2018年劇場公開作品

2018年09月10日

オーシャンズ84

オーシャンズ、タイトル「オーシャンズ11」シリーズの女性版として、ジョージ・クルーニーが演じたダニー・オーシャンの妹デビーを主人公に贈るクライム・エンタテインメント。
デビーが結成した女性だけの個性派犯罪ドリーム・チームが、全世界に生中継されている“メットガラ”を舞台に、
15000万ドルの宝石を盗み出す前代未聞の計画に挑むさまをスリリングに描く。主演はサンドラ・ブロック、共演にケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、リアーナ、ヘレナ・ボナム・カーター。監督は「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロス。

あらすじ:犯罪界のカリスマ、ダニー・オーシャンを兄に持つデビー・オーシャンは、刑務所での務めを終え仮出所を果たすや、5年8ヵ月の服役中に練りに練った計画を実行に移すべく右腕ルーとともにその道のプロたちに声をかけ、最強の犯罪集団、新生“オーシャンズ”を結成する。狙うは世界最大のファッションの祭典“メットガラ”でハリウッド女優ダフネが身につける15000万ドルの宝石。しかし会場には防犯カメラが1ミリの隙もなく張り巡らされ、至る所で屈強な男たちが目を光らせている。その上、祭典の模様は全世界に生配信されることになっていた。
そんな到底実現不可能と思われる前代未聞の計画に、緻密かつ大胆不敵に挑んでいくデビーとその仲間たちだったが…。

<感想>どんな痛快な犯罪のアイデアを展開するのか、ということに期待するシリーズなのだが、今回はソダバーグ制作に、ゲイリー・ロス監督で、サンドラ・ブロックの新指揮のもとで、ケイト・ブランシェット以下、アン・ハサウェイ、リアーナ、ヘレナ・ボナム・カーターなど、元気のいい女たちばかりが集結した。

メトロポリタン美術館やメットガラの様子を見られるだけでも楽しくもあり、豪華なカメオ出演も多数あって面白かった。
オーシャンズ、、、そのメットガラって何なの?・・・

「ヴォーグ」アメリカ版のアラ・ウィンター編集長の主催で、NYのメトロポリタン美術館で、毎年5月の最初の月曜日に行われる世界最大のファッションの祭典。

錚々たるセレブたちが正体され、その衣装はつねに話題になっている。ちなみに、A・ウィンターは、「プラダを着た悪魔」の編集長のモデルで、今回の映画にもチラッと出てきます。

今回のターゲットは、カルティエ本社の地下金庫に眠る、1億5千万$相当の宝石で飾られた門外不出の首飾り“トゥーサン”なんですね。とにかく物凄いところを狙うんですね。

大女優のダフネの首に掛けてメットガラに参加させるために、それを借り出し、さらにはそのために、トゥーサンに合う彼女のドレスをデザインをするという手間をかけた計画。

そして、カルティエの警備員をはじめ、男たちを徹底的にコケにするという趣向。ターゲットはアン・ハサウェイが、NY・メトロポリタン美術館のイベントで、身に着ける宝石だから、そこに集まるセレブたちのファッションや豪華なパーティの流れと贅沢さも楽しめるようになっている。

大詰めで女優たちが見にまとうドレスの美しさにも酔いしれて、それぞれ違うトップ・デザイナーがデザインしているドレスというから、眼の保養にもなりますね。

オーシャンズ、2しかしながら、してやられた感がまったくないし、難関らしきものが登場しても、次の瞬間にはいとも簡単に解決してしまうのだから。
これまでの、男たちのシリーズ3作の、ノリをきっちりと受け継いではいるのだが、何だか魅力が感じられないのがいただけない。

女性チームにしたといっても、何か革命的なことが映画に起きたわけではないけれども、プロフェッショナルな女たちが、きびきびとした役割を果たすさまを、スクリーンで見るのはそれだけで感動的でもあります。

終盤のサプライズが大いに愉快で、楽しかった。

 

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papikosachimama at 21:47|Permalink

ジュラシック・ワールド/炎の王国4

ジュラシック・ワールド、タイトルシリーズ14年ぶりの新作として2015年に公開され、記録的な大ヒットとなった「ジュラシック・ワールド」の続編。
恐竜と心を通わせるオーウェンを演じるクリス・プラット、クレア役のブラウス・ダラス・ハワードらメインキャストが続投。
監督は前作のコリン・トレボロウに代わり、「永遠のこどもたち」「インポッシブル」などで注目されたスペインの出身の
JA・バヨナが新たに務める。

あらすじ:前作でハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れ、恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか、人間たちは判断を迫られていた。
そんな中、恐竜行動学のエキスパートのオーウェンはテーマパークの運営責任者だったクレアとともに、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。

<感想>2015年に「ジュラシック・パーク」で新たなシリーズとして登場した「ジュラシック」シリーズ。スピルバーグが「ジュラシック・パーク」を93年に世に送ってから25年。シリーズ最新作は、ドラマや映像にどのように進化と変化を遂げたのかを探ります。

ジュラシック、、1「ジュラシック・ワールド/炎の王国」に見られる恐竜表現すべてCGの時代はもう古いのか?…ということ。直接触れられる造形物の復権とか。

本作での恐竜たちは、見上げるようにブラキオサウルスが登場する序盤から「ジュラシック・パーク」(93)のオマージュショットが続出しており、その後もスピルバーグが乗り移ったかのようなテンポの良さを見せてくれます。

ですが、物語の舞台が英国の邸宅に移ってからは、一転して雰囲気が変わってしまう。
まるで、フランケンシュタイン博士の実験室のような不気味さが漂い、バヨナ監督の本来の持ち味であるゴシックホラー風味の暗い色調が画面を支配するのだ。

ですが、孫娘のメイシーが複雑な邸宅内を逃げ回る様子は、スピルバーグの「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(84)などにも通じる探検好きな子供心をくすぐる演出になっていっているのが良かった。

ジュラシック、1一方の恐竜たちはどう描かれていたのかというと、「ジュラシック・パーク」三部作(93〜01)における恐竜の表現方法は、機械仕掛けによる実物大のアニマトロニクスや、人間が中に入る恐竜スーツで造形物を最新のCG技術を組み合わせる、で映像化する。

本作での「ジュラシック」シリーズのテーマは、人間の強欲さと科学が結びついた時に起きる惨事への警鐘であり、また、生命は人間の思いどおりにはならないというメッセージの二つがあります。

ジュラシックシリーズや恐竜が好きという人であれば十分に楽しめると思います。ですが、眼につくマイナス点では、パニックのさなかで恐竜に人間たちが食べられてしまうかもしれないという恐怖感が感じられます。

もちろん冒頭部分では作業員を始めとして、数多くの人間が犠牲になるのだが、太った人が真っ先に襲われるという「シリーズの掟」が破壊されていることを始めとして、既存作が有無をいわせずアクションの連鎖を連ねていたことに比べると、危機の場面にはいくつもの隙間が空いているように思われてならない。

ジュラシック、8また、闇のマーケットで恐竜のオークションが開かれる場面などの「悪」の描写は、前作における恐竜の軍事利用というモチーフの延長とはいえ、やや皮肉に描かれているように思われてならない。

それにもまして描かれるのが、島から屋敷へと移動して、移動先のロックウッド邸で繰り広げられるホラー映画のような演出も見どころの一つです。

知性とスピードを優先した「インドラプトル」の脅威は、邸宅を縦横無尽に動き回り、前代未聞の展開をもたらすのですからね。そして危機に陥る少女メイジー、恐竜好きのメイジーの感覚の世界を彩っており、終盤の衝撃的な展開もメイジーを通じて暗示されていた幾つかのモチーフではあるが、いささか虚をつかれたことは否めない。

最後が「あら、こんな終わり方なの?」という感じでしたね。恐竜を野に放っちゃってしまう。ですから、希望が持てず後味が悪いですね。原始時代じゃあるまいし、人間と恐竜が共存するなんてことはあり得ませんからね。

 

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papikosachimama at 21:19|Permalink

2018年08月16日

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー4

ハン・ソロ、タイトル「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」に続く「スター・ウォーズ」シリーズの知られざる物語を明らかにするアナザーストーリー第2弾で、ハリソン・フォードが演じたシリーズ屈指の人気キャラクター、ハン・ソロの若き日の姿を描くSFアドベンチャー。
シリーズ第
1作「スター・ウォーズ 新たなる希望」でルークやレイアと出会う前のハン・ソロが、アウトローながら内に秘めた正義感で数々の試練に立ち向かっていく姿を描く。
若き日のハン・ソロに扮したのは、「ヘイル、シーザー!」で注目された新星オールデン・エアエンライク。
同じく若き日の悪友ランド・カルリジアンをドナルド・グローバーが演じ、エミリア・クラーク、ウッディ・ハレルソンらが共演。
ハン・ソロの無二の相棒となるチューバッカも登場する。「ダ・ヴィンチ・コード」などで知られるベテランのロン・ハワード監督がメガホンをとった。

あらすじ:惑星コレリアで生まれ育った若者ハン。銀河帝国の暗黒支配が激しさを増す中、自由を求める彼は幼なじみのキーラとともに故郷からの脱出を図るも失敗、2人は離ればなれに。
やがて銀河一のパイロットとなってキーラを迎えに戻ると誓い、帝国軍のパイロットを目指すハン。
しかし3年後、彼は帝国フライト・アカデミーを追放され、歩兵として戦場に送られる。そこでウーキー族の戦士チューバッカと出会うハンだったが…。

ハンソロ、3<感想>歴代「スター・ウォーズ」キャラの中でも、最高にやんちゃな冒険心に溢れるならず者の“ハン・ソロ”。そのルーツを描く映画には、どんな作風であるべきなのか?・・・監督のロン・ハワードが出した結論は、正統派で、クラシックな味わいの「アドベンチャー映画」になったものだった。

もちろんのこと最新のCGデザイン、特に新ドロイドのL3−37は必見でしたね。それに、ド派手なアクションも満載だけれども、本作の根っこの部分には、往年の西部劇やクライム・コメディに通じる、ちょっとレトロな娯楽映画っぽさがある。

ハン・ソロ、3ハン・ソロの初恋の人、キーラ(エミリア・クラーク)のキャラ設定なんて、完全に昔の犯罪映画にでも出てきそうな“魔性の女”、つまりファム・ファタールふうになっていて、脚本のローレンス・カスダンのシネフィル的な趣味が、主にいい意味での丸出しなのだ。

シリアス路線の「ローグ・ワン」と比べると、全体的にポップなノリを意識した作品にもなっていて、アンソロジー・シリーズの第2弾として、新たなパターンを試せた点でも大きいと思う。

ただし、これを続けると、さすがに飽きられるから、第3弾もオリジン・ストリーで行くのなら、そろそろもっと攻めのキャラ選択を期待したいかも、と思いますね。個人的な希望では、ジャバ・ザ・ハット。じゃなかったら、サミュエル・L・ジャクソンのメイス・ウィンドゥとかはどうかしらね、なんて思います。

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papikosachimama at 22:00|Permalink

2018年02月13日

デトロイト4

デトロイト、タイトル1967年に起きたデトロイトの暴動を題材にした実録サスペンス。暴動の最中、あるモーテルで警察が宿泊客に行った過酷な自白強要の行方を、息詰まるタッチで映し出す。
監督は『ハート・ロッカー』などのキャスリン・ビグロー。『スター・ウォーズ』シリーズなどのジョン・ボイエガ、『レヴェナント:蘇えりし者』などのウィル・ポールター、『リチャードの秘密』などのジャック・レイナーらが熱演する。

あらすじ:1967年の夏、アメリカ・ミシガン州デトロイトで大規模な暴動が発生し、街が騒乱状態となる。2日目の夜、州兵集結地の付近で銃声が鳴り響いたという通報が入る。
デトロイト警察、ミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元警備隊は、捜査のためにアルジェ・モーテルの別館に入る。
数人の警官が、モーテルの宿泊客相手に捜査手順を無視した尋問を開始。自白を強要された宿泊客たちは……。

デトロイト、3<感想>
掛け値なしのメガトン級の衝撃作であった。そりゃ監督が「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグローとくれば、ある程度の覚悟はできていたが、正直いってこれまでとは予想していなかった。
1967年の夏、テトロイトの暴動の際に起きた実際の事件を、ビグロー監督は綿密なリサーチをもとに再構築し、鮮烈なドキュメンタリー・タッチで描いている。
映画が始まってすぐに観客は、舞台であるアルジェ・モーテルの中に否応なく引きずり込まれる。まるで現場にいるかのように、すべてを目撃するはめになるとは思ってもいなかった。
町中が暴動で揺れるのを尻目に、モーテルでパーティを楽しむ黒人の若者たちが無邪気にオモチャのスターターピストルを発砲したために、白人の警官が押し寄せ、その後に暴力的な尋問による悪夢のような一夜が展開する。
デトロイト、6それは、黒人たちを壁に並ばせ後ろ向きに立たせて、拳銃を頭に突き付けての尋問である。発砲した拳銃は何処にあるのか、誰が発砲したのかと。黒人の若者が遊び半分にオモチャのピストルを発砲させたのも悪い。正直にそのことを言っていればいくらかは良かったのに。
しかし、白人警官は、日頃から黒人の若者たちが麻薬や拳銃をどこからか持ってきて、それを売買しているのを知っている。それに、その中に白人の若い売春婦2人が混ざっていたのも、気に入らなかった。執拗に責め立て、ドアを閉めては一人ずつ尋問をしては、最後に銃殺するのだ。
ですが、本作の衝撃は暴力描写にあるのではない。描写に関してなら、もっと目を背けたくなる作品は他にもあるだろう。そうではなく、本作の焦点は事件それ自体の陰惨さ、非人間性にこそあるからだ。
デトロイト、5いったいどんな人間がこれほどの憎悪と差別感情に貫かれたようになるのか。
さらには、それを助長する白人の警官たちの仲間の意識である。その圧倒的な救いのなさを前に、唖然とさせられる。
そして、現代社会のリンクも念頭に、鉄の意志でここまで妥協なしに映画化したキャスリン・ビグロー監督に、ただただ敬服するしかないだろう。

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papikosachimama at 19:58|Permalink

2018年02月10日

キングスマン:ゴールデン・サークル4

キングスメン、タイトル「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督と原作者のマーク・ミラーが再びタッグを組み、世界最強のスパイ組織“キングスマン”の活躍を描いて世界的大ヒットを飛ばした痛快スパイ・アクションの続編。
一人前のスパイに成長したエグジーを主人公に、アメリカの同盟組織と手を組み、新たな敵に立ち向かうキングスマンの戦いの行方を、スタイリッシュにして過激なアクション満載に描く。
出演はコリン・ファース、タロン・エガートン、マーク・ストロングら前作のキャストに加え、チャニング・テイタム、ハル・ベリー、ジェフ・ブリッジス、ジュリアン・ムーアらが新たに参加。

あらすじ:ロンドンの高級テーラーの地下に本部を置く、どの国にも属さないスパイ機関“キングスマン”がある日、サイコパス女ポピー率いる世界的麻薬組織“ゴールデン・サークル”の攻撃によって壊滅してしまう。
残されたのはエグジーとメカ担当のマーリンのみ。そこで2人はアメリカに渡り、同盟組織“ステイツマン”に協力を求める。するとそこで、死んだはずのハリーとも再会するエグジー。
テキーラ、ウイスキー、シャンパンらステイツマンのアメリカン・スタイルに戸惑いつつも、ゴールデン・サークルの恐るべき陰謀を阻止すべく決死の戦いに臨むエグジーだったが…。

キングスマン、、、2<感想>コリン・ファースとタロン・エガートンのW出演で2015年に公開された「キングスマン」は、理屈抜きで楽しいスパイ・アクション映画の快作だった。
「サヴィル・ロウの高級紳士服店が、実はスパイ組織の秘密基地だった」という設定をはじめとし、UKファッション/カルチャー好きのツボを突きまくる仕掛けをあれこれと散りばめつつも、いざアクション・シーンが始まるとキレッキレの仕上がり。

最近の「007」シリーズの「ハード&シリアス路線」とは真逆のサービス精神で、その確信犯的な突き抜け方が実に爽快だったと思う。


キングスメン、

シリーズ2作目となる本作では、謎の敵=ゴールデン・サークルの攻撃によって、キングスマンの英国本部がボッコボコに壊滅。
どうにか生き残ったエグジーたちは、アメリカのスパイ組織、その名も“ステイツマン”の助けを仰ぐのだけども、・・・。

UK×USA的な展開が導入されることで、映画全体の悪ノリ感はますますアップになっているようだ。
キングスメン、3
新たな悪役のサイコパス女ポピーに扮したジュリアン・ムーア、ミスをした部下を人間ミンチの機械に入れて、ハンバーグを作るという。
ちなみに彼女は、世界征服を企む麻薬王であり、ノリノリですから。
それに、本人役で出演している、誘拐されるエルトン・ジョンの超ドSなイジリ方も、いかにも「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督らしいですよね。
あ、そうそう、ケンタッキー州に本部を置く組織で、コテコテのカウボーイスタイルで、テキーラのチャニング・テイタムの活躍を期待していたのに、全然出番が少ないのにがっかりでした。

思考回路のスイッチは完全にオフにして、頭も心も「正月気分でバカ騒ぎをして」ただただ、楽しむことをお勧めしますです。
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papikosachimama at 20:01|Permalink

否定と肯定4

ひていとこうてい、タイトルある日突然ホロコースト否定論者との法廷闘争に巻き込まれ、ホロコーストを巡る歴史の歪曲を許しかねない世界が注目する裁判の当事者となってしまったユダヤ人歴史学者デボラ・E・リップシュタットの回顧録をレイチェル・ワイズ主演で映画化した実録法廷サスペンス。共演はトム・ウィルキンソン、ティモシー・スポール。監督は「ボディガード」「L..ストーリー/恋が降る街」のミック・ジャクソン。

あらすじ:1996年、アメリカの大学で教鞭を執るユダヤ人歴史学者デボラ・E・リップシュタットは、自身の著書で非難したホロコースト否定論者のデイヴィッド・アーヴィングから名誉毀損の訴えを起こされる。悩んだ末に裁判で争うことを決めたリップシュタット。しかし裁判の舞台となるイギリスの法廷では、訴えられた側が立証責任を負うとされ、たとえアーヴィングの主張がどんなに荒唐無稽であっても、裁判で勝利することは決して容易なことではなかった。そんな中リップシュタットは、法廷弁護士リチャード・ランプトンをリーダーとする弁護団からホロコースト生存者ばかりか彼女自身にも証言しないよう求められてしまう。それは自らホロコーストの真実を証明したいと意気込むリップシュタットにとって到底納得できるものではなかったが…。

<感想>今年に入ってやっと東北でも上映されました。第二次世界大戦中にナチス・ドイツがユダヤ人を大量虐殺したホロコースト。「ホロコーストは捏造」と、その史実を真っ向から否定するイギリス人の歴史家であるデイヴィッド・アーヴィングが、彼の著書で批判したユダヤ人の女性歴史学者デボラ・E・リップシュタットを名誉棄損で訴えたというのだ。

ひていとこうてい、実話の映画化である本作には、現代社会を覆いつくす歴史改ざん主義の愚かさ、「両論併記」なる美名のもとに猛威をふるうマスコミの不公正が、きわめて直感的に描き出されている。

被告となったユダヤ人歴史学者デボラ・E・リップシュタットは、証言するなと弁護団から指示される。学者が言葉を奪われるとは。しかし、喋らない主人公というのが、映画的に逆説的な公正さをもたらしたのだ。被害者でさえ法廷で一言も発言しない。

「ホロコーストはなかったこと」にという歴史家がいて、その著作を批判した学者が訴えられる。そんなバカな話があるもんかと、思う裁判。だけどひょっとしたら、学者が敗訴するのではないかと、内心ヒヤヒヤもした。偏見まみれの虚説がまかりとうる昨今、この設定は胸が騒ぎますから。

ひていとこうてい、1裁判は情ではなく理性である。そのことをびしびしとこちらの肌にしみこませて、人間の知性、それこそが虚説に対抗できる唯一の武器だということを。

非情にスマートな作品であります。慰安婦問題とか南京虐殺とか、日本でこれをやったら、さてどうなることでしょうね?・・・。

歴史の真実と知性の意味、言論の在り方と解釈など、今の時代に改めて考えさせられます。主演のレイチェル・ワイズがパワフルな魅力で熱演している。硬派だが、テンポの良さもあり、ぐいぐいと引き込まれる力作でもあります。

 

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