、その恋人と上司、商談中のコールガールと医者などが、入り乱れる色恋沙汰は、リアルに描かざるを得ない。

ギャラクシー街道、1ですが、これはデフォルメされた宇宙空間なら非日常となるわけで、生臭い設定も何もかも寸止め状態で生殺しで良しとなる。

宇宙に逃げたのは生臭い男女のアレやコレやナニを回避するため。

「リアルな物語なので」と監督が力説してもでありますから。

出入りの業者の遠藤憲一が綾瀬はるかに、甘い言葉でおでこをくっつけ合うのだが、両性具有の異星人の遠藤は、これだけで受精し妊娠をしてしまう。
想像妊娠の発展形なのだそう。その後に、遠藤そっくりの子供たちが、卵で8つも生まれてきて、面妖感が笑いのつぼなのだが、観ていて悲惨で悲しくなってしまう。笑えないぞ。


ギャラクシー、7それに、コールガールの描写でも、宇宙一のテクニシャンを持つ女は、客の医者相手に交渉するが、一番高いCコースが、人差し指同士の「E.T」ポーズで「はい、お終い」という味気なさ。

男女の価値観、恋愛観も、設定は23世紀だが、60年代に準じている。
未練タラタラの夫の香取に、綾瀬が優香に対して、結婚5年目の重みを武器に、最後まで香取を信じようとするし、優香もまた香取からみれば冴えない現在の夫をしっかりと擁護するのだ。


優しい女性たちが、勝手な妄想や願望にこだわる子供な男たちを、支える価値観は、三谷監督の本音かもしれませんね。

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papikosachimama at 18:45|Permalink

2015年11月12日

トランスポーター イグニション3

トランスポーター『トランスポーター』シリーズの主役を務めてきたジェイソン・ステイサムに代わり、新星エド・スクラインを主演に迎えたアクションドラマ。
フランスの鬼才リュック・ベッソンが製作と脚本を担当し、スリリングな天才運び屋の仕事に肉迫する。
メガホンを取るのは『フルスロットル』のカミーユ・ドゥラマーレ。主人公のドライビングテクニックや、どのような場所でも自在に駆け抜け、よりパワーアップしたアクションに見ほれる。

あらすじ:美女アンナからの依頼を受けたフランク(エド・スクライン)が約束の時間に現れると、彼の愛車に3人の女性が乗り込んでくる。
銃口を向けられた彼は、拉致された上に猛毒による影響で余命
12時間と宣告された父親の姿を見せられる。
プロの運び屋としてのルールから外れた仕事を強いられたフランクは逆上するが、タイムリミットは刻一刻と迫っていた。


<感想>
主人公フランク・マーティン役の俳優が二代目へと交代、33歳のトランスポーター、5エド・スクラインが扮しているのだが、無骨な印象でステイサム版とは違って、クールでスタイリッシュなフランクを披露している。

今回の舞台はリヴィエラ、おまけに「ロジャー・ムーアやピアス・ブロンナンがこんなのやっているのを見たような気がした。というようなアクションが全体を通してあります。
だから,脚本のダメな部分も含めて、「007」のボンド役だったころのアクションの感じを狙っているように見えました。

今回もリュック・ベッソン好みの金髪美女3人、いや4人が登場して、カツラとはいえヒロイン・アンナ役のロアン・シャバノル、「サード・パーソン」に出ていたというがそんなにパッと目、美人じゃない。腹を撃たれて死んだジーナの方が美人だったような気がした。

トランスポーター、2そこで、ゴージャスでスマートな作戦が展開してと、言いたいところですが、二代目フランクがゴージャスには見えないのがちょっと残念ですね。好みにもよりますがね。

でも代わりに、レイ・スティーブンソン扮するフランクのお父さんが、今回は粋でお洒落な感じで非常に目立ってましたね。

だから、どうしたって初代のジェイソン・ステイサムが醸し出した圧倒的な存在感には適うわけがないのだ。
そう思ったのか、製作陣が「この親にしてこの息子あり」と呼びたくなるほどの父親の活躍で、これまた弾けまくっているために、二代目のフランク役の息子の影がどんどん薄くなるって寸法。でも頭の毛は有りますからね。


トランスポーター、6そして、必ず出てくる愛車の特殊改造されたアウディのカースタントだけでなく、生身のバトルも見どころ。元特殊部隊ながら銃は使わないフランクの、周囲にあるものを全て武器にして戦う格闘技は超リアルですから。

カーアクションや格闘シーンには工夫をこらしてはいるものの、強烈な個性のステイサムの抜けた穴は大きかった。ベッソン監督は、更に3本作ると言っているそうで、役者を変えてまで続けるほどの企画なのだろうか。

商業ベースで数人の監督が撮るシリーズもんと、一人の監督が熱をいれて撮るものでは、アクション映画でも作品の強度は大きく違うようだ。

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2015年11月04日

この国の空4

この国の空、タイトル芥川賞作家・高井有一の同名小説を、日本を代表する脚本家・荒井晴彦が自ら18年ぶりの監督も務めて映画化したドラマ。
空襲に怯えながら暮す
19歳のヒロインが、明日の見えない暗黒の日々の中で、妻子ある中年男性との許されぬ恋に身を焦がしていく姿を描く。
主演は「私の男」の二階堂ふみと「ラブ&ピース」の長谷川博己。共演に工藤夕貴、富田靖子、奥田瑛二。

あらすじ:太平洋戦争末期。杉並の住宅地に母と2人で暮す19歳の里子。度重なる空襲に怯え、食べものの確保にも苦労する日々が続く。
ある日、空襲で家族も自宅も失った横浜の伯母が転がり込んでくる。ただでさえ苦しい食糧事情の折だけに、母は当惑を隠さない。
隣家には、妻子を疎開させた銀行支店長の市毛が住んでいた。そんな市毛の身の回りの世話をしていた里子だったが、いつしか彼のことを男として意識するようになり…。

<感想>終戦70年周年記念作品とある本作、まんま終戦ドラマスペシャルとして放送されても違和感がないようだ。ガラス窓を補強する紙の貼り付け。その檻のように思わせるイメージが、映画全体に現れているようです。

脚本家が演出する利点がこういうあたりに現れていると感じた。主人公が隣人の家に一人で上がって、掃除をする場面の演出も痺れます。

この国の空、乱れた寝床の構図がたけにエロチックで、観ていて想像してしまうのだ。

母子で買い出しに出て、その出先の河原で母親が上半身裸で、過去の不倫話を始め、急に開放的になってしまう場面にもエロさを感じました。ちなみに母親役には工藤夕貴が、もうそんな年になったのかと、いつまでも若い役は回ってこないものね。

実際に、観ている最中、女世帯の愚痴や世間話のくだりなどは、何度もTVドラマの向田邦子のドラマを連想させる感もある。

特に、里子役の二階堂ふみのちょっと丁寧な言葉づかいも、それにしても里子の初体験を荒井監督が曖昧にするとは。背中からのヌードは少しエロく映っていました。

数々の食卓、二階堂が抱える長谷川の枕、彼女が発する女の匂い、そして赤いトマト、露骨に描かなくとも匂いが濡れ場を包み込んでいるように捉えているのだ。

二階堂の膝下まで露出した脚など、間接的にエロスの程よさも含めて、脚本はとてもいいと思った。特に、終盤の雨に至るまで画面から官能的な匂いが漂うことに驚く。それに、静かな物語と語り口に酔いしれます。


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2015年10月24日

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド3

しんげきの後編、タイトル諫山創のコミックを基に人間を食う大型巨人と人類のバトルを圧倒的迫力で描いたアクションの後編。
対巨人のために結成された調査兵団の一員となった主人公エレンの絶体絶命の戦いや、突如現れた黒髪の巨人の謎などが活写される。
『巨神兵東京に現わる』などの樋口真嗣がメガホンを取り、三浦春馬や長谷川博己、水原希子、本郷奏多らが出演。
インパクト抜群の巨人のビジュアルやハードな戦闘シーンのほか、オリジナルのキャラクターと設定が後半の物語に及ぼす影響や物語の行方も見どころ。

あらすじ:100年以上ぶりに現れた超大型巨人に多くの人間が捕食され、生き残ったエレン(三浦春馬)は調査兵団の一員として外壁修復作戦を決行。しかし巨人に襲われてしまい、アルミン(本郷奏多)をかばったエレンは巨人に飲み込まれてしまう。

その直後、黒髪の巨人が出現し、ほかの巨人たちを攻撃するという謎の行動を見せる。
人類の存続を懸けて彼らは巨人たちと戦い続けるが……。

<感想>何かと気をもたせる前編で、鳥肌が立つほど興奮した巨人映像も、今回はすでに見慣れた気分であります。

しんげきの、2とはいえ、さらにパワーアップした巨人の表情や、アクションには感動級の迫力で、正直いってこの超巨人の存在だけで、あらゆるカラクリなどどうでもいいように思ったりもする。

そういえば主人公エレンは、「天国の奴隷よりも地獄の自由を選ぶ」と言い放っていたが、果たして地獄に自由はあるのだろうか?・・・。自分の特殊な能力に気づいた途端、「心臓を捧げる」覚悟で巨人に挑む勇敢な姿だろう。


そして、立ち向かうことから目を背けなかったエレンに触発され、人間を囲っているのはただの壁なのか、恐れるべきは巨人なのか、怯えることしか出来なかった人間たちは、真実を突き止めるべく道を選ぶのだ。

しんげきの後編、9今作では更にパワーアップした超巨人が、まさかの國村隼さん扮するクバルだったとは。
その表情やアクションは感動級の迫力であり、この巨人の存在感だけであらゆる謎やカラクリなどどうでもいいと思った。

それに、シキシマがエレンの兄だとは思っても見なかったことで、エレンの父親がまさかのツヨポンとは、もったいない出番でした。
でも、シキシマの巨人とエレン巨人対決は見応えありましたね。

ジュークボックスから流れる「この世の果てまで」のポップスの音楽が細部まで効いているし、本当の敵は壁の外じゃなく壁そのもの。あるいは、内部にいるというのだが。

しんげきの、巨人による大殺戮を前面に出した前篇では、特撮映画の快楽が面白かったのだが、後編では本編パートに比重がかかるだけに弱点が露呈している。

壁修復に向けた不発弾の移送と並走して、複数の人物が捌けて、伏線回収も行う作劇では綿密な演出が求められる。どこにカメラを向けて撮るのかも、下手くそな演出と、役者の力量に左右される芝居が中心では、終盤の特撮絡みのシーンが平凡に見えてくるのだ。

圧倒的な人間と巨人との接近戦では、外の世界を見せた意欲は良かった。巨人化と闘う人間はまるで「ガッチャマン」を彷彿とさせるも、内容はかなり人間を喰らうとは、ドギツくグロイものでした。


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キングスマン5

キングスマン、タイトル『英国王のスピーチ』などのオスカー俳優コリン・ファースを主演に迎え、『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン監督がメガホンを取って放つ痛快スパイアクション。
世界を股に掛けて秘密裏に活躍するスパイ機関所属の主人公が、最強の敵相手に奮闘する姿が描かれる。『サイダーハウス・ルール』などのマイケル・ケインや、『パルプ・フィクション』などのサミュエル・
L・ジャクソンらが共演。
エレガントな小道具やウイットに富んだ会話はもとより、切れ味のいい怒とうのアクションに見ほれる。

あらすじ:ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、実はいかなる国の干渉も受けない屈指のエリートスパイ集団だった。ブリティッシュスーツを小粋に着こなす紳士ハリー(コリン・ファース)もその一人で、日々極秘任務の遂行に務めていた。
そんなある日、仲間が何者かに暗殺され、彼は街で不良少年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。

かつて、父親の同僚だったというハリーとの出会いからスパイになる訓練を受けることになる。同じ頃、世界中の著名人や政治家が次々と失踪する事件が起きて、その影にはIT富豪のヴァレンタインの影が。ハリーはその調査に出向うのだが、・・・。

キングスマン、5<感想>ロジャー・ムーア時代の「007」をベースにした、つまりは現実感抜きで、世界征服を企む悪人と対決する秘密の諜報員が描かれているのだ。作品の中でも話しているとおり、ショーン・コネリーの「007」に敬意を表しながら、それを乗り越えようとするスパイアクションでもある。

不良少年が紳士になれるのか?・・・、貧しい階級の出身であるエグジーが、貴族的なスパイへの道を歩む厳しい試練、タロン・エガートンは適役でよかった。
その訓練シーンが面白い。それなりにアイデアが生きて、パラシュート落ちとか、緊張感とコミック感覚がバランスを取っているのですが、終盤のシーンで一気におバカ映画に急降下してしまうのが惜しいです。

キングスマン、2能力者たちが同じ目標に向かって、集団で取り組みその敵は、地球規模という。
秘密結社的なスパイ組織の、欠員の座を、候補生が争う選考試験の過程は、就職活動中の学生とは違う、まるで特殊部隊の入隊試験のようにも取れた。

それに、敵側のサミュエル・L・ジャクソン側の女殺し屋、義足アクションのガゼルを演じるソフィア・ブテラが魅力的であった。それこそ小鹿のようなキュートさなのに、両脚のひざ下が鋭利な刃物となった義足で、華麗なダンスで舞うかのように人間を一刀両断にしていくのだ。

そして、コリン・ファースがかっこいいったらない。
キングスマン、1雨傘に最新鋭の武器が仕込まれていたかと思えば、靴の先には飛び出しナイフ、完全防弾・スタンガン内蔵のスパイ仕様。
そして傘のみならず、ライター型爆弾やバーチャル会議機能付きのメガネなど、わくわくするスパイガジェットがこれでもかと登場する。

同じヴォーン監督作ということで、スパイ版の「X−MEN:ファースト・ジェネレーション」としても観られるようだ。

もちろん「キック・アス」の悪乗りも炸裂して、残虐シーンもキャッチーな音楽と、軽快な編集でポップに仕上げているセンスは日本映画には真似できない芸当のようだ。まさに、マシュー・ヴォーン祭りといったところですから。


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