週刊金曜日で、3.11後の音楽や映画、小説などをどう楽しむかについて、朝日新聞の近藤康太郎さんとライターの対馬亘さんと鼎談をしたことを、今、よく思い出す。
各々、テーマとともにおすすめの作品を各ジャンル提示して、それをもとに話すスタイルで、私は「隣りあい、響きあう」がテーマ。
失ったものを埋めようとして憤りが膨らんだり、否定のやりとりで応酬したり、立場の違う相手の口を塞ぐことで安定を保とうとしたりする傾向の中で、どんなに違う立場にいても、ちゃんと隣りあって、違いを見つめることで、お互いの違いを響き合わせることはできる、それを媒介するのが音楽や映画などの文化ではないか……と考えてのテーマだった。続きを読む