2017年06月01日

519_1920x1080マンチェスターユナイテッドがELファイナルでアヤックスを下し、ELカップを制した。様々な大会で優勝を飾ってきたユナイテッドだが、ELは初の栄冠だという。久々に早起きしてのテレビでの生観戦。アヤックスとの実力の差がありすぎて、好試合ではなかったが、優勝の瞬間は久々に歓喜し、興奮してしまった。どんな大会であってもサポートしているクラブの優勝は嬉しい。
しかし、今年のユナイテッドは不思議なチームだった。強いのか弱いのか、評価が定まらないままシーズンが終わってしまった印象が強い。プレミアリーグは18勝5敗15引き分けで勝ち点69の6位。15引き分けという数字に表れているように、ここ一番の詰めが甘く、格下相手の勝てる試合を何度も引き分けにされてしまった。最後も4位の可能性があったのに、簡単に連敗して脱落してしまった。いくらELとの兼ね合いがあったとしても、以前のユナイテッドにはない消極的な試合にがっかりだった。強豪相手の試合でも最初から引き分け狙いのような戦いが多く、積極的に勝ち点を取りに行ったのはホームのチェルシー戦くらい、全体的に面白みと迫力に欠ける試合が多かった。名試合も少なかった。
そもそも戦力不足なのだろうか。モウリーニョが連れてきたイブラヒモビッチとポグバはとてもよくやっていたと思うが、他では、マタ、ラシュフォードとデヘアくらいしかコンスタントに活躍した選手が思い当たらない。皆、実力を持っているのだろうが、小さくまとまった選手が多い。その象徴的存在がエレーラのような気がするが。モウリーニョ就任一年目で戦術が浸透していなかったのだろうか。モウリーニョの存在感もかつてのような凄味や威光が薄れていたのも気になるところではあった。ELに優勝したことで来季は久々にCLに参加するユナイテッド。どういう補強をするのだろうか。誰が残り、誰が出ていくのだろうか。余剰人員気味ゆえ、気になるところだ。
そんなことを書いている自分の中のユナイテッド熱は以前から比べるとかなり低くなっているのは否めない。全盛期だった02年〜05年くらいが100とすると今は30くらいだと思う。Jスポーツで生で見られなくなったことで、いまひとつ関心が薄れてしまった。試合があったことを忘れていて、あとで気づいたことも多数あった。来期はCLにも出るし、サポーターとしても気持ちを入れ替えねばならない。と言う意味で、そろそろJスポーツに見切りをつける時期なのかもしれない。




(23:11)

2017年05月27日

6829563725月14日のイングランド・プレミア・リーグ、スパーズvユナイテッド戦をもって、ノース・ロンドンの由緒あるフットボールスタジアム、ホワイトハートレーンの歴史に幕が下ろされた。スパーズ・サポータではないものの、過去三度、最近では4年前に行ったスタジアムだったので、愛着があり、一抹の寂しさを覚える。
最初にWHLを訪れたのは1997年暮れのアーセナル戦。ロンドン・ダービーというのに当日券を買うことができた。席はゴール裏。この時大掛かりな改修工事をしていたため、吹きさらし状態で試合を観戦した。スパーズにはクリンスマン、ジノラ、キャンベル、アーセナルにはベルカンプ、プティ、アダムスなどがいた。次は2003年くらいの1月、対戦相手はチェルシー、確かリーグカップの準々決勝だった。チェルシーにはハッセルバインク、スパーズにはロイ・キーンがいた。そして、2013年は12月のリバプール戦で、スアレスがハットトリックを記録し、0-5でスパーズを粉砕、この試合限りで監督が解雇された。
私がこのスタジアムを気に入っている点は、まず場内の雰囲気が特段素晴らしいこと。イングランドのスタジアムはどこに行っても感動するが、ここはそれほど多くないキャパも関係しているのか、サポーターの声援の成り方がまるでロックコンサートのように聞こえ、その臨場感が半端ない。いろいろなスタジアムでそのホームチームのサポータのチャントを聴いたが、ここでの「聖者の行進」が一番だったと断言できる。邪魔だと評判の悪い大きな柱も昔ながらの伝統を感じさせるし、場内に漂う芝と土の匂いにフットボールを見に来たことを五感で気づかせる。さらにはスタジアム周辺のいかがわしい雰囲気にイングランド・フットボールのリアルを見ることが出来る。地下鉄の駅から徒歩30分という不便さもまた良い。駅からスタジアムに向かう途中にあるパブや多国籍料理屋で時間を潰したことが懐かしい。
そんなWHLでの個人的なベストマッチは、2001年に行われたスパーズvユナイテッド戦。ユナイテッドは前半だけで3点を失うも、後半5点入れて大逆転というスリリングな試合があった。ベッカム、ギグスがメインでやっていた頃の話。テレビの前で大興奮した記憶がある。WHLで活躍した好きなスパーズ選手はクリンスマン、ジノラ、キーンといったところ。
思えば、ここ数年で親しみのあったスタジアムが軒並み姿を消している。メインロード、アプトンパーク、ハイバリー、そしてWHL。もう一度行きたかったと思うと同時に4年前に行っておいてよかったと、心から思う。





(02:45)

2017年05月04日

PM_OneOnOne_Programme_Interior_F-2生涯のマイ・アイドル、ポール来日。普通なら大手を振って上を下への大騒ぎなのだが、今回はまったく気持ちが上がらず、盛り上がってる人たちを冷めた目で見るだけだった。普通なら今までのように東京公演全制覇するのだが、今回はドーム最終公演のみ。念のため、自分の気持ちを確認するため、初日の武道館へ様子見に行ってみたものの、当日券を買うまでには至らず、1曲だけ外で聴いてみようと思ったものの、寒さに耐えきれず、開演前に退散。完全にやる気がない。
この気持ちの変化は何なのだろう。2013年から2年おきに来日していることもあって、貴重さやありがたみはひとつもない。セトリも大きな変化がなく、新鮮味や驚きもない。ステージでポールがビートルズやウイングスやソロ曲を歌うというだけ。それが重要なことは分かっているが、それだけならば1日だけ見れば十分という判断だったわけだ。案の定、最終日の公演を観た後、それは間違っていなかったことを確認した。「ハード・デイズ・ナイト」「ジュニアズ・ファーム」「ラブ・ミー・ドゥ」「ユー・ウォント・シー・ミー」を初めて聞けたことは嬉しく、部分部分で楽しめたことは事実だが、アンコールでやっていたファンをステージに上げての欽ちゃん顔負けの素人いじりがライブの流れをぶった切ってしまっていたことは否めず、そしてなにより全体にこなしている感が強く、定番の「アビーロード・メドレー」にも感動はなかった。感動したのは声のでなくなった「メイビアイム」や「レット・イット・ビー」を一生懸命歌おうと言うとするところ。ここばかりはさすがにグッと来たが、楽しみにしていた「ヒア・ゼア」のピアノ・バージョンは聴けなかった。
あれだけポールのことが好きだったのに、なかなか良いところが見つけられない。90年の来日の際、伊藤銀次がFM雑誌で書いていたような酷評を自分が書くとは……。あの記事を読んだときすごく憤慨したのに……。でもそれはきっと、ポールが75歳になろうとしているのに元気でステージに上がっているから言えること。まだポールに何かを期待していると言う証拠。「See You Next Time!」と言っていたけど、また来るのか。来そうな気もするし、来ないような気もする。けど、来たらまたとりあえず1日は行くのだろう。とりあえず、「フラワーズ」のデラックス盤は買わねば。



(00:54)

2017年03月11日

Teenage Fanclub - Everything Flows EPティーンエイジ・ファンクラブ公演から早1週間、iPodで彼らの音楽を聴きながら、改めて幸せな二日間だったなと振り返る。いま思い返しても、胸がキュンとするくらい、素晴らしいライブだった。
初日は横浜ベイホール。ここを訪れるのは2年前のポール・ウェラー以来、本当は去年モリシーで来るはずだったのだけど、無念のドタキャン。そして今年はTFC。あのキャパゆえ、即完だと踏んでいたのに、思いのほか出足が遅かった。平日の横浜、駅から徒歩20分は相当なハンデだったよう。開場前に会場付近にいた人の数はわずかで、ちょっとさびしい感じ。最終的に満員にはなっていたが、ポール・ウェラーの時に比べるとさすがに少なかった。ここでモリシーがやったらホントに騒動になっていただろうなと想像してしまった。
定刻19時半きっかりに公演がスタート。ステージに登場したフロントの3人はすでに50代、さすがに年をとった。95年の2回目の来日からすべてのツアーを見ているが、いつからああいう風貌になったのだろうか。95年の時はきっとグランジ・ロック・バンドのような見た目だったのだろうが、それも思い出すことができない。いや、その時から今のような雰囲気だったような気もする。不思議なバンドだ。ただ、モッシュ&ダイブが繰り広げられていたライブだったことだけは覚えている。22年前はそういうバンドだったのだ。
運よくほぼ最前で見ることができたが、逆に近すぎて全体像がつかめず、音のバランスもよろしくない。演奏のクオリティがリハ・レベルと言うのではないが、まるでグラスゴーにある彼らのリハスタにお邪魔しているかのような距離感。おもてなしの紅茶が出てきそうな親近感だ。ノーマンの服装もまるで普段着。それはそれで楽しい。今までの来日では見られなかった貴重な体験だ。曲は新譜の「Here」を中心に進めるのかと思ったが、それほど多くはなく、全キャリアから万遍なく選曲されていて、思わず歌詞が口を突く。自然と口ずさんでしまう、ロックなのにシャウトすることなく朴訥と謳う3人のボーカルに味わいがあり、けして派手なプレイではないのに、心を鷲掴みしてしまうレイモンドのギターソロもまた彼らのサウンドの肝。これみよがしではなく、的確にハモッているコーラスにも心が揺さぶられてしまう。だいぶスローになった「Everything Flows」に彼らの今が感じられ、思わず涙。大満足のライブだった。
翌日の会場は、前日とは打って変わって最新型のクラブ、六本木のEXシアター。この日はチケット完売ということで、雰囲気も良好。開場待つ間、皆TFCのことが好きなんだと思うと嬉しくなった。前日同様最前のほうからステージを見たが、サウンドもクリアで迫力あり、ボーカル、ギターフレーズ、ハーモニーもよく聴こえた。特にドラムの音が全体に迫力を与えていたように思う。セットリストは2曲目が「RADIO」になり、アンコールで1曲増えたほか、前日とほぼ変わらず。前日と「ほぼ同じライブなのに、全く違った印象。「Don't Look Back」「Sparky's Dream」「The Concept」はダイブ&モッシュこそないものの、皆、大きな声を出して一緒に歌い、20年前のような盛り上がり。この幸せな雰囲気こそが彼らのライブの真骨頂だ。
この日も「Everything Flows」のスロー・バージョンでお開き。なんなのだろう。この曲の魅力は。心を中をかきむしられるような感動が襲う。最後のレイモンドとノーマンのギターソロで涙が頬をつたう。改めてこの日に思った。「Everything Flows」は私の人生最後に聴きたい曲であると。TFCのように年を取っていきたいと。そして、TFCは不動の心のベストテン第1位バンドであると。



(00:52)

2017年02月26日

小沢健二新譜中古問わず、CDを買うこと自体が少なくなっているなか、小沢健二のシングルCD「流動体について」を発売日に買った。シングルCDを発売日に買ったのはいつ以来だろうか?と、思い出せないくらい久しぶりのことだった。
小沢健二に関して、私は遅れてきたファンだ。王子様全盛期をリアルタイムで知ってはいるが、当時は恥ずかしくて聴くことができず、隠遁生活に入る少し前、『球体』のアルバムやシングルを細かくリリースしていく辺りから気になり出し、後追いでそれ以前のCDを集めた。聴けば聴くほど、彼の音楽性や言葉にはまりファンとなり、全盛期のライブを体験できなかったことを悔やむばかりだった。
それゆえ、2000年のツアー再開の報は歓喜し、入手困難のチケットは意地でゲット、横浜とNHKホールのライブを見ることができた。いまだに自分の見た日本人アーティスト最高ライブはNHKホールで見た小沢健二だ。その後も初台で一度、昨年のZEPPも抽選でチケットを当ててみることができた。
今回リリースされた新曲は昨年のツアーでも披露されていた曲。でもほぼ記憶になく、CDで聞いても思い出すことができなかった。ほかにいい曲があったんじゃなかったかと思うほど。しかし、この曲は聴けば聴くほどにいろいろなことを考えさせられる。「流動体について」というタイトルがまず不明だし、歌詞は言葉だらけで、その数に圧倒される。同じフレーズが二度出てくることはほぼなく、ありがちな、というかヒット曲のセオリーである言葉のリフレインが一切ない、フォークではあるかもしれないけど、ポップ音楽では珍しい。これじゃ、シンガロングできないし、カラオケでも歌いづらそう。独自の表現方法に驚かされた。
その内容は、男性が妻と思わしき女性、その子供を連れてかつて自分が住んでいた東京に戻り、自宅へ車で向かう途中、元カノが住んでいたマンションの近くを車で通るとき、「もしも間違いに気が付く事が無かったのなら」と自分に問いかけ、今の心情を吐き出していく。あれ、この元カノは「ぼくらが旅に出る理由」に出てくるニューヨークに行ってしまった彼女なのではないか。いつの間にか立場が逆転した二人、「ぼくらが旅に出る理由」から20年後の歌なのか、なんてことを妄想していたら、Mステで新曲と一緒に歌ったのは「ぼく旅」だった。妄想こそポップスの醍醐味。久々に素敵な曲を聴いた。
今夏、フジロックに出て、去年のツアーでやらなかった「ブギーバック」もやるとのことで、非常に気になるけど、もはやフジに行く体力はなし。また都内でライブをやってもらえないものか。



(22:46)

2017年01月28日

nintchdbpict000296048319-e1485019497443先日のプレミア・リーグストーク戦でウェイン・ルーニーの決めたゴールがユナイテッド通算250ゴールとなり、ボビー・チャールトンの数字を抜いて歴代最多得点となった。100年を超える歴史をもつクラブの記録を更新した、と言う意味で大変な偉業である。そのゴールをリアルタイムで見ることができたことに感謝したい。そして、ルーニーにおめでとうと心から祝したい。
記念すべきゴールは、試合終了間際に生まれた。負け試合をドローにした価値あるゴールは、ルーニーここにあり!を証明する実にドラマティックかつファンテステックで、昨今指摘されるプレイの衰えをまったく感じさせない見事なものであった。ルーニーというフットボーラーを象徴し、代表するゴールの一つだったといっても過言ではない。思わずテレビの前で歓喜してしまった。同時に、ルーニーが自分にとっていかに重要で特別な選手であることを改めて再認識した。なぜなら、その250という数のゴールのほぼすべてをリアルタイムでテレビを通して見てきたから。足かけ13年、そんな選手はルーニーが初めてである。ベッカムやロナウドもデビュー時から見ているが、その数はルーニーに遠く及ばない。自分のユナイテッド・サポーター歴はルーニーとともにあると言っても嘘ではない。
最初にルーニーの存在を認知したのは、ユナイテッド移籍前のエバートン時代、彼がまだ16歳くらいの時。いきなり当時無敵のアーセナル戦に先発して、強烈なゴールを叩きこみ、鮮烈なデビューを果たした。早く、上手く、強く、気持ちが入ったプレーは、まさに神童と呼ぶにふさわしく、その後すぐに代表に招集され、ユーロでも活躍を見せ、一躍プレミア・リーグのブライテスト・ホープとして注目を集めることになった。彼の才能はユナイテッドでこそ花開く、と勝手に信じこんでいた04年夏、噂通りユナイテッドにやってきた。移籍期限ぎりぎりでの契約だったものだから、その数日間は、ネットを見ながら、いまかいまかとやきもきしていたことを思い出す。あれから早13年、多くの感動を見せてくれたルーニーの年齢も30を超えた。限界説も流れ、いまや先発を外れることも多くなり、起用されたときのポジションもFWであることは少ない。それでも、ユナイテッドの中心はルーニーであると信じたい。イングランド代表もしかり。繰り返すが、記録更新の記念すべき250ゴール目はトップ10に入るくらいのビューティフル・ゴールだった。



(00:16)

2016年12月31日

xlda790-radiohead2016年も残すところわずか1日。総じて良き一年だった今年をベストアルバムとベストライブで振り返ってみる。もう何年も前から数えられる程度の枚数しかCDは買わないし、ダウンロードはまったくしないし、サブスクリプションで音楽を楽しむこともしない。ただ数年かけて貯め込んだ膨大のデータからiPodClassicに入れて音楽を聴くのみとなっている。なので、ベストアルバムといっても、イコール買ったCDにすぎないのだが、10年続けていることなので、考えてみる。
今年のベストアルバムはレディオヘッド「ア・ムーン・シェイプト・プール」に尽きる。やはりこのバンドは自分にとって最も重要な存在だ。今回も期待以上のアルバムを届けてくれた。陰影をもった内省的なボーカルが心に沁み、繊細に作り込まれた密度の濃いサウンドが五感を刺激する。とくにアルバム1曲目の「バーン・ザ・ウィッチ」は、もし、いまビートルズが存在していたなら、こういう曲をやっていてほしいと妄想させた、文句なしの今年のベストソング。ベストライブも、8月のサマソニで見たレディオヘッドで決まり。ライブバンドとしての全盛期だった2004年のサマソニには及ばないものの、あんな地味なアルバムをスタジアム・ロックとして5万人以上の観客に聴かせた力量に感服、音のクオリティもものすごかった。他のバンドの追従を許さない表現の高みを見せつけられた。誰も付き合ってくれる人がおらず、ひとりで参加したサマソニだったけど、そんな退屈も心配も彼らがステージに出てきた瞬間にすべて吹っ飛んだ。
今年聴いたアルバムは、ほかにティーンエイジ・ファンクラブの「ヒア」。彼らも20年以上にわたって支持しつづけている信じられるバンド。解散せず、活動を続けていると聞くだけで得をした気持ちになる。7年ぶりのアルバムは前作以上に地味だったが、聴くたびに味が出て、気分をほっこりさせてくれた。来年3月の来日が今から楽しみ。邦楽では堀込泰行の「One」。シンガーソングライターとしての方向性を多種なアレンジで聴かせてくれたが、根本にあるメロディメイカーとしての資質とナイーブな作家性に改めて好感をもった。12月のライブも素晴らしかった。
CDは買わずとも、行きたいライブへは多少無理をしてでも出かけた中で、印象に残ったのは4月のブライアン・ウィルソン。「ペット・サウンズ」完全再現よりも、最後に歌った「ラブ・アンド・マーシー」に涙が出た。また6月の小沢健二も、懐かしい曲だけでなく、新曲も心を打ち、この人のポテンシャルの高さを実感。あの新曲は音源化しないのだろうか。来年、出るのか期待したい。一方、ともにマンチェスター勢のストーン・ローゼズとモリッシーの公演キャンセルにがっかり。残念だけど、もうモリッシーのライブを見ることはないような気がする。
映画、書籍は該当なし。仕事ばかりしているのではなく、スマホばかりいじっているのではなく、もっとそういうことに目配りをしなければと自分を戒めるこの年末。最後に、長年にわたるマイ・ヒーロー、ボウイとプリンスの急逝に心が痛んだ。




(00:21)

2016年12月28日

oasis最初にオアシスのヒストリー映画が公開されると聞いたとき、正直まだ早いのではないかと思った。ブリット・ポップの興亡を描いたドキュメント映画『リブ・フォーエヴァー』を見たときもそう感じたし、アルバム『ディフィニトリー・メイビー』の10周年DVDが出たときも同じことを思った。ノエルよ、なぜ過去を自己完結させ、歴史にしてしまうことを急ぐのか、と不思議に思っていた。しかし、考えてみたら解散から8年近く、デビューからは20年超と聞くと、そういう作品が作られてしかるべきなのではないかと考えを改めた。ビートルズもデビュー20年を超えたあたりで「コンプリート・ビートルズ」が作られたし、ストーンズも25周年で「25×25」が作られたし、ザ・フーはもっと早い段階で「キッズ・アー・オーライ」を作っている。他人に事実を脚色や歪曲されない前に自分たちで事実を語り、都合のいいようにヒストリーものを作っておくのがいいのかもしれない。
そんな複雑な思いを胸に見た「スーパーソニック」。結論を先に言えば、かなり面白い映画だった(マイ・フェイバリット・ナンバーである「スーパーソニック」をタイトルにしたのも好感)。かつて、ものすごくオアシスにはまっていた自分を思い出すとともに、もうあれほど熱をあげるバンドは現れないのではないかと、時間の流れを実感した。彼らのファンになったのは『ディフィニトリー・メイビー』が出た少し後、『モーニング・グローリー』の前の一連のシングルが出ていた頃、「サム・マイト・セイ」「ロール・ウィズ・イット」にノックアウトされた。ノエルの書く曲にレノン=マッカートニー、リアムのボーカルにジョニー・ロットンを感じ、これはただ事ではないと、自分の中UKロックファン心に火が着いた。それが決定的になったのが『モーニング・グローリー』で、このアルバムは何度聞いたか分からないし、その後に出たビデオ『ゼア・アンド・ゼン』も何度見返したことか(今でもあのライブビデオは素晴らしいと思う)。ひとりでギターで弾き語りした曲も数えきれないし、彼らの影響でアンブロばかり着ていた時期もあった。とにかく大ファンだった。来日公演は二度目の来日の武道館を2回、フジロック、横浜アリーナ、サマソニと見たが、そのあと徐々に興味は薄れて行って、アルバムを買うこともなくなった。09年のフジは見たことは見たが、それはあくまでもポール・ウェラーのついでであって、しかも雨も凄くなったので途中で退散してしまった。今思えばあれが最後のライブだったのに……。
映画のほうも、解散までは描かずに、バンド結成から96年の『モーニング・グローリー』とネブワースまでで終わり。『ビー・ヒア・ナウ』はさわりだけ。きっと、本人たちもスタッフも、ここまでが全盛期と捉えているのだろう。その割り切り方が潔い。映画を簡潔にしている。熱心なファンには肩すかしかもしれないが、そのかわり、結成から96年の足跡はとても濃い。いくつもの偶然がバンドをブレイクに導いていく過程がまさに波瀾万丈のサクセスストーリーで、引き込まれていく。
知らなかった事実も多く、アルバム『ビー・ヒア・ナウ』収録の「オール・アラウンド・ザ・ワールド」がバンド結成最初のセッションで演奏されていたとか、アメリカツアーの途中でノエルがいなくなったとか、ベースが一度抜けてまた復帰していたとか、しかもそれらが証言だけではなくちゃんと映像で残されていることに驚いた。こうして日の目を見ることが最新から分かっていたかのようだ。また、最後のネブワースのライブも迫力満点で、思わず興奮してしまった。この映像、ビートルズ『エイト・デイズ・ア・ウィーク』のときのシェア・スタジアムのように、別に上映すればよかっのに。DVDにボーナス映像で付けてもらえないだろうか。
前述したように、あれほど熱をあげるバンドは、もう自分の前に現れないだろうし、あんなに度を超えたバッド・ボーイ・バンドも今後この世に現われないのではないか、それくらい旧来のロックンロールを体現した貴重なバンドだったんだなと思わせた。94年から96年までのオアシスは世界で一番素晴らしいバンドだった。




(22:36)

2016年12月25日

beatles-live-at-hollywood-bowl-cover-0909162016年のビートルズの新譜「ハリウッド・ボウル」を年内に聴くことができた。わたしがビートルズ・ファンになった1980年以来、愛聴盤として日常的に聴いてきたので、今さら名ライブ盤といわれるまでもないのだが、ようやく正規CDとしてリリースされたことは、遅ればせながらも、素直に嬉しい。
ジャケを替え、収録曲を追加し、77年盤のイメージを一新しているのだから、曲順もいじって新たに作りなおしているのか、と思ったのだが、追加曲はボーナストラック扱いで、基本は77年盤を尊重している。息子ジャイルスが父ジョージの仕事に敬意を払っているようす。だが、個人的には、新しい「ハリウッド・ボウル」を作ってほしかった。
とはいいつつ、一聴したときはサウンドも77年の音をリマスターしただけかと思ったものの、何度か聴いていると、一つひとつの楽器のクリアになり、各ボーカルに深いエコーがかかり、ライブ盤としての迫力や臨場感が増していることが分かった。とくに「ディジー・ミス・リジー」や「ハード・デイズ・ナイト」でのドスの効いたジョンのボーカル、「ロング・トール・サリー」や「ハード・デイズ・ナイト」のサビのポールの絶叫、「ロール・オーバー・ベートーベン」から「ボーイズ」にかけてのリンゴの激しいドラムなどが強烈。観客の歓声も幾分大きくミックスされているようだ。当時の観客の興奮、狂乱の様子が手に取るように伝わってくる。こんな凄いライブを生で見たら、頭がおかしくなっても仕方ない。
ボーナストラックの4曲は本編と明らかに音質が異なり、これを本編に入れると違和感が出るだろうから、この判断は正しかったが、一方で、「ハード・デイズ・ナイト」(ブルーレイ)にあったような、ジャイルスの手抜きも見受けられる。77年盤ではちゃんと聴こえる「チケット・トゥ・ライド」のジョンの歌い出しが、聴きづらくなっているのはどうしたことなのか。ブートのものよりも聞こえづらいのだから、明らかにミス。「今日の誓い」の歌い出しも、どうにかならなかったのか。また、CD化されると聞いたときから気になっていたアナログのA面とB面の境である「ロール・オーバー・ベートーベン」と「ボーイズ」の曲間は、「ロール・オーバー・ベートーベン」後の歓声をばっさりカットして、間髪入れずに「ボーイズ」につないでいる。ちょっと雑。逆に今まで聞こえづらかったMC(「シーズ・ア・ウーマン」と「ディジー・ミス・リジー」の間)が聞き取りやすくなっていたり、ジャイルズの仕事のムラは相変わらず。きっと近いうちに出るだろう映画「レット・イット・ビー」及び「ゲット・バック・セッションズ」の仕事に不安を覚える。ホントに出るのか、「レット・イット・ビー」。生きているうちに出してほしいが。





(10:17)

2016年12月18日

20160711131009この一カ月ほど、ティーンエイジ・ファンクラブのアルバム『ヒア』ばかり聴いている。というよりも『ヒア』しか聴いていない。するめ的味わいとはよく言ったもので、何度も聴くたびに味が染み出てくる秀作である。ティーンエイジ・ファンクラブはUKのギター・ポップ・バンドゆえ、ギター・ポップのカテゴリーに入るのだろうが、けして、これは大衆に受けるポップ・アルバムではない。全編が地味で渋く、ティーンエイジというバンド名とは裏腹に、いまのティーンエイジャーが楽しめる要素は少ない。しかし、それが良い。オールド・ファンとしては、そこがたまらない。『バンドワゴネスク』から25年も聴いてきた彼らの今を感じ取ることができるところに、ホッとし、感動してしまう。
わたしのフェイバリットは前作の『シャドウズ』である。ギターポップの傑作といわれる『バンドワゴネスク』や『グランプリ』ではなく、文句なしに『シャドウズ』を推す。大名盤かといわれるとそこまでではないかもしれないが、哀愁あるメロディ、優しいボーカルとコーラス、味わい深いギターソロなど、酸いも甘いも噛み分けた人たちが自然体で音楽に向き合う姿勢に心を打たれた。泣けた。ずっとついてきてよかったと思わせた。でも、このとき、まさか、『バンドワゴネスク』や『グランプリ』を凌ぐアルバムが出てくるとは思いもしなかった。現在進行形のバンドではあるが、傑作は過去の中にあり、ときたま新譜を出して、思い出した頃に来日してくれればいいくらいに思ったところの『シャドウズ』だったから、そのクオリティにものすごく驚いた。
あれから7年だそう。このアルバム『ヒア』は『シャドウズ』からさらに渋く円熟味を増したサウンドになっているが、あれから7年経ったと言われればそうなのかもしれないし、『ヒア』は5年前に出たアルバムだと言われれば、そう納得してしまいそうでもある。つまり、変わらない。このアルバムでいちばん好きな曲は7曲目の「The First Sight」である。ジェラルドらしい優しいメロディが印象的。静かに始まり、徐々にテンポを上げていく、彼らが得意とする曲調の、ギターソロの最後のパートのところで「エブリリシング・フロウズ」を思わせるフレーズが出てくる。以前のような轟音サウンドは影を潜めてしまっているが、このギターにかつてのティーンエイジ・ファンクラブの片りんを感じずにはいられない。「エブリリシング・フロウズ」を人生の1曲としている身としては、思わず胸に熱いものがこみ上げてきてしまう。
好きなバンドはビートルズだが、現役バンドではティーンエイジ・ファンクラブと言ってからすでに25年くらいが経つ。来年には久々の来日公演が控えている。もちろん2日とも参加し、いまの「エブリリシング・フロウズ」を聴きたい。





(16:50)