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秋のツアーシーズンがやって参りました。
9月からは、小学生の自然教室系の添乗や
中高生の修学旅行が多くツアーナースもテンヤワンヤ。
毎週添乗当たり前、気付いたら冬!となる位に
あちこち飛び回る時期といっても過言ではないでしょう。

ツアナス経験者だけでは手が回らず
普段、ツアーをやらない派遣看護師さんも
派遣会社から依頼されてデビュー(させられる)という
パターンも多い時期なのではないでしょか。

というツアナスデビュー者の方向けに!
というワケではないですが

独断と偏見に基づく、
小学生の添乗でありがちな
傷病対応をまとめてみました。
いずれも頻発しがちな
軽症
(その場の処置で終了系)のみご紹介。
もちろん
ツアーでは軽症例だけでなく命に関わる重大な状態も
ありますし、
ツアーナースが同行した添乗で亡くなってしまった子もいます。

※しつこいかもしれないけど、
 とてもとても大事な忘れてはいけない事なので繰り返し書きます。


命には関わらないけど
捻挫と見立てていたら骨折だったとか、
ここの事例文献レビューでも
書いた通りで、アセスメント誤るとえらいことになります。
極端な事例をあげれば
ただの頭痛だと思って一日様子みたら
翌朝脳出血で倒れそのまま帰らぬ人となり
学校が訴えられた事もありましたね。
これは判断…私には無理。
これ
(ニュースソースが2chしか残っておらず)

脅すわけではないのですが
たかだか付き添いナースと甘く見ず…。
まぁこんなマニアックなブログ読んでる方は
そんな適当に挑もうとしていないでしょ。

ちなみに、1日の対応人数は
言うまでもなく母数
(児童数)や行き先・日数や
普段の状況によって様々なので断言出来ません。
3泊4日で対応ゼロなときもあれば30人越えもあります。
児童数15人のところで対応7人もあれば
70人のところで対応3人もあるし。
傷病対応少なかったけど、それ以外の生活補助や相談が
多かったとかもあるし。
1日平均5〜6人ってのが妥当なところじゃないですかねぇ…。

私の中で一番多い対応は
生徒数280人の高校での3泊4日修学旅行
対応80〜90人。ナース2人体制で良かった。
最終夜にノロ爆発で飛行機帰宅出来ず4泊5日へ延長。

次に多いのは、小学生100人英語合宿5日間。
英語に馴染めず日々精神崩壊しいていき対応35人。
最近では、某タイタニック添乗で船酔い祭りで30人ちょいとか。
あれ、生徒総数何人だか忘れた。300ちょいとかかしら。
そんなもんしか経験していませんので
ツアーの地獄をみたことがないという…。
対応人数と忙しさは必ずしも比例せず
むしろ、何度も来室するメンタル系とか
ガッツリ発熱受診祭りなど、密度が左右する。

前置き長くなりました。
はい本題。
内科系であるある症状。


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頭痛・発熱(微熱)・腹痛のどれかは
必ず対応すると思って間違いないと思います。
大概『なんか具合が悪い…』もしくは無言で現れ
漠然とした症状訴えを、因数分解していく作業に
ツアナスの技量が問われるのが、小学生の対応の醍醐味であります。

安易にメンタル要因と決めつけて、適当に保健室休養させて〜とか
とりあえず冷えピタ貼っといてとか
色んなナースさんいますけどね。。。
この辺の対応、ダイレクトにPEARSが活きるので
小学生の漠然とした対応のミスリード防止に
そこそこ自信を持つには有用です、PEARSさまさま。

しかしまぁ
みんな大好き冷えピタ。
熱があるんですから冷えピタくらい貼ってあげても…とか
先生から言われる事もあったり。
酷いとき、打撲捻挫で湿布代わりに使用を
促されたことも(しかもスポーツ合宿のコーチ。ひぃぃぃ!)
とりあえず処置の代表が冷えピタ様で
個人的には正直使いたくないんですけど
プラセボ効果は高いと思っているので
希望時は貼っています。

立ちくらみは、初日の出発式とかで
長時間立ちっぱなし&前日興奮して睡眠不足でコンディション悪しな
子がバッタン倒れるパターンあるあるなので
顔色悪い子怠そうな子は、早めにピックアップして声かけとくとか
観察次第で予防は可能な範囲。
自分で訴えられない子、我慢しちゃう子も多いので
こちらから察知して働きかけるのも
基本的な予防策でありツアーナースの仕事の基本。
普段を知らない子を相手にするからこそ
一に観察。二に観察。


次、怪我とか系
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頻度は少ないので書かなかったけれど
トゲ抜きも結構あります。私。
宿舎で裸足で遊んで、畳の破片刺さったーとか
野外活動で木の破片刺さったーなど。

そして、冷えピタと2強で
みんな大好きカットバン。
鼻出血対応のウェットティッシュ+使い捨て手袋と共に
カットバンもすぐ取り出せるように
しておくと便利。
そうそう、ウェットティッシュや手袋などなど
5秒以内に素早く取り出せる簡単処置セットは
救急バックとは別にマイポシェット的に準備して
常に持ち歩いているツアナスさん多いですね。
小学生添乗限定かな(中高は小さな怪我でそんなに来ないから)

私のポシェットの中身は
フェイスマスク
使い捨て手袋
ウェットティッシュ
ハサミ
爪切り
とげ抜き
水入りミニ霧吹き(流水洗浄代わり)
カットバン何種か
滅菌ガーゼM2枚くらい
ハイドロコロイドシート
チューブワセリン
体温計
アルコール綿(とげ抜きや体温計消毒)
密封出来るゴミ袋(ジップロック)
三色ペンと付箋メモ
緊急時対応シート(オリジナル作品)

書き出すともの凄く多く見えるけど
我ながらコンパクトにまとまってます。
持ちすぎてもドラえもんのポケット状態で
イザって時に取り出せない。
ドイターのSサイズに納まる量が目安かしら。



ドイター使っていたんだけど
常時携帯して素早く取り出すには不向き。
登山メーカーのポシェットだと
丈夫で区分けが多くて便利っす。
特に小学生は、
鼻出血・食い物こぼしたー・吐いた・鼻水じゅるじゅるなど
不意打ちに色んなものを体内外から垂れ流し
とりあえず『かんごしさぁーん
(どらえもぉーん)』と呼ばれて
なんとかしろと丸投げされるので
ウェッティ
(ティッシュでもいいんだけど)を光の早さで差し出せるのが肝!
持っていないなんて論外!だと思っています。大げさ?
それを見越して、どの学校の養護教諭さんも
ティッシュどっさり準備して下さります。たぶん。


はいラスト、環境要因系
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酔い対策は、別途詳しくいつか。
ゲボ処理は看護師担当。手順と処理方法予習必須
今回、小学生編なので大丈夫だけれども
中高の修学旅行は吐かれても嘔吐処理セットなし。
バスにも準備なし(少なくとも沖縄は絶対ない。断言する)の中
さあどうする状態ですからね。
中高で吐いたとしてもきちんと袋に吐く?
Twitterで何度も腐る程書いているけど、
あたしゃ
高校生にバス床に滝のようにリバースされて
ノロ蔓延しましたからねぇ…。

集団感染の対応手順、ノロやインフルの消毒・隔離基準などなど
熟知しておくのも大事です。

メンタル系。
ホームシック対策は、担任と相談しながらだけど
・看護師さんと一緒に保健室で寝よう
・一度自宅に電話して親の声聞かせて安心させよう が
王道パターンじゃないでしょうか。
ホームシックになり易い子は
保護者の意向で、毎日朝晩必ずママと電話という
対応をしているのもありました。
女子揉め事系も時々ありますねー。
いずれにせよ、メンタル系はナースひとりで抱え込まず
先生と相談しながら対応がベースだと思います。
甘やかし保護的にするか
普段の様子から加味して、やや厳しく野に放つのかなど
対応方針を先生と確認。
ルール違反かもしれませんけれど
場合によっては気分転換にDVDとか見せたりします、私。
ホームシック系では、かなりの確率で効果あり。 
※DVD
    iTunesに何本か入れてるディズニーアニメとか。
 学校によってはダメかもしれないので
 指名で行ってる慣れて話の分かる学校とかでしかやらない。
 まねしないで下さい。クレームきても責任もてねぇし。
 やるなら自己責任でw

 

以上。軽めの対応編でした。
有事に対応出来る様
CPRのスキル復習とポケマ(もしくはシールド)持参は
お忘れなく。  

自分の経験に基づいてですので
同業者及び養護教諭さんには、ちげーよwはぁ?など
イラッと思う方もいるかもしれませんが
それを恐れちゃなんも出来ないので。
いち、ツアナスの微々たる経験値から…な
欠片情報としてチラッと参考にして頂ければ幸い。